2017年06月
2017年06月30日
こんにちは、tomoです。
前回は、英語学習初級者の方のリスニング勉強法を紹介しましたので、今日は、中~上級者の方を対象に書いていきたいと思います!
英語学習の中級者の方や上級者の方のリスニングの勉強法ですが、基本的な学習法としては、それほど初級者の方の勉強法と変わりません。変わってくるのは、取り扱う教材の内容やレベルであり、「理解できるまで聞く」というスタンスは同じです。
初級者の方へのお薦めリスニング教材は、「ラジオ英会話テキスト、英検3~5級のテキスト、TOEIC用の初級者用のテキストの付属CD」でしたが、中級者以上が使用するリスニングの教材については次のようなものになります。
①英検準1級~1級レベルのリスニング教材
②TOEIC中・上級者用のリスニング教材
③副音声で聞けるテレビの2か国語放送の番組(ホームコメディ等)
④NHKニュースなどの副音声
⑤シリーズものの映画等
⑥衛星放送の海外番組
①、②については、資格試験を狙う人であれば、ついでに試験の傾向を見るために教材を買うでしょうから、もし買うのであれば、それも教材にしましょうという程度です。是非とも買ってくださいということではありません。
ですので、基本的には、③~⑤になると思います。ただし、③、④については、セリフを目で確認することはできませんので、どうしても気になる箇所は、日本語と英語に切り替えながら何度も聞いて理解度を上げていくしかありません。
その点、⑤の「映画」については、日本語字幕と英語字幕が見れると思いますので、けっこうおすすめです。ただし、全くついていけないというレベルのものは選ばないようにしましょう。
⑥については、別途契約されている方は、興味のある番組を積極的に見ていくといいと思います。
一見してわかると思いますが、英語学習中級者以上になると、あまり「市販の教材」に頼るのではなく、いろんなジャンルのいろんな音声素材を使用して、いわゆる「多聴」を行っていくことがポイントになります。
リスニングについては、「映画のリスニング」で紹介しましたように、いろんなジャンルの英語を、何百時間も、何千時間もかけて、とにかく聞き続けていくしかありません。面倒くさいし、難しいからといって途中で投げ出したら、そこで終わりです。
ですので、ちょっとでも自分が興味が持てそうなものを選んで、できれば1日1時間、もっとできる人は、さらに時間をかけてリスニングに励むといいと思います。
英検やTOEIC等の資格試験についても、資格用ではなく、いろいろなものを題材にして聞いていくことで、対策などしなくてもリスニングでしっかりと得点することはできます。
① 自分が決めた英語音声を何度も(少なくとも3~4回)聞いてみる。
② 何度聞いても分からない箇所を、日本語・英語の字幕や音声に切り替えて、その単語や英文を確認する。
③ 同じ音声を使って(録画などをして)、「より高い理解度」を求めて、何日間か聞き続ける。
これが王道です。
よく言われるシャドーイングやディクテーションも、基本は、聞き取れない単語や表現がなくなるまで、「一緒にセリフを言ってみる」、「セリフを聞き取りながら全部書いてみる」作業を行うことにすぎないので、「日本語・英語の字幕や音声で、単語や英文を確認する」作業と効果はあまり変わりません。とにかく「一つひとつわからない単語を確認していく」という地道な作業が必須となります。
最後になりますが、これも初級者の方へのアドバイスと同様のことですが、きれいな発音の音声を聞いていて、その速さについていけない時は、やはり、「リーディング力不足」が原因となっていることが大いに考えられます。速読できない人は、速聴もできないということですので。特にニュース英語などに挑戦していきたい方は、英字新聞などを使ってなるべく早く読む訓練もしていく必要があると思います。
リスニングやリーディングを「多聴」、「多読」すればするほど、いろんな形の表現に出会いますし、出会えば出会うほど、英語の語感が冴えてきます。
そして何度も見聞きする表現や場面に出くわすと、「その次に来るセリフ」、「その場面で予測され得る表現」などを、脳が私たちの無意識のうちに、それまでの積み上げの中から瞬時に予測し、聞き取りづらくて音が脱落しているセリフなどでも、頭にすうーっと入ってきたりします。
何度聞いてもわからず、「んー、いったい何て言ってるんだろう」と思って字幕で確認すると、「見てもわからない表現」や「初めて見た単語の組み合わせ」だったりします。それを機関銃トークで映画の中で話されると、もはやお手上げです。
でも、それらのセリフが、「あー、前にも見た表現だー」、「あー、またこの表現だったんだー」というレベルになってくると、次に違う映画を見ているときに、今度は「慣れた表現」となって頭にインプットされているため、次はすんなりその表現が耳に入ってきて、理解できるようになります。
ですので、やればやるほど、そして地道にわからない音を確認していけばしていくほど、リスニング力は知らないうちに伸びていくこと間違いなしです!
