2015年12月

モッチャン・ナイチャンの師走

20151231

〖世は移れども〗

2015年後半になり、突如、何処かの偉い御仁が“1億総活力社会”とのスロ-ガンを掲げて、疲れ切った国民に激を飛ばしている。下々はただ一言、またかと慨嘆するように空を見上げる-近頃、ボス(著者)も軽軽に物言う偉い御仁の発言には食傷気味を通り越しており、ボスの機嫌もよくない。ただ、一言-困ったものだと・・・。

・このボス(著者)の心情を知り尽くしているのはボスの奥様でなく-来年95歳になる家内のママでもない。相変わらず存在感を増している猫様で、家族の一員であるモッチャン・ナイッチャンである。彼らは冷静にボスの家の雰囲気を知り尽くしている御仁達である。ボスは猫様二人(二匹)の性格を常識程度に知っているだけであり“冷徹”であると・・・。

・“とんでもない、トンデモナイ”-ボスの常識は非常識に過ぎない!猫はボスの家を目と嗅覚で情報収集している。テレビに出演する偉い知識人が、最近、大切なのは現場主義と偉そうに言うが、所詮人間さまの妄言である。猫様は24時間自由な時間があり、起きたい時に起き、飯を食いたい時に起きる!まさに自由奔放な生活をしている。これを称して人間様は“晴耕雨読”と称しているが、所詮、人間様の夢にすぎないと猫様はみる。


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〖ボスの師走〗

・人間様は11月末のハロ-ウィン頃から多忙になる。お歳暮選び、クリスマス、年末の諸行事などなど。12月に入ると、メディアは“今年は後1カ月となりました。時の過ぎるのはまったく速いですね!と異口同音に・・・・当たり前のことを他人事のように言うからボスは面白くない。先月末、「鳳神社」(おおとり)の三の酉(浅草千束3丁目)に出かけた。江戸時代から三の酉は火事が多いとされる。多くの参詣者の長蛇の列、とても本殿にはたどり着けない。あきらめて帰ろうとすると、その近くを体中ピンク色でお化粧(スプレイ)した豚様が散歩中で、春先にも浅草の「場外馬券売り場」に出没したことボスはみている。豚様は猫様と同様に、ここは“天下の大道とノッソリ・のっそり”と歩く。ボスはその足で、地図を見ながら時には人に道を尋ねて20分ほど歩いて、「玉姫稲荷神社」(台東区清川2丁目)に辿りつ着いた。

・この周辺には皮製品、靴製造業者多く、氏子も靴製造業者が多いため“靴の神様”といわれる。附近に高層の建物もなく下町の風情、年2回行われる「靴のめぐみ祭り」には多くの人々が訪れる、ボスの訪れた日は2回目の祭りである。老若男女は本殿の前に手合せ願い事している。参拝を終わった人々の表情は周囲の雰囲気と合わさって安堵感を醸し出している。ボスは鳳神社から歩いてきたため、スッキパラ!値段も安く、美味しいコロッケを頬張る。欲張りのボスは近くの「待乳山聖天」に立ち寄り、本堂に入り、願い事する。本日は役目を終わったお下がりの大根はなかったと残念至極と(参考:拙稿ブログ「待乳山聖天の街角にて」(15/11/28)

〖猫様の師走〗

・ボスは1年中、片手に鞄を持ち、あちこちに名所旧跡を訪れ、置いてある無料の資料を鞄に放り込む。帰宅したら整理し、ブログ資料として使う。このボスの行動を奥方は仕方がない。今さら言ってもしょうがないとの境地・・・・・とボスはみている。ボスは最近、浅草へ出かける。今や浅草は訪日外国人(2014526万人)のメッカ-異文化の聖地か!冬の冷たい風が顔に!そこへ世話好きなボスは会話の修練場として、下手くそな英語で「どちらか来たの?」、と問いかける。過日、小柄な女性と男性に「どちらかですか」、「コロンビア」と、「首都はどこですか?」、「ボゴタ(bogota)です」と。ボスは浅草で世界観を味わい、大いに悦に入る-天空は青空-私の青空-(My Blue Heven)と・・・ジャズのスタンドナンバ-を口ずさむ。銀座線の浅草駅近くの1880年創業(明治13)の神谷バーに立ち寄りコヒ-を飲んで、疲れをとり、帰路につく。

