2018年08月

最近の中国の宅配便事情

2018年8月26日


〖プロローグ〗

・日本の宅配便制度は、差し出す人、受け取る人にそれぞれ計り知れない程の恩恵を与え、今や日本人の日常生活に欠かせないもになった。そのル-ツを尋ねると、1927年(昭和7年)、鉄道省と運送業者が始めた集荷・配達を行う特別小口扱(宅扱い)が日本の最初の宅配便にあたるという。

・宅配便のサ-ビスの始まりは、1976年1月20日、大和運輸(現在のヤマトホ-ルディング)が「宅配便」のサ-ビス名で行ったのが最初である。当初は関東地方のみで、1日目の取扱量は11個だったという。1980年代になると、コンビニエンスストアを利用した拡大戦略、高速道路網の拡充による配送時間の短縮により宅配便は飛躍的に拡大した。平成27年度には取扱総数は28億3000万個余となった。以下、最近、急成長が著しい中国の宅配便事情(1979年創業)である。

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出所:毎日新聞

〖概   況〗

(業務量)

・広大な土地、巨大な人口を有する中国の宅配便業務の現状は、“1日当たりの取扱個数が1億の時代”に突入し、2014年以後、世界一を保持している。中国国家郵政局が発表した個数は、2012年56億9000万個、2016年312億8000万個、2017年401億個、2018年は490億個と見込まれる(注1/注2)。

・2018年上半期は220億8000個で、前年同期比27.5%増、宅配業務収入は2745億元(4兆5292億円)、前年同期比25.8%増であった。民間宅配企業の業務量と業務収入のシェアは92.2%と85.9%であった。中西部の宅配業務の割合が引き続き上昇し、河北省、山東省、広西チワン族自治区の宅配数量の伸び率が40%を超えた(注3)。

・中国の宅配便は急増している。配達時間は58-60時間、時間通り72時間以内に配達できた割合は2012年の72.4%から2016年には75.53%に上昇している。配達距離が1000キロ以下の場合、84.62%が48時間以内に宅配を完了し、クレーム率は過去最低となった。

(発展の要因)

・中国の宅配便が急速に発展した背景について、①宅配便業界のサ-ビスチェ-ンが伸びた、②宅配便市場が規範化され、秩序が保たれるようになった、③スマ-ト端末の活用やサ-ビス概念のグレードアップなどで、この動きに海外メディアも評価しているという。

(EC市場)

・中国は世界最大のEC取引市場(電子市場取引)を運営している。最近の統計によると、中国のEC取引の2017年売上高は世界のオンラインの小売売上高の半分を占めるようになると予測している。今後、EC取引市場は中国の宅配便発展の中核となると英紙「デイリ-・メ-ル」(2018年82日)は伝えている。

〖配達現場〗

(配達員)

・最近発表された『宅配便配達員についての考察報告2018年』によると、2016年から現在までの間に、中国では宅配便の配達員が50%増加し、総数は300万人。業務量は57%増加し2018年の取扱量は490億個に達する見込みである。

・平均月収は6200元(約10万円)に達したという。この報告は「第一財経商業センタ」-と「蘇寧易購」が共同で発表したもので、配達員の特徴、仕事状況、社会貢献など各方面からの配達員を分析している。

(年 齢)

・全国規模の配達員流動状況の特徴を見ると、①三線都市や四線都市から一線都市、二線都市へと移動している。②配達員の出身地をみると、江蘇省、広東省、河南省、浙江省などで、いずれの省も人口の多い省である。③2018年の全国配達員数都市別ランキングは、北京、上海、広州、深圳、南京が上位に並んだ。④配達員の1カ月当たりの平均移動距離は里帰りの5回分に相当するという。⑤配達員は80後(1980年代生まれ)、90後(1990年代生まれ)が続き、全体に占める割合が急上昇し、低年齢化の傾向が見られる。

・配達員は“お兄さん”が圧倒的多数を占めるが、“お姉さん”も増えている。配達員の学歴をみると、短大、普通高校、商業高校、工業高校の卒業生が中心で、中には大専以上も緩やかな増加基調で推移。「蘇寧物流」のデ-タをみると、2017年6月~2018年6月までの間に、南京市では大学本科(4年生大学)以上の学歴をもつ配達員が前年同期比92.53%増加している(注4)。