ということで、今日は中級者、上級者の方のリスニング勉強法についてでした。是非、これも学習の参考にしていただけるとうれしいです。
それでは、今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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リスニング力アップに向けて、私がこれまで使用したリスニング教材の紹介 http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2600225.html
2017年06月28日
こんにちは、tomoです。
英語の学習は大変ですね。スピーキング、リスニング、リーディングなど、それぞれの分野を個別に勉強していかなければならないので、と~っても長い時間がかかります。
私はバスケットボールをしていたので、そのバスケでちょっと適当に例えるならば、スピーキング力は「精度の高いシュート力と華麗なドリブル力」、リスニング力は「守って耐えるディフェンス力」、リーディングは「どれだけ走っても疲れない体力」みたいな感じでしょうか。
ここで言いたいのは、英語もスポーツも、いずれか一つの技能が欠けただけでも、試合では力を発揮できないということです。どれだけ足腰を鍛えても(英語で言うリスニング)、そしてどれだけ走って体力をつけても(英語で言うリーディング)、シュートやドリブルの練習を全くしなければ(英語で言うスピーキング)、試合本番(英語で言うネイティブとの会話)では何もできません。
またシュートとドリブルといった技術だけをつけようとしても(スピーキング力だけ)、足腰が非常に弱く(リスニングが非常に弱い)、体力が全くなければ(リーディング力がない)、精度の高いシュート力(本物のスピーキング力)なんて身に付けようがありません。
逆に、強靭な足腰と無尽蔵の体力があって初めて、それらの総合力を活かして、他と圧倒的な差のある、あの瞬時に90度直角に伸びあがる華麗なジャンプシュートも身につけていくことができるでしょう。とにかく、ある分野だけ鍛えても、バランスが悪ければ何も活かせません。
「バスケットボールのことはあまりわからないよ」という方には、ちょっと例えが悪かったですかね?ご理解いただけるといいですが(;_;)/~~~。
さて、前置きが長くなりましたが、今日はリスニングの勉強法について書きたいと思います。
初級者の方がリスニングをする場合は、並行してリーディングの勉強をされると良いと思います。
文字を読んで理解できないものは、聞いても理解することはできませんので。お薦めはラジオ英会話のように、文章の解説や日本語訳がきちんとついているものがいいと思います。そして、付属のCDがあればなおいいです。リスニングは何度も同じものを使って、その同じ音にじっくりと慣れた方がいいからです。
① CDで3~4回聞いてみる。
② 何度聞いても分からない時は、スクリプト(原稿)を見る。そして、聞き取れなかった単語、その意味を確認する。文章の場合も、その英文とその意味を確認する。
③ 理解したら、またCDを流して、わからなかった箇所を何度か聞き、発音等を確認する。
④ 同じCDを使って、何日間か聞き続け、「すんなり、100%分かる」まで聞く。
⑤ もう大丈夫かなと思ったら、次のCDに進む。
ラジオ英会話テキスト、英検3~5級のテキスト、TOEIC用の初級者用のテキストなどで、CD付属のものを買って行うといいと思います。ただし、次の「英語を聞いても理解できない理由」をしっかりと理解した上で、上記のやり方を行うようにした方がいいです。
①聞き取ろうとする単語をそもそも知らない。
②単語の意味は知っていたが、その単語の発音が聞いてわからなかった。
③単語一つひとつは知っていたが、スピードが速くて、理解が追い付かなかった。
④スピードにはついていけたが、文法的に理解できなくてわからなかった。
「①聞き取ろうとする単語をそもそも知らない。」については、リスニング力ではなく、単語力です。②番を含めて、わからなかった単語はしっかり意味と発音を把握しましょう。
「③単語一つひとつは知っていたが、スピードが速くて、理解が追い付かなかった。」については、これは実はリスニング力ではなく、「読解の速さ」の問題です。読むスピードが遅い人は、その読むスピード以上の速さで英語が流れてくると理解することができません。
ですので、聞いても、かなりわからない部分がある英文については、まずは何度か読むことで、徐々にスピードを上げて読めるようにしていきましょう。そのあとに聞いてみると、スピードについていけるようになり、より理解できるようなっているでしょう。
「④スピードにはついていけたが、文法的に理解できなくてわからなかった。」については、これもリーディング力に問題がありますね。ですので、同時並行で、文法を別に勉強したり、少なくともその時に出てきた文法については、解説などを見て理解を深めていきましょう。
そして最後に、付け加えですが、今説明しました、「英語を聞いても理解できない理由」を見るとよくわかると思いますが、初級者の方については、発音がどうというよりも、実は「単語力、読解力、文法力」が弱いために、聞くことができないというのが実際のところではないでしょうか。
ですので、「リスニングを中心に鍛える」というよりも、より多くの時間を「文法を含めたリーディングの勉強」に費やした方が、効率がいいと思います。聞いても「リーディング力不足」で理解できないと、ちょっとやる気がそがれてしまうかもしれません。
また、ある程度リーディングができるようになると、リスニングの勉強を始めてすぐに、グ~ンとリスニング力が伸びてくると思います。 それから、「リーディングと文法」だけの勉強は、正直つまらないと思いますので、並行して、「スピーキング」の練習をしていくことをお薦めします。
読解力をあげながら、簡単な会話の練習はどんどんとやっていった方がいいです。「会話の練習法」については、このブログの「英会話習得 実践編」の「英語をかなり操れるようになる」ためにやるべきこと&使用教材! リンク先:http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2169568.htmlを是非ご覧ください。
ということで、今日はここまでにしたいと思います。
次回は、英語学習中級者~のリスニング勉強法について書きたいと思います。
では今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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リスニング力アップに向けて、私がこれまで使用したリスニング教材の紹介 http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2600225.html
「TOEIC 2か月で○○点アップ!」、「シャドーイングを身に付けて満点を!」などの広告には要注意! ~TOEICの本質を知りたい方へ~
http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2396238.html
2017年06月27日
こんにちは、tomoです。
前回は「都市伝説を斬る」で、映画のリスニングの難しさについてのお話でした。そこで、実際のリスニングの勉強法についてもお話したいと思いますが、まず今日は、私がこれまでに試したことのあるリスニングの教材について、大まかにご紹介したいと思います。
1.アルクの1000時間ヒヤリングマラソン
2.テレビの副音声で、英語で聞くことができる番組
(NHKニュース、海外コメディ番組)
3.衛生放送による番組
(CNNニュース、FOXニュース、National Geographicチャンネル)
4.レンタルDVDの洋画
1か月分の教材として、「English Journal」という本が1冊、あと別の音声教材の本がもう1冊、そしてCDが2枚ぐらいだったと思いますが、それらが毎月送られてきました。
