これまでいろいろ本を出してきましたが、一般書については連載をまとめたものばかりで、書き下ろしのものはありませんでした。

しかし、そういう本の出来上がりというのは、どうしても書き足りない、ホントのところもう少し何とかしたい、と思いながら、そんな時間もなく、書き直す根性もなく出版されてしまうという状況でした。


そんなところにある出版社から書き下ろしの一般向けの本の依頼、医事新報の連載やこのブログを始めた3年前のことです。
当時は、自分自身が運営するCMECジャーナルクラブのメルマガや、医師系のリクルート雑誌やタブロイド紙にも連載を持っており、正直いつ書く暇があるのだという感じでしたが、連載をまとめて出した一般書に対するなんだか複雑気持ちもあり、二つ返事で受けてしまいました。

書きたいことはバーゲンセールするくらいあるみたいなつもりだったので、ちょっとした暇があれば簡単に書けてしまうというように思っていたのかもしれません。開業直後でしたから、患者が少ない間に案外完成できてしまうのではないかという目論見もありました。


しかし、実際はそうは問屋が卸さず、3行書いては行き詰まるというような状況が2年続きました。その2年はどちらかというと開業直後で患者も少なく、それなりに暇もあったのですが、全然進みません。バーゲンセールするほどあると思っていたネタも、実は怪しいことが判明しました。

書き始めるとはっきりしないことも多く、出版物にするようなレベルに仕上げるには意外にいろいろ勉強し直さないと無理だったのです。
そのうち外来患者が増え、在宅患者が増え、日々の臨床がどんどん忙しくなって、その上、全国紙で週1回の連載も引き受けたりして、とても書き下ろしの原稿を書くという状況ではなくなってしまいました。


ただ、なかなか原稿が書けない反面、書きたいという気持ちだけはかえって強くなったように思います。頼りはそこだけでした。

そこで編み出した方法は、書きたい気持ちだけを頼りに、夏休み、正月休みをすべて執筆に充てるという荒業でした。
そうしたら、なんだが降りてきたのです。今のところ「降りてきた」としか言いようがありません。全体像の構想が目次の形で明確になりました。あとはその目次に沿って、とにかく元の資料に当たりながら書く、それだけでした。



その結果出来上がった本についてです。題名は、『「健康第一」は間違っている』という本です。
大手の出版社から出したので、比較的手に入りやすいと思います。ぜひ手にとって読んでみてください。

あと、日本医事新報の連載『その場の1分、その日の5分』も1冊の本になる予定です。連載をまとめていまいち、というようにならぬよう、一工夫したいと思っています。


なんだ、宣伝かよ、と言われそうですね。そうです宣伝です。すいませんでした。