(給  与)

・配達員の収入について、“1万元超え”(16万円)のニュースが、複数のメディアを賑わしたが、実際には一般的な現象ではない。給与は基本給プラス歩合制というところが多い。ECサイトが大規模なショッピングイベントを開催すると給与水準が大きく変動する。平均給与は月収6200元(約10万円)前後と言われている。1日の労働時間は8時間超える人が80%に上る。

・「蘇寧物流」のデ-タによると、2017年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)の時は(参考1)、無錫市の配達員の給与水準が月収べ-スで、1万1千元を超え、最高で2万元に達したという。烏魯木済(ウルムチ)(参考2)は物流の重要なタ-ミナルだが配達員が少なく、宅急便の増加にともなって配達員の収入が業界内でも相対的に高くなっている。

(参考1)2017年のダブルイレブン、中国最大手ECモ-ル「天猫」の1日の流通額が1682億元(約28.5兆円)。「天猫」(Tmall/テンマオ)はアリババが開設したショッピングモ-ル形式のBtoC-ECサイトです(企業と消費者< businessconsumer >)。アリババグル-プといえば淘宝網(タオバオワン)が有名です。淘宝網がCtoC-ECサイト(消費者向けのサイト)
(参考2)烏魯木済(ウルムチ)は新疆ウルムチ自治区の首府。都市圏人口は183万人。

〖経済効果〗

(GDP)

・「国家郵政局」が取りまとめたデ-タによると、①中国の宅配便産業の発展能力が著しく高まったことで、2018年第一四半期には宅配便が介在したネット小売り額が1兆5000億元(24兆7500億円)になった。②宅配便業務収入の国内生産(GDP)に占める割合は0.62%、GDPの伸びに対する寄与度は1%(注5)。

(ロボット導入)

・前掲の英紙「デイリ-・メ-ル」は、今後の中国の宅配便の作業効率化のためにロボットの導入について記事は、「インターネットを搭載したロボットが、中国最大のオンライン小売り業者の倉庫の効率を3倍に」と題する記事を掲載し、最近、100台以上のロボットが導入された中国最大の「ロボット倉庫」の現状を紹介しており、将来方向について、極めて示唆的である。          

(融資額)

・2018年上半期の宅配分野の投融資規模は1000億元(1兆6200億円)に達した。対象は主に即時配達、速達、末端配達、中継センタ-建設に集中している。宅配企業のアセットヘビ-モデル(資産増加)が徐々に形成され、サ-ビスの能力と質が引き続き上昇した。コ-ルド・チェ-ン(生鮮食品・医薬品などの低温輸送)などの高付加価値サ-ビスが業界の新たな成長対象となり、宅配企業は上・下流の生産・流通を通して、全産業のチェ-ンのコストの削減・効率向上に貢献している(注6)。

〖展   望〗

(技術革新)

・「2018年中国宅配便産業(国際)発展大会が5月30日に北京で開催され、『中国宅配便産業社会貢献報告2017』が発表された。孫康副会長兼事務局長によると、「中国宅配便産業は現在-①“労働集約型産業”から“技術集約型産業”へと変貌を遂げつつある。②企業の科学技術革新(イノベーション)への投資が増加している。③順豊持株股份有限公司の2017年の研究開発投資が11億6700万元(約198億3400万円)に上り、収入に対する比率が1.64%と発表している(参考3)。        

(自動化)

・宅配便の作業効率化を推進するため、宅配便を配送する自動運転車とドローンの展示コナ-も登場した。①自動運転車は目的地に合わせて自ら経路を設定し、障害物をよけて進み、自動運転車は目的地に合わせて自ら経路を設定し、障害物をよけて進む、②コミュニティのエレべ-タ-のバックヤ-ドに入り、エレバータ-にのって、ドア・ツ-・ドアの無人スマ-ト配送を実現する。顧客はQRコ-ドをスキャンするだけで荷物の預け入れも受け取りもできるという(注7)。

(参考3)「順豊」は中国の物流民営企業である。1991年に広東省順徳で、上海生まれの香港人・王衛が創業した。中国国内および海外に約29万人の従業員を雇用し、1.2万台の車両を持ち、15機の航空機と9100カ所のサ-ビス拠点がある。

