2025年02月13日
エスコンフィールド エサにされた人口増の目標
以前の「こちらの記事」で、北海道北広島市と南幌(なんぽろ)町の人口について取り上げてきましたが、当記事ではさらに範囲を拡大してお届けしようと思います。
一応エスコンフィールドを絡めてはいますけど、少子高齢化社会と人口減少社会を迎えるにあたり、そこそこ真面目に読むことができる記事だと思います 笑
◇ 人口増はわずか5市町村
2020年と23年を比較して人口が増加している北海道の市町村は、わずか5つ。増加率が高い順に占冠(しむかっぷ)村・南幌町・東川町・恵庭(えにわ)市・ニセコ町です。ちなみに、微減ではありますが千歳市はほぼプラマイゼロです。
南幌町は前述の記事で取り上げたので今回は割愛。ニセコや占冠は外国人観光客で潤っていますね。恵庭市は札幌のお隣で、市民の94%が「住みやすいまち」と答えるほど住みやすい市。札幌への通勤も便利です。
東川町はTEAM NACSの森崎博之の出身地としても知られますが、写真・陶芸・ワイナリーなど、町おこしや観光地化に成功しました。北海道第2の都市・旭川市や旭川空港に近いアクセスも魅力的ですね。
◇ 札幌の周辺自治体を比較する
札幌市の周辺自治体の人口増加・減少率を比較してみましょう。例えば喜茂別(きもべつ)町など、隣接はしているけれど札幌中心部に遠い自治体は除き、南幌町のように隣接はしていないもののJRで通勤可能な自治体を含めました。
南幌町 +3.90%
恵庭市 +0.42%
千歳市 −0.09%
江別市 −0.91%
石狩市 −0.94%
北広島市 −2.05%
当別町 −2.09%
小樽市 −5.28%
1964年から人口減が続いている小樽は別格として、札幌のベッドタウンとして知られる各自治体の中でも、北広島市はトップクラスの人口減少率であることがうかがえますね。
◇ 町おこしって何だろう
前述の東川町を例に挙げましょう。毎年「写真甲子園」が開催されるなど「写真の町」として知られていますが、ほかにも「家具の町」と呼ばれることもあり、陶芸も盛んです。
こうした複合的な要素が合わさり、創作活動を行うアーティストたちの移住が進んでいます。写真家や家具職人だけでなく、音楽家や漫画家・画家なども次々に移住してきています。1994年と比べ、人口は20%以上もアップしているのです。これこそ真の町おこしでしょう。
一方の北広島市は、あまりにFビレッジに偏りすぎていることが祟り、人口減少傾向に歯止めがかかっていません。巨大なボールパークを1個ドドーンと建てて、そこに「日ハムファースト」と呼ばれるほど市民の税金を無尽蔵に投入する構造に、市民から不満の声が噴出しています。
Fビレッジを中心に商業施設などの招致も進めてはいますが「だったら商業施設が充実する札幌市に住んだら?」と突っ込みが入りそうです。
◇ 人口増は単なるポーズ?
北広島市の上野正三市長は、人口5万人台の市にしてはあまりに巨額な数百億円もの税金を投入し、Fビレッジの招致を強行しました。「人口増による税収増」が見込まれることを根拠に挙げ、さらに「若年層の定住」に期待する旨をインタビューで誇らしげに語りました。
ところが「2030年までに人口6万人」という目標は達成の目処すらたたず、それどころかいまだに人口増に転じてすらいません。ボールパークも空港もない江別や恵庭よりも人口減少率が高い有様。2025年1月末現在の人口は56,423人となっており、人口減が現在も続いてます。「人口増による税収増」とやらはどこへ行ったのでしょうか。
そもそも「ボールパークで人口増」というのも根拠が不明瞭で、数百億円もの巨額の税金を投入する動機として十分なのかどうか。人口増は単なるポーズで、ほかの意図があって誘致を強行したのではないか、と勘繰りたくなります。もっとも、ボールパーク構想が完成するのは約20年も先だそうなので、結果が出るまで長生きしなくてはなりませんね。
人口増が目的ならば、お隣の恵庭市や南幌町の取り組みを参考にすればよいのです。彼らはそんな巨額の税金を投入せずとも、立派に町おこしを行っているのですから。
一応エスコンフィールドを絡めてはいますけど、少子高齢化社会と人口減少社会を迎えるにあたり、そこそこ真面目に読むことができる記事だと思います 笑
◇ 人口増はわずか5市町村
2020年と23年を比較して人口が増加している北海道の市町村は、わずか5つ。増加率が高い順に占冠(しむかっぷ)村・南幌町・東川町・恵庭(えにわ)市・ニセコ町です。ちなみに、微減ではありますが千歳市はほぼプラマイゼロです。
南幌町は前述の記事で取り上げたので今回は割愛。ニセコや占冠は外国人観光客で潤っていますね。恵庭市は札幌のお隣で、市民の94%が「住みやすいまち」と答えるほど住みやすい市。札幌への通勤も便利です。
東川町はTEAM NACSの森崎博之の出身地としても知られますが、写真・陶芸・ワイナリーなど、町おこしや観光地化に成功しました。北海道第2の都市・旭川市や旭川空港に近いアクセスも魅力的ですね。
◇ 札幌の周辺自治体を比較する
札幌市の周辺自治体の人口増加・減少率を比較してみましょう。例えば喜茂別(きもべつ)町など、隣接はしているけれど札幌中心部に遠い自治体は除き、南幌町のように隣接はしていないもののJRで通勤可能な自治体を含めました。
南幌町 +3.90%
恵庭市 +0.42%
千歳市 −0.09%
江別市 −0.91%
石狩市 −0.94%
北広島市 −2.05%
当別町 −2.09%
小樽市 −5.28%
1964年から人口減が続いている小樽は別格として、札幌のベッドタウンとして知られる各自治体の中でも、北広島市はトップクラスの人口減少率であることがうかがえますね。
◇ 町おこしって何だろう
前述の東川町を例に挙げましょう。毎年「写真甲子園」が開催されるなど「写真の町」として知られていますが、ほかにも「家具の町」と呼ばれることもあり、陶芸も盛んです。
こうした複合的な要素が合わさり、創作活動を行うアーティストたちの移住が進んでいます。写真家や家具職人だけでなく、音楽家や漫画家・画家なども次々に移住してきています。1994年と比べ、人口は20%以上もアップしているのです。これこそ真の町おこしでしょう。
一方の北広島市は、あまりにFビレッジに偏りすぎていることが祟り、人口減少傾向に歯止めがかかっていません。巨大なボールパークを1個ドドーンと建てて、そこに「日ハムファースト」と呼ばれるほど市民の税金を無尽蔵に投入する構造に、市民から不満の声が噴出しています。
Fビレッジを中心に商業施設などの招致も進めてはいますが「だったら商業施設が充実する札幌市に住んだら?」と突っ込みが入りそうです。
◇ 人口増は単なるポーズ?
北広島市の上野正三市長は、人口5万人台の市にしてはあまりに巨額な数百億円もの税金を投入し、Fビレッジの招致を強行しました。「人口増による税収増」が見込まれることを根拠に挙げ、さらに「若年層の定住」に期待する旨をインタビューで誇らしげに語りました。
ところが「2030年までに人口6万人」という目標は達成の目処すらたたず、それどころかいまだに人口増に転じてすらいません。ボールパークも空港もない江別や恵庭よりも人口減少率が高い有様。2025年1月末現在の人口は56,423人となっており、人口減が現在も続いてます。「人口増による税収増」とやらはどこへ行ったのでしょうか。
そもそも「ボールパークで人口増」というのも根拠が不明瞭で、数百億円もの巨額の税金を投入する動機として十分なのかどうか。人口増は単なるポーズで、ほかの意図があって誘致を強行したのではないか、と勘繰りたくなります。もっとも、ボールパーク構想が完成するのは約20年も先だそうなので、結果が出るまで長生きしなくてはなりませんね。
人口増が目的ならば、お隣の恵庭市や南幌町の取り組みを参考にすればよいのです。彼らはそんな巨額の税金を投入せずとも、立派に町おこしを行っているのですから。
2025年02月08日
甲子園 苦し紛れの暑さ対策
高野連が夏の暑さ対策として、以下のことを発表しました。
・開会式は16時、開幕試合は17時30分開始。
・大会6日目まで、4試合日でも2部制を導入。第3試合は16時15分開始とする。
・午前の部が13時45分までに試合が終わらなかった場合は継続試合とする。
夏休み期間中に甲子園1球場で開催し、49代表制と9イニング制を維持するとすれば、こんなところでしょう。ただし、相当に無理を重ねた対策であるという印象は否めません。
朝は8時より前に試合開始することが難しいようなので、終了を遅くするしかありません。21時台や22時台の試合終了となれば、各校の選手、応援団、さらに球場スタッフにとっては大きな負担となるでしょう。後始末が必要な球場スタッフは終電に間に合わないこともザラだと思います。
上記の対策を見てみますと、高野連は14時台と15時台の試合実施を避けることを重視しているようです。熱中症の危険性は気温だけで決まるものではありませんが、とりあえず神戸市の2024年8月の1時間ごとの気温データを見てみましょう(甲子園のある西宮市のデータを見つけることができませんでした)。
8月07日 8月12日 8月17日
11時 31.4度 31.0度 31.1度
12時 31.4度 31.9度 31.5度
13時 32.0度 31.7度 31.0度
14時 33.0度 34.8度 32.1度
15時 33.3度 34.2度 32.8度
16時 33.1度 34.2度 32.5度
17時 34.2度 34.0度 31.4度
18時 33.2度 33.3度 32.6度
19時 32.1度 32.0度 31.3度
あくまで気温ベースでの話ですが、上記を見れば一目瞭然。気温のピークは14〜15時台とは限らないわけです。
とりあえずは高野連の決定を支持しますが、このまま地球温暖化に歯止めがかからなければ「夏休み期間中に甲子園1球場で開催し、49代表制と9イニング制」を維持することはやがて不可能になるでしょう。どれを犠牲にするか、という議論が必要な時期に来ています。
・開会式は16時、開幕試合は17時30分開始。
・大会6日目まで、4試合日でも2部制を導入。第3試合は16時15分開始とする。
・午前の部が13時45分までに試合が終わらなかった場合は継続試合とする。
夏休み期間中に甲子園1球場で開催し、49代表制と9イニング制を維持するとすれば、こんなところでしょう。ただし、相当に無理を重ねた対策であるという印象は否めません。
朝は8時より前に試合開始することが難しいようなので、終了を遅くするしかありません。21時台や22時台の試合終了となれば、各校の選手、応援団、さらに球場スタッフにとっては大きな負担となるでしょう。後始末が必要な球場スタッフは終電に間に合わないこともザラだと思います。
上記の対策を見てみますと、高野連は14時台と15時台の試合実施を避けることを重視しているようです。熱中症の危険性は気温だけで決まるものではありませんが、とりあえず神戸市の2024年8月の1時間ごとの気温データを見てみましょう(甲子園のある西宮市のデータを見つけることができませんでした)。
8月07日 8月12日 8月17日
11時 31.4度 31.0度 31.1度
12時 31.4度 31.9度 31.5度
13時 32.0度 31.7度 31.0度
14時 33.0度 34.8度 32.1度
15時 33.3度 34.2度 32.8度
16時 33.1度 34.2度 32.5度
17時 34.2度 34.0度 31.4度
18時 33.2度 33.3度 32.6度
19時 32.1度 32.0度 31.3度
あくまで気温ベースでの話ですが、上記を見れば一目瞭然。気温のピークは14〜15時台とは限らないわけです。
とりあえずは高野連の決定を支持しますが、このまま地球温暖化に歯止めがかからなければ「夏休み期間中に甲子園1球場で開催し、49代表制と9イニング制」を維持することはやがて不可能になるでしょう。どれを犠牲にするか、という議論が必要な時期に来ています。
2025年02月03日
女性棋士のプロ棋士への道
◇ 史上初の女性プロ棋士誕生ならず
2024年9月から西山朋佳女流三冠がプロ棋士編入試験を受験し、2勝3敗で惜しくも不合格となりました。あと1勝で史上初の女性プロ棋士誕生となるところでしたが、実は西山女流三冠が「あと1勝」でプロ入りを逃すのは、奨励会時代にも経験があります。
女流棋士の世界はこの西山と、福間(旧姓・里見)香奈女流五冠の2強体制と言われ、奨励会三段を経験した中七海女流三段も2人に割って入るだろうというのが衆目の一致するところでしょう。
福間女流五冠もプロ棋士編入試験に不合格となた経験があります。昨年12月に出産していますが、妊娠が原因で対局がいくつか不戦敗になるなど、並々ならぬ苦労を経験しているのです。
◇ 本著の内容
本書は前著「女性は藤井聡太になれるのか?」の続編にあたります。前著と合わせて読むことをお勧めしますが、読まなくても内容の理解にあたっての問題はありません。
また、主に女流将棋界に関する内容を書いておりますので、将棋のルールを知らなくても全く問題ありません。「観る将」の方にもお勧めです。
福間・西山らの女流棋士の奮闘ぶり、産休や不戦敗に関する規定、今後の女流棋士界の展望などなど、盛りだくさんの内容です。
◇ コラムもあり
前著に引き続き、合間に箸休め的なコラムを収録しております。前著よりも、ちょっとヤバめの内容となっておりますので、どうぞお楽しみに。
棋士の遅刻や不戦敗、さらにエライ人と喧嘩して干されちゃった話まで・・・。女流棋士だけでなく、男性のプロ棋士の話もありますよ。
藤井聡太七冠(正式な肩書は竜王・名人)が最前線で華々しく将棋界をけん引していますが、その裏では多くの女性たちが奮闘しているということをぜひ皆様に知っていただきたいのです。
2025年01月29日
あきらめなければ夢は叶う
あきらめなければ夢は叶う―――
言うのは簡単ですが、こんな言葉をいきなり言われても心には響かないでしょう。しかし私の同級生で、実際に夢を叶えた人がいるのでご紹介しようと思います。文中の敬称は省略させていただきます。
◇ ASH DA HEROのベース
ASH DA HERO(ADH)という5人組ロックバンドのベースにSatoというメンバーがいます。ADHはアニメ「ブルーロック」のオープニングテーマを担当するなど、人気のバンドです。
Satoは私が高校2年の時のクラスメートで、昼休みなどはほかの男子数人とプロレスごっこなどをしてよく遊んだものです。私もSatoも、いたって普通の健全な高校生男子でした。
ということで学校内ではよく一緒に遊んだのですが、放課後には一度も遊んだ記憶がありません。私が麻雀とかプレステとかで遊んでいる間に、Satoは音楽活動にいそしんでいたからです。彼は当時から音楽に関しては努力を欠かしませんでした。
◇ 武藤敬司の大ファン
Satoは当時から武藤敬司の大ファンで、彼がプロレスごっこで繰り出す技は武藤の持ち技でもあるジャーマンスープレックス・ムタチョップ・ドロップキックなどでした。
※一応補足しますが、怪我をするような激しいことは一切やっておらず、可愛い「ごっこ」の範囲内です。
あまりにもSatoの武藤愛が強すぎて、私が橋本真也(故人)のファンであることは今も言えていません 笑
音楽活動のほうは順調で、私と同じ大学の卒業後にメジャーデビューを果たし、GACKT JOBにも参加しています。つまり、あのGACKTと一緒に仕事をしたわけです。
◇ そしてついに・・・
高校時代に、Satoからは耳にタコができるほど武藤愛をたっぷりと聞かされてきました。内容はほとんど覚えてませんが 笑
そして時は流れ、2023年2月に東京ドームで武藤の引退興行が行われますが、なんと・・・!
