生理予定日前後からうっすら茶色のおりものが一週間ほど続き、そしてある日
トイレットペーパーにさらりとした鮮血と赤黒い血の塊。
その二日後に初めての検診をしてもらったわけだが。。。

医者ではない助産師である看護師にしか妊娠確認してもらえず、出血を伝えると、
妊娠継続に必要な黄体ホルモン値を検査してみましょうと採血。


明日結果をこちらから電話でお伝えしますと言われたが、電話来ず。
こちらから電話しても産科担当の若い看護師にこれから調べるので
ちょっと待ってくださいと言われたまま30分放置。
その間クリニックの宣伝を延々と聞かされっぱなし。。。
新しい習慣性流産や不妊治療専門の医師も雇ったとか聞かされながら
最後に別の受付の女性が出て電話番号を聞かれ、
また電話しなおしますとのこと。これを毎日繰り返した。


あっという間に9日も経ってしまった。しかしその間出血はなかった。
検診でも出血は見られないといわれていた。

いい加減にしろということでやっと看護師をつかまえると、
なんと私の血液サンプルを紛失したということ。
呆れて物が言えなかった。

そしてもう一度採血。

その三日後、再度軽い出血が見られた。

電話をすると検査結果が出たという。
結果は妊娠ホルモンは正常値だが、黄体ホルモンが低めなので
プロゲステロンの補充が必要になるかもしれないとのこと。

え?それって2週間前に血液検査した時点でわかっていたら
もっと早くから対処できたかもしれないってこと?
それでもう一度採血しにきてくださいと言われた。
出血が再び始まったというと、それではすぐに来てくださいといわれる。

車を運転しながら、まさか、もう手遅れってこと?
とだんだんと悲しみと怒りがこみ上げてきた。

クリニックにマメちゃんと共に到着。待合室は妊婦でいっぱい。
みんなぽっこりお腹をさすっていた。それを見ていたら、
あ〜、うらやましいな〜と目がじ〜んとしてきた。
妊娠してからも本当にもう一人いてやっていけるのか?
一人は楽なのにな〜とかせっかく舞い降りてきてくれた魂に
失礼なこと考えていた。
でも失いかけるとやっぱり惜しくなるものだ。

そんな事を考えていると、いつもよりは早めに診察室に通された。

そしてまず採血。

それからまもなく助産師が現れた。

「木曜の数値によると妊娠ホルモンは正常値なんだけど、妊娠を継続させる
黄体ホルモンが正常より低めなのよね。だから今日再び採血して
数値がさらに落ちていないか見てみます。落ちていなければ
ホルモン補充を始めるし、落ちていたら流産が進行しているということで
治療はなしです。」

そして内診。

「大分出血しているようね。とにかく検査結果を今日の午後まで待ちましょう。
別に安静にしなくても、普通に生活していていいですからね。」

「あの、外でパフォーマンスする仕事しているんですけど。。。」

「あ、それはやめたほうがいいわ。だって結構出血しているんだもの。
今日、明日は休みなさい。会社に手紙書いてあげますから。」

「あの。。。なんでこんなに遅く検査結果がでたんでしょうか。
ずっと待ち続けて、血液なくされて。。。」

「それは申し訳ないことだけど。。。出血しても大丈夫な例をたくさん
見ているからまずは検査結果を待ちましょうよ。」

私じゃなかったら病院を訴えているところじゃ!

診察中、きょとんとおとなしくしていたマメちゃん。

その後マメちゃんを託児所に落とし、仕事は休めといわれたので
親友L子に電話。L子は話を聞きながら涙していた。

そしてランチに誘われ、健太郎の時からマメちゃんのことまで
予言をずばり的中させてきたスピリチュアルフレンドのSさん、
またしてもこんな時にばったりレストランで会う!
そこで思い切ってきいてみた。

