柔道家・三船十段の書が里帰り　久慈の記念館に収蔵 : 【偉人録】郷土の偉人

柔道家・三船十段の書が里帰り　久慈の記念館に収蔵

東京都青梅市の沖山哲さん（６７）は、久慈市出身の柔道家三船久蔵十段（１８８３～１９６５年）が揮毫（きごう）した書（扁額）「自他共栄」を同市に寄贈した。三船十段は書道も５段でさまざまな揮毫を残しているが「自他共栄」は同市川貫の三船十段記念館の収蔵資料にこれまでなかった。今年は三船十段の没後５０年に当たり、記念館を１９日に訪れた沖山さんは「皆さんが喜んでくれれば」と願った。

寄贈式が記念館で同日行われ、加藤春男市教育長は「自他共栄は柔道精神を表した言葉で、書はなぜか今まで手に入らなかった貴重なもの。多くの人に見ていただくと同時に保存に努めたい」と感謝した。

沖山さんによると、書は東京都世田谷区の実家に飾られていた。三船十段が７０歳ごろにしたためて都内の警察署に贈り、署と勤務先が近かった父の故茂四郎さんが防犯活動に貢献したとして譲り受けていたとみられる。