Satoがいつから武藤のファンなのかは分かりませんが、高校2年の時を起点とするなら、25年越しで夢を叶えたのです。当時は雲の上だった武藤の引退試合に、ほんの少しとはいえ関わることができたのですから。
私も麻雀に明け暮れないでもっと努力していれば、また違った人生があったのかもしれません。
あ、一応私もグラビアアイドルの折原みかとネット麻雀を打ってトップを取り、サインをいただいたことはあります。これでほんの少し夢を叶えた・・・でしょうか。
言うのは簡単ですが、こんな言葉をいきなり言われても心には響かないでしょう。しかし私の同級生で、実際に夢を叶えた人がいるのでご紹介しようと思います。文中の敬称は省略させていただきます。
◇ ASH DA HEROのベース
ASH DA HERO(ADH)という5人組ロックバンドのベースにSatoというメンバーがいます。ADHはアニメ「ブルーロック」のオープニングテーマを担当するなど、人気のバンドです。
Satoは私が高校2年の時のクラスメートで、昼休みなどはほかの男子数人とプロレスごっこなどをしてよく遊んだものです。私もSatoも、いたって普通の健全な高校生男子でした。
ということで学校内ではよく一緒に遊んだのですが、放課後には一度も遊んだ記憶がありません。私が麻雀とかプレステとかで遊んでいる間に、Satoは音楽活動にいそしんでいたからです。彼は当時から音楽に関しては努力を欠かしませんでした。
◇ 武藤敬司の大ファン
Satoは当時から武藤敬司の大ファンで、彼がプロレスごっこで繰り出す技は武藤の持ち技でもあるジャーマンスープレックス・ムタチョップ・ドロップキックなどでした。
※一応補足しますが、怪我をするような激しいことは一切やっておらず、可愛い「ごっこ」の範囲内です。
あまりにもSatoの武藤愛が強すぎて、私が橋本真也(故人)のファンであることは今も言えていません 笑
音楽活動のほうは順調で、私と同じ大学の卒業後にメジャーデビューを果たし、GACKT JOBにも参加しています。つまり、あのGACKTと一緒に仕事をしたわけです。
◇ そしてついに・・・
高校時代に、Satoからは耳にタコができるほど武藤愛をたっぷりと聞かされてきました。内容はほとんど覚えてませんが 笑
そして時は流れ、2023年2月に東京ドームで武藤の引退興行が行われますが、なんと・・・!
推しという言葉をまだ知らない頃から推してきたプロレスラー・武藤敬司選手の引退試合放送を、自分のバンドの 曲 #自分革命 で彩らせてもらえるなんてプロレスファン冥利につきますありがとう🤘みんなも観てね!絶対泣くわこんなの#ASHDAHERO#ワールドプロレスリング#njpw#noah_ghc https://t.co/2XU5SjEa6g
— Sato_ASH DA HERO (@Satos_Cafe_Bar) March 10, 2023
Satoがいつから武藤のファンなのかは分かりませんが、高校2年の時を起点とするなら、25年越しで夢を叶えたのです。当時は雲の上だった武藤の引退試合に、ほんの少しとはいえ関わることができたのですから。
私も麻雀に明け暮れないでもっと努力していれば、また違った人生があったのかもしれません。
あ、一応私もグラビアアイドルの折原みかとネット麻雀を打ってトップを取り、サインをいただいたことはあります。これでほんの少し夢を叶えた・・・でしょうか。
2025年01月24日
センバツ出場校決定!釧路江南は落選
センバツ出場校(日刊スポーツ)
◇ 釧路江南は落選
厳しいとは思ってましたが、21世紀枠候補の釧路江南は残念ながら落選。補欠にも選ばれておりません。昨年は春に円山、秋に大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)で生観戦しましたので、情も生まれてぜひ選出されてほしいと願っていましたが、現実は厳しいものでした。
一般枠はもちろん東海大札幌が選出。センバツ準優勝した2015年以来、10年ぶり7回目の出場となります。
神宮大会で最速144キロを記録した(新)3年生左腕・矢吹太寛と、最速143キロの3年生右腕・高橋英汰を軸に投手陣の層は厚いですが、プロ注目の矢吹こそがジョーカーでしょう。矢吹を先発させるのか、それともリリーフで使うのか、色々な選択肢が考えられます。
課題が残るのは打線。大量点などハナから期待してませんが、例えばバントをキッチリ決める、1つ先の塁を奪うなどでも攻撃力を補完することはできます。神宮大会2試合の経験をどう生かすか、こちらも楽しみです。
◇ ざわざわ・・・
聖隷クリストファー事件ほどではありませんが、今年はやや意外な選考が多く見られました。
関東・東京では神宮優勝校の横浜(神奈川1位)相手に善戦した東農大二(群馬2位)が落選し、山梨1位の山梨学院が選出。関東大会の結果から考えれば意外な選考ですが、結果だけでなくポテンシャルを重視したということか、それとも単に地域性を重視したのでしょうか。
近畿では大阪学院大高(大阪3位)が落選し、滋賀短大付(滋賀2位)が選出。滋賀短大付は履正社(大阪1位)に勝ってはいますが、準決勝で大敗する天理(奈良1位)に敗れています。選考自体は不可解とまでは言えませんが、選考理由が「粘り強く戦う姿勢と、全員一丸となって1つの勝利をつかもうとする姿勢が高く評価されました」では、鼻で笑うしかありません。
これにより大阪からは98年ぶりに選出なしという結果に。「何が何でも無理やり大阪から選出しなくてはならない」という不文律がぶっ壊されたのは良いことでしょう。
東北3枠目の花巻東(岩手)と、東海3枠目の至学館(愛知)は妥当でしょう。高野連に嫌われていそうな花巻東(岩手)と、愛されていそうな山形中央が当落線上だったので、ひと悶着あるかとワクワク懸念していましたが、何事もなくて安心しました。早稲田実が選ばれたことに不満の方も多いようですが、21世紀枠が関東であることも加味すれば、バランスを取ったということもあるのでしょう。
◇ 21世紀枠選考
21世紀枠はまず壱岐(長崎)、次いで横浜清陵(神奈川)が選ばれました。神奈川の公立校の甲子園出場は、1997年センバツの横浜商以来28年ぶりとのこと。環境に恵まれない私立校もあれば、豪華設備を持つ公立もあるので、私は公立だから云々というのは好きじゃないのですけど。なので、選手たちがいくつかの班に分かれてデータ分析などを行う自主性が重視された、という高野連の説明を信じるしかありません。
今回は壱岐が困難克服に該当しますが、学力枠と伝統枠はなし。今後は「自主性枠」なるものも出てくるかもしれません。これは今後の21世紀枠の選考のモデルになる可能性もあるのではないでしょうか。
なお、横浜清陵は秋の神奈川大会準々決勝で東海大相模に0−5で2安打完封負けを喫しています。「神奈川の公立」が甲子園でどこまでやれるかは、純粋に興味があります。
センバツの抽選は3月7日(金)、開幕は18日(火)の予定です。
◇ 釧路江南は落選
厳しいとは思ってましたが、21世紀枠候補の釧路江南は残念ながら落選。補欠にも選ばれておりません。昨年は春に円山、秋に大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)で生観戦しましたので、情も生まれてぜひ選出されてほしいと願っていましたが、現実は厳しいものでした。
一般枠はもちろん東海大札幌が選出。センバツ準優勝した2015年以来、10年ぶり7回目の出場となります。
神宮大会で最速144キロを記録した(新)3年生左腕・矢吹太寛と、最速143キロの3年生右腕・高橋英汰を軸に投手陣の層は厚いですが、プロ注目の矢吹こそがジョーカーでしょう。矢吹を先発させるのか、それともリリーフで使うのか、色々な選択肢が考えられます。
課題が残るのは打線。大量点などハナから期待してませんが、例えばバントをキッチリ決める、1つ先の塁を奪うなどでも攻撃力を補完することはできます。神宮大会2試合の経験をどう生かすか、こちらも楽しみです。
◇ ざわざわ・・・
聖隷クリストファー事件ほどではありませんが、今年はやや意外な選考が多く見られました。
関東・東京では神宮優勝校の横浜(神奈川1位)相手に善戦した東農大二(群馬2位)が落選し、山梨1位の山梨学院が選出。関東大会の結果から考えれば意外な選考ですが、結果だけでなくポテンシャルを重視したということか、それとも単に地域性を重視したのでしょうか。
近畿では大阪学院大高(大阪3位)が落選し、滋賀短大付(滋賀2位)が選出。滋賀短大付は履正社(大阪1位)に勝ってはいますが、準決勝で大敗する天理(奈良1位)に敗れています。選考自体は不可解とまでは言えませんが、選考理由が「粘り強く戦う姿勢と、全員一丸となって1つの勝利をつかもうとする姿勢が高く評価されました」では、鼻で笑うしかありません。
これにより大阪からは98年ぶりに選出なしという結果に。「何が何でも無理やり大阪から選出しなくてはならない」という不文律がぶっ壊されたのは良いことでしょう。
東北3枠目の花巻東(岩手)と、東海3枠目の至学館(愛知)は妥当でしょう。高野連に嫌われていそうな花巻東(岩手)と、愛されていそうな山形中央が当落線上だったので、ひと悶着あるかと
◇ 21世紀枠選考
21世紀枠はまず壱岐(長崎)、次いで横浜清陵(神奈川)が選ばれました。神奈川の公立校の甲子園出場は、1997年センバツの横浜商以来28年ぶりとのこと。環境に恵まれない私立校もあれば、豪華設備を持つ公立もあるので、私は公立だから云々というのは好きじゃないのですけど。なので、選手たちがいくつかの班に分かれてデータ分析などを行う自主性が重視された、という高野連の説明を信じるしかありません。
今回は壱岐が困難克服に該当しますが、学力枠と伝統枠はなし。今後は「自主性枠」なるものも出てくるかもしれません。これは今後の21世紀枠の選考のモデルになる可能性もあるのではないでしょうか。
なお、横浜清陵は秋の神奈川大会準々決勝で東海大相模に0−5で2安打完封負けを喫しています。「神奈川の公立」が甲子園でどこまでやれるかは、純粋に興味があります。
センバツの抽選は3月7日(金)、開幕は18日(火)の予定です。
2025年01月19日
エスコンフィールド 観客水増し疑惑!?
ええっ!? エスコンフィールドに観客水増し疑惑!? 信じられない方もいらっしゃるでしょうが「疑惑」は本当にあるのです。
◇ 定員を上回る観客動員数
北海道日本ハム球団の発表によれば、2024年のホームゲームの平均観客動員数は、28,830人ということになっています。エスコンフィールドは座席数29,000、立見席数6,000の合計35,000人となっているので、この発表が真実であるならば、毎試合のように座席は満席に近い状態であったと言えるでしょう。
たしかに2023年の春先のような、「どう見ても1万5千人も入ってないだろう」というような超ガラガラ状態は脱した感がありますが、それでも「あんなに空席があるのに2万8千人も入ってないだろ」と思われるような試合もありましたよね。
今年のクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージはエスコンで行われましたが、3試合とも3万7千人を超える入場者数が発表されました。例えば10月13日(日)は、37,638人と発表されています。あれれれ、3万5千人が上限じゃなかったの!?
かつて東京ドームでは定員が46,314人(当時)のところ、毎試合のように55,000人と発表されていましたね。福岡ドーム(PayPayドーム)も35,157人が上限(当時)のところ、毎試合のように48,000人と発表されていましたし、広島以外の11球団はどこも水増しが当たり前でした。まさにそれと同じ状況ではないでしょうか。
◇ 日本ハム球団に問い合わせてみた
この疑惑について北海道日本ハムファイターズ球団に問い合わせてみたところ、以下の回答が返ってきました。
「エスコンフィールドHOKKAIDOではエスコンフィールド入場券をはじめ、シーズンシートや様々な種類のチケットを販売しており、入場されたお客様が全て球場内に滞在していることはなく、退場されたお客様と入場されるお客様の数を管理しております。
同時に球場内にいらっしゃるお客様の数は35,000人を超えておりませんが、試合時は球場内に入られた全てのお客様の数を発表しておりますため35,000人を超える発表人数となっております」(以上、全文抜粋)
サンドウィッチマンなら「ちょっと何言ってるか分かんない」と言いそうな、意味不明な回答です。私はシーズンシートや無料チケットの取り扱いについても質問したのですが、何かやましいことでもあるのか、上記回答には(ほぼ)含まれておらず無視されてしまいました。
上記の文章からは「一度退出した人が再入場した場合でも1人とカウントする」と解釈することもできてしまいます。疑惑はますます深まってきました。
なお、上記の回答内容は「Yahoo! 知恵袋」にも掲載されているのとほぼ同一であり(一文追加されたのみ)、コピペ回答なのでしょう。
◇ 400万人突破!?
日本ハム球団が「疑惑」について正面から回答する姿勢を見せませんでしたので、NPBにも問い合わせてみたのですが、こちらは回答がありませんでした。
そんな中、Fビレッジの来場者数が400万人を突破したというニュースが流れ、電通に支配されたマスコミと電通の工作員がこれでもかと喜びの声を上げています。
しかし、35,000人収容のスタジアムに37,638人という、ファイターズ球団独自の斬新な人数カウントシステムを採用していることから考えると、この400万人という数字は水増しされたものである可能性が極めて高いでしょう。
ちなみに他球場ですと(2024年)、東京ドームでは定員約43,500人のところ最多入場が42,238人(10月2日)、PayPayドームでは定員・最多入場とも40,142人。キッカリ満員の40,142人が入場した日が非常に多くなってはいますが、定員を超える入場者を記録するような珍奇な現象は起きておりません。こんなどんぶり勘定をやらかしているのは、エスコンフィールドただ1つであります。
ちょっと考えれば誰もがおかしいと感じるこの水増しに、マスコミが誰も切り込まないのは、なんという闇の深さでしょうか。
◇ 定員を上回る観客動員数
北海道日本ハム球団の発表によれば、2024年のホームゲームの平均観客動員数は、28,830人ということになっています。エスコンフィールドは座席数29,000、立見席数6,000の合計35,000人となっているので、この発表が真実であるならば、毎試合のように座席は満席に近い状態であったと言えるでしょう。
たしかに2023年の春先のような、「どう見ても1万5千人も入ってないだろう」というような超ガラガラ状態は脱した感がありますが、それでも「あんなに空席があるのに2万8千人も入ってないだろ」と思われるような試合もありましたよね。
今年のクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージはエスコンで行われましたが、3試合とも3万7千人を超える入場者数が発表されました。例えば10月13日(日)は、37,638人と発表されています。あれれれ、3万5千人が上限じゃなかったの!?
