2009年10月

2009年10月31日

日本理化学工業とメガネ21

日本理化学工業メガネ21。 どちらも人事面で一つの極みを教えてくれる素晴らしい会社。

Googleやバークシャー・ハサウェイやGEやトヨタやホンダや任天堂のような意味での素晴らしい会社ではない。 全く別の切り口で極まった会社である。 顧客を食い物にすることも株主に対する背任をすることもなしに従業員を幸せにする。 メガネ21の方は会社のウェブサイトでも手の内を具体的に明かしている。

どちらも独自性が素晴らしく、競争上の物凄い強みを持ち、競争面以外でも異常な強みを持っている。 巨大企業や平凡な企業では真似できないことを実践し続けている。 外部の投資家の立場からすると魅力的な会社ではないと思うが、それでも、尊敬できる会社である。 学ぶべき会社である。
日本理化学工業。 チョークメーカー。 従業員の7割が知的障害者。 それでいながら業務が回り、良い製品を出す。 ミラクルである。 オーナーの度量、ラインや命令系統の工夫、人を生かすことの極み。
メガネ21。眼鏡屋。 少し違うけど大雑把に近似すると、従業員とオーナーが高度にかぶる形式。 いい加減な成果主義や俗物の建前なんてものとは無縁の会社。 ステークホルダーを幸せにすることに特化している。 利益相反や不毛な駆け引きを排除する仕組みがすごい。 徹底した情報公開によりゲーム理論的なややこしさが社内から駆逐されている。 モラルハザードや逆選択やゆがんだ競争がない。 当然儲かる。 従業員は充実感と高い給料を得る。 こちらも人を生かすことの極み。
事業内容によっては学べても真似するのが得策ではないことは多々あろうが、原理的に他の会社ができないような秘密はない。 多分最も本質的なことは三つだけ。 (1)出世して他人に危害を加えて偉ぶるインセンティブを徹底的に駆逐すること。 (2)オーナーもしくは社長が、横並びではない判断ができるという面で傑出していること。 (3) 隠すことにコストをかけないこと。

大抵の会社でも、具体的な方策は別として、可能なことだろう。 いったん上層部のクビを切る事さえできれば。

日本でいちばん大切にしたい会社日本でいちばん大切にしたい会社
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2009年10月30日

TBSの番組で筑波大学が糞だって趣旨(捏造事件の捏造をやった旨)の特集をやっていた

2009年10月24日のTBSの夕方の報道番組かなんかで「筑波大学がいかに腐っているか」という特集をやっていた. 報道の表面は,
  • 物理の長照二教授らが論文のデータを改竄して発表し,大学が出した論文の取り下げ要請に応じなかった. そんでもって懲戒解雇.
  • 不服として長教授らが訴訟を起こした.
というもの. 今更ながら初めて知った. そんで,件の番組で流れた詳細情報によると,
  • 学会(一流学会らしい)も世界中の物理学者も 「捏造はなかった」 と証言しているらしい.
  • 筑波大学が「捏造だ」と判断した正当な根拠は,実質的に「ない」. 計測誤差部分の値を完璧に再現できなかったから元のものが捏造だということだそうな. 「サイコロの目の出方が,平均すると論文に載った実験と検証実験では同じく3.5付近だが,厳密には論文に載ったときの3.4998764ではなかった」という理由で捏造だと判断したと受け取れた。
  • 何故か論文に掲載したグラフの元データが消えているらしい. しかも,TBSが行った調査結果(当事者への聞き取り) によると,「大学が行った調査結果」に含まれる「証言」は「虚偽」もしくは「捏造」ということである. データを消したとされる当事者本人へのインタビュー結果と真っ向から対立している.
  • 長教授のグループの実験データの保存状態はびっくりするほど杜撰だったそうな. なんでも学生が使っているパソコンのハードディスクのみに保存されていたとか. これはこれで叩かれてしかるべきだろう。 だけど,再現実験をやって結果を出しているんだから,捏造を問われる問題ではなかろう.
  • 筑波大学では、論文の内容の正しさを上層部で判断するそうな。 本来なら、机の上や頭の中や実験室が最初で、次に学会での査読や討論や追試が行われ、とりあえず正しそうだと判断され、時を経ることによって信頼性が高まったり反証されたりするんじゃないの?
TBSの取材結果を真っ向から信じるつもりはないが,筑波大学が出している文章と比べるとTBSの取材の方が具体的だし情報を表に出そうとしている. 後日(2009/10/28)筑波大学のページでちょっとだけ探してみたが、「報道内容は事実ではない」の旨の記述はすぐには見つからなかった。 ネットで検索して関連分野の識者っぽい人の文章を読んでも印象は同じ.

僕には、何らかの理由で長教授を潰したかったというのしかわからん. そして、その理由がデータ捏造以外であるという印象を受ける. 長教授がどんな人なのかは知らない. 素晴らしい人なのか, マッドサイエンティストや専門バカなのか, ただの腐った人なのかはわからん. 分かるのは,筑波大学の行動がものすごく不自然だということだけ.

で,筑波大学が特別なん? 訴訟ざたにならずに注目されないだけの事件ってないん?

教えて偉い人。

ichonan at 00:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 時事・ニュース 

2009年10月29日

竹中平蔵の凄いところ

大臣や議員を辞めてからも活躍中の竹中平蔵の凄いところをつらつらと書いてみる。 キャラとしては好きなタイプではないが、その辺は無視して。
  • マスメディアやブログで批判や悪口を言われたりする場合や, 政治家の口から批判や悪口が出るときに,その9割方が,事実に反する批判や悪口であったり竹中のせいではないことに対する批判であったりすること. 典型的には,市場原理主義とか地方切り捨てとかいう言葉で述べられる批判がこれにあたる. 確定的な悪意に基づいてこの手の批判や悪口を言うのは(関心しないが)利害関係からしてわからんでもない。 それ以上に、その批判や悪口を真に受けて感化される人が少なからずいそうなことが気になります。

    まともな批判や悪口というのは, 「小泉が降りたからといって途中で議員やめんじゃねー.無責任だろ.」 ぐらいしかマスメディアやウェブでは見聞きしない.