・浅草のボスの師走の一風景です。これをモッチャン、ナイチャンは現場にいなかったが、家にいると同様に独善的に「独りよがりのボス」と、ボスはみる。猫様はボスの家に定住してから今年で9年目に入る。人間の年齢に換算すると、52歳ということになるらしい。ボスのお気に入りはモッタ君(モチャン)なので、モッタが餌を欲しがると、ついつい餌をやり過ぎる。モッタの容姿は猫様から狸様に変身してしまった!ボスはお家の一大事とザワメク、慌ててダイエット食に変える。

・猫様は、人間様が師走になると、家中が動き回ることが不思議でならない。しかも、何処も、彼処も・・・郵便局、金融機関などなど切がない。この1年間、モッタ・ナイチャンは常に平常心、感情害することなく、日々の生活を送っている。が、時々、ボスが部屋に入ってきて、ご機嫌伺いにくる。これが気に入らない、ウザイ、ウザイ!  猫様は日常生活が平穏にあることを願っているだけである。ナイチャンは相変わらずボスに敵愾心を持っている。IS(イスラム国)も負けるほどの執念さである-先ずボスの顔を見ただけで、逃げまくり、次の出方を考える。ボスは相変わらず茫然自失の状態に陥ること度々である。この場に至っては修復の余地はないと、ボスは考える。

〖猫様の気持で〗

・ボスの家も大過なく、本年はあと1日を残すことになった。ボスの齢は来年70代の真ん中になる。特に考えもない。只々、安寧な生活が続くことを望んでいる。ボスの家はワイフ・そのママ(94)と、同居している猫様の二人()と新年を迎える。2016年もボスは猫様の報告をタイムリ-に紹介したいと思っている。(グロ-バリゼ-ション研究所)所長五十嵐正樹

中国の金需要の将来

20151224

〖プロロ-グ〗

・金は変色や腐食をせずに燃えないといった性質を有しています-2001年の米同時テロで倒壊した世界貿易センタ―ビルの地下に保管されていた金塊8トンが無傷で回収されています。中国国民の金への愛着は、インド国民と比肩されます。中国は阿片戦争(18411843)以来、列強の侵略により国民生活は何度も辛酸を嘗めます。国民は歴史から“有事の金”生活の知恵として体得します。

〖金の需給〗

(需  要)

・金の調査機関ワ-ルド・ゴ-ルド・カウンシル(WGC)がまとめた報告によると、中国国民は定性的に国際政治・経済情勢に関わらず金を購入します。毎年の需要量を見ると、2004年は世界4位の234トン、10年後の2014年は3.5倍の813.6トン、インドに次いで世界二位となります。経済成長に伴い中間層が増えているのが背景にあるのに加え、先物を含めた市場の整備も進んでいるのが理由です(1)2013年の中国の金需要は1176.4トンと記録的なレベルに達しインドを抜いて世界最大の金需要国となり“大躍進”します。

(供  給)

 2014年の金生産高を見ると、推計で約460トンです。2位のオ-ストラリア(270トン)に大きく水をあけて、8年連続で首位になります。ロシア(260トン)と米国(210トン)が続き、ぺル-(170トン)の順です。中国は原則的に金の輸出を禁止していますので、生産した金は国外市場に回らず、市場では中央銀行などに積み上げられているのではないかと、憶測が飛び交います(参考)。以前、世界一の生産量を誇っていた南アフリカ共和国は資源の枯渇により現在160トンほどで、10年間で生産量が半分以下に落ち込んでいます(2)

〖需要予測〗

・中国では都市化の進行によって、中間層人口は現在3億人で、2020年には5億人に達する見込みです。この層では可処分所得が増えているのに投資手段が限られているため、金需要は成長を続けます(3)

・中国人の貯蓄レベルが高止まり、銀行預金残高は推定75兆ドルに達していますが、一般世帯の金保有額はまだ約3000億ドル。投資手段はスモ-ルバ-、贈答用バ-、純金積立建商品が中心で、2017年までの金需要は年500トンに達する見込みです。