かつて東京ドームでは定員が46,314人(当時)のところ、毎試合のように55,000人と発表されていましたね。福岡ドーム(PayPayドーム)も35,157人が上限(当時)のところ、毎試合のように48,000人と発表されていましたし、広島以外の11球団はどこも水増しが当たり前でした。まさにそれと同じ状況ではないでしょうか。
◇ 日本ハム球団に問い合わせてみた
この疑惑について北海道日本ハムファイターズ球団に問い合わせてみたところ、以下の回答が返ってきました。
「エスコンフィールドHOKKAIDOではエスコンフィールド入場券をはじめ、シーズンシートや様々な種類のチケットを販売しており、入場されたお客様が全て球場内に滞在していることはなく、退場されたお客様と入場されるお客様の数を管理しております。
同時に球場内にいらっしゃるお客様の数は35,000人を超えておりませんが、試合時は球場内に入られた全てのお客様の数を発表しておりますため35,000人を超える発表人数となっております」(以上、全文抜粋)
サンドウィッチマンなら「ちょっと何言ってるか分かんない」と言いそうな、意味不明な回答です。私はシーズンシートや無料チケットの取り扱いについても質問したのですが、何かやましいことでもあるのか、上記回答には(ほぼ)含まれておらず無視されてしまいました。
上記の文章からは「一度退出した人が再入場した場合でも1人とカウントする」と解釈することもできてしまいます。疑惑はますます深まってきました。
なお、上記の回答内容は「Yahoo! 知恵袋」にも掲載されているのとほぼ同一であり(一文追加されたのみ)、コピペ回答なのでしょう。
◇ 400万人突破!?
日本ハム球団が「疑惑」について正面から回答する姿勢を見せませんでしたので、NPBにも問い合わせてみたのですが、こちらは回答がありませんでした。
そんな中、Fビレッジの来場者数が400万人を突破したというニュースが流れ、電通に支配されたマスコミと電通の工作員がこれでもかと喜びの声を上げています。
しかし、35,000人収容のスタジアムに37,638人という、ファイターズ球団独自の斬新な人数カウントシステムを採用していることから考えると、この400万人という数字は水増しされたものである可能性が極めて高いでしょう。
ちなみに他球場ですと(2024年)、東京ドームでは定員約43,500人のところ最多入場が42,238人(10月2日)、PayPayドームでは定員・最多入場とも40,142人。キッカリ満員の40,142人が入場した日が非常に多くなってはいますが、定員を超える入場者を記録するような珍奇な現象は起きておりません。こんなどんぶり勘定をやらかしているのは、エスコンフィールドただ1つであります。
ちょっと考えれば誰もがおかしいと感じるこの水増しに、マスコミが誰も切り込まないのは、なんという闇の深さでしょうか。
2025年01月14日
高校野球の7イニング制は是か非か?
新年早々、高校野球において、指名打者制・7イニング制・甲子園・ビデオ判定(リプレー検証)について導入を検討するというニュースが駆け巡りました。
今日は主にこれらに対する私見を書いてみようと思います。私は感情論ではなく、理論的に考察しております。
◇ 指名打者制について
ネット上では賛成意見のほうが多いように思います。投手の負担軽減につながるという意見が多いですが、負担軽減効果はわずかですので、「指名打者制を導入すれば、7イニング制の導入は不要である」ということには全くならないので、そこは注意が必要です。
一部記事では「守備が苦手な選手にスポットが当たる」という利点を挙げています。ただし、指名打者の選手が公式戦で守備につく機会が失われるので、いつまでたっても守備が向上しないという考え方もできます。
とはいえ、指名打者制の利用有無は各校に委ねられるので、意固地になって導入に反対するようなものではないでしょう。例のごとく、まずは甲子園への影響が少ない春季大会から試験導入してみてはいかがでしょうか。
◇ ビデオ判定について
まずはこっちから。これもネット上では賛成意見のほうが多いように思います。地方球場では導入が困難な場合が多いので、すでにビデオ設備が整っている甲子園に絞って話を進めることにしましょう。
疑惑の判定の防止、ひいては審判を守るという効果が期待できるでしょう。しかし試合時間の増大、それによる選手の健康悪化は懸念されます。プロ野球ではその場でサクッとビデオ判定が行われますが、センバツはともかくとして、酷暑の選手権では選手をベンチに引き上げることが望ましいでしょう。
しかしビデオ判定のたびに外野手が全力疾走で酷暑の中をランニングするというのも、いかがなものかと思います。したがって、もし導入するのであれば、1試合につきビデオ判定の要求は1回のみとする。判定が覆れば次のビデオ判定の権利が維持されますが、覆らなかった場合は権利消失とするのが良いと思います。
テスト導入にあたっては、私は3試合日のみ導入するのがよいと考えています。4試合日にビデオ判定を導入して、いちいち試合がストップしたのでは第4試合の試合終了が遅くなり、選手に対する負担が増加するという本末転倒の結果になるでしょう。ということで、もし導入するのであればまずはセンバツから、というのが妥当でしょうか。
◇ 7イニング制について
さあお待たせしました(?)今日のメインディッシュである7イニング制の導入について。ネットでは反対派が多い…というより、ほとんど袋叩きにあっています。
感情論を排除して冷静に考えてみれば、甲子園での開催を維持し、かつこのまま地球の平均気温がどんどん上昇していくのであれば、7イニングに短縮する議論は避けて通ることができません。観客が面白いかどうかなど二の次どころか十の次の話であり、選手の健康こそが最優先されるべきです。
現場の意見を聞けというもっともらしい意見もありますが、これも場合によりけりです。酷暑での試合実施というのは選手の健康、もっと言えば生命に関わる重大事案ですから、それらは現場の意向よりも最優先されるべきでしょう。
極端な話をすれば「ボクは甲子園で死ぬことができるのなら本望だ」という意見は、現場の意向として尊重されるべきものではありません。
◇ 7イニング制はそんなに悪なのか?
プロ野球と高校野球くらいしか見ない人にとっては、7イニング制というのは見慣れないものであり、感情論だけで拒否反応を示したくなるのでしょう。
しかし実は、7イニング制というのは世の中にあふれ返っているのです。野球経験者であれば、小中学生の場合は大会によって7イニング(6イニングなどもあり)であることはご存知でしょう。また、同じ高校野球でも女子は7イニング制です。
国際大会でも7イニング制が採用されている大会は数多くあります。高校どころか、大学野球の世界大会は2022年から7イニング制が採用されています。高校年代で見れば、アメリカ・カナダ・韓国・台湾などの主要国では7イニング制となっています。
したがって、感情論だけで頭から7イニング制を排除するのは間違った考え方です。
ただし、今すぐ7イニング制を導入しろというのではありません。いつでも導入できるように、心の準備をする意味でも、例えば春季大会や神宮大会などで試験導入してはいかがでしょうか。
今日は主にこれらに対する私見を書いてみようと思います。私は感情論ではなく、理論的に考察しております。
◇ 指名打者制について
ネット上では賛成意見のほうが多いように思います。投手の負担軽減につながるという意見が多いですが、負担軽減効果はわずかですので、「指名打者制を導入すれば、7イニング制の導入は不要である」ということには全くならないので、そこは注意が必要です。
一部記事では「守備が苦手な選手にスポットが当たる」という利点を挙げています。ただし、指名打者の選手が公式戦で守備につく機会が失われるので、いつまでたっても守備が向上しないという考え方もできます。
とはいえ、指名打者制の利用有無は各校に委ねられるので、意固地になって導入に反対するようなものではないでしょう。例のごとく、まずは甲子園への影響が少ない春季大会から試験導入してみてはいかがでしょうか。
◇ ビデオ判定について
まずはこっちから。これもネット上では賛成意見のほうが多いように思います。地方球場では導入が困難な場合が多いので、すでにビデオ設備が整っている甲子園に絞って話を進めることにしましょう。
疑惑の判定の防止、ひいては審判を守るという効果が期待できるでしょう。しかし試合時間の増大、それによる選手の健康悪化は懸念されます。プロ野球ではその場でサクッとビデオ判定が行われますが、センバツはともかくとして、酷暑の選手権では選手をベンチに引き上げることが望ましいでしょう。
しかしビデオ判定のたびに外野手が全力疾走で酷暑の中をランニングするというのも、いかがなものかと思います。したがって、もし導入するのであれば、1試合につきビデオ判定の要求は1回のみとする。判定が覆れば次のビデオ判定の権利が維持されますが、覆らなかった場合は権利消失とするのが良いと思います。
テスト導入にあたっては、私は3試合日のみ導入するのがよいと考えています。4試合日にビデオ判定を導入して、いちいち試合がストップしたのでは第4試合の試合終了が遅くなり、選手に対する負担が増加するという本末転倒の結果になるでしょう。ということで、もし導入するのであればまずはセンバツから、というのが妥当でしょうか。
◇ 7イニング制について
さあお待たせしました(?)今日のメインディッシュである7イニング制の導入について。ネットでは反対派が多い…というより、ほとんど袋叩きにあっています。
感情論を排除して冷静に考えてみれば、甲子園での開催を維持し、かつこのまま地球の平均気温がどんどん上昇していくのであれば、7イニングに短縮する議論は避けて通ることができません。観客が面白いかどうかなど二の次どころか十の次の話であり、選手の健康こそが最優先されるべきです。
現場の意見を聞けというもっともらしい意見もありますが、これも場合によりけりです。酷暑での試合実施というのは選手の健康、もっと言えば生命に関わる重大事案ですから、それらは現場の意向よりも最優先されるべきでしょう。
極端な話をすれば「ボクは甲子園で死ぬことができるのなら本望だ」という意見は、現場の意向として尊重されるべきものではありません。
◇ 7イニング制はそんなに悪なのか?
プロ野球と高校野球くらいしか見ない人にとっては、7イニング制というのは見慣れないものであり、感情論だけで拒否反応を示したくなるのでしょう。
しかし実は、7イニング制というのは世の中にあふれ返っているのです。野球経験者であれば、小中学生の場合は大会によって7イニング(6イニングなどもあり)であることはご存知でしょう。また、同じ高校野球でも女子は7イニング制です。
国際大会でも7イニング制が採用されている大会は数多くあります。高校どころか、大学野球の世界大会は2022年から7イニング制が採用されています。高校年代で見れば、アメリカ・カナダ・韓国・台湾などの主要国では7イニング制となっています。
したがって、感情論だけで頭から7イニング制を排除するのは間違った考え方です。
ただし、今すぐ7イニング制を導入しろというのではありません。いつでも導入できるように、心の準備をする意味でも、例えば春季大会や神宮大会などで試験導入してはいかがでしょうか。
2025年01月10日
2025コンサドーレ陣容
2016年以来9年ぶりにJ2で戦うことが決まっている我らが北海道コンサドーレ札幌。当然のことながら、主力選手の流出が相次いでいます。現時点で判明している入退団選手をまとめてみました。
<退団選手一覧>
GK 阿波加俊太(現役引退、札幌スクールコーチに)
DF 岡村 大八(完全移籍、J1・町田へ)
MF 駒井 善成(完全移籍、J1・横浜FCへ)
MF 浅野 雄也(完全移籍、J1・名古屋へ)
MF 小林 祐希(契約満了、移籍先未定)
FW 菅 大輝(完全移籍、J1・広島へ)
FW 大森 真吾(期限付き移籍、J2・山形へ)
FW 鈴木 武蔵(期限付き移籍終了→J1・横浜FCへ完全移籍)
駒井と菅の契約満了は衝撃的。ユース出身の菅は、少なくとも契約延長のオファーは出すものと思っていましたが、残念ながら財政状況がそれを許さなかったのでしょう。「札幌が育てた」浅野の流出は、寂しいけれど当然ですね。大八はJ1町田への移籍となっています。
一方で、流出濃厚と見られていたDFパク・ミンギュ、MF青木亮太、MFスパチョーク、MF近藤友喜らはめでたく残留決定。外国人2人については夏の移籍が心配ではありますが、とりあえず最低あと半年は彼らのプレーを楽しめることになりました。
<入団選手一覧>
DF 岡田 大和(期限付きのJ2・熊本より復帰)
DF 西野 奨太(期限付きのJ3・讃岐より復帰)
MF 高嶺 朋樹(完全移籍、ベルギー1部・コルトレイクより)
MF 木戸 柊摩(新規入団、大阪体育大より)
FW 中島 大嘉(期限付きのJ2・水戸より復帰)
何と言っても高嶺の3年ぶりの復帰は驚かされました。念願の海外移籍を果たし、これからというところで、J1ならまだしもJ2の札幌に帰ってくるとは! 札幌から柏へ移籍した当時のコメントは、
多くの経験をして「いつかまたコンサドーレに戻って来たい。」そう思っています。
でした。私を含め多くのサポーターが、こんなのは社交辞令にすぎないと考えていたと思いますが、高嶺は有言実行したのでした。J2落ちした札幌に帰ってくるというのは、ちょっと遅めの嬉しいお年玉と言えるでしょう。
それ以外はレンタルバックと、すでに新規入団が決まっていた木戸のみ。J2ならカップ戦要員を抱える必要もありませんので、選手数が減少するのはやむを得ないところでしょうか。
◇ J1復帰できるのか?
岩政大樹新監督が主にどんなフォーメーションを採用するのかは分かりませんが、MFに関してはサイドも中央もJ2以上のレベルが揃っていると言えます。DFに関しては岡村大八の後釜だけは心配ですが、きっと家泉怜依に期待しているはず。
しかしFWがあまりにも未知数。キム・ゴンヒは間違いなくJ1レベルですが、稼働率が低すぎて計算できません。白井陽斗、ジョルディ・サンチェス、アマドゥ・バカヨコはJ1・J2での実績がないに等しいので、どう転ぶかは分かりません。
前回J2で優勝した2016年は、都倉賢が19点、ジュリーニョが12点、内村圭宏が11点、ヘイスが7点です。ジュリはMF登録ですが実質FWと考えますと、この4人だけで49点を稼いでいるのです。今の札幌のFW陣にそれが期待できるかと言うと・・・現状ではかなり厳しいと思わざるを得ません。
逆に言えば、DF・MF陣はJ2でもトップクラスのはずですから、FW陣さえ結果を残せば1年でのJ1復帰は十分に狙えると言えますね。
<退団選手一覧>
GK 阿波加俊太(現役引退、札幌スクールコーチに)
DF 岡村 大八(完全移籍、J1・町田へ)
MF 駒井 善成(完全移籍、J1・横浜FCへ)
MF 浅野 雄也(完全移籍、J1・名古屋へ)
MF 小林 祐希(契約満了、移籍先未定)
FW 菅 大輝(完全移籍、J1・広島へ)
FW 大森 真吾(期限付き移籍、J2・山形へ)
FW 鈴木 武蔵(期限付き移籍終了→J1・横浜FCへ完全移籍)
駒井と菅の契約満了は衝撃的。ユース出身の菅は、少なくとも契約延長のオファーは出すものと思っていましたが、残念ながら財政状況がそれを許さなかったのでしょう。「札幌が育てた」浅野の流出は、寂しいけれど当然ですね。大八はJ1町田への移籍となっています。
一方で、流出濃厚と見られていたDFパク・ミンギュ、MF青木亮太、MFスパチョーク、MF近藤友喜らはめでたく残留決定。外国人2人については夏の移籍が心配ではありますが、とりあえず最低あと半年は彼らのプレーを楽しめることになりました。
<入団選手一覧>
DF 岡田 大和(期限付きのJ2・熊本より復帰)
DF 西野 奨太(期限付きのJ3・讃岐より復帰)
MF 高嶺 朋樹(完全移籍、ベルギー1部・コルトレイクより)
MF 木戸 柊摩(新規入団、大阪体育大より)
FW 中島 大嘉(期限付きのJ2・水戸より復帰)
何と言っても高嶺の3年ぶりの復帰は驚かされました。念願の海外移籍を果たし、これからというところで、J1ならまだしもJ2の札幌に帰ってくるとは! 札幌から柏へ移籍した当時のコメントは、
多くの経験をして「いつかまたコンサドーレに戻って来たい。」そう思っています。
でした。私を含め多くのサポーターが、こんなのは社交辞令にすぎないと考えていたと思いますが、高嶺は有言実行したのでした。J2落ちした札幌に帰ってくるというのは、ちょっと遅めの嬉しいお年玉と言えるでしょう。
それ以外はレンタルバックと、すでに新規入団が決まっていた木戸のみ。J2ならカップ戦要員を抱える必要もありませんので、選手数が減少するのはやむを得ないところでしょうか。
◇ J1復帰できるのか?
