2017年08月

2017年08月23日

分度器や目盛りつきの定規を使うことなく正五角形を作図する方法

読まずに飛ばしてもよい前ふり

「正五角形 作図」などで検索して出てくるもののほとんどは,分度器や目盛りつきの定規が必要な書き方か,書き方は正しいけど根拠を述べていないもの. ひどいのになると分度器や目盛りつきの定規は不要といいながら実際には使っている. 分度器も目盛りつきの定規も使わない正しい方法で,根拠が述べられていて,敷居の高くない日本語のHTMLのものはごく少数しか見つからないようだ.

この記事の主要部分を書いた後で再度検索して出てきた最初の40ほどの中で一応は二つだけ見つけた. ここ は本記事と実質同一のシンプルな方法. ま,別に実質同じ内容の記事が複数あってもいいよね. リンク先はもっと力の入った記事の一部という感じでほんの少しだけ敷居が高そうな感じもあるし. もう一つの ここ は元の作図方法はエレガントでも説明には不便そう.

他には受験マニア系や数学科系で正しそうなのが数件あるけど,無駄に複雑(一般論に入ってたり要求される予備知識が多すぎたり説明が要領を得ないものであったり)で読む気になれん.

そんなわけで,書いてみる. とくに絵が超手抜きなのは勘弁. 正十七角形は簡潔にまとめるのは僕には無理.

作図方法と根拠

図中のsqrt(5)は\(\sqrt{5}\)の意味で,図中の「*」は掛け算の「×」の意味です. 「72°」などの「°」は図中には書いていません.

  1. 正五角形とその外接円(内接円でもよい)の中心を考えよう. 外接円の中心から正五角形の各頂点に線分を引き,そうして作られる五つの二等辺三角形を考えよう.
  2. 360°の5分の1が72°なので,さきほどの二等辺三角形の内角のうち外接円の中心部分のものは72°である. したがって,72°(36°や108°も同様)を作図できれば,後はコンパスと目盛りのない定規で正五角形を作図できる.
  3. 次の図における三角形の内角の和は180°であり,三角形である条件を満たすものである. つまり,この図の二等辺三角形を作図できれば72°が得られる. つまり,aとbの比がわかり,それを分度器や目盛りつきの定規を使わず作図できればよい.
  4. 外側の三角形と右下の三角形が相似なので,辺の長さの比は以下のようになる. \begin{align} a-b:b=b:a\\ a^2-ab-b^2=0\\ a=\frac{b\pm b\sqrt{5}}{2} \end{align}
  5. つまり,単位長bの\(\sqrt{5}\)倍を作図できればbの\(1+\sqrt{5}\)倍も作図でき,その半分である長さaの線分も作図できる.
  6. 単位長bの\(\sqrt{5}\)倍は,下の図のように直角と単位長bとその2倍をとってやれば,三平方の定理より、 ,直角三角形の斜辺の長さとして得られる.
  7. それをbだけ延長すれば\(b+b\sqrt{5}\)が得られ,最初の図におけるaとbの関係より,72°が得られる. ちなみに,二番目の図における長さの表現を最初の図にあわせるなら各長さを半分にすればよい.
  8. あとは,例えば,頂点Oを中心とした円を描き,線分DEの長さを1辺の長さとして頂点を円周上に等間隔で次の図のように配置すればよい.


ichonan at 03:51|PermalinkComments(0) 他人向け・読者用