    政策の良し悪しは議論の余地があると思う. 例えば,財政出動というのはリチャード・クーが言うようなのはダメダメだけど,仮に上手に(効率的に)できるならば,景気浮揚の効果だけでなくって将来の国債の発行を大幅に抑制する効果もあるだろう. ちなみに僕は,今の日本政府では効率的にはできないと思う. 郵政に関しては,全部国営や一括単純民営化は論外だが,郵便は民間の参入を許可した上の国営で残りは分割民営化とか,郵貯と簡保は地域分割をするとか,そのような案は改革のスピード以外の点においては竹中案よりもよい可能性はあろう. でも,マスメディアに載る竹中と対立する意見というのは,大抵は,話す側の経済学者やエコノミストや政治家が事実も経済学も実体経済も無視しているので議論にならないのである. ひどいのになると,「竹中は経済学者だから実体経済を知らないはずだ」「オレは経済学を理解する頭を持っていないから実体経済を知っている」「オレは頭が悪いから頭の良い竹中とは違って分別がある」 ってなのまである.

  • テレビで討論(?)を行うときに,説得すべきなのは討論相手や司会者ではなくって、平均的以上の知的水準の視聴者だということをわかっていて,そのための態度をとっている. 例えば,討論相手が無知で無恥であることを自らさらしているときには,事実関係の嘘の指摘と論点をずらしたことの指摘以外は黙っていることが多い. 2009年10月25日の大塚耕平相手なんてその典型だろう。

    この態度をとれる人って意外と少ないのね. 冷静さが要求されるし,討論の内容以外にも気をつかわなければならないので討論の内容自体は片手間で片付けなければならないし. このあたりは小林よしのりや田中康夫や櫻井よし子も近いかな.

  • 父親の思い入れが強そうな名前。
そんな彼が何であれほど悪口を言われるかというと、やっぱり、「隠しているその手を見せてみろ」なんてことを平気で言うからでしょうな。「情報を公開しろ」や「虚偽の情報に基づいて議論すべきではない」からスタートするんだけど、向かっているのは「隠しているその手を見せてみろ」というとこりにあるんだと思う。 当然、事実が正しく伝わったらまずい人には嫌われるだろうし、そんな人が竹中の悪口を言っているのをテレビで見て「悪口を言われているから竹中は悪い奴だ」なんて思い込んじゃうアホにも嫌われるだろう。

ichonan at 07:28|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 他人向け・読者用 | 時事・ニュース

2009年10月28日

急にアクセスが増えたので神戸市長選挙の結果を調べてみた

元は2009/10/27。2009/10/28に件のサンプロの残りを見た後で末尾に大塚耕平というお爺ちゃんのことを追記。

2009年10月25日と26日に急激にアクセスが増えたのでログを見てみると、どうやら これへのアクセスが集中していたようだ。 そういえば25日が投票日だったのね。 アクセスが急に増えて少し嬉しかったので少々調べてみた。

神戸市長選挙で現職の矢田立郎氏が3選、無所属の新人の樫野孝人氏は善戦したけど負けた。 共産党の候補は全国どこでも似たようなものだろうけど、一定の票を得て落選。 詳細は神戸市選挙管理委員会を参照。

日本共産党、松田たかひこ、61,765票。 無所属、矢田たつお、164,030票。 無所属、かしのたかひと、156,178票。 決選投票を行う制度だったら確実に樫野氏が当選したであろう結果。 僕は首長選挙は決選投票を行うなり、第3希望まで書かせて簡易決選投票をやるなりした方が民意が反映されると思っている。 大統領選挙でも首班指名投票でも同じ。 共産党はこれでよかったと思っているんだろうか。 各区別に見ると、灘、東灘、中央、須磨のような、金持ちや若い人や文化を担っている人が多そうな地区では樫野氏が勝っている。 単に演説場所としてどこを選んだかの違いかもしれないけど。

このページ上部のリンクのエントリーを書いたときにはこの選挙に興味を持っていた。 でも、民主党が地方分権とか言いながら矢田氏を支援したり、首長連合がほのめかしながら結局は樫野氏を(たぶん)支持しなかったり、マスコミがほぼスルーしたりという理由で、矢田氏が圧勝するんじゃないかと予想して興味を少し失っていた。 保守的というか役人が支持される地盤、テレビ局がまともに取り上げないから現職が実質的な選挙運動の量で圧倒的に有利、民主党も首長連合もあの体たらく。 投票率は言うまでも無く低め。

そんで、蓋を開けてみてビックリ。 メディアがちゃんと取り上げていたりネットでの選挙運動が許可されていたりしたら樫野氏が確実に当選したと思える票の差ではないか。 いくら現職市長がダメでも、神戸という保守的な土地で、今の選挙制度で、現職がバブル的な人気の乗っている民主党の支援を受けているのに僅差ではないか。

何でワンサイドゲームじゃなかったのか。少し理由を考えてみる。 なるほど、直前に日本郵政の西川社長がクビになって渡りの役人が社長に内定したってニュースが出てましたね。 要するに、「天下り根絶」ってのは大嘘か亀井静香の機嫌をとるためなら曲げてもよい程度のもので、財政投融資という税金の無駄遣いの温床を強化する方針のようで、国が100%の株式を持っていようとも一応は株式会社になった日本郵政のガバナンスの仕組みを無視するのも平気で、鳩山総理の意向なんてどうでもよく小沢一郎の言いなりだというニュース。 民主党のインチキ具合を表に出すニュース(自公政権が続いた方がよかったという意味ではない)。

録画しただけでちょっとしか見ていないけど、投票日の25日の朝のサンデープロジェクトで民主党の大塚耕平っていう人がこの件に関して馬鹿なこと言って竹中平蔵と榊原英資と田原総一郎に馬鹿扱いされていましたね。 竹中平蔵は大塚に自由にしゃべらせれば視聴者は大塚の主張が支離滅裂だということに簡単に気付くという判断だったのだろう。 事実関係で大塚が間違いを言ったときと重要な点を隠したときぐらいしか突っ込みを入れていなかった。 榊原英資にいたっては竹中よりもわかりやすく、最初は弁護していたのに途中から愛想を尽かしたという感じ。 竹中は民営化しようという主張、榊原は国営化がよいという主張。 大塚は、竹中の質問に答えず、弁護してくれている榊原の話を遮り、あまつさえ、発言の内容が支離滅裂で要約が難しいんだけど、「民主党は郵政のマトモな民営化をやる。民主党が言う民営化とは国有化のことだ。」「天下り根絶を謳いながら渡りの役人を選ぶことは大した問題ではない」と理解できる主張をしていた。 サンプロだけで大きな影響があるとは思わないけど、他の番組にもこの人が出て色々しゃべっていたら、民主党の支援を受けている候補者の印象を悪くする効果は結構大きかっただろう。