岩政大樹新監督が主にどんなフォーメーションを採用するのかは分かりませんが、MFに関してはサイドも中央もJ2以上のレベルが揃っていると言えます。DFに関しては岡村大八の後釜だけは心配ですが、きっと家泉怜依に期待しているはず。
しかしFWがあまりにも未知数。キム・ゴンヒは間違いなくJ1レベルですが、稼働率が低すぎて計算できません。白井陽斗、ジョルディ・サンチェス、アマドゥ・バカヨコはJ1・J2での実績がないに等しいので、どう転ぶかは分かりません。
前回J2で優勝した2016年は、都倉賢が19点、ジュリーニョが12点、内村圭宏が11点、ヘイスが7点です。ジュリはMF登録ですが実質FWと考えますと、この4人だけで49点を稼いでいるのです。今の札幌のFW陣にそれが期待できるかと言うと・・・現状ではかなり厳しいと思わざるを得ません。
逆に言えば、DF・MF陣はJ2でもトップクラスのはずですから、FW陣さえ結果を残せば1年でのJ1復帰は十分に狙えると言えますね。
2025年01月05日
将棋の初心者を脱出するための最低限の囲い
◇ 初心者向けシリーズ第3弾
昨今の藤井聡太フィーバーにより将棋に興味を持つ方が増えています。ルールは分からないけど対局中継だけは見るという「観る将」も増えていますが、観る将が将棋のルールを覚えて指し始めるという事例も多いようです。
そこで私がリリースしているのが「将棋の初心者を脱出」シリーズで、本書は第3弾にあたります。
この第3弾では王様(玉)の囲いについて解説しています。
◇ 囲いとは
将棋は玉を取られたら負けのゲームですので、まずは玉の守りを固めます。それを「囲い」と呼んでいます。陣形によって最適な囲いは異なり、囲いの数は不明ですが、100個以上はあると言われています。
しかしそれらを全部覚えるのは至難の業。そこで初心者向けに重要度の高い囲いだけを厳選してご紹介するのが本書。囲いの特徴や長所・短所について簡単に分かりやすく解説しています。
本書の一番最後では、私が初心者向けにお勧めする囲いをさらに超厳選して解説しています。本書1冊で、初心者が覚えるべき囲いについて、すべて知ることができます。
2024年12月31日
札幌大谷、プレミア王者の大津に惜敗
(高校サッカー選手権2回戦)
札幌大谷 1−2 大津
(北海道) (熊本)
前半(0−0)
後半(1−2)
シュート(4−12)
得点:51分 野口悠真(大津)
60分 嶋本悠大(大津)
80+4分 中村哲爾(札幌大谷)
大津はJユースチームも含むプレミアWESTを制し、さらにファイナルではプレミアEASTを制した横浜FCユースを3−0で破っています。つまり、現時点で高校年代最強とも言えるチームです。
2012年12月31日に旭川実が大津と対戦しています。当時旭川実はプレミア(プリンス陥落が決定)で大津はプリンス(プレミア昇格が決定)という立場。大津にはDF植田直通(元日本代表、現J1鹿島)やFW豊川雄太(現J2大宮)がおり優勝候補でしたが、プレミアで強豪チームの激しい攻撃にさらされ続けた旭川実にとっては、大津の攻撃は甘いものだったのでしょう。狙い通りに無失点に抑えて0−0でPKに持ち込み、旭川実が勝利しました。
試合終盤に大津はDFの植田を前線に送り込んでパワープレーに出ましたが、これも旭川実にとっては想定内だったのでしょう。落ち着いてはね返したのをよく覚えています。
大津はMF嶋本悠大(3年)がJ1清水内定、札幌大谷はMF笹修大(3年)がJ2今治内定の注目選手です。フォーメーションはおそらくいずれも4−4−2。
◇ 前半
前半1分の札幌大谷、今日はスタメンのFW簗詰夕喜(3年)が裏抜けしてシュートを放ちますが、相手DFに防がれます。得たコーナーキックでこぼれ球をDF今井朝陽がミドルシュートを放ちますが、惜しくもゴール上に外れました。
10分の大津、縦パス一本でスペースに抜けたMF舛井悠悟(3年)の右足シュートはDF今井に防がれました。得たコーナーキックも札幌大谷DFに防がれています。
14分の大津、個人技で右サイドを突破したFW山下景司(3年)が右足で折り返しますが、MF中村健之介(3年)のシュートはゴール左に外れてしまいました。22分の大津、左サイドのクロスからのこぼれ球をMF中村のミドルシュートはGK高路地琉葦(3年)の好セーブにあい防がれました。
26分の札幌大谷、右サイドで相手のドリブルを刈り取ってカウンターを仕掛け、最後はFW真浦劉(3年)がシュートを放ちますが、惜しくもゴール左に外れました。
29分の大津、右サイドを突破した大津からのクロスをMF中村がダイレクトボレーしますが、またしてもGK高路地の好セーブに防がれてしまいました。
前半は大津が攻め込むシーンのほうが長かったですが、札幌大谷がよく防いで0−0で折り返しました。大津は攻撃に人数をかけて、後方にはCB2枚しか残さないので、前線にFW2枚を残す札幌大谷が何度かチャンスを作ることができています。
◇ 後半
波状攻撃をたびたび防がれていた大津でしたが後半11分、コーナーキックをファーサイドのCB野口悠真が頭で押し込んで待望の先制点! これは清水内定のMF嶋本のコーナーキックの精度が凄まじかったですね。
15分の札幌大谷、フリーキックで大津ゴールに迫りますが、大津DFにブロックされました。
20分の大津、右サイドをMF舛井悠悟(3年)がスピードで突破して中央にグラウンダーのクロスを送り、最後は中央を駆け上がったボランチのMF島本が右足で流し込んで2点目! 「2−0は危険なスコア」とも言いますが、大津としては安心できる2点目となりました。
29分の札幌大谷、ロングスローからこぼれ球を収めて左サイドを突破し、MF曽我部修羽(3年)が左足シュートを放ちますが、枠外に外れました。30分にも右サイドを突破した札幌大谷、MF笹の右足シュートはゴール左に外れました。
35分の大津、右サイドでFW山下景がクロスを上げ、中央でFW岩中翔大(3年)が頭で合わせますが、枠外に外れました。36分の大津、スピードで右サイドを突破したMF舛井が倒されてPKを獲得。エースのFW山下景がキッカーを務めますが、これをGK高路地が右手一本で防ぐファインセーブ!
アディショナルタイムの札幌大谷、MF岡拓希(2年)からの浮き球の縦パスに反応し、右サイドで裏抜けした途中出場のMF中村哲爾(2年)がドリブルで駆け上がり、そのままゴール左隅へ右足シュート! 1点を返した札幌大谷がなおも反撃に出ますが、無情のホイッスルが鳴り響きました。
◇ 総評
勝った大津はロングスローがないので、見ていて気持ちの良い正攻法でつなぐ王道サッカー。清水内定のMF嶋本よりもエースの山下景よりも、今日異彩を放っていたのは右サイドでたびたびスピードで縦突破を見せていたMF舛井悠悟(3年)でしょう。次の相手は強豪の流通経済大柏(千葉)なので、ここは必ず手を打ってくるはずです。
敗れた札幌大谷は引いて守るなんて考えはさらさらなく、持ち前のパスサッカーで真正面から迎え撃ちました。案の定守る時間帯が長くなりましたが、球際の守備が光りました。堂々たる戦いぶりで、誇らしい敗戦と言えるでしょう。
インターハイの2試合や選手権1回戦の藤井学園寒川(香川)戦ではセカンドボールをよく拾えていたのですが、大津は体の入れ方もうまく、セカンドボールをなかなか拾わせてくれませんでした。ペースをつかめなかったのは、そこが原因でしょう。
最近10年の北海道代表では最強だったかと思います。プレミア王者の大津によく食らいついたナイスゲームでした。
札幌大谷 1−2 大津
(北海道) (熊本)
前半(0−0)
後半(1−2)
シュート(4−12)
得点:51分 野口悠真(大津)
60分 嶋本悠大(大津)
80+4分 中村哲爾(札幌大谷)
大津はJユースチームも含むプレミアWESTを制し、さらにファイナルではプレミアEASTを制した横浜FCユースを3−0で破っています。つまり、現時点で高校年代最強とも言えるチームです。
2012年12月31日に旭川実が大津と対戦しています。当時旭川実はプレミア(プリンス陥落が決定)で大津はプリンス(プレミア昇格が決定)という立場。大津にはDF植田直通(元日本代表、現J1鹿島)やFW豊川雄太(現J2大宮)がおり優勝候補でしたが、プレミアで強豪チームの激しい攻撃にさらされ続けた旭川実にとっては、大津の攻撃は甘いものだったのでしょう。狙い通りに無失点に抑えて0−0でPKに持ち込み、旭川実が勝利しました。
試合終盤に大津はDFの植田を前線に送り込んでパワープレーに出ましたが、これも旭川実にとっては想定内だったのでしょう。落ち着いてはね返したのをよく覚えています。
大津はMF嶋本悠大(3年)がJ1清水内定、札幌大谷はMF笹修大(3年)がJ2今治内定の注目選手です。フォーメーションはおそらくいずれも4−4−2。
◇ 前半
前半1分の札幌大谷、今日はスタメンのFW簗詰夕喜(3年)が裏抜けしてシュートを放ちますが、相手DFに防がれます。得たコーナーキックでこぼれ球をDF今井朝陽がミドルシュートを放ちますが、惜しくもゴール上に外れました。
10分の大津、縦パス一本でスペースに抜けたMF舛井悠悟(3年)の右足シュートはDF今井に防がれました。得たコーナーキックも札幌大谷DFに防がれています。
14分の大津、個人技で右サイドを突破したFW山下景司(3年)が右足で折り返しますが、MF中村健之介(3年)のシュートはゴール左に外れてしまいました。22分の大津、左サイドのクロスからのこぼれ球をMF中村のミドルシュートはGK高路地琉葦(3年)の好セーブにあい防がれました。
26分の札幌大谷、右サイドで相手のドリブルを刈り取ってカウンターを仕掛け、最後はFW真浦劉(3年)がシュートを放ちますが、惜しくもゴール左に外れました。
29分の大津、右サイドを突破した大津からのクロスをMF中村がダイレクトボレーしますが、またしてもGK高路地の好セーブに防がれてしまいました。
前半は大津が攻め込むシーンのほうが長かったですが、札幌大谷がよく防いで0−0で折り返しました。大津は攻撃に人数をかけて、後方にはCB2枚しか残さないので、前線にFW2枚を残す札幌大谷が何度かチャンスを作ることができています。
◇ 後半
波状攻撃をたびたび防がれていた大津でしたが後半11分、コーナーキックをファーサイドのCB野口悠真が頭で押し込んで待望の先制点! これは清水内定のMF嶋本のコーナーキックの精度が凄まじかったですね。
15分の札幌大谷、フリーキックで大津ゴールに迫りますが、大津DFにブロックされました。
20分の大津、右サイドをMF舛井悠悟(3年)がスピードで突破して中央にグラウンダーのクロスを送り、最後は中央を駆け上がったボランチのMF島本が右足で流し込んで2点目! 「2−0は危険なスコア」とも言いますが、大津としては安心できる2点目となりました。
29分の札幌大谷、ロングスローからこぼれ球を収めて左サイドを突破し、MF曽我部修羽(3年)が左足シュートを放ちますが、枠外に外れました。30分にも右サイドを突破した札幌大谷、MF笹の右足シュートはゴール左に外れました。
35分の大津、右サイドでFW山下景がクロスを上げ、中央でFW岩中翔大(3年)が頭で合わせますが、枠外に外れました。36分の大津、スピードで右サイドを突破したMF舛井が倒されてPKを獲得。エースのFW山下景がキッカーを務めますが、これをGK高路地が右手一本で防ぐファインセーブ!
アディショナルタイムの札幌大谷、MF岡拓希(2年)からの浮き球の縦パスに反応し、右サイドで裏抜けした途中出場のMF中村哲爾(2年)がドリブルで駆け上がり、そのままゴール左隅へ右足シュート! 1点を返した札幌大谷がなおも反撃に出ますが、無情のホイッスルが鳴り響きました。
◇ 総評
勝った大津はロングスローがないので、見ていて気持ちの良い正攻法でつなぐ王道サッカー。清水内定のMF嶋本よりもエースの山下景よりも、今日異彩を放っていたのは右サイドでたびたびスピードで縦突破を見せていたMF舛井悠悟(3年)でしょう。次の相手は強豪の流通経済大柏(千葉)なので、ここは必ず手を打ってくるはずです。
敗れた札幌大谷は引いて守るなんて考えはさらさらなく、持ち前のパスサッカーで真正面から迎え撃ちました。案の定守る時間帯が長くなりましたが、球際の守備が光りました。堂々たる戦いぶりで、誇らしい敗戦と言えるでしょう。
インターハイの2試合や選手権1回戦の藤井学園寒川(香川)戦ではセカンドボールをよく拾えていたのですが、大津は体の入れ方もうまく、セカンドボールをなかなか拾わせてくれませんでした。ペースをつかめなかったのは、そこが原因でしょう。
最近10年の北海道代表では最強だったかと思います。プレミア王者の大津によく食らいついたナイスゲームでした。
2024年12月29日
札幌大谷がPK激闘制し初戦突破!