そのCDだけを聞いていくというよりは、「それを含めて、いろんな物を聞いてください!そして1日3時間聴くことを目指しましょう!」という感じのものでしたので、いざ初めて教材が届くと、「えっ、自分で他に音声教材を見つけないといけないのかぁ…、このCDだけを月に90時間も聞く気にはなれないしなぁ。」と思ったことを覚えています。
まあ、値段は高かったですが、1000時間聴くというコンセプトが良かったのと、それなりに視聴者を惹きつけようとする工夫はあったとは思います。
ただ、今となっては、CD2枚ぐらいで月換算4000円もすることを考えると、海外番組を手ごろな値段(1000円~2000円)で契約して、海外番組見放題で勉強をしていく方が、やっぱりお得じゃないかとは個人的には思っていますが、それもまあ、人それぞれだと思います。
『テレビの副音声によるNHKニュース、海外ホームコメディ』
これを中心に見ていたのは、大学卒業前後の頃でした。NHK副音声ニュースについては、「難しいニュース英語に挑戦すれば、リスニング力が完成するはずだ!」と思って見ていました。
実際は、映画レベルでリスニング強化をやっていかないと、「完成」はしないのですが、まだこの頃の自分は、それに気づいていませんでした。
また、映画よりは易しめの海外ホームコメディ(いわゆるsitcomスィッ・コォム=situation comedy)は、そこそこストーリーが面白い物もあったので、時々見ていたというぐらいです。
ですが、これらも音声だけなので、学習レベルによっては、けっこう難しいレベルであるかもしれません。今でも、何かしらのホームコメディは副音声で視聴できると思います。
『衛生放送による番組』CNNニュース、FOXニュース等
これについては、大学を卒業するあたりから2~3年間、「スカパー」を契約して見ていました。多聴を意識して、延々と見ていたこともありましたが、海外ニュースが主ですし、同じ内容をくり返し放送していることも多かったので、途中で飽きてしまうこともよくありました。でも、いつでも英語を聞くことができる環境作りにはとてもいいですよね。
『レンタルDVDの洋画』
これは現在でも、時々見るぐらいです。とても難しく感じます。「時間がない」を理由に後回しにしてしまいがちですが、自分が今一番やるべきことであると思っています。
分からなかったセリフの箇所を何度か再生して、字幕と音声を日本語、英語と交互にしながら、聞き取れなかった音を目と耳で確認します。使えそうな表現があったら、復唱してなるべく覚えようとしています。これらの作業はやっぱり徹底的にやっていかないといけないと思っています。
また、聞くのと同時に、「ネイティブがよく使う日常会話表現」の宝庫ですので、「音」と「映像による場面」を目と耳で追いながら、是非ともそういった表現を数多く覚えていきたいですね。そうすればまさに「一石二鳥」です。
「これを終わらせないといけない!」と英語で言いたいとき、
”I have to finish this!”
よりも、
”I’ve got to get this over with!”
の方が、「”with” で終わる表現なんて、なんだかネイティブらし~い。使ってみた~い!」と思ってワクワクしませんか?
映画を見てリスニングの勉強をすることは、本当に「鬼に金棒」というぐらいに、いろんな効果があると思います!
私はどちらかというと、これまでライティングとリスニングにはそれほど多くの時間をかけてはいません。ですので、相対的には4技能のうち、特にリスニング力に難があると思っています。
ある程度聞くことができるようになると、「グングンと目に見える上達ぶり」が、感じられなくなってきます。感覚的には、それ以上は数百時間、数千時間の単位を一区切りとして、「なんとなくリスニング力が上がってきたな」という実感が湧いたりするのかなぁ、と思っています。
ですので、これまでは途中で上達が目に見えないためにだらけてしまい、知らないうちにリスニングはあまりやっていないということが多かったような気がします。
ですが、それでは英語学習のバランスが非常に悪いので、意識的に、なるべくDVDを借りてきて、映画や海外ドラマを見る時間を増やすように心がけています。
また、「リスニング強化」のためであれば、なるべくセリフが多いもの、そして専門的なものよりも、より自然な日常会話が繰り広げられるものをお薦めします。
ちなみに、最近私が見ていたのは、「ユー・ガット・メール」、「ベロニカマーズ(高校内で起きる事件簿が題材)」、「メンタリスト(刑事もの)」、「グリム(刑事もの)」などです。同じものを何度も何度も見て聞いていくことが重要だと思います。
ということで、今日は大まかに、私が使用したことのある音声教材の紹介でした。
次回は、学習レベルに合わせた、「お薦めリスニング勉強法」をお伝えしたいと思いますので、是非、ご一読いただければと思います。
では、今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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【合わせて読みたい記事 リンク先】
レベル別、効果的なリスニングの勉強法①!
http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2614961.html
英語都市伝説を斬る「字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」は本当なのか(其の壱の①)http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2560534.html
英語都市伝説を斬る「字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」は本当なのか!(其の壱の②)
http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2584845.html
2017年06月26日
こんにちは、tomoです。
今日は、前回の続きで、都市伝説「字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」の検証のまとめです。では、前回の植田一三氏によるリスニングについての要約を再度紹介します。
【英検1級レベルのリスニング力】
国内英語ニュース90%、映画50%、CNN70%の理解度。
【玄人レベルのリスニング力】
国内英語ニュース100%、映画65%、CNN85%の理解度。
【達人レベルのリスニング力】
洋画80%、CNN95%の理解度。
出典:発信型英語スーパー口語表現より
【24歳~27歳までの期間】(24歳時点で英検1級1次試験合格)
1日10時間以上勉強。リスニング3500時間(そのうち1000時間はシャドーイング)。リーディングでは百科事典3000ページ読破。英字新聞、洋書換算500冊分読破。日米口語表現辞典20冊以上読破。
【その後の17年間】
英検1級対策講座、TIMEリーディング、洋画セミナー主催。米国大学院へ2度留学(2度目は大学で教えた。)
【43歳の時】
それまでの学習の結果、「達人レベル」に到達。
さて、いかがでしょうか。植田氏の圧倒的な勉強量には誰もが脱帽ですが、その「達人レベル」でさえ、「映画の理解度80%」と、なんとも衝撃的な事実を告白されています。
この結果が示されると、「わー、映画はもう一生無理だー」と言いたくなるとともに、
「〇〇の教材を使ってリスニングを学習したら、映画が字幕なしでも理解できるようになったー!」
↑「おーーーい、おいおい!ちょっと待て~~い!!」と言いたくなります。
「教材(しかも映画のような、なまりもクセもないきれいな発音)を数か月使ったからと言ってますけど、いったい全体、どのレベルで言ってるの~?」と疑問符がついてしまいます。
ストイックの塊、植田氏の「英語達人道」によると、
「達人は、カナダ人やイギリス人がアメリカ映画を見た場合と同じ理解度になります。ちなみに米国人の大人は、教養レベルによって平均80~95%、映画がわかります。」