なるほど、これらが選挙結果に影響したのか。

民主党は分かっているんだろか。 下手したら次の参院選負けるよ。 自民党やみんなの党や特捜検察に負けるんじゃなくって、自爆で負けるよ。

(2009年10月28日に追記)
徹夜でドタ作業をやりながらサンプロの残りを何となく見る。 郵政関係の残り部分の感想。 大塚耕平があきれるを通り越して面白すぎる。

竹中「あなたの言っていることは事実ではありませんよ。」
大塚「事実ですよ。さっきのグラフを出してください。」
 竹中が口頭で説明している間にグラフが書かれたボードを田原が取り出す。
一同「(おいおい、竹中の言う通りじゃないか)」
大塚「私の言った通りじゃないですか」
一同「(ぽかーん)」
 榊原が慌てて遮って話を終わらせようとする。

竹中「密室で行われたのが大問題だ」
大塚「密室じゃありませんよ」
竹中「議事録公開してないだろ」
大塚「...........」

正確な字面までは確認せずに書いているけど、大体はこんな感じだった。 たぶんYoutubeなどの動画投稿サイトに上がっているだろう。 知識不足な上に思考の訓練もできていない人が自分の無知に気付かないとこんなことになるという典型的な事例。 加藤紘一がVTR映像に向かって、”VTRの中の相手が目の前にいるかのような感じで”反論を始めたとき以来の衝撃を受けた。 「大塚耕平」、僕の嫌いな政治家リストに追加。 民主党の場合は野党時代から表に出ていたわけじゃない部分が表に出て人材不足が露呈するのは予想していたが、ここまでの逸材がいたとは想定外だった。 全盛期(議員をやめるちょっと前)の永田寿康を思い出してしまった。

榊原さんってどうなんかね。 普通にアホって人とは違うのはわかるが、あの程度なら僕のほうが知識はたぶん上だろう。 原田泰氏の本で批判されている、法廷弁護士のような真似をする経済学者ってところなんだろうか。 そうならば、実際には詳しいという可能性は残る。 決して立派な態度だとは思えないけど。

奇妙な経済学を語る人びと―エコノミストは信用できるか奇妙な経済学を語る人びと―エコノミストは信用できるか
著者:原田 泰
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ichonan at 04:48|PermalinkComments(0)TrackBack(2) 時事・ニュース | as 民主主義社会の市民

ちょっとしたノウハウのカテゴリーでも作るか

ちょっとしたノウハウのカテゴリーでも作ろう。 備忘録とか思考実験とかでまとめておくと量が増えすぎそうだし、ノウハウでまとめておくと見直しもしやすいし。

こうすれば効率化できるっていうノウハウはけっこう知っている。 当り前のように僕自身が実践しているためにそれほど意識していないものもあれば、意識できることはあるけど習慣になっていない上に普段から確認しているわけでもないので非効率なままのものもある。

他人や制度を見てもアホ臭いと思える言動は多い。 これはノウハウの問題よりも誠実さに欠けていたり頭が悪すぎたりすることが多いんだけど、中にはノウハウで片付くこともある。

自分にとって身につけるべきことという視点と、僕はできているけど周りにはできていない人が目立つという視点でまとめてみようか。 今までに書いたエントリーに関しても、書き換える機会があったときやカテゴリー分けが気になったときに、カテゴリーを変更しよう。

ichonan at 00:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) ちょっとしたノウハウ 

2009年10月23日

エコカー補助金がやっと入金された

2009年10月20日にエコカー補助金の10万円がやっと入金された. 新車を買ったのが,手続きの関係で微妙だが,7月末か8月頭なんで二ヶ月半以上かかったことになる.

自動車(軽自動車は別)というのは購入に印鑑登録が必要な類のもので書類関係が結構きっちりしているんだから, 権限移譲や手続き委託をやっても不正は起きにくい. 補助金関係の審査業務は社団法人にやらせるんじゃなくってディーラーに任せた方がコストもかからないし早く手続きが終了すると思うんだけど,どうだろう. そうはなっておらずに時間がかかった. 時間に関してはかかりすぎ. 事務処理コストはわからん. 情報がない.

事務処理コストがどれだけかかっているか信頼できる数字を出してほしいもんだ. 次世代自動車振興センターってのがどんな団体なのか,役員に天下り役人はいるのか,知りたいもんだ.

もっとも,この件は,購入後すぐにディーラーから補助金を受け取る形だと,どこまで割引でどこまで補助金なのか分かりにくくなり,消費者が自動車の割安度を判断する情報がボヤけてしまうという問題がある. 心理的にも「割引」よりも「補助金」を喜ぶ消費者は多いだろう. だから,景気刺激策としては少々待たせてでも割引の形をとらせずに後で入ってくる補助金という形にして正解なのかもしれない.

ichonan at 00:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 極めて個人的なこと | 時事・ニュース

2009年10月22日

菅直人副総理とタバコ税・橋下徹大阪府知事の職員の処分・鳩山内閣の大臣

時事関係を少々.

( 菅直人とタバコ税 : 菅副総理 たばこ税は「欧米並みに」, MSN産経ニュース, 2009/10/20)
副総理の菅直人がタバコ税を「健康のために」欧米並に上げようと言っているらしい. 僕はタバコ税の大幅増税には賛成(ちなみにヘビーじゃない喫煙者)なんだけど,それは健康うんぬんの話ではない. そんなことまで口出しするな. 「医療費抑制のため」というなら,効果はほぼゼロだろうけど,建前としては少しはわかる. 僕はタバコが健康にいいと言うつもりなんて毛頭ない. 昨今のタバコ抑圧ヒステリーの結末と比べるとタバコの方がずっと健康にはよいだろうぐらいに思っている.

何で「税収アップのため」とか「アホな有権者の支持を集めるため」とか言わないの? 正直さも期待されているんだから正直になろうよ. まあ,後者は言えないだろうが.

( 橋下徹大阪府知事の職員の処分 : 大阪府:「知事、愚痴はブログで」職員がメールで批判 橋下知事が処分へ, 毎日新聞, 2009/10/08 )

大阪府の橋下徹知事が職員が書いたメールの態度が悪いからと言って,その職員を処分するということらしい. 全文を見てないけど,ニュースで引用を見る限り特に問題のある文面だとは思えない. ニュースを見る限り,この文面は「単なるフィードバック」である. 無視するか感謝するのが筋だろう.