(高校サッカー選手権1回戦)
札幌大谷 1−1 寒川
(北海道) (香川)
前半(0−0)
後半(1−1)
PK(12−11)
シュート(9−6)
得点:53分 真浦劉(札幌大谷)
80+1分 藤原康騎(寒川)
2020年に札幌大谷が大手前高松に敗れ、昨年2023年に北海が大手前高松に勝っています。ということで、香川県勢との対戦は直近5年間で3回目です。
札幌大谷は4年ぶり4回目の出場。プリンス北海道2位で、1位はコンサドーレU-18なので高校勢ではトップ。インターハイでは富山第一に勝ち、市船橋(千葉)に敗れています。10番の主将・MF笹修大(3年)は、来季J2に昇格するFC今治に入団内定している注目選手。フォーメーションは4−4−2。
一方の藤井学園寒川(香川)は初出場。プリンス四国4位で、高校勢では2位の徳島市立に次ぐ2番目。四国の高校勢ではトップクラスの実力を持つのは間違いないでしょう。フォーメーションは4−2−3−1。
◇ 前半
前半は札幌大谷がボールを保持し、寒川が堅く守る展開が続きます。前半13分の札幌大谷、左サイドからクロスを上げて最後はFW遠藤煌太(2年)が頭で合わせますが惜しくもクロスバーの上。
さらに15分にも右サイドからのクロスにFW遠藤が反応しますが、うまくヒットしませんでした。18分の札幌大谷、右サイドからのコーナーキックを頭で合わせますが、こちらも枠外に外れました。
19分の札幌大谷、中央を突破してFW田村佑太(3年)が強烈な右足のミドルシュートを放ちますが、GK正面でセーブされています。
26分、寒川はMF三笠大地がドリブルで相手守備陣をかわして左足でシュートを放ちますが、札幌大谷のGK高路地琉葦が好セーブを見せました。ただしここで相手選手との接触があり、高路地が手を痛めた模様。
37分の寒川、FW冨澤快斗(3年)の左足シュートはGK正面でセーブされました。40分にも寒川がゴール前まで攻め込むシーンがありましたが、札幌大谷が体を張って守り、シュートまで持っていくことができません。
前半は札幌大谷がシュート3本、寒川が2本。前半は札幌大谷のほうが攻める時間が長かったですが、決定機を作るには至りませんでした。
◇ 後半
後半4分、相手のパスをカットしてこぼれたボールを後半途中出場のFW簗詰夕喜(3年)がGKと1対1のシーンを作り出して右足でシュートを放ちますが、惜しくもゴール左に外れました。現時点でこの試合最大の決定機でした。
13分、左サイドでサイドバックDF瀬山晴也(3年)の左足クロスに、FW真浦劉(3年)が頭で合わせ、札幌大谷が待望の先制ゴール!
17分、再び左サイドで瀬山が左足クロスを上げ、FW簗詰がトラップして左足シュートを放ちますが、惜しくも枠外に外れました。
20分の寒川、ロングスローから頭で合わせますが、GK高路地の正面。寒川は29分にもロングスローからシュートを放ちますが、枠外に外れました。
32分の札幌大谷、DF今井朝陽(2年)がゴール前で右足シュートを放ちますが、寒川のGK谷山英悟(3年)が右手一本ではじくナイスセーブで難を逃れました。さらに34分にもFW簗詰の左足シュートをセーブして守備力を見せつけます。
38分の札幌大谷のフリーキックからのヘディングもGK谷山が右手一本ではじき、決定機を逃れました。39分の寒川、札幌大谷ゴールまで迫りますが、体を張ってボールをかき出しこちらも決定機を逃れました。
アディショナルタイムの寒川、ロングスローからこぼれ球を途中出場のDF藤原康騎(2年)が右足で流し込み寒川が同点! 初出場の寒川としては全国初得点でもあります。試合はこのまま1−1で、PK戦に突入しました。
◇ PK戦・総評
両チームとも5人目まで落ち着いて決めました。北海道勢としては昨年・一昨年の北海に続く、PKサドンデスに突入。札幌大谷8人目がゴール上に外してしまいますが、寒川も8人目が上に外してしまいます。
1周して札幌大谷の12人目(=1人目)のキックをGK谷山が好セーブ! しかし寒川の12人目も枠外に外してしまいます。そして寒川の14人目(=3人目)のキックはポスト直撃! 14人が蹴る大激闘を制したのは札幌大谷でした。
札幌大谷 ○○○○○ ○○×○○ ○×○○=12
寒 川 ○○○○○ ○○×○○ ○×○×=11
寒川は決定機を何度か阻止して堅守という部分においては持ち味が出ていましたが、中盤のセカンドボールの競り合いの部分でことごとく札幌大谷に負けてしまい、それがペースをつかめない一因となりました。PK戦では勝つチャンスが2度あったのを逃してしまいましたが、十分に力を出し切ったと思います。
札幌大谷はインターハイの頃と比べても持ち味のパスサッカーにさらに磨きをかけてきました。サイドバックの攻撃参加も迫力がありましたが、カウンターを食らった時の脆さも相変わらずという印象。しかしそれも含めて、札幌大谷のスタイルなのでしょう。
2回戦の相手はプレミアWEST優勝の大津(熊本)。1回戦で福井商に4−0で勝っていますが、公式記録によればシュート数29対0! となっています。勝てるかどうかよりも、札幌大谷らしさを出せるかどうかですね。とにかくパスサッカーを貫いてきてほしいです。
インターハイではプレミアEAST9位の市船橋を相手に前半シュート0本に抑えるなど、それなりに試合にはなっていたので、一方的にボコられることはない…と思いたいですが。
札幌大谷 1−1 寒川
(北海道) (香川)
前半(0−0)
後半(1−1)
PK(12−11)
シュート(9−6)
得点:53分 真浦劉(札幌大谷)
80+1分 藤原康騎(寒川)
2020年に札幌大谷が大手前高松に敗れ、昨年2023年に北海が大手前高松に勝っています。ということで、香川県勢との対戦は直近5年間で3回目です。
札幌大谷は4年ぶり4回目の出場。プリンス北海道2位で、1位はコンサドーレU-18なので高校勢ではトップ。インターハイでは富山第一に勝ち、市船橋(千葉)に敗れています。10番の主将・MF笹修大(3年)は、来季J2に昇格するFC今治に入団内定している注目選手。フォーメーションは4−4−2。
一方の藤井学園寒川(香川)は初出場。プリンス四国4位で、高校勢では2位の徳島市立に次ぐ2番目。四国の高校勢ではトップクラスの実力を持つのは間違いないでしょう。フォーメーションは4−2−3−1。
◇ 前半
前半は札幌大谷がボールを保持し、寒川が堅く守る展開が続きます。前半13分の札幌大谷、左サイドからクロスを上げて最後はFW遠藤煌太(2年)が頭で合わせますが惜しくもクロスバーの上。
さらに15分にも右サイドからのクロスにFW遠藤が反応しますが、うまくヒットしませんでした。18分の札幌大谷、右サイドからのコーナーキックを頭で合わせますが、こちらも枠外に外れました。
19分の札幌大谷、中央を突破してFW田村佑太(3年)が強烈な右足のミドルシュートを放ちますが、GK正面でセーブされています。
26分、寒川はMF三笠大地がドリブルで相手守備陣をかわして左足でシュートを放ちますが、札幌大谷のGK高路地琉葦が好セーブを見せました。ただしここで相手選手との接触があり、高路地が手を痛めた模様。
37分の寒川、FW冨澤快斗(3年)の左足シュートはGK正面でセーブされました。40分にも寒川がゴール前まで攻め込むシーンがありましたが、札幌大谷が体を張って守り、シュートまで持っていくことができません。
前半は札幌大谷がシュート3本、寒川が2本。前半は札幌大谷のほうが攻める時間が長かったですが、決定機を作るには至りませんでした。
◇ 後半
後半4分、相手のパスをカットしてこぼれたボールを後半途中出場のFW簗詰夕喜(3年)がGKと1対1のシーンを作り出して右足でシュートを放ちますが、惜しくもゴール左に外れました。現時点でこの試合最大の決定機でした。
13分、左サイドでサイドバックDF瀬山晴也(3年)の左足クロスに、FW真浦劉(3年)が頭で合わせ、札幌大谷が待望の先制ゴール!
17分、再び左サイドで瀬山が左足クロスを上げ、FW簗詰がトラップして左足シュートを放ちますが、惜しくも枠外に外れました。
20分の寒川、ロングスローから頭で合わせますが、GK高路地の正面。寒川は29分にもロングスローからシュートを放ちますが、枠外に外れました。
32分の札幌大谷、DF今井朝陽(2年)がゴール前で右足シュートを放ちますが、寒川のGK谷山英悟(3年)が右手一本ではじくナイスセーブで難を逃れました。さらに34分にもFW簗詰の左足シュートをセーブして守備力を見せつけます。
38分の札幌大谷のフリーキックからのヘディングもGK谷山が右手一本ではじき、決定機を逃れました。39分の寒川、札幌大谷ゴールまで迫りますが、体を張ってボールをかき出しこちらも決定機を逃れました。
アディショナルタイムの寒川、ロングスローからこぼれ球を途中出場のDF藤原康騎(2年)が右足で流し込み寒川が同点! 初出場の寒川としては全国初得点でもあります。試合はこのまま1−1で、PK戦に突入しました。
◇ PK戦・総評
両チームとも5人目まで落ち着いて決めました。北海道勢としては昨年・一昨年の北海に続く、PKサドンデスに突入。札幌大谷8人目がゴール上に外してしまいますが、寒川も8人目が上に外してしまいます。
1周して札幌大谷の12人目(=1人目)のキックをGK谷山が好セーブ! しかし寒川の12人目も枠外に外してしまいます。そして寒川の14人目(=3人目)のキックはポスト直撃! 14人が蹴る大激闘を制したのは札幌大谷でした。
札幌大谷 ○○○○○ ○○×○○ ○×○○=12
寒 川 ○○○○○ ○○×○○ ○×○×=11
寒川は決定機を何度か阻止して堅守という部分においては持ち味が出ていましたが、中盤のセカンドボールの競り合いの部分でことごとく札幌大谷に負けてしまい、それがペースをつかめない一因となりました。PK戦では勝つチャンスが2度あったのを逃してしまいましたが、十分に力を出し切ったと思います。
札幌大谷はインターハイの頃と比べても持ち味のパスサッカーにさらに磨きをかけてきました。サイドバックの攻撃参加も迫力がありましたが、カウンターを食らった時の脆さも相変わらずという印象。しかしそれも含めて、札幌大谷のスタイルなのでしょう。
2回戦の相手はプレミアWEST優勝の大津(熊本)。1回戦で福井商に4−0で勝っていますが、公式記録によればシュート数29対0! となっています。勝てるかどうかよりも、札幌大谷らしさを出せるかどうかですね。とにかくパスサッカーを貫いてきてほしいです。
インターハイではプレミアEAST9位の市船橋を相手に前半シュート0本に抑えるなど、それなりに試合にはなっていたので、一方的にボコられることはない…と思いたいですが。
2024年12月25日
エスコンフィールド シニア世代に総スカン
私がエスコンフィールドに行って毎回思うのは、札幌ドーム(現・プレド)時代と比べて学生と思しき若い客が増えている一方で、シニア世代を全然見かけなくなったこと。これは良し悪しで、若者が増えて活気が生まれるのはもちろん喜ばしいことですが、シニア世代が行きづらい球場というのは好ましいものではありません。
高齢化社会と呼ばれて久しい日本では、2040年には65歳以上の人口の割合が35%を占めるという予測もあります。シニア世代が行きにくい球場に未来はあるのでしょうか。本記事では70代前半の私の両親を例に出します。
◇ 完全キャッシュレス
すでに楽天モバイルパーク宮城や東京ドームが導入している「球場内完全キャッシュレス」。現金の使用は一切不可で、例えばビールの売り子さんから買う時もキャッシュレスが要求されます。エスコンもこの完全キャッシュレスを導入しています。
現金の取り扱いを一切なくしてしまえば球場側の経費削減になり、さらに現金管理の負担から解放されて業務を効率化することができるというメリットがあります。ただでさえエスコンは労働力の確保に苦労していますから、事情としては理解できます。
しかし利用者目線で見ると、大きな選択肢のひとつが失われただけで、何のメリットもありません。私の両親も、PayPayなどのスマホ決済は一切利用しておらず、シニア世代にとってはエスコン行きを敬遠するひとつの理由になっているでしょう。
単純に「使い方が分からない」というだけの問題ではなく、利用開始後の管理の煩わしさも大きな問題です。キャッシュレス決済を利用するということは、パスワードなど個人情報の管理が必要ということですから。
◇ 劣悪なアクセス
プロ野球の12球団の本拠地の中で最も最寄り駅から遠いエスコンは、劣悪なアクセスもシニア世代の大敵となっています。もちろんシニア世代に対する免許返納の圧力が日増しに強まっており、ここでは公共交通機関を使うものと仮定します。
北広島駅からエスコンまでは約1.8km(某アプリ調べ)。北広島駅の看板では徒歩19分と表示されていますが、アプリによれば25分となっています。しかしいずれにせよ、これは20〜40代くらいの人を想定したものでしょう。ただでさえ駅から見てエスコンは長い上り坂になっており、シニア世代が駅とエスコンの往復だけで毎回3.6km以上も歩くのはしんどいもの。
もちろんシャトルバスはありますが、往復400円の出費は年金生活者には痛い出費。バス自体は必ず座れるとはいえ、シニア世代にとっては行列に並ぶのも苦痛なのです。
バスだけでなく、JRもギューギュー詰めのラッシュ状態で、札幌駅から北広島駅に着いただけでグッタリ。私はなんとか我慢できるレベルですが、体力の落ちたシニア世代も我慢できるとは限りません。「エスコンはしんどいからGAORAでいいや」と私の父は言っています。かつては札幌ドームのプラチナシートで年数回観戦するのが楽しみだったのですが。
◇ 敬老パスが使えない
エスコンの所在地は北広島市。しかしエスコン利用者の中で最も多いのは札幌市民でしょう。当たり前のことですが、北広島市内で札幌市の敬老パス(敬老優待乗車証)は使えません。札幌市のHPによれば、市内でバスに乗ったとしても市外で降りる場合は対象外とされています。
プレド(札幌ドーム)や円山球場などでシニア世代を多く見かけるのは、敬老パスの影響も非常に大きいはずです。プレドであれば、地下鉄・バス・市電の移動に関してはすべて敬老パスの対象なのですが、エスコンの場合はJRもシャトルバスも当然対象外。わずかに受けられる恩恵は、JR最寄り駅から自宅近くまでバス移動した場合などに限られます。
シニア世代は「移動弱者」とも呼ばれます。若者たちがSNS上で「エスコンまでは大して遠くないぞ」と大声で何度も騒いで必死に印象操作したところで、シニア世代にとってはそうではないのです。
◇ 日本一財布に優しくない球場
すでに見てきた通り、最寄り駅から球場への移動だけでシャトルバス料金をむしり取られ、敬老パスも(ほとんど)使えないエスコン。しかしエスコン内こそが「これからが本当の地獄だ」。
チケット代は札幌ドーム時代と比べて大幅値上げ、飲食店も最初から高額、おまけに開業からまもなく値上げ敢行。ソフトドリンク代なども、12球団の本拠地で最も高額とされています。
おまけに(ごく一部を除いて)球場内は飲食物の持ち込みが一切不可、紙コップへの移し替えサービスすらなし。球場内の高額な飲食店の利用を強制されるのです。こんなに厳しいのは、12球団の本拠地では楽天モバイルパークくらいのもの。ちなみに甲子園や神宮では、ビン・缶などを除きおおむね何でも持ち込み可となっています。
年金で細々と暮らすシニア世代が、エスコンを敬遠するのも当然と言えるのではないでしょうか。
高齢化社会と呼ばれて久しい日本では、2040年には65歳以上の人口の割合が35%を占めるという予測もあります。シニア世代が行きにくい球場に未来はあるのでしょうか。本記事では70代前半の私の両親を例に出します。
