今年の秋は講演依頼が多く、それも遠くが大部分で、週末は電車や飛行機で大移動という日々が続いています。
先週は長崎、先々週は大分、今週は金沢、その次は北海道、そして徳島みたいな感じ。だいたいはとんぼ返り。行って、しゃべって、寝て、帰る、そんな状況。観光するひまもないスケジュールですが、別に観光したいとも思わなくなってしまいました。いったいどういうことなのか、自分でもよくわかりません。講演で疲れ果てて、観光につぎ込むエネルギーが残っていないというのが、一番もっともらしい説明でしょうか。
しかし、自分としてはそうでもないのです。疲れ果てて観光しないわけじゃない。ちょっとは疲れてますが、疲れてなくても、観光しないという気がします。
そうでないとすると、疲れている以上のことで、自分の疲れも自覚できず、いろいろなことについての興味も減退し、うつ病ではないかと、そういう意見があるかもしれません。それについてはそうかもしれないという気はします。
あるいはいつも1人というのがよくないのかもしれません。誰かと一緒なら、ちょっと観光でも、という気になるかもしれません。
そういう中で、以前と違う自分というのに気が付きました。
私はもともとせっかちなほうで、電車を待ったり、飛行機の出発を待ったりということがとても苦手で、予定より早く着きすぎたりすると、出発までの空いた時間にいらいらすることが多かったのですが、最近はそういうことがほとんどなくなりました。
きのうも空港で出発2時間前に着いてしまったのですが、この2時間がとても心地よい。ああ出発まで2時間もある。そんな感じ。ゆっくり食事をし、土産を選び、あとは搭乗口の椅子で1時間。
これも疲れているというのが最も妥当な解説でしょう。
ただそうだとしても、疲れている中で何かを得たような気もします。1時間椅子に座っていて幸せ。以前の私には考えられないことですから。