この件は結構重要であって,こんなことをやっちゃうと,知事に情報が上がってこなくなる. 橋下氏に最も期待されているであろう,情報公開や改革を阻害する行為を知事自身がやってしまっている. 知事が信頼されなくなる. 主観が入った情報を上げると処分されるなんてどこの組織だよ. 口調や文体に関しては,公の場でのやりとりなら体裁も重要だろうけど,知事への私信や内部限定の情報だったら全く問題なかろうに. 問題なのは処分を決定する側の器だけだろうに. 橋下さん,知事が行うべきミッションを忘れていないかい. 橋下氏には期待しているだけに,副知事などのブレーンの質に問題があるんじゃなかろうかと心配になってくる. まあ,隠れて職員に嫌がらせをしたりこっそり処分したりするような末期症状と比べるとずっとマシだけど.

この件に関しては「上司にそんな態度をとる会社はない」「常識がない」なんてコメンテーター連中が言ってるけど,やっぱ視野がせまいのかなぁ. 「常識がない=旧態依然ではない」という意味なんでしょうか. 処分される職員は大阪府の利益と対立することをやったわけではなかろう. 有権者と敵対したわけではなかろう. 橋下氏に進言したとされる民間出身の副知事に対するおべっかをしなかっただけだろう.

「上司」なんて命令系統を表す記号にすぎないんだから,敬う必要はない. 組織の命令系統が機能していればよいのである. 敬うかどうかなんて自治体(会社)の利益や自分の利益を考えて判断すればよいのであって,上司の機嫌なんてものを直接の目的にしてはならない. 「しなくてもよい」ではなく「してはならない」. よっぽどの特殊事情がない限り,制度として敬われることを求める人間に地位を与えてはならない. 上司を敬うことが要求された組織って,きっと,そんな人が出世して上司になるんでしょうね.

ちょっと補足しておくと,橋下氏の場合は上司や社長の立場ではなく,代表取締役の立場に近い. 要するに従業員ではなくって有権者の代理人であるわけだ. だから,知事の純然たる悪口を言うことに関しては問題にしてもよい. だけどさ,今回のは悪口でも何でもなく「健全なフィードバック」のようだ.

( 鳩山内閣の大臣 )
民主党(+α)政権ができて一ヶ月. 静香ちゃんは予想通り暴走. 瑞穂ちゃんは僕の最初の予想よりもずっとマトモ(これから?). 期待していた菅直人の影が薄いのが心配だ.

今まで万年野党だったわけだから,閣僚の中には「この人誰?」って人が多い. 野党のうちに表に出てくる人は党内では優秀な人に偏っているだろうから,政権をとった後では野党時代と違ってダメな人も目立つようになると予想していた. 最初の予想よりはずっとマシなんだけど,少なくとも以下の二人に関しては自民党や公明党の大臣と変わらないと思えてきた. 自民党や公明党の大臣の大多数と比較してダメだというのではなく,同レベルで肩書きだけって印象である.
  • 内閣官房長官 : 平野博文
  • 環境大臣 : 小沢鋭仁
この二人,地方分権や脱官僚依存や無駄遣い排除と逆行しているように見える.

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2009年10月19日

JR西日本:正直を行動規範に?

「正直」を行動規範に=JR西社長、報告書漏えいで, (時事通信,2009/10/18)
佐々木隆之社長(63)は終了後に記者会見し、「『正直』や『良心に恥じない』など、簡潔な言葉で行動規範を作りたい」と述べた。  佐々木社長は「基本的な部分を直さないと上滑りする」と説明。「意識改革が一番必要なのは幹部。若手社員が行動規範の素案を作る」と強調した。
何年か前にあったJR西日本の福知山線での大量死亡事故。 どんなに頑張っても防ぐのが難しい僅かな確率で生じる不運な事故ではなく、保安対策のコストパフォーマンスを見誤った結果であると同時に、日勤教育などによって従業員に対して事故のリスクを高めることを強制していたことも繰返し報じられている。

今回の発言は事故調査委員会とJR西日本の癒着(人間関係やら接待やら情報漏えいやら)がばれたのを受けてのこと。 今回の発言はありきたりの謝罪と比べると随分と踏み込んだものであるが、それでも不十分すぎることには間違いない。 「意識改革が必要な幹部が多すぎる。そんな連中は降格させて権限を使わせない。」 「正直さに実行の強制力を持たすために、この方針を否定する行為に関するマスコミや検察や国会議員への内部告発を奨励する。告発を抑制しようとした者は懲戒免職の上、場合によっては業務妨害の名目で損害賠償を求める。」 とまで言ってほしいもんだ。 ごまかしや退路を残しての発言なんて信用できない。 とくに保身の動機が強い場合にはそうだし、前科があるばあいにはなおさらだ。

西日本旅客鉄道に限らず、この国の組織って幹部に甘すぎるところが多い。

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2009年10月18日

酔って記憶を無くして鞄を紛失すること

飲んだ後に記憶が部分的に飛んだ. 店を出る前後と帰宅直後の記憶がない. しかも鞄を無くした. 鞄がないというのは人生で二回目の経験だ.

超あせった. 妻が超怒った. 幸い後輩が店から持ち出してご丁寧に僕に電話せずに自分の家に持って帰っていたからどうにかなった. ちなみに前回は店にあった. 怖い怖い.

やっぱり,いくら酒に強いからといっても,疲れがたまっているときの大量飲酒は危険だね.

若い頃と比べると自分の疲れの度合いに鈍感になっている気がする. 気をつけねば.

ichonan at 01:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 極めて個人的なこと 

2009年10月15日

妻のWindows XPマシンの復旧

妻のWindows XPのノートPCが動かなくなったので僕のネットブック(Acer One)を代わりに使わせている. 妻のマシンの症状というのは,セーフモードでも起動しないというもの. 末期?

僕は普段はLinux人間なんでWindowsの中身には詳しくない. とりあえずはUbuntuのCDを使ってバックアップだけはとったんだが,僕にはLinuxのコマンドプロンプトからWindowsの根本的なエラーを修正するための知識がない. ネットで調べても手軽に出来そうな情報は見つからない. 妻曰く,「WindowsのインストールCDは,どっかに行った.たぶん(妻の)実家.」. ダメじゃん.chkdskもできんの?

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2009年10月14日

AcerのAspire One AOA-150が部分的に糞な件

半年ほど前にAcerのAspire Oneという激安(しかも店頭展示品)ネットブックを買って,ここ一ヶ月ぐらいは使っていなかった. それまでも最低限の用途にしか使っていなかった. その範囲では,画面が小さいこと以外はすっごく使いやすいマシンだった.