◇ 完全キャッシュレス
すでに楽天モバイルパーク宮城や東京ドームが導入している「球場内完全キャッシュレス」。現金の使用は一切不可で、例えばビールの売り子さんから買う時もキャッシュレスが要求されます。エスコンもこの完全キャッシュレスを導入しています。
現金の取り扱いを一切なくしてしまえば球場側の経費削減になり、さらに現金管理の負担から解放されて業務を効率化することができるというメリットがあります。ただでさえエスコンは労働力の確保に苦労していますから、事情としては理解できます。
しかし利用者目線で見ると、大きな選択肢のひとつが失われただけで、何のメリットもありません。私の両親も、PayPayなどのスマホ決済は一切利用しておらず、シニア世代にとってはエスコン行きを敬遠するひとつの理由になっているでしょう。
単純に「使い方が分からない」というだけの問題ではなく、利用開始後の管理の煩わしさも大きな問題です。キャッシュレス決済を利用するということは、パスワードなど個人情報の管理が必要ということですから。
◇ 劣悪なアクセス
プロ野球の12球団の本拠地の中で最も最寄り駅から遠いエスコンは、劣悪なアクセスもシニア世代の大敵となっています。もちろんシニア世代に対する免許返納の圧力が日増しに強まっており、ここでは公共交通機関を使うものと仮定します。
北広島駅からエスコンまでは約1.8km(某アプリ調べ)。北広島駅の看板では徒歩19分と表示されていますが、アプリによれば25分となっています。しかしいずれにせよ、これは20〜40代くらいの人を想定したものでしょう。ただでさえ駅から見てエスコンは長い上り坂になっており、シニア世代が駅とエスコンの往復だけで毎回3.6km以上も歩くのはしんどいもの。
もちろんシャトルバスはありますが、往復400円の出費は年金生活者には痛い出費。バス自体は必ず座れるとはいえ、シニア世代にとっては行列に並ぶのも苦痛なのです。
バスだけでなく、JRもギューギュー詰めのラッシュ状態で、札幌駅から北広島駅に着いただけでグッタリ。私はなんとか我慢できるレベルですが、体力の落ちたシニア世代も我慢できるとは限りません。「エスコンはしんどいからGAORAでいいや」と私の父は言っています。かつては札幌ドームのプラチナシートで年数回観戦するのが楽しみだったのですが。
◇ 敬老パスが使えない
エスコンの所在地は北広島市。しかしエスコン利用者の中で最も多いのは札幌市民でしょう。当たり前のことですが、北広島市内で札幌市の敬老パス(敬老優待乗車証)は使えません。札幌市のHPによれば、市内でバスに乗ったとしても市外で降りる場合は対象外とされています。
プレド(札幌ドーム)や円山球場などでシニア世代を多く見かけるのは、敬老パスの影響も非常に大きいはずです。プレドであれば、地下鉄・バス・市電の移動に関してはすべて敬老パスの対象なのですが、エスコンの場合はJRもシャトルバスも当然対象外。わずかに受けられる恩恵は、JR最寄り駅から自宅近くまでバス移動した場合などに限られます。
シニア世代は「移動弱者」とも呼ばれます。若者たちがSNS上で「エスコンまでは大して遠くないぞ」と大声で何度も騒いで必死に印象操作したところで、シニア世代にとってはそうではないのです。
◇ 日本一財布に優しくない球場
すでに見てきた通り、最寄り駅から球場への移動だけでシャトルバス料金をむしり取られ、敬老パスも(ほとんど)使えないエスコン。しかしエスコン内こそが「これからが本当の地獄だ」。
チケット代は札幌ドーム時代と比べて大幅値上げ、飲食店も最初から高額、おまけに開業からまもなく値上げ敢行。ソフトドリンク代なども、12球団の本拠地で最も高額とされています。
おまけに(ごく一部を除いて)球場内は飲食物の持ち込みが一切不可、紙コップへの移し替えサービスすらなし。球場内の高額な飲食店の利用を強制されるのです。こんなに厳しいのは、12球団の本拠地では楽天モバイルパークくらいのもの。ちなみに甲子園や神宮では、ビン・缶などを除きおおむね何でも持ち込み可となっています。
年金で細々と暮らすシニア世代が、エスコンを敬遠するのも当然と言えるのではないでしょうか。
2024年12月22日
M-1 2024 個人的採点
今年もM-1の個人的な採点(10点満点)を記載します。今年は敗者復活も見ることができました。素人の個人的な採点ですので、どうか気分を害したりなさいませんよう。
令和ロマン(東京吉本) 2年連続2回目 8点
子供の苗字ネタ。まさかの2年連続トップバッター。優勝経験者については厳しく採点すべきで、よほどスバ抜けていない限りは、新しいコンビを優勝させてほしいと思います。しかし今回のネタは、個人的には去年より良いと思うなあ。
ヤーレンズ(ケイダッシュステージ) 2年連続2回目 7点
おにぎり屋ネタ。昨年準優勝のヤーレンズ、さすが安定の面白さ。しかし昨年を超えるものはありません。審査員の海原ともこの「もっとしょうもないのが見たかった」はよく分かります。もっと突き抜けてほしかった。
真空ジェシカ(人力舎) 4年連続4回目 7点
商店街のロケネタ。偏った政党のくだりとか面白かったですが、良くも悪くも昨年までと同じく、突き抜けるには至っていないという感想。しかしそれでもひとつひとつのボケの破壊力が、過去4年で最も良かったと思います。
マユリカ(東京吉本) 2年連続2回目 6点
高校の同窓会ネタ。敗者復活とは違うネタで来たので、2本見られたという意味ではお得でしたが、敗者復活のネタのほうが良かったかなぁ。モーニングのくだりとかはありましたが、突き抜けた笑いが乏しかったですね。
ダイタク(東京吉本) 決勝初登場 5点
ヒーローインタビューネタ。このネタ自体は使い古されたものですが、双子設定を存分に生かしてうまく調理されていました。しかしインタビュアーが入れ替わる瞬間に一度笑いが途切れるので、どうしても突き抜けるには至りません。
ジョックロック(大阪吉本) 決勝初登場 2点
医療ドラマネタ。ネタに入る前につかみで一笑い欲しかった。M-1の決勝として見ると、笑いの破壊力は並以下。26歳のゆうじろーはやや実力不足。ツッコミの福本が笑えないところで声を張り上げてばかりいるので、個人的には最後まで置いてけぼりでした。
バッテリィズ(大阪吉本) 決勝初登場 9点
偉人ネタ。「名前を書けば受かる高校で名前を書き忘れた」でさりげなくエースの馬鹿をアピールし、その後は偉人の言葉を全否定の連続。笑いのうねりが途切れることなく、最後まで突っ走りました。これは面白かったですね。
ママタルト(サンミュージック) 決勝初登場 5点
銭湯ネタ。ボケの大鶴肥満の肥満を生かし、さらに舞台上を激しく動き回って頑張ってはいましたが、これまでのコンビたちとは違って際立って光るワードやボケが一個もないのは厳しいかと。
エバース(東京吉本) 決勝初登場 7点
初恋の人との再会ネタ。ネタに入る前につかみで一笑い欲しかった。おかげで火がつくのは遅れましたが、どんどん良くなっていきました。もっと早く笑いが起きていれば、最終決戦進出もあったのではないでしょうか。
トム・ブラウン(ケイダッシュステージ) 6年ぶり2回目 5点
一気飲みの断り方ネタ。合体ネタを封印して臨んだのですが、やってる内容自体は合体ネタとほとんど同じかと。奇抜な動きと強烈なツッコミで笑わせる内容で上まで突き抜けるのは難しいのかな、と思ってしまいました。
バッテリィズ・令和ロマン・真空ジェシカの3組が最終決戦に進出しました。今年も私の素人採点とかなり一致しています。
真空ジェシカ(人力舎) 決勝3位 5点
アンジェラアキネタ。1本目とは全く違い、ボケの川北が奇抜なボケで破壊力満点なネタ。しかしボケとボケの間が長いタイプのネタなので、M-1の最終決戦という意味では厳しいかも。
令和ロマン(東京吉本) 決勝2位 7点
タイムスリップネタ。1本目のしゃべくり漫才とは違い、アクションが豊富なコント漫才で来ましたが、1本目には劣るかなぁ。しかし1本目と違うパターンでかなり笑いを取っていたのは素晴らしいですね。
バッテリィズ(大阪吉本) 決勝1位 8点
世界遺産ネタ。こちらは1本目と同じパターンですが、1本目よりはややパワーダウン。それでも勢いが評価されるかなと予想。私は正統派漫才を好むのですが、新しくなった審査員がどう評価するでしょうか。
結果は皆様ご存知の通り、以下のようになりました。
5票 令和ロマン
3票 バッテリィズ
1票 真空ジェシカ
ということで、令和ロマンが連覇しました。もちろん史上初の快挙。面白ければトップバッターでも優勝できるということを改めて知らしめてくれました。
バッテリィズは惜しかったですね。初の決勝進出で優勝したかったでしょう。馬鹿ネタも2回目・3回目となるにつれて、新鮮さはどうしても薄れてしまいます。来年の進化に期待したいです。
令和ロマン(東京吉本) 2年連続2回目 8点
子供の苗字ネタ。まさかの2年連続トップバッター。優勝経験者については厳しく採点すべきで、よほどスバ抜けていない限りは、新しいコンビを優勝させてほしいと思います。しかし今回のネタは、個人的には去年より良いと思うなあ。
ヤーレンズ(ケイダッシュステージ) 2年連続2回目 7点
おにぎり屋ネタ。昨年準優勝のヤーレンズ、さすが安定の面白さ。しかし昨年を超えるものはありません。審査員の海原ともこの「もっとしょうもないのが見たかった」はよく分かります。もっと突き抜けてほしかった。
真空ジェシカ(人力舎) 4年連続4回目 7点
商店街のロケネタ。偏った政党のくだりとか面白かったですが、良くも悪くも昨年までと同じく、突き抜けるには至っていないという感想。しかしそれでもひとつひとつのボケの破壊力が、過去4年で最も良かったと思います。
マユリカ(東京吉本) 2年連続2回目 6点
高校の同窓会ネタ。敗者復活とは違うネタで来たので、2本見られたという意味ではお得でしたが、敗者復活のネタのほうが良かったかなぁ。モーニングのくだりとかはありましたが、突き抜けた笑いが乏しかったですね。
ダイタク(東京吉本) 決勝初登場 5点
ヒーローインタビューネタ。このネタ自体は使い古されたものですが、双子設定を存分に生かしてうまく調理されていました。しかしインタビュアーが入れ替わる瞬間に一度笑いが途切れるので、どうしても突き抜けるには至りません。
ジョックロック(大阪吉本) 決勝初登場 2点
医療ドラマネタ。ネタに入る前につかみで一笑い欲しかった。M-1の決勝として見ると、笑いの破壊力は並以下。26歳のゆうじろーはやや実力不足。ツッコミの福本が笑えないところで声を張り上げてばかりいるので、個人的には最後まで置いてけぼりでした。
バッテリィズ(大阪吉本) 決勝初登場 9点
偉人ネタ。「名前を書けば受かる高校で名前を書き忘れた」でさりげなくエースの馬鹿をアピールし、その後は偉人の言葉を全否定の連続。笑いのうねりが途切れることなく、最後まで突っ走りました。これは面白かったですね。
ママタルト(サンミュージック) 決勝初登場 5点
銭湯ネタ。ボケの大鶴肥満の肥満を生かし、さらに舞台上を激しく動き回って頑張ってはいましたが、これまでのコンビたちとは違って際立って光るワードやボケが一個もないのは厳しいかと。
エバース(東京吉本) 決勝初登場 7点
初恋の人との再会ネタ。ネタに入る前につかみで一笑い欲しかった。おかげで火がつくのは遅れましたが、どんどん良くなっていきました。もっと早く笑いが起きていれば、最終決戦進出もあったのではないでしょうか。
トム・ブラウン(ケイダッシュステージ) 6年ぶり2回目 5点
一気飲みの断り方ネタ。合体ネタを封印して臨んだのですが、やってる内容自体は合体ネタとほとんど同じかと。奇抜な動きと強烈なツッコミで笑わせる内容で上まで突き抜けるのは難しいのかな、と思ってしまいました。
バッテリィズ・令和ロマン・真空ジェシカの3組が最終決戦に進出しました。今年も私の素人採点とかなり一致しています。
真空ジェシカ(人力舎) 決勝3位 5点
アンジェラアキネタ。1本目とは全く違い、ボケの川北が奇抜なボケで破壊力満点なネタ。しかしボケとボケの間が長いタイプのネタなので、M-1の最終決戦という意味では厳しいかも。
令和ロマン(東京吉本) 決勝2位 7点
タイムスリップネタ。1本目のしゃべくり漫才とは違い、アクションが豊富なコント漫才で来ましたが、1本目には劣るかなぁ。しかし1本目と違うパターンでかなり笑いを取っていたのは素晴らしいですね。
バッテリィズ(大阪吉本) 決勝1位 8点
世界遺産ネタ。こちらは1本目と同じパターンですが、1本目よりはややパワーダウン。それでも勢いが評価されるかなと予想。私は正統派漫才を好むのですが、新しくなった審査員がどう評価するでしょうか。
結果は皆様ご存知の通り、以下のようになりました。
5票 令和ロマン
3票 バッテリィズ
1票 真空ジェシカ
ということで、令和ロマンが連覇しました。もちろん史上初の快挙。面白ければトップバッターでも優勝できるということを改めて知らしめてくれました。
バッテリィズは惜しかったですね。初の決勝進出で優勝したかったでしょう。馬鹿ネタも2回目・3回目となるにつれて、新鮮さはどうしても薄れてしまいます。来年の進化に期待したいです。
2024年12月18日
人工甘味料撲滅運動・2024年のニュース
人工甘味料撲滅連盟(会員数3名、資本金10円)はたえず人工甘味料に関する情報のチェックを行っておりますが、2024年も多数のニュースがありました。
◇ 人工甘味料市場が縮小傾向
流通・小売業界のニュースサイトである「ダイヤモンド・チェーンストア」によると、2023年9月〜24年8月の1年間の人工甘味料市場の金額PIは前年同期比で6.8%減、数量PIは10.2%減であると報道されました。
PIとは聞き慣れない言葉だと思いますが、「レジ通過客1,000人あたりの購買指数」をさします。数値が大きければ大きいほど、購買可能性の高い商品であることを示します。
昨今の物価高騰を受け、人工甘味料製品(例えば「パルスイート」など)も値上げが続いています。値上げしているのに金額ベースで前年比減少、数量ベースではもっと減少という結果から考えて、節約志向が続く消費者の厳しい目線において、人工甘味料は真っ先に節約の対象になってしまった、と考えることができるでしょう。
◇ 心臓発作・脳卒中のリスク増大
世界のニュースを伝える「CNN.co.jp」によると、2024年8月8日、人工甘味料のエリスリトールが入った飲料を摂取すると、健康な人でも血栓リスクが2倍以上になるという研究結果が学術誌に発表されたとのこと。
血栓ができて心臓に到達すれば心臓発作を引き起こし、脳に達すれば脳卒中の原因となります。したがって、エリスリトールを摂取しますと、心臓発作や脳卒中を始めとする疾患のリスクが増大するということになります。
前述の「パルスイート」や「ラカント」などは、エリスリトールが使用されている典型的な製品なのでご注意を。
◇ 人工甘味料が腸にダメージを与える
世界中で刊行されている女性誌「ELLE」によると、人工甘味料ネオテームにより腸壁の細胞死と漏れが増加すること、通常は無害な腸内細菌が人工甘味料によって、塊を形成し腸内壁の細胞に付着して侵入するといった、病気を引き起こす恐れのある行動を始めることなどが明らかになったとされています。
その結果、ネオテーム曝露によって腸の内壁が破壊されたり、腸内細菌のバランスが崩れることで、最終的に過敏性腸症候群(IBS)や敗血症につながる危険性が示唆されています。
