【偉人録】郷土の偉人

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小林信近の生涯、一冊に 銀行、鉄道、水力発電…松山発展へ事業次々(産経新聞・2019/04/11)


■萬翠荘の館長・片上雅仁さん著
明治期、伊予銀行の元となった第五十二国立銀行、全国初の軽便鉄道の伊予鉄道、伊予水力電気など、松山市の近代産業発展の礎を築いた小林信近(1842〜1918年)の波乱の生涯を記録した評伝「サムライ起業家小林信近」(創風社)が出版された。

小林の生涯全般を取り上げた著作は初めてで、著者は松山市一番町にある国の重要文化財「萬翠荘」の館長、片上雅仁さん。「今後のまちづくりに役立ててほしい」と話している。


小林は松山藩の武家に生まれ、幼少期から藩主側近の小姓として、政務に携わった。
第2次長州征討時には土佐藩の蒸気軍艦を借りる交渉をし、藩主の老中就任時には江戸で政治工作に携わったとされている。

明治維新の動乱期、朝敵とされた松山藩は一時は薩長軍との戦いを覚悟したが、徹底抗戦から恭順に転換。信近は民間人となった。

維新後は生活に困窮する士族のため新たな事業を興した。
民間経営の鉄道会社は東京や大阪にしかない時代。出資者や鉄道局を説得し、蒸気機関を導入して全国3番目となる鉄道を四国の田舎に走らせた。軽便鉄道は全国で初めてだった。

事業が軌道に乗ると他の人に任せ、自らは新規事業を次から次へと試みた。
企てた事業すべてが成功を収めたわけではなく、倒産も経験。破綻に追い込まれた企業への支援も惜しまず、最晩年には自らの財産を失い、借家暮らしの身となった。

華やかな立身出世を望まず、地元で質朴な生活を好んだ小林の生涯を描いた片上さんは「今日の松山があるのは信近のおかげ。まいた種は成長し続ける。今後のまちづくりに役立ててほしい」と話している。定価1300円(税別)。



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