で,メインのノートがそろそろ死にそうな気配満載なので,Aspire Oneに四季報やらUNIX関係のツールやら何やらかんやらを入れて本格的に使う体制を整えようとしてみた. そしたらさ,バッテリーが正常に動かないんですよ. ハードウェア情報は出てきてバッテリーが存在しているのもわかるのに,決して充電されない. 電源コード抜いたらいきなり落ちちゃうんですよ. ここまで根本的な部分のトラブルに出会ったのは初めてだ.

んで, バッテリーを一回外してみたりした後で取り合えずネットで情報収集. するとさ,同じ症状を訴える人がわんさかわんさか. 僕も仲間入り. BIOSのアップデートで直ったようだが,それにしても洒落にならんな. 電源周りがこれってのは. BIOSのアップデートなんて詳しくない人は怖くてできないだろうな. まあ,少々問題があっても安さの方が強烈ってのも確かなんだけど.

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2009年10月12日

Winnyの金子勇氏の無罪判決(大阪高等裁判所,小倉正三裁判長)

僕が金子勇という名前を明確に意識したのは彼の逮捕以降である. でも,たぶん,直接会ったというか,すれ違ったり同じ部屋に1時間ほど過ごしたりしたことはある. 当時の彼は有名ではなかったので「たぶん」としか言えない. でも,妙な親近感はわく. そういうわけなので,このブログで実名を挙げた人の中では親近感が高めの人に関するエントリーとなっている. だから主観的な記述は割り引いて読んでいただきたい.

金子勇氏の例のWinny裁判の控訴審判決があった. テレビ局はほぼ無視のようだ. 大型で日本列島直撃の台風と重なったという理由が大きいのだろうけど.

ウィニー事件:控訴審判決(要旨) , 毎日新聞, 2009/10/09
価値中立のソフトを提供した行為について、ほう助犯の成立を認めれば、 ソフトが存在し、ソフトを用いて違法行為をする者が出てくる限り、提供者は刑事上の責任を無限に問われることになる。 ほう助犯として刑事責任を問うことは罪刑法定主義の見地からも慎重でなければならない。
当たり前の判決が出た. ライブドア関係とか村上ファンド関係とかで罪刑法定主義や推定無罪や法の下の平等を完全に無視した判決が連発されていたせいもあって,当り前の判決を妙に新鮮に感じてしまう.

ネットで検索すれば当たり前の意見が昔から結構発表されていたことも確認できる. 今回の判決は当たり前の意見を少し控えめにしたもの. それにしても一審判決はひどかったな. 有罪という結論が先にあって,それに向かってどうにか強引に論理をつなごうとしていたという印象だった.

ただ,無罪判決の後でも金子氏の悪口は垂れ流されているわけだ. よく目にするものは以下のようなの.
  1. 警察や検察と意見が違うのだから金子が悪いという主張.
  2. ネットまわりの技術に無知なのに分かったふりをして,とんでもない勘違いによってWinnyや金子氏を糾弾しているもの.
  3. 著作権侵害に使われているからというもの.
  4. 著作権を生存権や信条の自由と同レベルなものと考えているもの.
1.は頭が悪いとしか言えん. どこの小学校を卒業したのか問い詰めたい. 実生活でも感じるけど,民主党が政権をとった今でも世間の役人信仰は厚い.

2.は,インターネットというものがWinnyを使うかどうかによらず高度に分散された仕組みであることや, 中継や送信元変換(偽装/隠匿)なんて当たり前のように行われていることや, 匿名性はWinnyに限らず色んなところで重要視されていることや, Winny以外にも同種のソフトがあることを教えればわかるか. 素人に教えるのは大変そう. Winnyが特別なのは,(僕は使ったことないけど)ソフトウェアとしての出来が良いことと,自衛隊や警察の御用達であることと,知名度の高さぐらいでしょうに.

3.については,現時点では違法コピー目的で盛んに使用されていることも確実だろうけど,これはWinnyや金子氏のせいじゃなかろうし,独自の特性でもなかろう. 金子氏は逮捕と起訴なのにコピー機作ってるメーカーは放置? 著作権侵害の違法コピーならこっちの方がずっと歴史が長くて規模も大きいだろうに. 金子氏は逮捕と起訴と一審有罪なのにGoogleは放置? Googleは道具を提供しているだけではなかろうに. 大手マスコミによる名誉毀損について,被害者が動く前に警察や検察が動いた例なんてあるのか?

それに,Winnyが他と比べて著作権侵害に使われる比率が高い道具だと言うのも根本的な論点を無視しているのである. ほぼ確定しているのは,初期の利用者がそういう人中心だったというだけである. Winnyを蔑んでいる人はノーベル(ノーベル賞のノーベル)の仕事をどう思っているんだろうか. 科学や技術や芸術や思想では当り前の,世に出た初期の段階での評価と時を経た後の評価が正反対という事例を知らないんだろうか.

あと,他人の著作物を配布したから著作権侵害だって主張するバカなマスコミがいるけど,大学や研究機関では合法的に無料で手に入れたソフトウェアで仕事したり,それを著作権者に通知せずに合法的に再配布したりするのが当たり前ってことを知らんのか. インターネットのインフラを整備するのに不可欠なソフトウェアって,著作権者が「実行・研究・改変・コピー・配布・販売はみーんな自由.」って宣言しているのがメインだよ.

4.は著作権とか特許とかを調べてみればわかろう. 著作権なんて,社会が上手く回るように変更してしまえばよい程度のものなのである. 生存の権利とか信条の自由とかとは別なのである. 著作権の効果ってのは主に創作と公表のインセンティブを与えることなんだから,インセンティブをそがなければ本質の部分は問題なかろう. Winnyで違法コピーされて流通しているものがWinnyがない場合に売れると単純に考えているんだろうか. それが成立するなんてことはなかろう. 被害額の推定なんてのは,違法コピーされたものが全て売れたはずだと仮定しているように見える. 連中は地下で下手にコピーするよりも正規の手段で買った方が大抵の場合には手間込みで安上がりだということを知らないんだろうか. 単純に無知なのか,著作権を罪刑法定主義を侵害してまで尊重すべきだと思っているのか.

「違法コピーをする連中が得をするのはずるい」というのは正しいと思う. これが蔓延すると様々な面で効率性が削がれる恐れはある. だけど,「違法コピーの蔓延によって創作と公表のインセンティブが削がれる」というのは相当なまでに限定した場合に成立する主張だと思う.