ネオテームがよく使われている製品の代表例は、スムージー・プロテインなど。「スムージー=健康」とは限らないわけですね。
◇ 農林水産委員会で人工甘味料が話題に
2024年5月、衆議院の農林水産委員会において、世界保健機関(WHO)が「推奨しない」と発表した人工甘味料の危険性について、野党議員が調査を要求しました。しかし与党側は消極的な態度を崩しませんでした。
別に野党議員も「即座に販売中止にしろ」と言っているわけではなく、調査を求めたにすぎません。すでに海外では販売中止になっている甘味料について、日本政府は調査すら行っていないという実態があります。
調査すらしない理由については公表されておりませんが、考えられるのはやはり今話題になっている「企業・団体献金」でしょう。むろん献金はボランティアで寄付しているのではなく、見返りを受けられるからに決まっております。
建設会社などから高額な献金を受け、見返りに公共事業をばらまくのは与党の得意技。ということは、食品会社から献金を受け、見返りに危険性の高い人工甘味料に対する調査の不実施を黙認したとしても、何ら不思議ではありません。
◇ 人工甘味料市場が縮小傾向
流通・小売業界のニュースサイトである「ダイヤモンド・チェーンストア」によると、2023年9月〜24年8月の1年間の人工甘味料市場の金額PIは前年同期比で6.8%減、数量PIは10.2%減であると報道されました。
PIとは聞き慣れない言葉だと思いますが、「レジ通過客1,000人あたりの購買指数」をさします。数値が大きければ大きいほど、購買可能性の高い商品であることを示します。
昨今の物価高騰を受け、人工甘味料製品(例えば「パルスイート」など)も値上げが続いています。値上げしているのに金額ベースで前年比減少、数量ベースではもっと減少という結果から考えて、節約志向が続く消費者の厳しい目線において、人工甘味料は真っ先に節約の対象になってしまった、と考えることができるでしょう。
◇ 心臓発作・脳卒中のリスク増大
世界のニュースを伝える「CNN.co.jp」によると、2024年8月8日、人工甘味料のエリスリトールが入った飲料を摂取すると、健康な人でも血栓リスクが2倍以上になるという研究結果が学術誌に発表されたとのこと。
血栓ができて心臓に到達すれば心臓発作を引き起こし、脳に達すれば脳卒中の原因となります。したがって、エリスリトールを摂取しますと、心臓発作や脳卒中を始めとする疾患のリスクが増大するということになります。
前述の「パルスイート」や「ラカント」などは、エリスリトールが使用されている典型的な製品なのでご注意を。
◇ 人工甘味料が腸にダメージを与える
世界中で刊行されている女性誌「ELLE」によると、人工甘味料ネオテームにより腸壁の細胞死と漏れが増加すること、通常は無害な腸内細菌が人工甘味料によって、塊を形成し腸内壁の細胞に付着して侵入するといった、病気を引き起こす恐れのある行動を始めることなどが明らかになったとされています。
その結果、ネオテーム曝露によって腸の内壁が破壊されたり、腸内細菌のバランスが崩れることで、最終的に過敏性腸症候群(IBS)や敗血症につながる危険性が示唆されています。
ネオテームがよく使われている製品の代表例は、スムージー・プロテインなど。「スムージー=健康」とは限らないわけですね。
◇ 農林水産委員会で人工甘味料が話題に
2024年5月、衆議院の農林水産委員会において、世界保健機関(WHO)が「推奨しない」と発表した人工甘味料の危険性について、野党議員が調査を要求しました。しかし与党側は消極的な態度を崩しませんでした。
別に野党議員も「即座に販売中止にしろ」と言っているわけではなく、調査を求めたにすぎません。すでに海外では販売中止になっている甘味料について、日本政府は調査すら行っていないという実態があります。
調査すらしない理由については公表されておりませんが、考えられるのはやはり今話題になっている「企業・団体献金」でしょう。むろん献金はボランティアで寄付しているのではなく、見返りを受けられるからに決まっております。
建設会社などから高額な献金を受け、見返りに公共事業をばらまくのは与党の得意技。ということは、食品会社から献金を受け、見返りに危険性の高い人工甘味料に対する調査の不実施を黙認したとしても、何ら不思議ではありません。
2024年12月13日
21世紀枠候補9校決定 北海道からは釧路江南
21世紀枠の候補が発表され、北海道からは釧路江南が選ばれました。学力の札幌南か、戦績の釧路江南か、迷うところではありましたが、妥当な選出と言えるでしょう。
両校とも甲子園出場経験がありますが、札幌南は2000年に出場して25年しか空かないのに対し、釧路江南は1977年に出場して48年空きますので、このあたりも考慮されたかもしれません。
北海道 釧路江南 北海道大会8強(2勝)
東 北 久慈(岩手) 県4強、東北大会16強(1勝)
関東京 横浜清陵(神奈川) 県8強、関東大会不出場
東 海 名古屋たちばな(愛知)県4強、東海大会初戦敗退
北信越 小松工(石川) 県準優勝、北信越大会4強(2勝)
近 畿 山城(京都) 県4強、近畿大会不出場
中 国 大田(島根) 県4強、中国大会8強(1勝)
四 国 高松東(香川) 県4強、四国大会不出場
九 州 壱岐(長崎) 県準優勝、九州大会8強(1勝)
願望ではなく予想を。リマインドですが、昨年から21世紀枠の東日本・西日本の区別はなくなり、地区関係なく9校から2校を選出する方法に変更となりました。
1校目は小松工を予想します。小松市は石川県の南部に位置して福井県と面しており、能登半島からはたしかに離れています。しかし部員の中には能登半島の実家が被害を受けた人もおり、さらに部員たちはボランティアにも励んでいます。地震・台風の被災者へ勇気を与えたという意味では、小松市であることは何ら障害にならないと予想しています。
忘れてはいけないのが、石川大会で準優勝(2−5金沢)、北信越大会で4強(4−9敦賀気比)の戦績。最近の21世紀枠はそこそこ実力も重視される傾向にあるので、そこを考慮しても有力と考えました。
もう1校はとても迷います。離島の壱岐、第1回大会から「皆勤」として話題になっている山城は有力。今回は札幌南レベルの秀才校はいませんが、山城と大田は60台前半の高偏差値です。
迷いながらも、古豪大好き高野連は学力枠も兼ねて山城を選ぶと予想します。補欠は壱岐・大田・久慈あたりでしょうか。
個人的に今年2試合も見させてもらった釧路江南もぜひ選ばれてほしいですが、今回はちょっと相手が強すぎるかなと。昨年別海が選ばれたばかりでもあり、今回はちょっと厳しいかもしれません。
釧路江南は2006・07年にも候補に選ばれており、今回が3回目。このハズレ馬券を3枚集めると、次回は甲子園出場権が得られるとか得られないとか(毎回同じことを書いているような気がしますが)。
特に春季全道大会で見たときは、スタンドに陣取った人数では対戦相手(大麻)より大きく劣っていたのに、熱量では決して負けていなかったことが思い起こされます。選ばれてくれることを願っております。
両校とも甲子園出場経験がありますが、札幌南は2000年に出場して25年しか空かないのに対し、釧路江南は1977年に出場して48年空きますので、このあたりも考慮されたかもしれません。
北海道 釧路江南 北海道大会8強(2勝)
東 北 久慈(岩手) 県4強、東北大会16強(1勝)
関東京 横浜清陵(神奈川) 県8強、関東大会不出場
東 海 名古屋たちばな(愛知)県4強、東海大会初戦敗退
北信越 小松工(石川) 県準優勝、北信越大会4強(2勝)
近 畿 山城(京都) 県4強、近畿大会不出場
中 国 大田(島根) 県4強、中国大会8強(1勝)
四 国 高松東(香川) 県4強、四国大会不出場
九 州 壱岐(長崎) 県準優勝、九州大会8強(1勝)
願望ではなく予想を。リマインドですが、昨年から21世紀枠の東日本・西日本の区別はなくなり、地区関係なく9校から2校を選出する方法に変更となりました。
1校目は小松工を予想します。小松市は石川県の南部に位置して福井県と面しており、能登半島からはたしかに離れています。しかし部員の中には能登半島の実家が被害を受けた人もおり、さらに部員たちはボランティアにも励んでいます。地震・台風の被災者へ勇気を与えたという意味では、小松市であることは何ら障害にならないと予想しています。
忘れてはいけないのが、石川大会で準優勝(2−5金沢)、北信越大会で4強(4−9敦賀気比)の戦績。最近の21世紀枠はそこそこ実力も重視される傾向にあるので、そこを考慮しても有力と考えました。
もう1校はとても迷います。離島の壱岐、第1回大会から「皆勤」として話題になっている山城は有力。今回は札幌南レベルの秀才校はいませんが、山城と大田は60台前半の高偏差値です。
迷いながらも、古豪大好き高野連は学力枠も兼ねて山城を選ぶと予想します。補欠は壱岐・大田・久慈あたりでしょうか。
個人的に今年2試合も見させてもらった釧路江南もぜひ選ばれてほしいですが、今回はちょっと相手が強すぎるかなと。昨年別海が選ばれたばかりでもあり、今回はちょっと厳しいかもしれません。
釧路江南は2006・07年にも候補に選ばれており、今回が3回目。このハズレ馬券を3枚集めると、次回は甲子園出場権が得られるとか得られないとか(毎回同じことを書いているような気がしますが)。
特に春季全道大会で見たときは、スタンドに陣取った人数では対戦相手(大麻)より大きく劣っていたのに、熱量では決して負けていなかったことが思い起こされます。選ばれてくれることを願っております。
2024年12月08日
エスコンフィールド 悪すぎる北広島市内の交通
エスコンフィールドの交通の便という話になったときに話題となるのは、まず最も利用者が多いと思われる札幌市方面からの交通、次に新千歳空港からの交通でしょう。
ところが、肝心な北広島市内が置き去りになっているということが、意外と忘れ去られているような気がします。
◇ 市民から不満の声
以前「こちらの記事」で書いた通り、北広島市は大きく分けて5つの地区があります。エスコンフィールドがあるのは、JR北広島駅や北広島市役所などがある「東部地区」ですが、商業施設などが多く最も栄えていると言われているのは、三井アウトレットパークなどを擁する「大曲(おおまがり)地区」と言われています。
2023年11月に行われた「ボールパーク構想推進に係る市民説明会」では「大曲地区・西部地区行きのバスが早い時間で終わってしまうため、ナイターの日は最後まで試合を見ることができません」と不満の声が上がっています。
Fビレッジ側もおそらくそれは認識しているでしょうが、「コンプライアンス違反が相次ぐ超絶ブラック企業」にシャトルバスを依頼せざるを得ない悲惨な現状では、北広島市内のバスを増便することまでは手が回らないというのが実情でしょう。
北広島市では「大曲地区住民限定 ファイターズ応援観戦バスツアー」を用意しました。「Fビレッジから自宅まで距離があり交通手段が限られる地区の方々を含め、より多くの市民の皆様に野球観戦を体験いただくことを目的」だそうです。
市内の移動でバスツアーが組まれるというのもなかなか珍しいような気がしますが、それほどまでに北広島市内の交通の便が悪いわけです。市でも問題は認識しているのでしょうが、後回しにされているのか、それとも打つ手がないのでしょうか。
◇ どれほど交通の便が悪いのか?
ここでは大曲地区を例にとり、さらに分かりやすくするために三井アウトレットパーク周辺に帰宅するということを前提に話を進めます。
アプリで調べたところ、アウトレットパークからエスコンフィールドまでは10.2km。歩くのは現実的ではありませんので、車を持っていない方は公共交通機関での移動が必要となります。と言ってもこの区間の電車はありませんので、タクシーでなければ路線バス一択です。
では平日のナイター観戦の帰りに使えるバスは本当にないのでしょうか? 正確性は保証できませんが、調べてみました(情報は2024年10月現在)。
すると、平日は20時20分に北広島駅を発車する中央バス(広島線)が最終のようでした。行先は大曲末広3丁目で、アウトレットパークからは1.7kmほど離れています。大曲地区の中心部の手前で終点なので、さらに別のバスに乗り換える必要のある人も多いはず。この時間にバスがあるかどうかは別として。
アウトレットパークから500m以上離れたバス停なども含めて捜索しましたが、上記より遅い時間帯のバスは見つかりませんでした。これでは平日ナイターの観戦においてバスで帰宅するのは不可能で、高額なタクシーの利用が必要となってしまいます。
こんな有様なので、わざわざバスツアーが組まれているわけですね。
◇ 限定される市民の恩恵
今回は大曲を例にとりましたが、他地区でもおそらく似たり寄ったりと推測されます。球場周辺以外にお住まいの方は、車を持ってない限り平日ナイターの観戦が難しいというのは致命的欠陥です。
北広島市は「ボールパークに住もう」とさかんに宣伝していますが、車での来場ができない方は、球場周辺に住まなくては意味がありません。しかしFビレッジ周辺は地価が高騰し、連動して家賃も上昇しているので、気軽に住もうと思える価格ではなくなってきています。
こういう状況であるにもかかわらず、北広島市では累計で3ケタ億円もの巨額な税金をボールパーク関連に投入しており、さらに数十億円を投じてJRの新駅建設、その周辺の道路整備に乗り出しています。
他地区に住む方にとっては、気軽に観戦に行けない場所のボールパークに際限なく税金が投入され、市債残高が積み上がり、市民サービスが犠牲になっているのです。「人口減に歯止めがかかっていない」のは、こういうことも一因でしょう。
それならば札幌市に住んだほうが観戦に便利だし、通勤にも便利だし、商業施設・飲食店なども充実していると考える方は多いことでしょう。けっこう根が深い問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
ところが、肝心な北広島市内が置き去りになっているということが、意外と忘れ去られているような気がします。
◇ 市民から不満の声
以前「こちらの記事」で書いた通り、北広島市は大きく分けて5つの地区があります。エスコンフィールドがあるのは、JR北広島駅や北広島市役所などがある「東部地区」ですが、商業施設などが多く最も栄えていると言われているのは、三井アウトレットパークなどを擁する「大曲(おおまがり)地区」と言われています。
2023年11月に行われた「ボールパーク構想推進に係る市民説明会」では「大曲地区・西部地区行きのバスが早い時間で終わってしまうため、ナイターの日は最後まで試合を見ることができません」と不満の声が上がっています。
Fビレッジ側もおそらくそれは認識しているでしょうが、「コンプライアンス違反が相次ぐ超絶ブラック企業」にシャトルバスを依頼せざるを得ない悲惨な現状では、北広島市内のバスを増便することまでは手が回らないというのが実情でしょう。
北広島市では「大曲地区住民限定 ファイターズ応援観戦バスツアー」を用意しました。「Fビレッジから自宅まで距離があり交通手段が限られる地区の方々を含め、より多くの市民の皆様に野球観戦を体験いただくことを目的」だそうです。
市内の移動でバスツアーが組まれるというのもなかなか珍しいような気がしますが、それほどまでに北広島市内の交通の便が悪いわけです。市でも問題は認識しているのでしょうが、後回しにされているのか、それとも打つ手がないのでしょうか。
◇ どれほど交通の便が悪いのか?