なんていう言葉も言われています。
この発言に対する私の解釈は、
「レベルの高い内容の映画の場合、本当に専門知識も含めて、そして各州の方言まで含めて100%話についていけるか」という視点で、植田氏はリスニングの理解度を測っているのではないかということです。
おそらくネイティブと言えども、みんながみんな、大学、大学院レベルの教養を備えている人ばかりではないという視点もあるのかな。ちょっと、言いすぎじゃないかと言うぐらいの厳しい視点を持たれていますね。そう考えると、植田氏の「80%の理解」は、ほぼネイティブの教養レベルの人のリスニング力と同等と言ってもいいような気がしますが。
リスニングは難しいです。普通に「きれいに発音される英語教材」を勉強した人が、英検1級のリスニングやTOEICのリスニングで満点を取ったとしても、植田氏が言われている「映画の英語が50%理解できる」というのは、実はちょっと疑問が残ります(そんなにはわからないんじゃないかなぁ。)。
実際にTOEIC満点だけど「映画の英語は30%程度の理解度です。」と言っている人も雑誌記事で見たことがありますし、私の場合も各映画によりますが、理解度は「30%~50%」といったところです。
とにかく映画は、よく言われる「方言」、「なまり」、「スラング」だけでなく、私たち日本人が知らない言い回しのオンパレードです。
そもそも英単語を1万語しか知らない人が、2万語、3万語レベルの単語も平気で出てくる英語を聞いても、原稿を見ても理解できないわけですし、知っている簡単な単語だとしても、それが組み合わされてよく知らない表現になると、理解はできません。
よく言われますが、そもそも知らない単語、知らない言い回しは聞き取れないのです。映画などには、それはそれは嫌というぐらいに出会ったことのない表現が出てきます。
そして、単語の語尾の音が、日本人からするとあまりにも連続で抜け落ちている、または音がつながっていることが多く、機能語の脱落ぶりには、少々お手上げ状態になります。
何度聞いても「10語ぐらいしか言っていないセリフ」だと思って英語字幕にしてみると、実は20語ぐらいのセリフだったということさえあります。その場合は、私の耳には残りの10語は脱落音となり、耳が全くその単語を拾うことができていないわけです。
私の中では、映画の英語は、全くの別物です。「映画用の英語」、「本物用の英語」として、ゼロから映画英語を聞いて勉強していく以外に、理解度を上げる方法はないと思います。ホントに、達人を目指したい人ならば、直ちにやっていかなければならない、そして避けては通れない道です。
「映画の聞き取り」については、なんとも悲観的な展望になってしまいましたが、何度も同じ映画のセリフを聞いて、たくさんディクテーション(聞いた英語を書き取る)をして、そして英語字幕と見比べて、音の脱落を目と耳で拾っていく作業を繰り返していけば、いつか字幕なしでほとんどの映画を楽しむことも夢ではないと思っています。「信念」が無ければ達成することは難しいですが。
すみません、ちょっと悲観的な見方ばかりで、なんとも後味が悪いですが、あえてプラス思考の視点で言えば、こんな私でも、英米人が直に話をしてきたら、ほとんどの人に対して100%理解できますし、海外のテレビ番組のホームコメディドラマは映画よりも簡単なので、モノによりますが「70%~95%」ぐらいは理解できると思います。
「映画」をとりあえず横に置いておけば、普通に学習を続けていくことで、英語で意思疎通を図っていく上ではあまり支障はないですし、そういった意味では悲観することはないとは言えます。
ということで、最終結論ですが、
巷のリスニング教材で英語を多少学んだ人が言っているような「字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」という都市伝説については、しっかりと「No!」の札を出させていただき、「一つ目の都市伝説斬り!」完了となります!
今後も斬るべき都市伝説があれば、紹介していきたいと思います。
ではみなさん、今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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英語都市伝説を斬る「字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」は本当なのか!(其の壱の①)
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「5歳児のネイティブ英語」と「日本人の英語」の違いは? ネイティブに近づく方法を書いてみました!!http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2437734.html
2017年06月24日
こんにちは、tomoです。
みなさんは、リスニングと言えば、日頃どんな教材を使用して行っていますか?また、リーディングなどと比べて、どのくらいの時間を費やしているでしょうか。
たまに、「〇〇の教材で英語が聞き取れるようになった!」、「〇〇の教材で、字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」という文字を見ることがあります。
「映画が聞き取れるようになった!」ということを聞いた瞬間、私が思うのは、次のことです。
「無理。あり得ない。」
今日はリスニングの重要性と、難しさについて、少しだけお話したいと思います。
これは当然のことですが、リーディングやスピーキングをどんなに身につけたとしても、相手の言っていることが分からなければ、会話が成り立ちません。
「話すことと聞くことはどちらが難しいか?」という話題をたまに聞きます。これについては、「聞く方が難しい!」という意見が多いような気がします。通訳者の方は特にそう思われている方が多いようです。
「話す」、または「100%でなくても何とか英訳する」というのは、一定のスピーキング力があれば、常にどうにかなるものです。
しかし、相手の言っていることが分からないというのは、「理解度が0%」ということになるので、通訳であれば、「訳しようがない」ということになりますし、何度聞き返してもわからず、どうしようもなくなるからです。
日本の英語学習論の中では、リスニングは「毎日少しでもいいから聞きましょう。」とか、「できれば、1日3時間、聞いていきましょう。」と言われます。
仮にこれを続けて、けっこうリスニングができるようになっても、相手によって、もごもご言う感じの人や、なまりの強い人、黒人の方の英語など、かなり聞き取りが難しいケースがあります。
私がアメリカに行った頃は、ある人の英語は100%わかるのに、人によってはたちまち「聞き取り度0%」ということがたまにありました。そのたびに落ち込むことも多かったです。
そして、今日のタイトルの話になります。映画の中の英語について。
映画の英語は「超」が3個ぐらいつくほど難しいです。これについては、有名な英語の達人の一人である植田一三氏が、自身の経験に基づいて話している内容からも納得できると思います。
(出典:発信型英語スーパー口語表現より)
【英検1級レベル】
英検1級取得には最低8000時間の勉強が必要。認識語彙数1万語。運用語彙数5千語。
国内英語ニュースのリスニングは90%、映画は50%、CNNは70%の理解度。国内英字新聞の理解度90%。
【玄人レベル】
およそ15000時間の勉強が必要。認識語彙数2万語。運用語彙数1万語。国内英語ニュースのリスニングは100%、映画は65%、CNNは85%の理解度。英字新聞記事が楽に書ける。
【達人レベル】
およそ30000時間の勉強が必要(1日5時間学習×6000日=16年以上)。
認識語彙数5万語以上。運用語彙数2万5千語~3万語。リスニングでは、洋画80%、CNNは95%の理解度。雑誌「TIME」は95%の理解度。「TIME」エッセイ、洋書スクリプトが書ける。
さて、ご覧になっていかがでしょうか。
達人レベルで洋画が80%!?