まともと思える金子・Winny批判というのは,今回の裁判から遠く離れた部分でしか聞かない. 以下の三つ.
  • ネットワークの帯域枯渇につながるんじゃね?
  • 作者が匿名だったら苦情をどこに言えばいいの?
  • ミスや他人の悪意によって流出したデータを減衰させるバイアスを組み込む手段って実装されているのか?
あと,この件に関しては 似た立場のこの人の文章 も必読だと思う. あ,そうそう.もちろんGNUも.

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2009年10月11日

死にたい病の実験

「死にたい病」をネットで検索すると掲示板やブログのエントリーが多数出てくる. その中で実際に自殺する人なんてごくわずかなはずだけど,中には実際に死ぬ人や鬱病の人もいるだろう. 死ぬことによる快楽を経験して学習したがために「死にたい」なんて人はいないので, 「死にたい」というのはただ単純に言葉を軽く使っているか, 「現実逃避したい」 「楽になりたい」 「リラックスできなくて苦しい」 「楽しいことがない」 などを置き換えただけのはずである. ただし,言葉を置き換えただけであっても,表面的な思考が短絡的に行動に結びついてしまう人の場合や思考力が病的に低下している人の場合には本当に自殺してしまうこともあるだろう.

このあたりのイメージをもう少し明確につかみたかったので僕自身を使って実験してみた. 何をやったかというと,自殺関係の文章を大量に読むことと,自分が自殺という選択肢をとることについて積極的に考えることである.

やってみると「死にたい」という言葉が頭に浮かぶことが多くなった. ものすごく疲れたときとか,スムーズに眠りに入れないときとか,朝の目覚めが悪くて二度寝したいときとか,体調不良のときとか. だけど実際に自殺するなんてのはリアリティーをもって考えることはできない. 「疲れた」 「眠い」 「苦しい」 の代わりに 「死にたい」 という言葉が浮かぶだけである. このような僕と同じで言葉だけが浮かぶというのが大勢だろう.

実際に鬱病の診断を受けているとされる人や受けていると容易に想像できる人と接することもちょくちょくある. 話してみてまず受ける印象は「おとなしめ」程度である. 少し深めに話してみると, 「楽しくない」 「すぐに疲れる」 「朝がつらい」 などの言葉が出てくる. また,僕が抽象的にまとめた表現になるけど, 「意欲はあるんだけど,興味がわかない」 「意欲はあるんだけど,なかなか行動に移せない」 というのも目立つ. ただし,この手のものは大抵の人にはあることだろう. 原因が脳内の化学物質の分泌にあるのか,過労にあるのか,肝臓にあるのか,不器用さにあるのかは違うだろうけど.

彼ら/彼女らは僕には「死にたい」とは言わない.

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2009年10月10日

執筆や発表や演説の緩急

小説や発表や演説で飽きられず,眠らせず,楽しませ,心に刻むには緩急が大切. ものすごく短いものだと不要だけど長さによっては決定的に重要.

音量,曲のテンポ,文章の長さ,情景・心理・変化,予備知識の伝達と知識の統合, 単位時間や単位面積で伝える情報の量,遠回しな表現と露骨な表現. とくに最後の三つ.
  • 予備知識の伝達と知識の統合
  • 単位時間や単位面積で伝える情報の量
  • 遠回しな表現と露骨な表現
これは言論において意識しておくべきだろう.

ichonan at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験 

2009年10月08日

増田美智子氏の著作(出版:インシデンツ)

件の山口県光市の母子殺害事件の書籍が出版されたみたいだ。 著者の増田美智子氏は一橋大学の職員らしい。 2009年10月7日のNHKのニュース7でもやっていた。 他のニュース番組でもやっていた。

この書籍では少年Aの実名と写真が公開されているらしい。 今までは雑誌やネットに限定されていて、一般市民としては真実なのかガセネタなのか判断しかねるものが多かったけど、今回は大手マスメディアがお墨付きを与えたというわけだ。 直接は少年Aの弁護団が出版差し止めを裁判所に申請したことがきっかけで報道が行われたようだ。この行為は少年Aの実名と写真を公表することへの注目を集める行為に他ならない。 さらに、件の書籍やインシデンツ社のウェブサイトに掲載されている内容が真実であることの裏付けを与える行為に他ならない。 弁護団は間抜けなのか? それとも、少年Aの顔と名前を広めたかったのか? それとも、クライアントの利害なんて二の次で他の目的があったのか?

個人的には、死刑になるかどうかなんだから、実名報道されるかどうかなんて小さなことだと思う。 情報が表に出る方が冤罪を防ぐためにもよかろうと考える。 僕が少年Aと同じ境遇で、かつ、冤罪であるならば、実名報道を望むだろう。

少年法の趣旨は更正を重視するというものだそうだけど、この殺人やその後の被告人の言動は更正なんて期待できるもんではなかろう。もっとも、冤罪を主張するなら別だけど。 弁護団が被告人の利益を代弁して被害者側の神経を逆なですることに文句を言うつもりはない。 金銭的な報酬がほとんど期待できない中での行為は立派な場合が多かろうし、そういう人の手によって冤罪が少しだけでも防がれている面はあろう。 だけどさ、この事件に関しては弁護団が被告人の利益なんか無視して個人的な主張を通すために行動している気がしてならないんだよなー。 少年Aを道具として使っているだけのような気がしてならないんだよなー。 もっとも、今回の報道による弁護団の主張や裁判で行われたとされるドラえもん云々の主張がマスコミによる捏造ならば話は別だけど。

こういうときであっても、少年法の壁に阻まれて被告人の主張はなかなか表には出てこない。 生育環境がどんなに劣悪であろうとも弁明にはなりそうもないほど腐った人間が死刑になろうとしているだけの可能性が高いと思うが、他の可能性が完全に否定されているわけではない(もっとも、被告と呼ばれないもっと腐った連中は沢山いるが)。 冤罪とか真実の追究とかが大切だというなら実名報道が選ぶべき道だろう。 とくに今回のような死刑かどうかって場合には匿名報道をしたところで少年Aの側の利点なんてないだろうに。 大手マスコミが件の書籍を宣伝するのは少年法へのささやかな抵抗なんだろうか。

僕が司法権を独占しているならば、書籍の内容がデタラメだということがないならば、今回の出版を放置する。売上げの半分を著者や出版社ではなく被告人に入れてその中から賠償金を出させるという判断はするかもしれないけど出版差し止めなんてしないだろう。

また同じく、本村氏(本当に立派だと思う)が頑張っているからといって少年Aだけを死刑にするなんて判断はしないだろう。 少年Aを実名公表の上で有期懲役刑でとどめるか、他の同レベルの犯罪者もまとめて死刑にするか、どっちかだろう。

ichonan at 07:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 時事・ニュース | as 民主主義社会の市民

2009年10月07日

優劣や善悪の判断基準

優劣や善悪の判断基準を間違わなければ努力の方向は外れない. 自分自身の長期的な成長へとつながる. 方向があっており,方向を修正するメカニズムを備えているならば,最も信頼できる方向に走ればよい.