「あの。。。切迫流産しているんですけど、午後になれば進行流産なのか
わかるらしいんですが、何か見えます?」

「そうね。。。二人目欲しいって言っていた時から、ちょっとどうかな?って
引っかかっていたんだけどね。。。お腹の子、男の子ね。」

「やっぱり?ずっとそんな気がしていました。」

「あのね、次も女の子の方が家庭がうまくいきます。だから。。。」

「え?ってことはやっぱり今回は。。。。?」

「とにかく気を強く持って!また妊娠できますから。」

あきらめるのはよくないが、まあ、これで心の準備はできた。

なにしろ健太郎の時はまったく驚きの子宮内胎児死亡だったが、
今回はトイレに入るたび、は〜、またかって徐々に覚悟を決めていったものだ。

そして午後になりこちらから病院に電話。
いつものいい加減な看護師が電話に出る。そして検査結果を聞く。

「えっと〜。木曜からホルモン値が少しだけ下がっていますね。
31.7から30.7に下がりました。とにかく一週間後に
もう一度採血してみましょう。」

「え?あの、プロゲステロン療法しないんですか?」

「あなたを診察した助産師Jが必要ないと言っています。」

「でもその治療で数値を上げることはできるんじゃないですか?」

「とにかく必要ないそうですから、来週採血、いつがいいですか?」

そんな会話でまたももやもや。。。確か筋腫がまた育っちゃったから
ホルモン療法は筋腫を大きくする副作用があるらしいから
最後まで待っているのかな。。。

そしてその夜黄色いあぶにさされた左足が象の足のようにぱんぱんに
腫れ上がり、足首がなくなる!切迫流産かもしくはすでに進行流産の上に
足は腫れ上がり、もう最低!これじゃ泣きっ面にアブだよ!

夜ネットで流産や黄体ホルモンなどを検索。あるアメリカ在住の女性は
黄体ホルモン値19で出産までこぎつけている。じゃあ30なら大丈夫?
でもある資料によると数値そのものよりも本来なら妊娠中にあがっていくべき
数値が落ちていくことに問題があるそうで。。。 


また、初期流産の70%が染色体異常、20%が黄体ホルモン不足、
10%がストレスだそうで、場合によっては流産手術後、胎児の染色体を
調べたら異常がなく、ホルモン補充療法で救える可能性もあったとか。
8週目から胎児も黄体ホルモンを出す助けを始めるので
勝負は7週目までとか。。だったら2週間前から手をうっていたら違った?
でもそういう運命だったのだろうから仕方ない。

翌朝起きるとナプキンに生理一日目くらいの茶色の出血。

看護師に電話すると、昨日話したばかりなのに
名前を言ってもポカンとされ、生年月日をいい、電話口で私のデータを
ながめる彼女。そして昨日と同じ検査結果を見ながら、

「木曜よりホルモン値が落ちているからもう流産確定ですよ。」

「え?昨日は数値が若干落ちているだけって言ってたじゃないですか。」

「でも数値が落ちてるし出血もあるから流産です。」

「じゃあ明日の超音波検診まで様子をみろということですか?」

「もうエコー検査は必要ありません。数字を見れば流産とわかりますから。」

ここまで待たされて超音波で確認もせず流産を受け入れろということか?
しかも医者には8週にはいるというのに一度も診て貰わず、ほとんどこの
無責任な看護師との電話のやりとりだけで幕を閉じてしまうしまう妊娠。。。

しつこくねばってエコーを見せて欲しいと頼んだら助産師に聞いてきて、

「どうしても見たいんだったらどうぞということです。」

との返答。

横森理香さんだって初期はずっと出血が続いて、血の塊まで出て、
こりゃあもう流産だと思って特に安静にもしていなかったけど、
ホルモン補充療法で健康なウリちゃん出産したじゃあないか。

最後まで希望は持ちたい。しかしやはり家でじっとしていられずL子に
近所のマックまで来てもらったり、天子ママ友のJさん宅にお邪魔した。
二人とも涙を流しながら話を聞いてくれた。

Jさんも次の子が欲しいがやはり恐いし、こうして健康で
カワイイ男の子が生まれたし、これからそんなリスクを背負っていいのか
悩むという。

でも私は言った。

「今回トライした事、まったく後悔していません。まあ、つわりは
まったくなかったし、疲れも眠気も着床時期以降なかったし。
少しの間妊娠気分を味わえたし。あと、妊娠してからも
これでよかったのかな〜ってまだ迷いがあったの。
二人いてやっていけるのかな〜。ダーリンが爆発しちゃわないかな〜。
また新生児からやり直しで睡眠不足で。。。
心から歓迎していないところもあったかもしれないと罪悪感を覚えたり。
ようは心の準備ができていなかったのよね。
でも今になったらやっぱり欲しいと思えるようになったし、
次回はマメちゃんのときのように妊娠前から万全を期すつもり。
もちろん医者は変えるしね。」