〖エピローグ〗

・中国の政策・施行の前提となるのは、中国の人口13.79億人(2016年現在)である。宅配便の対象は約14億人となる。中国の国土は約日本の27倍ある-その地勢は砂漠あり、ヒマラヤの高山ありで、宅配の困難地域も多い。配達標準時間を厳守するということになれば困難が伴う。

・企業経営はコストが前提、むやみに配達要員を増やすことはできない。人間に変わる労力が必要で、ロボットやドロ-ンが不可欠。中国市場の将来について考えると、EC(電子市場取引)の拡大には、インタ-ネットの利用者の拡充が重要である。2018年6月現在、インタ-ネット利用者は8億200万人に達した。利用者は青少年、青年、中年層が利用者全体の71%を占める。宅配便の将来は益々繁忙が見込まれる。

(グロ-バリゼ-ション研究所)所長 五十嵐正樹

(注)

(1)「人民網」(日本語版)2017年8月07日。

(2)「人民網」(日本語版)2018年1月11日。

(3)「中国網」(日本語版)2018年8月13日

(4)「人民網」(日本語版)2017年8月10日。

(5)(注3)と同じ。

(6)「中国網」(日本語版)2018年8月13日。

(7)「人民網」(日本語版)2018年6月01日。

(引用資料)

・ウイキペディア

(参考資料)

・謝 英博論文「中国における宅配便の将来性に関する研究」、東京海洋大学、平成24年3月。 

・「人手不足が深刻化する中国宅配便業界」、NEC/BUSINESS LEADERS SQUARE WISDOM、2017年5月18日。                                                                                              


産金大国の中国の現状

2018年8月07日


〖プロロ-グ〗

・世界的な著名な金アナリストディモシ-・グリーンは、「金-21世紀への展望」で、中国人の金選好について、「中国人にとって金(黄金)を意味するKamは長い間、富の象徴であり、価値の貯えの拠り所であった。金への信頼は中国の共産革命を経ても生き長らえた」と述べている。中国の厳しい金管理は1982年9月まで中国人民銀行が行っていたが、同年10月、金準備の増加、生活水準の向上などを理由に金装飾品の生産・販売を再開することになり国民待望の“金解禁”を実施。1988年7月、国務院秘書長白美清は、「中国は世界の新たな産金大国を目指す」と発言する。

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出所:Sankei Biz

〖金生産の概況〗

(生産推移)

・中国の金生産量の推移を見る-新中国成立時(1949年)は4.5トン、1995年に初めて100トンの大台をカバ-し、2003年には200トンを超えた。2007年には前年比12%増の276トンで、1905年以来、首位の座を守り続けてきた南アフリカ共和国の産金量は8%減の272トンとなり、102年ぶりに主役が交代した。

・2016年の産金量は453.486トン(2位豪州/290.5トン)で、10年連続の世界一となった。その内訳は金鉱山から394.883トン、随伴物から58.603トンである。金消費量は975.38トン、4年連続で世界一となった。内訳を見ると、ネックレス用611.17トン、金インゴット用257.64トン、金貨用31.19トン、工業用及びその他75.38トンである(注1)。なお、中国黄金協会が発表した2015年時点の中国の金埋蔵量は1万1563.46トン。

(主要産金地)

・現在、中国の金産出量で上位5位の地域は山東、河南、広西、雲南、福建で、4省・1自治区の産金量合計は中国全体の59.08%を占めている。金生産企業は2002年の1200社から現在700社にまで絞られ、上位10社の金生産量の合計は167.7トン、全体の49.2%を占めている。長年の間の発展によって、大手企業が金産業の発展を主導する構図は形成されている。

(紫金鉱業)                                                

・中国最大の金企業は「紫金鉱業」である。産金量は中国全体の約12%。利益は中国全体の金産業の36%を占めている。生産面で見ると、金生産は1位、銅生産は2位、亜鉛は6位。2009年時点の保有埋蔵量は金が前年比1.9%増の715トン、銀が1.9%増の1855トン、銅が10.2増の1063万トン。亜鉛が523トンなど。しかし、2007年は183トン、2008年は64トン、2009年は13トンと年々生産量は減少している。このため現在は“買収戦略”に注力している(参考)。