でも,大抵の人は方向を確認することや修正することを極端に嫌う. 最初に向いていた方向に走る人がほとんどだろう. 方向を変更するにしても壁があったことが原因の場合がほとんどだろう. 一度信じてしまった方向を捨てることは過去の自分を否定することになりがちだから. 大きな目的のための暫定的な目印として優劣や善悪の判断基準を用いていたのではなく,それらを直接の信仰にしてしまっていたから.

方向を正しく定めることだけでも壮大な哲学的な問題なので,その労力を個人的な幸せや社会からの評価につなげることは非常に難しい. それでもなお,この認識は,いい加減な判断基準に翻弄されたりいい加減な評価基準を目指して他人に害を加えたりすることに対するブレーキとして役に立つ. 表面的な言葉は色々あろうが,誠実に生きるために最低限持っていないといけない道徳的な考えだと思う.

子供がバカだとか若者がバカだとか部下がバカだとか生徒がバカだとか口癖のように言う人の多くにとっては耐えられない視点. 保身に努力する人には耐えられない視点. 弱者を装う人の多くが嫌う視点.

別にこの考えの追求に腐心する必要はない. でも,こころの片隅にはおいておきたい考えだ. 今の世の中,受け入れがたい結果を引き起こす行動に邁進する人を善良とか有能とか言う言葉で表現する人がいかに多いことか. いい加減な評価基準にしたがって高く評価されようと努力し,自分の経歴が有害になるための努力の履歴に他ならない人がどれだけいることか. そんな連中が中途半端な権力を持っていることがいかに多いことか.

君が抱いている善悪や優劣の基準は信頼できるものなのか. 親や教師や上司の言った基準を信仰の対象にしているだけじゃないのか. その信仰の問題点が表に出たときに,ちゃんと教祖に責任をとらせているか. 大抵の人は子供や異教徒に責任をとらせようとするんだろう.

まだ成長できるなら,決してそのような人間にはなるな.

ichonan at 22:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験 

2009年10月06日

livedoorブログのレスポンスが遅くなった

少し前にライブドアのブログのインターフェイスが大幅に変更された。全面改良とはいかないが、全体的には使いやすいインターフェイスになったと思う。

そんで、一部の改悪のなかで最も許せないのがレスポンスの遅さ。 単純なページの切替え時にクリックして反応が返ってくるまでの時間がものすごく長くなった。 これはいかんだろ。

ichonan at 00:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 極めて個人的なこと | 時事・ニュース

2009年10月05日

依存症の考察

厳密な医学的な話ではなくイメージをつかむ助けとしてのお話. 覚醒剤やアルコールやニコチンに限定せず,テレビやネットも含めた話.

身体的依存と精神的依存で切り分けて考える. まず,身体的依存について. 酒を飲まないと手が震えるとかそういうやつ. ネット依存とかでは見られず,薬物の場合にのみ見られる症状だと思う. とりあえずこのあたりは除外. 専門のお医者さんに任せよう.

精神的依存とは,その対象が手元になかったり摂取していなかったりした場合に,その対象が気になって他の物事に意識がなかなかいかない状態のことを言う. とくに,その対象を求めるために常軌を逸した金,時間,労力などの犠牲をはらう状態のことを言う. 運動好きでもないのにタバコを買うために夜中に1時間歩いて遠くのコンビニに行くとか, 後でひどい疲れを経験することがわかっていたり肝臓のダメージを意識できていたりするにもかかわらず大量飲酒や継続飲酒をしてしまう様子とか, 投資や贅沢や使命感を持つ対象を犠牲にしてでも金銭や労力を費やしてその対象を求める様子とか. これが精神的依存である.

依存の対象が明確な場合でなければそれを努力して求めるなんてないというか不可能なので,確実に人間の知的活動がからんでいる. 特徴的なポイントは,
  1. 「依存の対象が与えてくれる極めて短期の快楽や安心」ばかり意識して「長期の利益」を無視した行動をとってしまうこと.
  2. 短期の快楽や安心を捨てることに強い恐怖や不快感を感じること.
  3. 対象が具体的に特定され,それを恒常的に能動的に求めること.
である. 1.の方だけでは普通は依存症とは言わない. 大抵の人間は短期視点だし,視野の広い人も何から何まで長期で考えているわけではない. 2.は言葉の「依存」のイメージに近く,これも合わせると依存症のイメージがかなり作られる. ただし,詐欺にひっかかろうとする態度や保身などでも同じ傾向が見られるし,知識欲や好奇心でも当てはまる. 3.の具体性や恒常性まで合わせると依存症の定義として恐らくまともなものになる. 3.まで合わせると好奇心や使命感のような抽象的な対象は除外される.

3.を解消するには快楽の対象を知らなければよい. ただ,これは「覚醒剤は一度手を出したらおしまい」というノウハウにはつながるが,味を既に知っている人にとっては効果がない. 1.や2.は合理的思考により多少は対処できる. ただし,理性的に行動するのは結構つかれるものなので,将来予想や意思決定をサポートする仕組みを作ることが非常に重要な意味を持つだろう.

