昨日のオリンパスさんの開示について書こうと準備したのですが、どうも書き方がまとまらないので、明日に回します。
さて、内部統制の整備状況について、子会社まで含めて一通り、会計監査人による監査が終わりました。

会計監査人からいただいたコメントの中で、ひときわ重いのがコチラ↓

・「全社的統制」が形式的すぎる

気持ちは分かるけど、「全社的統制」は、問題が起きていない場合には形式的になってしまうように感じます。

「全社的統制」の証跡として用意できるのは、「規定の整備」や「会議の議事録収集」とか…

問題がなければ、味気のないものばかりです。

もっとも、「問題が起きていない」は会社側の管理部門の主張であって、不祥事が社内で行われていることを知らないだけかもしれません。

発覚さえしなければ、不祥事も業務のうちで行われているのでしょう。

そんな懸念から、会計監査人は「全社的統制」が効いているかどうかを気にしているようです。

さらにタイミングが悪いことに、オリンパスの第三者委員会報告書132頁では、「j-soxの形骸化」の項があります。

この部分に関連して、「ビジネス法務の部屋」にて山口先生が「オリンパス社の全社的内部統制と『悪い意味でのサラリーマン根性の集大成』」にて、触れられています。

気になる部分を引用させていただきます。

(引用開始)===→

(前略)この第三者委員会報告書を読む限り、同委員会は、J-SOX(内部統制報告制度)における全社統制の評価において、かなりハイレベルなリスク評価を要求しているように思いました。今後他社において有価証券虚偽記載事件が発生した場合、この報告書が示したレベルの全社統制評価が行われないかぎり、財務報告内部統制において構築義務違反が問われる、ということも考えられますね。(後略)

←===(引用終わり)

会社側の実務家としては、今後の実務はどんなに大変になるんだろう、と心配が募るばかりです。
繰り返し書きますが、「全社的統制」の対応をしていて空しいのは、事後の監査で確認できる証跡は、どうしても形式的な書類しかないからです。
どんなに熱い会議体で「全社的統制」が行われて?いたとしても、その議事録を口語体でライブ調に作るわけにも行きませんし…
何も工夫をしなければ、「~について確認し、全員異議無く了承した」と箇条書きにして終わりです。

会社側としては、「心のこもった全社的統制」の証跡を監査の場で提示できればよいのですが、どうしたものやら…




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