「そんなのないよ~」としか言えませんね。でもホントに断言されています。特にCNNや洋画は、時代背景、文化、宗教、聖書、世界情勢などの総合的な知識も試されることになります。
じゃあ、「〇〇の教材で字幕なしで映画の英語が聞き取れるようになった!」って普通に言ってる人っていったい全体……
ここまで読んでいただくと、「超」が付くほど難しいリスニングについて理解いただけたと思います。
では、今日は短い紹介で、まだ都市伝説をしっかりと斬るまでには至ってませんが、とりあえず、「英語都市伝説を斬る(其の壱の①)」のお話でした。
次回は、「英語都市伝説を斬る(其の壱の②)」で、「映画英語のまとめ」ということで、しっかりと都市伝説を斬っていきたいと思います。
では、今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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英語都市伝説を斬る「字幕なしで映画が聞き取れるようになった!」は本当なのか!(其の壱の②)
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2017年06月22日
こんにちは、tomoです。
みなさんは、日々覚えた日常会話表現をどのように復習しているでしょうか。圧倒的な時間を日々の会話練習に費やすことができる人は、そんなに「復習」を意識しなくてもいいかもしれませんが、あまり時間がない方は、やはり復習が有効になってくると思います。今日はその日々の復習の仕方をご紹介します。
新しく覚えた表現は、単語を覚えた時同様、すぐに記憶から消えていってしまいます。また復習はしていても、いざ思い出そうとするとなかなか出てこないこともあると思います。思い出そうとしてもすぐに出てこなかったりすると、「もっと記憶力が良ければなー」と、いつも思ってしまいます。
そこで私がよく行うのは、「覚えた英語」、「瞬時に出てこなかった英語」、そして「その日本語の意味」を、エクセルなどに入力していき、それを定期的に復習します。これは文だけでなく、単語の場合もあれば、文の途中の語句の場合もあります。ちょっと例をあげてみます。
例)日本語:
①彼は人の話をよく聞くことができるので、みんなに慕われているよ。
②僕の生きがいは英語の勉強だ!
③彼はどんなに仕事で遅くなっても次の日には一番に会社に来るよなー。
④「お兄ちゃんを見習いなさい」って、お母さんに言われた。
例えば、上記の①~④の日本語の下線部の部分が英語でわからなかったとします。その場合、私は、その部分の日本語と英語を次のようにエクセルに入力しておきます。
人の話をよく聞く | really listen to what people have to say |
生きがい | My reason for living |
どんなに~しても | No matter what ~ |
誰々を見習う | follow one’s example |
↑こんな感じで書いていきます。もちろん適した英語がわからなければ、ネットの辞書、その他で調べます。
そして、次の日、3日後、1週間後、2~3週間後ぐらいに、定期的に見直します(理想通りにできないこともありますが)。ただし、たったこれくらいの復習では、実際には、パッと思い出せないことが多々あります。
これは、英語の発話というものは、「記憶した」だけでは全く十分ではなく、「反射的に出てくる」まで鍛えないと実際には使えないからです。そこが「言葉をモノにする」ときの辛いところですね。
自分で独り言英会話をしているときに、たまたま「生きがい」という文字が頭をよぎるとします。でも、自分が「生きがい」という表現を調べたのは、10か月前だったとします。すると、やはりそれまでに3~4回しか復習していなかったものは、パッとは出てこないですよね。
しかし、だからと言って、こういう地道な作業で復習を行っていかなければ、思い出す時間がもっとかかるでしょうし、「調べた記憶さえない」ということになるかもしれません。ですので、なるべく頻繁に意図的に復習するためには、書き留めておくことは有効な手段になります。
そして、仮に10か月後に思い出そうとしたときに思い出せなくても、また復習を重ねておくと、また次の機会に会話で出そうとしたときに、今度は思い出せたりします。
いくらやっても(ちなみにこれも、no matter how many times~が使えますね)忘れてた表現が、2年ぶりに一人英会話の中で出てきた時に、不思議とすんなりその表現がパっと口をついて出てくることもあります。覚えた表現は復習をしていると、当然思い出しやすくなります。
~ローマは一日にして成らず~
私は感覚的には、よくこんな風に思っています。
「なんだか英語の表現って、復習を重ねることで、長い期間頭の中で熟成され、そしてある日突然、使える表現に変わってる感じだなー。」
そうです。「熟成」されていくんです。復習をして熟成された表現は、「長期記憶」の中に入っていくのだと思います。いったん、長期記憶に入れば、なかなか忘れにくくなります。そうなるまでには、
①「実際に使ってみる」
②「普段の生活の中で、思い出すクセをつける」
③「書き留めて、意図的に復習回数を増やす」
こういったアプローチが必要だと思います。
復習はなかなか辛いものがありますが、やはり、地道にやるしかありません。英会話学校だけに頼って、家で復習したりしない人の会話力が一向に上がってこないのは、この「復習」が足りないわけです。
逆に「英会話学校で話せるようになったー!」という人が本当に存在するなら、それは紛れもなく、「自分で努力した復習の成果」であることは明白ですね。「ローマは一日にして成らずRome was not built in a day」ならぬ、「English was not built in a day」ですね(笑)。
ということで、今日は、計画的に復習する方法について、少しお話しました。これからも日々、表現力をアップさせていきましょーー。
では今日も読んでいただき、ありがとうございました!
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誰も教えてくれない「英語フレーズを暗記しただけでは話せるようにならない」事実!