(参考):日本で最大の金鉱山は鹿児島県伊佐市の菱刈区東部にある日本最大唯一の商業べ-スの「菱刈鉱山」である。通常の金品位は数グラム/トンであるのに対し、菱刈の鉱床探査の試錐で290グラム/トン、鉱山の平均でも約50グラム/トンと非常に高く、世界最高水準である。

〖海外投資の実情〗

(カナダ)

・近年、中国企業による海外の金鉱山開発が活発である。2018年7月、カナダの鉱山開発大手が中国と鉱山開発で連携を深めると発表した。金相場が1トロイオンス(約31.1グラム)1200ドル台と10年前に比べると3割高く、開発機運も高まっている。世界最大の金生産国である中国が海外進出を強化する背景には、経済圏の拡大や産業推進など長期的な国家戦略がある。以下、その内容である(注2)。

・「我々の協力関係は次の段階に入る」と、7月上旬、カナダの金鉱山会社で世界最大のパリック・ゴ-ルドは宣言した。2017年4月、同社は鉱山会社、山東黄金集団にアルゼンチンのバラデロ鉱山の権益の50%を売ることで合意した。今後は中国企業と共同で新たな鉱山権益を獲得するなど、ビジネスパ-トナ-として、連携を強化する可能性が高まった。

(アジア/アフリカ)

・紫金鉱業はパプアニュ-ギニアとコンゴ民主共和国の鉱山権益取得で7億1000万ドル(約880億円)を投資する(注3)。

・2011年8月16日、紫金鉱業は、全額出資の超泰公司を通じて、キルギスタン最大の金鉱開発会社Altynken Limited Liability Companyの権益60%を買収すると発表した。欧米の債務危機や世界的なインフレで世界の金価格が高止まりする中、紫金鉱業も資産の拡大を加速させている(注4)。

・紫金鉱業は、Altynken Limited Companyの権益を、カザフスタンのSmmer old Limited Liability Partnershipから6600万米ドル(約4億2200万元)で取得する。残りの40%は、キルギスタンの国有企業が保有している(注5)

(北 朝 鮮)

<金鉱開発>

・中国有色鉱業建設集団(有色金属)は2006年4月13日、吉林省昊融有色金属集団公司(昊融集団)と北朝鮮の金剛公司との間で、北朝鮮の金属鉱山開発に協力する内容の協定を締結したと報じた。北京市で行われた式典には、有色集団の羅涛・総経理、昊融集団の徐広平・薫事長、北朝鮮・駐中国大使館の幹部らが出席した。2006年3月に訪中した金正日総書記と胡錦涛国家主席は両国の経済協力を強化することで一致したとしていることから、この協定締結はそれを具体化した第1号のプロジェクトとなる。協定によると、有色金属は金剛公司と合弁会社を設立し、金、銅、モリブデンなどの鉱山開発に当たる(注6)。

・北朝鮮が、3カ所の鉱山の共同開発で中国企業と合意した。北朝鮮は外資誘致のために、北京に開設した「朝鮮投資事務所」が2012年8月9日、サイト上で異例の発表をした。同事務所は、「金正恩体制となった今年から本格的な活動を始めた」と言及。同事務所のサイトによると、2012年6月9日、北朝鮮の1カ所の金鉱山と2カ所の鉄鉱石鉱山について、中国の貿易会社と共同開発の契約を結んだ。

・南北経済協力事業に携わった「北韓資源研究所」(ソウル)の崔景守(チエ・ギョンス)所長によると、中国企業による北朝鮮の鉱山開発への大規模投資は、2009年以降はなかった。鉄鉱石は採掘に大量の電力が必要なことから中国からの送電が可能な中朝国境に近い地域の可能性が高い(注7)。

<金埋蔵量>

・韓国の中央日報の経済研究所が主催したエネルギ-・フォ-ラムが2013年11月6日、「北朝鮮の鉱物資源は世界市場へ進出可能なのか?」というテ-マで、ソウル市内・太平路に位置する韓国プレスセンタ-で開かれた。北朝鮮が発表した同国の資源の賦存状況を国際基準に照らしてみると、石炭は227億トンが26億トン、金は972トンが317トン、鉄は37億トンが17トンに減少した(注8)。

