このところ蒲田詣でが続いていました。というのも確認申請の提出先が大田区だったので蒲田といえばユザワヤ、ユザワヤといえば、手芸のメッカであります。いったい何号館まであるのか不思議になります。この一体をワタシは密かにユザワヤ帝国とよんでいます。
ユザワヤ、といってもこの男脳イナバ(男脳女子だけどオナベ系じゃないよ。)が手芸にはまるわけもないのでユザワヤを取り上げたには他に理由があります。
実はこの蒲田駅周辺に増殖するユザワヤ帝国のど真ん中に自分が昔の事務所で設計したマンションが建っているのであります。
その名もルー○ル蒲田弐番館。なんでコテコテのB級歓楽街蒲田なのにフランスのルー○ル宮を冠した名前なのか理解に苦しみますが、とにかく高級感で売っていたシリーズマンションだったのでそういう名前でした。たしかにワンルームの中ではハイグレードな部類です。
で、大田区役所に日参していたのでそのついでに寄ってみました。かれこれもう5年以上経ちますがきれいです。駅近なのでレンタブル比は常に高水準のようです。(※レンタブル比:賃貸ビルの満室率。7割以上が良とされる。この単語は一級建築士試験にはよくでる。)
ワンルームというとひたすら建築法規のギリギリのラインをねらって、いかに戸数を稼ぐか、ということにあけくれるので、美しいものを追求することはまずできません。しかしこの物件の場合、比較的土地の形がきれいだったこと、商業地域で高さはフリーであったこと、そして中廊下型といって中高層マンションではきらわれるプランのほうが戸数が稼げたことが影響して、非常にシンプルなカタチに納まりました。(11階以上のマンションで中廊下型にすると住宅用スプリンクラーの設置が義務づけられるのでメンテ上、コスト上きらわれる。)
戸数を稼がなくてはならない、という条件の中で北側の住戸は工夫して横型のプランにしたのでちょっと面白い部屋になりました。北側は埋まりにくいのに北の住戸のほうが人気があったと聞いて、ちょっと自信を深めた記憶があります。
手芸の材料を買いにいくついでがあったらみてやってくださいまし。イナバの力作でございます。