がん哲学外来における偉大なるお節介症候群とはなにか?

樋野興夫先生の文章から抽出したものです。

『真に勇敢なる人は常に沈着である。

 −−−−− 吾人はこれを「余裕」と呼ぶ。それは屈託せず、

 混雑せず、さらに多くをいるる余地ある心である』

(新渡戸稲造『武士道』より)。

まさに、「偉大なるお節介症候群」の主症状である。



「偉大なるお節介症候群」の診断基準

(1)暇げな風貌

(2)偉大なるお節介

(3)速効性と英断

 

「偉大なるお節介症候群」認定証の選考項目

  (1)「役割意識&使命感」を持つ

  (2)「練られた品性&綽々たる余裕」

  (3)「賢明な寛容さ」

  (4)「実例と実行」

  (5)「世の流行り廃りに一喜一憂せず、あくせくしない態度」

  (6)「軽やかに、そしてものを楽しむ。自らの強みを基盤とする。」

  (7)「新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かっ 

     て努力する。」

  (8)「行いの美しい人(a person who does handsome)」

  (9)「冗談を実現する胆力」〜sense of humorの勧め〜

  10)「ニューモアに溢れ、心優しく、俯瞰的な大局観のある人物」

人間は、自分では「希望のない状況」であると思ったとしても、「人生の方からは期待されている存在」であると実感する深い学びの時が与えられている。その時、「その人らしいものが発動」してくるであろう。

「希望」は、「明日が世界の終わりでも、私は今日りんごの木を植える」行為を起こすものであろう。「自分の命より大切なものがある」は、「役割意識&使命感」の自覚へと導く。「責務を希望の後に廻さない、愛の生みたる不屈の気性」が「人生の扇の要」の如く甦る。「ビジョン」は人知・思いを超えて進展することを痛感する日々である。「病気であっても、病人ではない」の社会構築が、「偉大なるお節介症候群」の使命であり、次世代の医療の姿であろう。