では,実際にネット,ゲーム,アルコール,タバコなどの依存症に悩んでいる人のうち末期でない人にはどんなアドバイスができるか挙げてみようか. 依存症の人に対するものであって,嗜んでいる人,つまり上記(とくに2)に当てはまらない人に対するものではない.
  • 後で買い直すことになってもよい. とりあえず,タバコ,酒,ゲームを捨てなさい. 関連するデータやソフトを捨てなさい. 再び手に入れるときには必ず考えることになるのだから,そこで意志を働かせる余地がある.
  • タバコや酒やゲームに手を出さなかったらどれだけの時間と金を手に入れられるか考えなさい. どのぐらい良い部屋に引っ越せるか考えなさい. 子供に何を買ってあげられるか考えなさい. 子供のためにどれだけの時間をとれるか考えなさい. これらは強力なブレーキになりえます.
  • 吸わないこと,飲まないこと,遊ばないことで何が親展しているか記録しなさい. 貯まる金でもよいし,体重や体調でもよいし,身についたものでもよいし,読めた本の量でも良い. これは,依存から抜け出すことの利益を意識するための強力な助けになります.
  • 吸いたくて,飲みたくて,遊びたくて. 我慢するのが難しそうならば,とにかく体を動かしなさい. 手を動かしなさい. 意識の対象を選ぶのが簡単なことを何かやりなさい. ジョギングでもよいし,面白い読書でもよいし,工作でも良い. 面白いことが目の前にあれば,依存の対象は意識から追い出されます. これを何度か繰り返すと楽になります.


ichonan at 01:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験 | <個人用>備忘録

2009年10月02日

横並び体質と独立心

勤めるより起業する方が割がよいとか,少々のことを犠牲にしてでもよい大学に入った方が後々でものすごく有利だとか, 現金で持つより株式で持つ方がよいとか,節約とフルインベストメントと複利を組み合わせるとすごいとか. ダメな会社はさっさと止めた方がよいとか,バカな上司の言動はさっさと社長に言うべきだとか. 少々の混乱を受け入れて政権交代をしたほうがよいとか,国が腐っているなら亡命した方がよいとか.

世の中は無知な人ばかりじゃなく,理詰めで分かっている人は結構いる. だけど行動に移せる人は極めて限られた一部の人だけである. しかも,完全な運任せの無鉄砲な人や狂信的な人や現実逃避の人もけっこういるから, 本当に合理的な判断に基づいて行動をしている人というのは極めて少ない.

合理的な判断に基づいたこのような行動を可能にする資質というのはいったいなんなのだろうか. 多分,大抵の人間は経験不足から,イメージがわかない行動をとりたがらない. 経験によって補完できたり全体像が浮かんだり実例を見たりしているもの以外に対しては多くの人が不安や恐怖を感じる. ほぼ必然的に,合理的であっても少数派となる行動をとる人は限られてしまう. では,合理的な判断に基づいてまともな行動ができる人はどこが違うんだろうか.

生育環境や過去の経験が他人と大きく異なることが挙げられる. 政治家の家の長男は為政者として矢面に立つ覚悟を身につけるだろうし,現場の雰囲気も知っている. 自営業者の子供は資金繰りや在庫の回転の早さの大切さを知っているし,節税,仕入れ,売上という概念も感覚として持っているだろう. 医者や弁護士や研究者の家では読書や勉強の習慣がつきやすいだろう. 育った環境により,普通に学校に通うだけでは身につかない感覚や知識や習慣が身につく. 人によってはそれを身につけるのが非常に難しいものであっても,とくに意識せずに身につけてしまっている.

これらの習慣や感覚は年をとってからでも身につかないものではない. でも,おそらく,多大なエネルギーを要するし,相当な決意で意識的に身につけなければならないだろう.

もう一つのケースは独立心の強さとか度胸とか誠実さとか未来をリアルに想像する力になるのか. 高度な精神力や知力がいる. 良いサポートシステムはないだろうか. 保険,失敗したときの生活の保証,功名心や射幸心,スリル,心理面のサポートとなる人などだろうか.

ichonan at 07:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験 

2009年10月01日

頭脳の質の大きな差が現われる部分

人間の頭脳の質ってものすごい差があるんだけど,多分,実際に世間で言われているのとはずいぶん違う. 僕が見る限り,少なくとも以下の三つの側面で大きな差がある.
  1. 特定のことを身につける初期における学習速度の差
  2. 到達できるレベルの限界
  3. 年齢を重ねたり知識を増やしたりしたときの学習対象の狭まり方
1.は知能指数や利発さとして表現されることが多く,学力の高さともつながる. この能力は遺伝と幼少時の生活環境でほぼ決まる. そして,なんだか,これが全てのように思われている節がある. 学習の初期がスムーズであれば苦手意識から学習を敬遠することはなくなるし, 初期がスムーズであれば下手な説明からでもなんとか学ぶことができるから, 1.の能力の影響は非常に大きいのだけど, 粘り強く取り組んだり基礎の適切な手ほどきを受けたりすることにより克服できる能力でもある. また,克服するノウハウを知っていれば自分が生来的に苦手意識を持ちやすい対象に対しても,最初のハードルを自分の意志で越えることが可能になる.

2.の到達できるレベルの限界はたぶんある. でも,スポーツとは違って実感できる人は少ないだろう. 将棋の世界では実感できるのだろうか. 限界を感じるという人は色々いるが,それは伸びしろがなくなったことを意味していない. 学習の意欲や時間が欠けている場合と,既に身につけた知識や技術の枠組みから出るのが嫌な場合がほとんどだろう. 十分な意欲と時間があり,今までに身につけた枠を捨てることを躊躇しないならば,到達できる水準の限界にたどり着くのは難しい. 今までに身につけた枠を捨てるというのは,悩みぬける一部の芸術家や孤独な思索を継続できる一部の研究者は当たり前のようにやっていることだ. 僕も何度も経験し,いまでもそれを続けている. 快楽と善との両立を目指すときも,数学の証明を探すときも,市場の声を聞きながら市場に踊らされない気持ちを探すときも,大切にすべき人の心を読むときも.

大人にとっては,3.の学習対象の幅の変化が最も大きな差になるだろう. 地位や富に直結することが少ないので注目されないけど,充実した人生とか良い親とかリーダーとか,そんなもののためには大切な能力だ. 僕にとっては,感覚的には,学習対象の幅が狭まらないのが当たり前なんだけど,世間的にはそうではないらしい. なんであんなにも狭まるのか. 誠実さを捨てれば学ばなくても生きていける. 学ぶことが今までの生き方の否定を意味し,将来よりも過去の思い出を選ぶ. 自分の無知を認めるのが怖い. 自分の無知に目を向けると自分がいかに不安定でリスキーな状況にあるのかわかってしまう. そうすると強い恐怖を感じる. その恐怖を感じるよりは目を背けた方がましということ. 強い人や賢い人は臆病であり盲目的ではない. 自分の弱さを直視でき,恐怖から目を背けないから,好奇心や功名心以外の動機からも学べる. 好奇心や功名心以外の動機からなので幅が非常に広い. 対象を制限しない.

ichonan at 23:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0) <個人用>半端な思考実験