・中国は世界一位の金宝飾品市場となり市場規模はこの10年で約3倍―2013年は669トンで、世界の宝飾品需要の30%を占めています。推定では2017年には780トン。現在、24金の宝飾品を売る小売店は全土で10万店以上です。

・消費者の金に対する人気が揺るがない。宝飾品需要の40%は結婚関連のものですが、中国人の金を好む傾向は冠婚葬祭や贈答の場合に限りません。本報告のアンケートに答えた消費者の80%は、今後、12カ月間に24金の宝飾品への需要額を維持または増加させるつもりです。その理由は金の価値は長期的に維持されるはずであり、自分の可処分所得が増えると予測しているからです。

・中国のエレクトロニクス関連の金需要も今後の4年で小幅ながら伸びる見込みで、産業需要も成長してきます(200316トン/201366トン)。中国はまた、医療におけるナノゴ-ルドの利用など関連特許についても最大級の市場です。

〖金産業の発展〗

中国黄金協会の宋鑫会長(中国黄金公司総経理/党委員会書記を兼任)は北京で開催された「2014年中国国家黄金大会」で以下を指摘しています。

・中国の金産業が探査、採掘、選別・精製、取引、加工、消費を網羅する総合的産業チェ-ンとして飛躍的に発展をします。

2014年末の金埋蔵量は8974.74トンに達し、世界第二位。会期中、「世界黄金協会と全面的な戦略協力合意を締結します。

・「中国黄金産業社会的責任報告書(2014年版)」、「中国黄金年鑑2014年」、「世界白金族金属年鑑2014年」の中国版も発表します(4)

〖所   見〗

・今後6年間で、中国の中間層人口は2億人、即ち6割以上を増え、5億人に達する見込みです。これを米国の総人口、31900万人と比べれば、金を買う余裕ができた中国人の消費者による新市場の規模が展望できます(5)

・この中間層の出現に加え、実質所得の上昇、個人貯蓄額の増大、中国全土にわたる急速な都市化といった要因は、今後4年間の宝飾・投資需要が堅調であることを示唆しています。中国人の金を買う眼は輝き異様な感じを受けます。この中国人の金への欲望は不断なく輝きを増しており、金の山吹色の輝きも不変です
        中国の金シリ-ズ(2)~中国の金需要の将来。

(グロ-バリゼ-ション研究所所長 五十嵐正樹)

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  (1)「日本経済新聞」2015312日。
2)「日本経済新聞」2015417日。

3)「中国金市場その歩みと展望」(hina's gold market progress and prospects)、20144月15          
   日。
4)「人民網日本語版」2014912日。

  (5) (3)と同じ。
(参考) 
中国政府は金地金の輸出禁止を続けています。金は政治的にも経済的にも重要な金属であるために購入し長期保有すべきだという認識があるからです。これは消費者も同様です「Gold  News」、2015216日。

中国人民銀行の金保有の公表とその背景

201512月14日

〖金保有と人民元〗

・中国人民銀行(中央銀行/以下人民銀行)2009年以降、国家機密であった金保有高を6年ぶりに7月から公表しており、人民元の国際化を目指す過程で外貨準備の公開に積極的になった。公表以降は毎月1519トンを市場から買っている。9月には15トン、約675億円を費やしている。同時点の金保有残高は1709トンと世界5(1/参考1)。

・人民元の国際化の一環として、中国はこれまでIMF(国際通貨基金)の準備資産としてSDR(特別引き出し権)の構成通貨に人民元を加えるようにIMFに働きかけてきたが(参考2)1130日の理事会で承認された。人民元の国際通貨化への道筋が一歩前進し、SDRは来年10月からドル、ユ-ロ、ポンド、円、人民元の5通貨で構成。

・仮想通貨であるSDRの価値を現実の通貨に換算する際に使われる比重は米国41.73%、ユ-ロ30.98%、人民元10.92%、円8.33%、ポンド8.09%。人民元は、ドル、ユ-ロに次ぐ第3番目の大きさを占めることになり、中国経済の影響力を象徴することになる(2)