(覚えた英語表現を「使える」ようにする練習方法!)~必見~
http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2181058.html
「資格試験の勉強をすればするほど、会話力が落ちてしまう落とし穴!」&「資格試験と上手に付き合う方法 」
http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2315452.html
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「独り英会話」の成果が発揮された出来事
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2017年06月21日
こんにちは。今回も、「中学校1年生の英語をマスターしたらネイティブの何歳ぐらいに相当するのか」ということについてお話します。
「マスターする」という言葉の定義もいろいろと解釈できるため、一言で説明するのは難しいです。ですので、いくつかの視点から見ていきたいと思います。
まずは、「中1英語をマスターした」というのが、次のような定義の場合。
中1の教科書に出てきた単語と文法は全て理解でき、英文も全て覚えた。
中学校1年生で学ぶ教科書は、基本的に1冊だけです。それを使って自己表現活動を行ったりします。この1冊の中に出てくる単語は、教科書によりますが、おそらく400語~500語ぐらいではないでしょうか。
そして大きくわけると、中学校3年間で20個ちょっとの文法を学びます。過去形、未来の文、助動詞、動名詞、不定詞などです。1年生では、かなり基本的なものとなります。文法で言うと、3学期にようやく助動詞「can」が出てくるぐらいです。その間、現在、過去、未来、現在(過去)進行形などを学びます。
ということで、中学校1年生では、単語は400~500語、文法項目は10個以下程度を学ぶことになります。あまり厚くないテキスト1冊なので、英文量で換算すると、200~300文ぐらいでしょうか。
そして、ここがポイントですが、「英文を全て覚えた」という時は、「出てきた表現は覚えた」ということになります。ということは、例えば、
「want to~」=「~したい」は覚えたが、「want+人+to~ 」=「人に~してほしい」は出てこなかったので知らないまま、使えないままということになります。
また、「look at~」=「~を見る」は覚えたが、「look into~」、「look over ~」、「look like~」、「look down on ~」「look through~」の意味は知らないし、使えないということになります。単語単体では知っていても、熟語になると、知らない意味に変わりますので。
その「習った範囲」を踏まえると、教科書には出てこないけど、3歳児、4歳児でも知っているような、「Grab me it.(それ取って!)」、「I’ve got a pen.(ペン持ってるよ)」、「puke(吐く)」、「Happily ever after(めでたしめでたし)」といった表現は当然知らないことになります。
こう見ると、そもそも「高校を含めた日本の教科書には一切出てこない、だがネイティブの子供は知っている表現」は山のようにあるわけです。
そういうわけで、「中1の範囲をマスターした」=「出てきた表現は全て使える」となったとしても、ネイティブ3~4歳児が使っている言葉の中にも理解できないものはたくさんあるでしょう。
ネイティブの4歳~5歳の子供が日常使う英語表現は、すでに何百も何千個もあると思います。なにせ、4~5歳児と言えども、1万時間以上は、英語に触れてきていますので。
そう考えると、中学校1年生で学ぶ英語表現は本当に限定的であると言えます。図に表すと、次のようなイメージになります。一つ目の図は、ネイティブ4~5歳の子供がマスターしている英語表現の範囲を、黄色で示しています。
ネイティブ4~5歳児が、すべて黄色で埋め尽くされている一方、次の2つ目の図では、中1英語で表せる表現の範囲を黄色で示しています。
明らかな差ですね。
日本の中学校の教科書は、「英語を学ぶ上での基礎基本」、「英語の土台」、「今後英語を学ぶために必要になってくる知識」を扱っていますので、それをマスターしても、「日常会話の観点」からは、全くネイティブには及ばないということが言えます。
では、「中1英語をマスターした」というのが、次のような定義の場合も見てみます。
中1の教科書に出てくる単語と文法を使って、たくさん話す訓練をしたので、習った単語の組み合わせの範囲なら、何でも言える。
やはり「自分が一番話したいこと」、「相手から聞かれて言いたいこと」は、中1の範囲内だけで言い表すのは、非常に困難だと思います(その上のレベルの表現力が必須)。先ほど示した「look down on ~を軽蔑する」なども、やっぱり中学校1年生の教科書には出てきませんので。
「ハリウッド映画の98%は、わずか2千語で成り立っています!」
一昔前まで、このようなセリフが広告に掲載されているのをよく目にしました。私もこれを見たとき、「おー、たった2000語をマスターしたら、なんでもぺラぺラに言えるようになるんだー!」と衝撃を受けました。
しかし、これが文字通りの真実であるとすれば、今回の「中学校1年生の英語をマスターしたら、ネイティブの何歳レベルなの?」についても、ある程度「○○歳レベルだよ」という答えが出てきそうです。ですが、それについては今日説明したとおりで、中1の範囲程度では、比較対象にすることができません。
では、いったい、「映画の98%が2000語で成り立っている」とは、どう解釈すればいいのでしょうか。
英語の単語はいくつもの組み合わせで、いろんな意味を表すことができます。前置詞が違っただけで、全く意味が違ってきます。→「look at」(~を見る)、「look after」(世話をする)のように。
確かに、2000語~3000語は、話すときの「核」となる単語です。本当に、この2~3000語で、ある程度、政治のことを含めて話すことはできるでしょう。しかし、これは「単語数」という枠で英語を見た時のことにすぎません。
では、この2000語を「表現数」という観点で見るとどうでしょうか。それこそ、2000単語が、何万、何十万もの組み合わせになってしまいます。ネイティブ4歳の子供が「2000表現」をマスターしたというのならば、私たちも、「2000表現」をマスターしないといけません。
5歳児がすでに、「日常よく使う4000表現」をマスターしているならば、日本人が5歳児の表現数に追いつくには、やはり同じ「4000表現」を覚える必要があります。
ですが、これが「5000表現」になろうが、「1万表現」になろうが、「じゃあ何語で成り立ってるの?」と尋ねられたら、「実は2000語ぐらいで成り立っているよ」と言うことになります。
ですので、「この2000語をマスターしたら、映画の98%を理解できるようになります!」という広告があるとすれば、これは購入者に感違いを起こさせる「すり替え」が行われているにすぎません。
2000語と言いつつ、それを組み合わせた「数万表現」を覚えていないといけないということになるからです。「会話レベルを測る」一つの指標は、実は「単語数」ではなく、この「表現の数」なのです。
これを理解すれば、中1英語、中3英語、高2英語で、いかに単語数やその英文だけを鍛えていっても、日常会話に大変有効な一助にはなるものの、その内容に一切、「日常使う会話表現」が出てこなければ、一向に「日常会話力アップ」は望めないということになります。
最終結論は、
・「日本の教科書は、英語力を底上げするための基礎基本を学ぶもの」である。
・会話力を測る指標は、「単語数」でなく、「覚えた表現の数」
・ネイティブに近づくためには「表現数」をたくさん増やすことが必須で、ネイティブの4歳児、5歳児でもすでに「数千もの表現は身に付けている」
ということです。
そして、マスターした表現数が増えていき、毎日口に出していくことで、それらの「単語」、「文法力」、「表現力」がいつの日か、頭の中でいい具合に共鳴し始め、他の色んな表現もできるようになります。こつこつとやっていけば、そんな日も必ずやって来ることは間違いありません。
ということで、今日は、「中学校1年生の英語をマスターしたらネイティブの何歳ぐらいに相当するのか」について検証してみました。
みなさんの英語学習の参考になればと思います。では今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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2017年06月20日
こんにちは、tomoです。
みなさん、英語学習の調子はどうでしょうか。小さな目標、大きな目標に向かって頑張られていることと思います。
さて今日は、いただいたコメントの中にありました、「東南アジア諸国の英語力はどのくらいか」の話題について、ちょっとした体験談とともにお話したいと思います!
