仕事をしているときでも、友達と話しているときでも。
「聞く力」が不可欠だな、と思う機会が最近多くあります。

相手はどう考えているのかな?
どんな気持ちなんだろう?
どうしたら喜んでくれるかな?

掴もう、という想いはあれど、
直球で聞いてみたらはずして困らせたり、
うまいこと言葉を引き出せなくてもどかしい思いをしたり、
言葉とは裏腹な態度に戸惑ったりと、
なかなかうまくいくことばかりではありません。

それでも、
「徹底的な相手発の思考」で、考え実行し続けること。
「聞く力」はの繰り返しによって身に付くものなのだと思い知りました。

相手の想いを引き出してサービスを提供するプロである、
ホテルマンの興味深い話があったので、ご紹介します。

***以下(リンク)より一部引用***

〔1〕 相手と同じ目線に立つ

ビジネスマンにはコミュニケーションの悩みが多いようです。たとえば、営業マンが訪問先の相手と話すときに、商品についてはしゃべれるし、プレゼン資料についても説明できるのだけれども、それ以上のことがうまくしゃべれない。また、相手のニーズを聞いたり、雑談をして打ち解けたりすることができない。

それは、話をする基盤として、「聞く姿勢」ができていないからです。自分の立場で考えてしまっていて、相手の話を聞きながらも、頭のなかでは「次は何をしゃべろうか」と思っているのではないでしょうか。それでは相手とのダイアローグ(対話)ができません。
 

そこで必要になるのが、イマジネーションです。イマジネーションとは、相手の心のなかにあるものとできるかぎり同じイメージを、自分の心のなかにつくり出すこと。それによって、相手と同じ目線に立つことです。

優れたホテルマンには、このイマジネーションの力が備わっています。ホテルにいらっしゃるお客様は、年齢も、職業も、ホテルにいらっしゃった理由も千差万別です。ですから、お客様1人ひとりがどういう気持ちなのかをイメージして、対応しなければなりません。


たしかに、経験を重ねていくことで、頭のなかにお客様のパターンが十数種類できてきて、みただけである程度は対応の仕方がわかるようになります。しかし、それに頼ってはいけないのです。たとえば、挙式の相談でこられたお客様がいたとしましょう。「挙式の場合は、こういうふうに対応すればいい」と、これまでの経験やノウハウにとらわれて行動してしまうと、目の前のお客様に特有の家庭の事情などに気がつかないかもしれません。相手の気持ちをイメージし、受け入れてこそ、期待を超えるサービスをすることもできるのです。


部内の会議でも同じことです。優れた上司であれば、会議室に出席者が入った時点で、イマジネーションを働かせます。ぜひとも発言をしたいと思っている、やる気満々の人は、部長の隣や正面の、よく目に入る席に着くでしょう。逆に、準備不足の人は、目立たない席に着きます。表情や声からも、それぞれの出席者の気持ちを知ることができるはずです。


そこで部長は、まず、やる気じゅうぶんな人たちと、柔らかい話題を選んで雑談をします。そして、自信がなさそうな相手と目が合えば、「君はどう?」とにこやかに聞き、雑談の輪を少しずつ広げます。こうして、本題に入る前に場を温め、空気を和らげておかないと、しゃべりたい人がしゃべるだけの場になってしまいます。ほかの人の意見を聞くことができません。


人は、リラックスするとアイデアが出やすくなるものです。縮こまっていたはずの人から、意外なほどいい意見が出てくることも多々あります。



〔2〕 自分の存在感を消してしまう

相手の気持ちを自分の心のなかにイメージするということは、「私はあなたのことを理解していますよ」とアピールすることではありません。そうされると、相手はかえってしゃべりにくいでしょう。


先ほどの会議の例では、はじめは緊張していた出席者は、「不安だったけれども、なぜかうまくいった」と思うでしょう。部長の気遣いに気がつく人は、ほとんどいないと思います。

優秀なホテルマンも同様です。心地よい会食の場を取り仕切る人物に、列席者はみんな快い印象をもちます。ところが、その人物がどういうサービスをしたのか、具体的な瞬間は誰も記憶していない。いつの間にか皿が配られ、知らないうちにコーヒーが継ぎ足されているのです。


この能力は、自分の側の都合を極力排して、相手にのみ集中するなかで培われるものです。それを繰り返すと、自分の“ボリューム”を極限まで下げられるのです。

こういうと、「修行みたいでたいへんだ」と思われるかもしれません。たしかに、「どんな仕事も修行だ」という意味では、修行なのかもしれません。しかし、ホテルマンがつらいと思っているのかといえば、そんなことはありません。


人は普通、他人の話を聞くよりも、自分の話をするほうが楽しく感じるものです。しかし、他者への興味に溢れ、「聞く欲求」でいっぱいの人もいるのです。生まれたときからそうだったはずはないので、きっとどこかで“スイッチ”が入ったのでしょう。私も、そのスイッチが入っています。スイッチが入ったのは、お客様の心からの「ありがとう」をいただいたときでした。

つまり、「人と接して幸福を感じたとき」がスイッチの入るチャンスです。その機会を得るためには、できるだけ人と会うことです。そして、人と会うときには、「自らに課題を設定する」ことをお勧めします。


目の前の人を漫然とみているだけでは、興味の湧きようがありません。「この人の素敵なところを5つ見つけよう」などと目標を設定すると、俄然、集中力が増し、楽しくなってくるものです。

また、「相手についてのメモをする」のもお勧めです。あるホテルマンは、手書きの似顔絵を1人ひとり描くことで、2000人ものお客様の顔と名前を覚えているそうです。手を動かすことは、脳の動きを活性化します。記憶力が刺激され、相手に対する思いも新たにすることができます。もちろん、似顔絵でなくてもかまいません。接した人について気づいたこと、対話してみて想像と違った点などをメモすればいいでしょう。


〔3〕 失敗を恐れず糧にする

「聞く力」を鍛えようとすれば、失敗を避けることはできません。

相手の気持ちをイメージしても、それが正解かどうかは、ひと言かけてみなければわかりません。間違っているかもしれないからと何もしなければ、何も聞くことはできません。

対話は碁のようなものです。碁は、最初の黒石を置かなければ始まりません。絶対に正しい場所に黒石を置こうと考えれば考えるほど、置けなくなります。それでは何も始まらない。

黒石を置けば、それに応じて相手が白石を置く。対話は、そのやり取りに似ています。


たとえば、石のネックレスをしている人に「素敵な石ですね」と率直にいってみる。私のなかでは、「石が好きな人には、パワースポットのような神秘的な力に興味がある人が多い」という経験則があるのですが、それがその人にも当てはまるかどうかはわかりません。「この石はね……」と相手が話す内容を聞いて初めて、その経験則が当てはまるかどうかがわかります。当てはまらなければ、別の方向に話を進めればいい。その話題に興味がなさそうなら、それはそれでいいのです。失敗を恐れていては、何もできません。


ただし、失敗をそのまま放っておいてはいけません。必ず、次に活かすようにしてください。

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