〈金製錬所〉

・コンプライアンス問題について企業に助言するクライガン・エンバイロメンタルの副社長のブル-ス・カルダ-氏によると、北朝鮮の中央銀行が運営する製錬所が現在、北朝鮮で唯一の金製錬所と見られており、この製錬所では金の延べ棒が生産されているという。また、国連によると、香港のバイヤ-は2015年、北朝鮮から金の延べ棒294kgを購入し、前年の91kgと比べると急増した(注9)。

〈米国企業〉

・2016年3月28日、ロイタ-が規制当局への開示書類を分析したところ、25社の米上場企業が北朝鮮から金を調達していることが判明。北朝鮮の鉱業部門に対する米国の新たな制裁の下、多額な罰金を科せられる可能性があると。オバマ米大統領は同3月16日、核実験や事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮への制裁を強化するため、新たな大統領令を発布した。それによると、北朝鮮の鉱業セクタ-で操業した企業や、第三国のサプライヤ-を通じた間接的な取引を含めて、北朝鮮政府から金属を調達した企業は、米政府のブラックリストに載せられることになった。世界から孤立する北朝鮮経済にとって鉱業セクタ-はドル箱であり、鉱業収入が北朝鮮の軍事支出を賄っていると専門家は指摘している(注10)。

〖海外投資の背景〗

(小規模鉱山)

・世界最大の産金国である中国の積極的な海外投資の背景について、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の北良行・金属担当審議役は「当局が環境対策に本腰を入れ、国内の大半を占める小規模鉱山で環境負荷の高い採掘が難しくなっている」と指摘。国内の生産量は2017年に前年比7%減った(注11)。

・戦略的に金を確保する狙いもある。習近平国家主席は「中国製造2025」を打ち出し、トップダウンでロボット技術や医療など先端産業の育成を目指す。電子基板の部材にもなる金は戦略物資、国外への持ち出しを原則禁止して「民間備蓄」を促す。

〖エピロ-グ〗

(黄金部隊)

・中国の金産業の将来は決して楽観できない。多くの中小金鉱はトン当たり10グラム以下の貧鉱で、採算点を下回っており、生産量は年々減っている。このため当局は金の探鉱に注力している。事例として、国境警備を主な任務としている「武装警察」の中に黄金総隊(国土資源部指揮下)を設置しており、金鉱の地質調査や採掘を任務としている。黄金指揮部(北京市)、黄金第1部隊(黒竜江省ハルビン市)、黄金第2部隊(河北省廊坊市)、黄金第3部隊(四川省成都市)などから編成されている。

(都市鉱山)

・消費面では国民生活が豊かなったことで、金を買い求める人が多くなった。上海市内には多くの金専門店があり、市民は目を輝かせて金を買い求めている風景は異様な熱気がある。中国の歴史は永年にわたり戦火に塗れる歴史であった-人々は唯一信頼のできる資産として金への絶大な信頼は今でも変わらない。また、日本の事例であるが(注12)、最近、「都市鉱山」(廃棄されたスマ-トフォンなどから手作業で金回収)を『産業技術総合研究所」が2022年度までに自動化技術の開発は注目されている。携帯電話所有者が7億5300万人(注13)もいる中国は、この日本の技術開発に注目していると思われる。

(グロ-バリゼ―ション研究所)所長 五十嵐正樹

(注)

(1)「中国は依然、世界最大の黄金生産国、消費国」、第一黄金網、2017年1月28日。

(2)「日本経済新聞」2018年7月27日。

(3)Jesse RiseboroughAndre Janse van Vuuren 2015年5月27日。

(4)「Record China」、2011年8月18日。

(5)(注4)と同じ。

(6)「金属資源情報」、JOGMEC(独立行政法人天然ガス・金属鉱物資源機構)、2006年4月24日。

(7)「朝日新聞」2012年8月9日。

(8)「中央日報」2013年11月7日。

(9)(注7)と同じ。

(10)「ロイタ-」2016年3月29日。

(11)(注2)と同じ。

(12)「東京新聞」2018年8月5日。

(13)「人民網日本語版」2018年2月1日。


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