最近はオンライン英会話が流行っているみたいで、特にフィリピンの学生の方々が講師となっているのもよく見かけます。予算的にO.Kな方は、英語力アップというよりは、モチベーションアップ、またはモチベーション維持の目的なら、オンライン英会話もいいかもしれません。
私の感覚的なものになりますが、マレーシア、フィリピン、シンガポールなどは日本とは比べものにならないくらいの英語能力を持っていると思います。
以前私が見た2012年ぐらいのEF(Education First)による、国ごとの英語指標ランキング(English Proficiency Index)によると、マレーシア、シンガポールは、やはり東南アジア諸国では群を抜いて英語能力が高い結果が出ているようでした。
それに比べると、インドネシア、タイなどは日本と同じで、あまり高くないようでした。しかし、これはあくまでも「正式な英語、それも筆記試験の結果」にすぎず、観光地などで商売をされている方たちはと言えば、「コミュニケーションツールとして英語を使う」視点からは、やっぱり一般的な日本人に比べると、話す能力は高いと思います。
また、世界的なテストと言えども、統計学の観点からは、それぞれの国のどの層を母集団としているのかがよくわからないため、あまり鵜呑みにできない部分も多々あると思いまいますが、少なくともマレーシア、シンガポールなどは別格で間違いないと思います(フィリピンは、この試験には不参加?のようで、統計の中にありませんでした)。
~こんなエピソードもありました~
私が以前教えたことのある生徒で、中国出身の生徒がいました。その生徒と話していたとき、こんな話になりました。
私:「英語の発音とかすごいよねー。」
生徒:「いやー、普通ですよ。」
私:「中国の人たちは英語力高そうだね。」
生徒:「わからないですけど、中学校2年生の時に日本に来た時、日本の英語の教科書を見てびっくりしましたよ。」
私:「えっ、なんでー?」
生徒:「中学校2年生の教科書なのに、僕が中国で小学校3年生の時に使ってたぐらいのレベルだったんでー…。」
私:「へぇーーー!!」
生徒:「日本の英語のテストは、日本語に訳しなさいとか、いまだにそんなことやっているからダメだと思いますよ。なんで英語のテストなのに、日本語で答えさせるんですか?」
ある時、タイから来た大学院生の講義を聞いた後、その生徒が英語で謝辞を言うことになったのですが、それはそれは堂々とした英語で謝辞を述べていましたが(事前に準備はしていますが)、あまりにも日本人離れした発音に、周りの生徒が驚いていました。
そしてその講義が終わったあと、その大学院生が、「日本人の生徒にも、あんなにうまく話せる生徒がいるんですね!?」と、大変驚いた様子で私に尋ねてきました。私は、「実は日本人の生徒ではないんですよ」と言わざるを得ず、「日本人の生徒に英語を教えている私は、英語教師と言いつつ、いったい何をしているんだ!?」と自問自答する他ありませんでした。
いと思います。
特に、留学生となると、それはそれは必死に勉強してきた方が多いので、筆記テスト以外の話す英語も堪能です。私はこれまで、タイ、バングラデシュ、中国、ブータンの学生と話したことがありますが、どの人も、英語は「ネイティブスピーカー」レベルだと思うぐらい、流暢な英語を話していました。
その中で、バングラデシュ、ブータンの方は、小さい頃からテレビも英語、授業も英語で受けていたと言っていましたので、ネイティブレベルだったとしても納得できます。タイ、中国の方については高い水準の教育を受けて育ったと思われますので、その国全体の英語力と言うと、一概には言えません。
大まかにですが、私の持つ印象として言えるのは、
「日本人は、恥かしがり屋すぎて、人前で英語らしい発音をしようとしない。そして積極的に英語で話そうとする人が少ない。」
「アジア人の多くは、人の目なんて気にせず、通じる英語のために、英語らしい発音を平気で使い、積極的に英語を話そうとする。」
ということでしょうか。
日本人の「目立ちたくない」、「人目を気にし過ぎる」という国民性が見え隠れしている気がします。
英語上達には、「人目を気にせず、間違いを気にせず、とにかく話そうとする態度」が必要です。そういう観点を忘れずに、英語力を磨いていきたいですね。東南アジア圏でも引けを取らぬように、日本人もいわゆる「ラングエッジバリア:language barrier(間違えることを恐れてしまう言葉の壁)」を乗り越えて、どんどんと話す英語を鍛えていかないといけません。
ということで、今日は、「「東南アジア諸国の英語力」VS「日本人の英語力」について、独断と偏見でお話しました。それでは、また次回に。
では今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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「中学校1年生の英語をマスターしたらネイティブの何歳ぐらいに相当するのか」について。http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2512541.html
2017年06月19日
こんにちは、tomoです。
みなさんは、夢をよく見ますか?私はよく見ますし、けっこう鮮明に覚えています。
なんか仕事に追われている時期は悪夢(a nightmare / a bad dream)を見ることもあります。そして、英語の勉強を寝る前までしていると、たまに英語の夢を見ます。みなさんも、英語が出てくる夢を見たことがあると思います。今日は、その「英語の夢」についての小話です。
なぜかと言うと、夢の中では、自分の口から英語が全く出てこないからです。おまけに外国人も夢に登場していますが、その外国人が言っている英語らしき言葉も、実際に何と言っているのかわからないことが多かったです。だから、夢から覚めると、なんともフラストレーションのたまる思いがしたものでした。そんな夢を見た覚えが5~6回はあります。
でもあまりにも、起きている時ほどには話せなさ過ぎて、これまた目覚めた時に、「ん~、なんか冴えない英語だったなぁ。なんか嫌なかんじだなー」と思っていました。そんな時は、英語がもっと話せれば、夢の中でももっと話せるのかなぁなんてよく思ったものです。