〖金積増しの現状〗

・人民銀行が717日に公表した本年6月末時点の外貨準備高は36900億ドル(約458兆円)、金準備は5332万オンス(1658トン)。マカオ(澳門)の日刊紙は金準備規模については、20094月末から実に総量の約4割に相当する604トンが積み増しされたという(3)。外貨準備に占める金の保有率は中国が1.6%、ロシア13.1%6割を超える欧米と比べると見劣りがする(参考3)

・中国の金供給メカニズムは-①自国の生産量452トン(2014年)、②中国の大手金鉱山(紫金鉱山)の海外鉱山の買収(カナダ/パプアニュ-ギニアなど)、③香港経由で中国本土へ輸出される金(2012557トン、2013トン1158トン、2014813トン)。④海外からのスッポト金輸入(2014年スイスから200トン)など(注4)

〖金積み増しの背景〗

・人民銀行が金の手当てに動くのは、①人民元の国際化にとって、信用の裏付けが必要、②金融市場の不安定だけでなく、地政学リスクの高まりなどである。現実に目を向けると-中東のヨルダンの保有量は1年前と比べて2.5倍の42トンで、これだけ急激に増やすのは珍しい。恐らく、隣国シリアの内戦が混迷を深めるなかで安全資産である金の確保を急いだと推測される。

・反面、金を売却している国もある。政情不安などから経済失速したウクライナ。虎の子の金売却に追い込まれて14トンを換金している。ネパ—ルでは1年間で31トンを売却。大地震前に売却しており理由は不明。ベネズエラはチャベス元大統領下でドルでなく、金の手当てを続けてきたが、原油安の直撃を受けて売りに転じている(5)

〖金の使途の中身〗

・中国黄金協会が20142月に発表(2013年現在)したところによると、中国でアクセサリーに用いられる金の量は716.5トンで、前年比42.52%増。ゴ―ルドバ―用の金は6.57%増の375.73トン、金貨用は1.07%減の25.03%、工業用は0.23%減の48.74トン、その他は32.03減の10.4トン(6)

〖所     見〗      

・中国人は資産を所有するのに金が最も都合のよいものであると信じている。永い歴史のなかで戦乱に明け暮れたことによる所産で、現在も国民の意識に変化はない。

最近の中国の金生産は世界第一位(452トン/2014年)、金消費量は世界第二位(813.6トン)である。国全体が金の心棒者である中国、中国人である。

・現在、中国経済の減速は世界経済に大きな影響を与えており、この懸念は当面続くとみている。欧米の外貨準備に占める金のシェアは6~7割で、この裏付けがドルの信認につながっている。人民元の国際化は人民銀行(中央銀行)の信認でもあり、人民銀行の信認強化は金保有の積み増しが不可欠となる。

        中国の金シリ―ズ(1)~中国人民銀行金保有の公表とその背景~

(グロ-バリセ-ション研究所)所長五十嵐正樹

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(1) 「日本経済新聞」20151028日。

(2) 「日本経済新聞」20151024日。

(3) 「澳門日報」2015618日。

(4) 「日本経済新聞」2015511日。

(5)  (1)と同じ。

(6) 「人民網(日本語版)2014211日。

(参考1)各国の中央銀行の金保有量(158月時点)は、①米国(8133.5トン)、②ドイツ(3381トン)、③イタリア(2451.8トン)、④フランス(2435.4トン)、⑤中国(1693.6トン)、⑥ロシア(1317.7トン)、⑦スイス(1040.0トン)、⑧日本(765.2トン)、⑨オランダ(612.5トン)、⑩インド(557.7トン)

(参考2)フランス出身でIMFトップのラガルド専務理事が20116月に選出された際、「組織運営が欧米中心だ」との不満が新興国に噴出したが、中国はなぜかラガルド氏支持に回った。謎は解けた。IMF4人目の副専務理事のポストを新設、中国に割り当てた。

(参考3)中央銀行の外貨準備に占める金準備の割合(158)、①米国73%、②ドイツ67%、③イタリア65%、④フランス65%、⑤ロシア13%、⑥英国9%、⑦日本2.2%、⑧中国1.6%

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