Jさんは感心しながら聞いていて、そして涙を流した。

そして夕方になるといきなりぎっくり腰のような痛みで腰を動かせなくなった。
マメちゃんを車に入れたりがきつい!これも流産に関係しているの?
そして出血量はどんどん増して、生理二日目くらいになった。
あぶにさされた左足はまだ腫れて痒いし、腰は痛くて自由に動けないし、
出血は増えるしで情けなくなり、床にうつぶせになってサロンパスを張りながら
涙がこみ上げてきた。そしてパソコンに向かうと、今度は目がかすんで
よく見えない!これもホルモンの変化のせいか?
そういえば産後もそうだったけな。

もう完全に生理と同じ出血、そしてとどめは黒い血の塊。
これは完全流産で胎児やその付属物が流れ出た証拠らしい。
これじゃ確かに明日の朝エコーでみても何も見えないだろう。

即妊娠はできたが、初期の妊娠を継続させるのに重要な
黄体ホルモン不足だった今回の妊娠。一番に思い出したのは、
前回の妊娠前から飲み続けていた万能サプリの元気もんをきらして、
数ヶ月飲んでいなかったことだ。日本に送金して取り寄せるという作業が、
一歳児を抱えていると面倒になってしまって、ついそのままにしていた。
いろいろな病気に効くが、女性ホルモンのバランスを整え、
不妊にも密かに効果があるという元気もんをしばらく飲んでいなかった。。。
前回は妊娠前から妊娠ビタミンを飲んでいたのに、
それも今回はしていなかった。

冷えはよくないとわかっていつつ、面倒で靴下をはかず冷房がんがんの部屋で
素足でタイルの上。これはあきまへん!

食生活もあまり気をつけていなかった。

とにかく妊娠出産は身体はって命がけという覚悟で望まなきゃいけないのだ。
二人目欲しいかもしれないし〜、わからないからとりあえずトライしちゃえ!
ってなこといってたらこれから起こりうるいろいろな症状や不快感や
最悪のシナリオに耐え切れなくなる。

と、今回の反省を考えながら床に就く。

翌朝、出血量はさらに増え、黒い血の塊。。。。
あ〜、もう全部流れちゃったからエコーなんて見る必要ないのかな。。。
でも筋腫のサイズや位置をしっておかなければ次の妊娠に関係してくる。
それにしてもやっぱり仕事の都合なんとかして、8週になるまで待たず、
木曜日にエコー検診しておくべきだった。せめてお別れの前に姿だけでも
みておきたかった。心臓は動いていたのかも知りたかった。
しかし今となっては時すでに遅し。

完全にあきらめモードでダーリンとマメちゃんと検査室へ入る。
マメちゃんの時のさっぱりした技師さんが質問。

「出血はだいぶあるの?」

「はい、生理の二日目くらいで、血の塊も出てしまいました。。。。 
でも筋腫のサイズとか位置を知りたいので調べてもらえますか?」

「もちろんです。」

そしてお腹の上にゼリーを塗り、(初期だけど経膣ではなかった。)
プローブで調べ始める。

すると。。。

技師さんが目を一瞬大きく開き、

「あれ?みえるわよ。」

と驚いている。

そして私にも見えた。ちゃんと楕円形の袋の中に赤ちゃんの形をした影、
そしてその中心がぴこぴこ動いている!これって心臓?!

「まだ生きています。でも。。。。」

そう、心臓のピコピコが普通より遅く見える。

「わかる?これが心臓だけど、ゆっくりでしょう?心拍90くらいしかないわ。」

健太郎やマメちゃんの時は157くらいだったっけ。

「それから、サイズが週数のわりに小さいです。5週5日の大きさしかないわ。」

排卵日がずれていたとしても小さすぎるか。。。?

「助産師に相談してきます。あ、それから筋腫は外側で小さいし、
妊娠には影響ないわよ。」

と部屋を出る技師さん。

ダーリンと驚いていると、看護師が他の部屋に移動するように指示してきた。

そしてすぐに助産師さんが入ってくる。

「まだ完全に流産になっていなかったわね。でもね、サイズは5週、
心拍は80で弱すぎるし、あなたの黄体ホルモンがほとんどないに
等しいくらいなのよ。出血も進んでいるし、もう時間の問題です。」

「え?30はあるって電話で言われましたけど。」

「それは理想的な数字のことでしょ。」

あのいい加減な若い看護師、確かに30.7って言っていた!
きっと他のデータと混同したに違いない!