しかし、なんかいつも出だしが少し悪い気がしてますが、まあそれなりに意図したことを英語で話しています。そして夢から覚めると、「ん~。久しぶりの英語の夢だったなぁ。でも、自分が言ったあのセリフは、起きていたらこんな風な言い回しで言ってただろうになぁ。なんか夢の中の英語は、ちょっとレベルが下がる気がするなぁ」といった感じです。
実際に満足するにはまだまだです。「もっとうまくなれば、さらにペラペラと、夢の中でも難なく話せるんだろうなー」と思いながら、そのレベルが、私の夢に関する次の目標です。けれど、達成するにはまだ長い道のりのような気がしています。
でもこの変化については、面白いなと思います。英語の勉強を継続し、少しずつ実力が上がると、やっぱりそれに比例して、寝ているのに脳が文を組み立てる作業をしてるんだなぁと感心します。
よく、夢は「記憶を整理している」ということを聞きます。特に英語をやって寝ると、夢の中で脳が英語の記憶をどこかに蓄積しているのでしょうか。ちょっと面白いなと思いつつ、起きていても寝ていても、会話力を上げていきたいと思っている私です。
みなさんも、英語学習を継続しつつ、次に英語の夢を見た時にはこの話を思い出して、夢の中の変化をお楽しみください。
ではみなさん、他愛もないお話でしたが、今日も読んでいただき、ありがとうございました!
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2017年06月18日
こんにちは、tomoです。
今日は前回の続きで、中、上級者のリーディングのお薦め教材と勉強の進め方について、お話したいと思います。
(英検準1級、TOEIC750点以上)の方への提案
① 「朝日」、「毎日」、「ジャパンタイムズST」等の週刊英字新聞
② Japan Times 等の、日本の英字新聞
③ 英検1級、TOEFL等の問題集
④ Readers Digest等の定期刊行物など
アドバイス:この段階では、徐々に市販の問題集を離れて、英字新聞や、その他の雑誌を多読していくことをおすすめします。多読の中で、意味がわからないけどよく見かける単語については、意味を調べて、単語帳やノートに書いていき、復習するといいと思います。
あまり出会った記憶のない単語については、あまり調べる必要はないと思います。語彙レベルが2~3万語レベルなどの単語は、出会う機会も少ないですし、調べて復習する割に、新聞を読んでいてもその後ずっと出会わない単語であるとすれば、調べて復習をする労力に見合わないと思います。それよりは、それらを無視して多読を続けて語感をより一層鍛えていく方を優先していいと思います。
それから、これはどのレベルの学習者にも言えることですが、わからない単語が1ページの中に20個も30個も出てくる読み物は、自分のレベルに合っていないと判断していいと思います。その場合は、もう少しわからない単語が少ない読み物に変えましょう。その方が効率がいいですし、同じ時間でより多読することができます。
また、中級者の時と同じで、同じものを何度か読み返してもよいでしょう。その方が、語彙の定着がより図れます。それから、このころになると、「速読」を意識していった方がいいと思います。速読は早く話されるリスニングにも対応する力となりますし、英語の総合力を上げてくれます。是非、意識して、理解度をあまり下げず、なるべく速く読むようにしていきましょう。
(英検1級前後、TOEIC900点以上)の方への提案
① 日本の英字新聞
② 小説、雑誌などの、興味のある本
③ TIME、News Weekなどの国外発行の英字新聞
ここまでのレベルに到達した人については、あまり読書量が多くない私からのアドバイスは特にありません。日本の英字新聞は、感覚的には1万5千語前後レベルの単語などの意外と難しい語彙が登場します。
TIMEなどは2万語レベルとか、2万5千語レベルも普通に登場しますし、見出しすら意味がわからなかったり、辞書で単語を調べても、しっくりこない英文もあります。このレベルの読み物は、アメリカの経済、政治、文化、宗教などの背景知識も必要なこともあり、私も以前は定期購読していましたが、ちょっと難しい記事が多かったので、今はお休みしています。
英語道でも有名であり、『「TIME」を読む 生きた英語の学び方』の著者、そして日本トップの同時通訳者である松本道弘氏の、「TIMEを読みなさい」、「Read more, speak less(話すよりも、もっと読みなさい)」の考えには同感ではありますが、スピーキングの流暢さを早くネイティブレベルに引き上げたいという目標を持つ私にとっては、松本氏の実践には遠く及ばず、優先事項として、「ネイティブ並みの流暢さ」、「日本語を話すように苦なく英語を話せるようになる」ことに重点を置いています。
「TIMEをマスターしてスピーキングはそこそこだ。」か、「TIMEレベルは難なく読めるわけではないが、スピーキングはネイティブ並みだ。」か、どっちを取る?と問われると、私はやっぱり、後者がいいなぁと思う派です。
本来は、「TIMEもスピーキングもネイティブ並み!」が一番いいですが、私の現在の気合と学習時間では、「二兎追うものは一兎も得ず」になるのが関の山なので、まずは、まだまだ修行不足のリスニングや、「ネイティブの中高生は普通に知っているのに、私は知らない映画などに出てくる日常語」に重きを置いて、学習を続けるつもりです。まだまだ実行力が足りませんが、今後も、頑張っていきます。
では、今日は「中、上級者の方への提案」と、私のまだまだな実力についてお話しました。ブログを書きながら、「もっと気合をいれないと!」と反省しています。
ではみなさん、今日も読んでいただき、ありがとうございました!
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「レベル別、リーディングのお薦め教材&理想的な学習の進め方」の紹介
http://blog.livedoor.jp/iecafe_english/archives/2447043.html