2008年02月09日

「デイトレーダーは馬鹿で無責任で強欲だから議決権を与える必要はない」by北畑隆生

以下は2008/02/08に報じられた経済産業省の北畑隆生事務次官の発言。 発言は2008/01/25に行われた講演会におけるものらしい。 経済産業省の役人トップがいかにものを知らないかを教えてくれる良い報道。 以下の引用元は東京新聞のネット版中日新聞のネット版朝日新聞のネット版
「デイトレーダーは最も堕落した株主の典型」「ばかで浮気で無責任だから議決権を与える必要はない」(東京新聞) 「能力がないという意味ではばか。すぐに売るということで浮気者。無責任、有限責任で配当を要求する強欲な方」(中日新聞) 「経営にまったく関心がない。本当は競輪場か競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」(朝日新聞)
ちなみに、講演録はここにある

さすが、世界第二位の経済大国の産業を管轄する役所の幹部。 その後、「慎重さを欠いた」「講演を盛り上げようと、若干過激な表現を使ったと思う」「言い方が適切でなかった。反省している」という旨の謝罪をしたらしいが、慎重だったとか慎重じゃなかったとかいう問題ではないでしょう。 少々失言があっても、それがサービストークの脱線なら大した問題ではない。 マスコミ報道で取り上げられたことが問題だということでもない。 「わかっていない」ということが問題なんです。

サービストークの脱線での発言ならば「慎重さを欠いた」「言い方が適切でなかった」なんて言葉は謝罪や反省としては不適切だ。 謝罪や反省をするなら 「わかっていない人に受けようと心にもないことを言ってしまいました」 「言い方は問題ないが主張が適切ではなかった」 などと謝罪するべきだろう。 そうしないならば、謝罪なんかせず持論を通すべきだ。 幹部の体質を隠したまま行政を行われるなんて危険極まりない。 元文部科学省の寺脇氏の方がまだマシだ。

そもそも誰のことをデイトレーダーと呼んでいるんだろう。 ヘッジファンドのことか? 保険会社などの機関投資家のことか? 投資金額が少ない個人のデイトレーダーのことか? どうであるにせよ、短期売買をする人から議決権を奪うことに何の利点があるのか僕にはさっぱりわからない。

次に発言内容の理由の部分。 何歩か譲って短期売買で得た利益への課税を引き上げたり議決権が所有期間が長くなるにつれて増えるのは良しとしよう。 デイトレーダーって馬鹿で無責任で強欲なんですか? 僕は、デイトレーダーって儲かっていない人が多いとは思うけど、それは馬鹿だからではなく、主に売買手数料の部分と利益の頻出値の低さ(一部の人だけ大儲け)からくるものだ。 自分の金をリスクに晒している人が無責任だとは全く思わない。 強欲なのは何も問題ないし、会社の所有権を長期にわたって保有している人と比べて強欲だとも思わない。 僕が現在持っている株式の平均保有期間は多分2年ほどで、これはこの先伸びていくと思うけど、手放さずに保有しているのは僕が強欲だからである。

実際に短期売買を行う人を冷遇した場合にどうなるか考えてみよう。 まず、売買の厚みがなくなる。 つまり株価のボラティリティが上がる。 僕のような市場のミスを狙っている強欲な人にとっては願ったりかなったりだけど、資本主義のためには不都合なんじゃないだろうか。 会社の所有権を売りにくく買いにくくなるわけだから。

Posted by ichonan at 09:04│Comments(0)TrackBack(2)この記事をクリップ!as 民主主義社会の市民 | as 資本主義社会の市民

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