「じゃあ私の数値は?」

「たったの6よ。これは妊婦でなければ正常値だけど、妊娠初期に
最低20はなきゃ妊娠継続できないわ。それに落ちていっているってことは
もう流産に向かっていっているということです。だからエコーで
心拍を確認したら、よけい後で辛くなるかと思って
あまりおすすめしなかったんですよ。まあ子宮外妊娠ではないと言うことを
確認できたのでそれは良かったんですけど。」

今回はかなり親身になっている助産師、ゆっくりと説明し始めた。

「サイズ、心拍、ホルモン値、出血、どこからみても今回の妊娠は
ヘルシーじゃないんです。あなたの年齢、43歳はどうしても卵子の質が
低下しているので妊娠もしにくいし、流産の可能性も高くなるんです。
流産は18歳なら25%の確立だけど、あなたの年齢だと40%なんですよ。
あなたは過去に死産があるけれど、これはまた別の問題です。
でもどうしても欲しいと言うのなら流産の後に2回生理を見送ってから
トライしていいんですよ。私は応援しますよ。次回は質の良い卵子が
出てくれるかもしれませんから。」

ダーリンは質問した。

「今回、あとどのくらい生きていられるんですかね?」

「一週間かもしれないし、一ヶ月かもしれません。でもだいぶ心拍が
弱っているのであまりもたないかもしれません。自然に流れてくれる場合は
手術は要りませんが、子宮内に内容物が残ってしまう場合は手術が必要です。
出血がひどかったり、痛みがひどくて自然に流れるのを待つのが耐えられない
場合は、エコーで完全に死亡を確認してから手術の日程を決めます。」

そして最後にまた採血してクリニックを後にした。

ダーリンと「点ちゃん、(妊娠発覚から、まだ点くらいのサイズだから
点ちゃんだねと呼んでいた。」まだ生きていたんだね。」
と初めてその存在を確認したのだった。

それから私が運転していたのだが、ダーリンはいちいち教官のように
横からうるさく指示してきて私はだんだんナーバスになっていった。
そして最後にぷっつん切れて私は怒りを爆発させた。私が人に怒りを見せるのは
ほとんど皆無といっていいかもしれない。私は感情を押し殺す。
腹が立っても一晩おいて気持ちを落ち着かせる。しかし今回は大爆発。
家につくなりダーリン無視でそのまま布団にもぐりこみ泣き出した。

考えてみれば運転中も、今も頑張って生き続けようと必死に私のお腹の中で
しがみついている点ちゃんの事を想像したら、今まで妊娠してから
やっぱやめとけばよかったかな〜とか、粗末に扱っていたような気がしてきて
すごく可哀想になってしまったのだ。このお腹の中で細々ともうひとつの
心臓が動いている。。。そう考えたら運転中も気はそぞろ。
ついでに昨夜から急に目がかすむようになってしまい、前方も見えにくい。
ダーリンは助手席ではらはらしていたそうだ。昨日から始まった腰痛で
運転中も痛いし、あぶに刺された足は痒いし、もう最低の状態であった。

爆発はしたものの、結局マメちゃんに仲をとりもってもらい、
私の瞑想ルーム(広いクローゼットの中)にてダーリンと話し合い。
そして最後は笑い話に変わった。

一週間なのか一ヶ月なのか余命幾ばくもない点ちゃんだが、
最後まで私のお腹の中で充実した日々を送ってもらいたいと思った。

その翌日、天使ママ達がわざわざ私を励ます為に我が家に駆けつけてくれた。
そして皆に見守られながらクリニックに昨日の検査結果を聞くため電話。

例のいい加減な看護師が電話に出る。

「ホルモン値は15です。」

「え?昨日は6って言われましたが。」

「前回は30でしたからもう半分に落ちたんですよ。」

「黄体ホルモンの話ですか?」

「いいえ、妊娠ホルモンの話です。」

「え?じゃあ30って妊娠ホルモンの話していたんですか?」

「そうですよ。」

は〜〜〜。正常値であった妊娠ホルモンまで半分に落ちてしまった。
もう絶望的だ。。。

天使ママたちは優しく抱きしめてくれた。そしてマメちゃんを
抱っこしようとした瞬間、また腰をギクっとやってしまい、
今度はその場を動けなくなってしまった。

4時間は本当に動けないくらいひどくて、彼女達がマメちゃんのおむつ替えやら
私の身の回りを世話してくれた。

ダーリン帰宅と共に彼女たちは帰り、テイクアウトの夕食を食べようとした瞬間
なにか大きいものが下のほうでぐにゅりと降下するセンセーション。。。

そう、言ってみれば自宅出産であった。健ちゃんよりずっと小さい点ちゃんは
健ちゃんと同じく経膣分娩。

庭の木の下に埋葬すれば、毎日窓から外を眺めて思い出すかな。。。
不安だったけど、充実していてなんだか幸せだったこの8週間を。。。