ここでは大曲地区を例にとり、さらに分かりやすくするために三井アウトレットパーク周辺に帰宅するということを前提に話を進めます。
アプリで調べたところ、アウトレットパークからエスコンフィールドまでは10.2km。歩くのは現実的ではありませんので、車を持っていない方は公共交通機関での移動が必要となります。と言ってもこの区間の電車はありませんので、タクシーでなければ路線バス一択です。
では平日のナイター観戦の帰りに使えるバスは本当にないのでしょうか? 正確性は保証できませんが、調べてみました(情報は2024年10月現在)。
すると、平日は20時20分に北広島駅を発車する中央バス(広島線)が最終のようでした。行先は大曲末広3丁目で、アウトレットパークからは1.7kmほど離れています。大曲地区の中心部の手前で終点なので、さらに別のバスに乗り換える必要のある人も多いはず。この時間にバスがあるかどうかは別として。
アウトレットパークから500m以上離れたバス停なども含めて捜索しましたが、上記より遅い時間帯のバスは見つかりませんでした。これでは平日ナイターの観戦においてバスで帰宅するのは不可能で、高額なタクシーの利用が必要となってしまいます。
こんな有様なので、わざわざバスツアーが組まれているわけですね。
◇ 限定される市民の恩恵
今回は大曲を例にとりましたが、他地区でもおそらく似たり寄ったりと推測されます。球場周辺以外にお住まいの方は、車を持ってない限り平日ナイターの観戦が難しいというのは致命的欠陥です。
北広島市は「ボールパークに住もう」とさかんに宣伝していますが、車での来場ができない方は、球場周辺に住まなくては意味がありません。しかしFビレッジ周辺は地価が高騰し、連動して家賃も上昇しているので、気軽に住もうと思える価格ではなくなってきています。
こういう状況であるにもかかわらず、北広島市では累計で3ケタ億円もの巨額な税金をボールパーク関連に投入しており、さらに数十億円を投じてJRの新駅建設、その周辺の道路整備に乗り出しています。
他地区に住む方にとっては、気軽に観戦に行けない場所のボールパークに際限なく税金が投入され、市債残高が積み上がり、市民サービスが犠牲になっているのです。「人口減に歯止めがかかっていない」のは、こういうことも一因でしょう。
それならば札幌市に住んだほうが観戦に便利だし、通勤にも便利だし、商業施設・飲食店なども充実していると考える方は多いことでしょう。けっこう根が深い問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
2024年12月03日
コンサJ2降格 よみがえる後悔の記憶
来季2025年にJ2で戦うことが決まっている、我らが北海道コンサドーレ札幌。J2で戦うのは2016年シーズン以来9年ぶりのことで、それまではJ1に居続けたのは最長でも2年間だったので、よくぞ8年間もJ1の座をキープしていたとも言えるでしょう。
もちろんJ2に降格しようとも私は応援し続けるつもりです。「J2に落ちたからと言って応援をやめるなんて、本当のファンじゃない!」とカッコよく言いたいところですが、残念ながら私にその資格はありません。今日はそのことについて書いてみようと思います。
◇ 初年度から応援
私が中学生のころ…おそらく1994年頃だと思いますが、「北海道にサッカーチームを誘致しよう」という署名活動をやっているところをたまたま友人と通りかかり、2人で署名したのが最初でした。その署名は31万人分も集まったとのこと。
札幌ドーム(現・大和ハウス プレミストドーム)の建設が正式決定するのは1996年のことであり、当時は夏のメジャースポーツのクラブが北海道に本拠を構えるなど、考えられない時代でした。
私としても淡い期待を抱きつつ、軽い気持ちで署名したに過ぎなかったのですが、1996年には東芝の札幌移転が決定、チーム名が「コンサドーレ札幌」(のちに北海道コンサドーレ札幌)となりました。
そりゃもう嬉しくて嬉しくて、当時は地上波でホームだけでなくアウェーの試合も放送していましたので、土日の昼間の中継はほぼ欠かさず観戦しました。もちろん当時の選手のことも覚えています。
隣の席の女子に「ねえねえ、バイト先(ケンタッキー)にコンサドーレのガルベスが来たよ」と言われて、ズッコケたのもよく覚えています。ガルベスはプロ野球・巨人のピッチャーで、コンサドーレにいたのはバルデスです。
◇ 観戦から遠ざかった日々
1999年に激しい争奪戦を制して岡田武史監督が就任すると、私のコンサ熱も1度目のピークを迎えます。
しかし2000年4月に大学生になるとバイトを始めることになり、土日はほとんど出勤でしたのでコンサの試合観戦がほぼできなくなってしまいました。
その間、岡田監督のもとでJ1昇格、そしてJ1残留を経験しますが、資金力に乏しいコンサは活躍した選手が翌年にすぐ引き抜かれてしまうという悪循環にはまっていました。一応スポーツ紙で情報は読むようにしていましたが、気が付くとプレーの特徴などを含めてちゃんと知っている選手がごくわずかしか残っていません。
岡田監督が退任してJ2に降格、そのJ2でも低迷。大学を卒業し、土日の昼間に地上波で中継される試合を観戦できる時間はようやく確保できるようになりましたが、「知らない選手がプレーする弱いチーム」のサッカーを見るモチベーションがどうしても生まれません。
2004年にはJ2で最下位という屈辱も味わっています。当時はJ3がないため降格しなかったとはいえ、ますます試合から遠ざかったのは言うまでもありません。その後は、気まぐれで年間数試合をテレビ観戦する程度になってしまいました。
◇ 2つの転機
私の部屋にはテレビがなかったので、録画してまでリビングでサッカーの試合を見ようと思わなかったのも観戦から遠ざかった大きな理由です。なので当然、スカパーに加入しようと思ったこともありません。
十数年も冷め切っていた私のコンサ熱に再び火が灯った理由は2つ。まずは四方田修平監督の明確で分かりやすいサッカー。2016年はJ2で序盤から首位を走りましたが、たまたま見た試合でとても良いサッカーをしていたので、この年は久しぶりに観戦数が10試合を超えたと思います。
そして決定的な理由がもうひとつ、2017年からのDAZNの参入。当時はドコモユーザーなら月額税抜き980円で加入でき、パソコン・スマホ・タブレットで観戦可能という環境はとても魅力的でした。
そしてライブ視聴だけでなく、試合日の1か月以内ならいつでも見られるというのもたいへん魅力的。多分スカパーでもその数年前から同様のサービス(スカパーオンデマンド)があったはずなんですが、情報収集すらしていないので知らなかったんですよね。
仕事から帰った後に試合を見られるのは社会人にとって非常にありがたく、2017年は半分くらいの試合を見ることになりました。翌2018年からは全試合観戦を続けています。
◇ 私には書けない
SNSで「コンサドーレの本は書かないんですか?」と聞かれたことがあるのですが、上記のような有様なので「書きたくでも書けない」というのが実情です。
もしコンサが2024年にJ1残留を果たしていたら「ミシャと歩んだ7年間の軌跡とJ1残留の奇跡」のようなタイトルで書こうかとも思いましたが、J2降格してしまった今のタイミングでは、需要がなさそうなので断念します。
私が書くとしても、せいぜい2017年頃からのお話が精一杯なので、やっぱり初年度から応援を続けている古参のファンの方に筆をお譲りしたいところです。
今になって、苦難の時代のコンサの試合をもっと見ておけばよかったと後悔しきりなのですが、残念ながら時計の針は戻せません。ならば前を見て、J2降格後のコンサを熱烈に応援するのみです。
もちろんJ2に降格しようとも私は応援し続けるつもりです。「J2に落ちたからと言って応援をやめるなんて、本当のファンじゃない!」とカッコよく言いたいところですが、残念ながら私にその資格はありません。今日はそのことについて書いてみようと思います。
◇ 初年度から応援
私が中学生のころ…おそらく1994年頃だと思いますが、「北海道にサッカーチームを誘致しよう」という署名活動をやっているところをたまたま友人と通りかかり、2人で署名したのが最初でした。その署名は31万人分も集まったとのこと。
札幌ドーム(現・大和ハウス プレミストドーム)の建設が正式決定するのは1996年のことであり、当時は夏のメジャースポーツのクラブが北海道に本拠を構えるなど、考えられない時代でした。
私としても淡い期待を抱きつつ、軽い気持ちで署名したに過ぎなかったのですが、1996年には東芝の札幌移転が決定、チーム名が「コンサドーレ札幌」(のちに北海道コンサドーレ札幌)となりました。
そりゃもう嬉しくて嬉しくて、当時は地上波でホームだけでなくアウェーの試合も放送していましたので、土日の昼間の中継はほぼ欠かさず観戦しました。もちろん当時の選手のことも覚えています。
隣の席の女子に「ねえねえ、バイト先(ケンタッキー)にコンサドーレのガルベスが来たよ」と言われて、ズッコケたのもよく覚えています。ガルベスはプロ野球・巨人のピッチャーで、コンサドーレにいたのはバルデスです。
◇ 観戦から遠ざかった日々
1999年に激しい争奪戦を制して岡田武史監督が就任すると、私のコンサ熱も1度目のピークを迎えます。
しかし2000年4月に大学生になるとバイトを始めることになり、土日はほとんど出勤でしたのでコンサの試合観戦がほぼできなくなってしまいました。
その間、岡田監督のもとでJ1昇格、そしてJ1残留を経験しますが、資金力に乏しいコンサは活躍した選手が翌年にすぐ引き抜かれてしまうという悪循環にはまっていました。一応スポーツ紙で情報は読むようにしていましたが、気が付くとプレーの特徴などを含めてちゃんと知っている選手がごくわずかしか残っていません。
岡田監督が退任してJ2に降格、そのJ2でも低迷。大学を卒業し、土日の昼間に地上波で中継される試合を観戦できる時間はようやく確保できるようになりましたが、「知らない選手がプレーする弱いチーム」のサッカーを見るモチベーションがどうしても生まれません。
2004年にはJ2で最下位という屈辱も味わっています。当時はJ3がないため降格しなかったとはいえ、ますます試合から遠ざかったのは言うまでもありません。その後は、気まぐれで年間数試合をテレビ観戦する程度になってしまいました。
◇ 2つの転機
私の部屋にはテレビがなかったので、録画してまでリビングでサッカーの試合を見ようと思わなかったのも観戦から遠ざかった大きな理由です。なので当然、スカパーに加入しようと思ったこともありません。
十数年も冷め切っていた私のコンサ熱に再び火が灯った理由は2つ。まずは四方田修平監督の明確で分かりやすいサッカー。2016年はJ2で序盤から首位を走りましたが、たまたま見た試合でとても良いサッカーをしていたので、この年は久しぶりに観戦数が10試合を超えたと思います。
そして決定的な理由がもうひとつ、2017年からのDAZNの参入。当時はドコモユーザーなら月額税抜き980円で加入でき、パソコン・スマホ・タブレットで観戦可能という環境はとても魅力的でした。
そしてライブ視聴だけでなく、試合日の1か月以内ならいつでも見られるというのもたいへん魅力的。多分スカパーでもその数年前から同様のサービス(スカパーオンデマンド)があったはずなんですが、情報収集すらしていないので知らなかったんですよね。
仕事から帰った後に試合を見られるのは社会人にとって非常にありがたく、2017年は半分くらいの試合を見ることになりました。翌2018年からは全試合観戦を続けています。
◇ 私には書けない
SNSで「コンサドーレの本は書かないんですか?」と聞かれたことがあるのですが、上記のような有様なので「書きたくでも書けない」というのが実情です。
もしコンサが2024年にJ1残留を果たしていたら「ミシャと歩んだ7年間の軌跡とJ1残留の奇跡」のようなタイトルで書こうかとも思いましたが、J2降格してしまった今のタイミングでは、需要がなさそうなので断念します。
私が書くとしても、せいぜい2017年頃からのお話が精一杯なので、やっぱり初年度から応援を続けている古参のファンの方に筆をお譲りしたいところです。
今になって、苦難の時代のコンサの試合をもっと見ておけばよかったと後悔しきりなのですが、残念ながら時計の針は戻せません。ならば前を見て、J2降格後のコンサを熱烈に応援するのみです。
2024年11月27日
夏の南・北北海道大会 支部予選廃止へ
すでに報道などでご存知の方が多いと思いますが、2026年夏から南北海道・北北海道大会の実施方式が大きく変更となる予定です。春・秋季大会は現行方式の開催を維持します。
◇ 変更後のルール
早ければ来年2025年夏にも、1勝しただけで南・北北海道大会に進出できてしまうケースが発生する可能性があるとのこと。現行ルールでは各支部最低1枠は確保されているので、高校数の減少に歯止めがかからない限り、これは防ぎようがありません。それを是正するためのルールがこちら。
・1・2回戦は各支部ごとに実施。
・3回戦から準々決勝までは、全支部交えたトーナメント。南大会は硬式化の改装工事が完了したモエレ沼公園(札幌)と函館オーシャン、北大会は旭川スタルヒンと帯広の森で行われる、
・準決勝以降は、南北ともエスコンフィールドで開催。
上記方法により、支部間の「1校の格差」問題の是正が期待されます。一方で、遠征費用がかさんでしまうのは避けられないでしょう。
◇ どれくらい遠いのか?
各校の函館オーシャンスタジアムへの距離と時間(車移動)をアプリで調べてみました。
・北海(札幌支部) :306km・4時間42分
・北照(小樽支部) :231km・6時間04分
・駒大苫小牧(室蘭支部):251km・3時間52分
※ 北海のほうが北照より遠いのに所要時間が短いのは、高速道路使用のため。
帯広の森野球場への移動についても調べてみました。
・旭川志峯(旭川支部):180km・5時間01分
・遠軽(北見支部) :194km・5時間23分
・武修館(釧根支部) :134km・3時間37分
・クラーク(空知支部):177km・4時間55分
・稚内大谷(名寄支部):459km・11時間14分
稚内大谷は、旭川スタルヒン球場への移動であれば234km・7時間で済みます(これもムチャクチャ遠いのですが)。帯広開催は、さらなる負担増加となるわけですね。
◇ 指導者からの意見
北海道新聞の記事で、各校の指導者からの意見が掲載されましたので、ここで抜粋してみます。
・旭川北・笹森敦監督
「仕方がないことではあるが、隣にある球場で試合ができない可能性があるのは複雑」
「抽選後、旭川、十勝支部同士の試合は地元で行うなど、臨機応変な対応をしてほしい」
「遠征が必要な学校の試合は、朝一番ではなく、第2、3試合にするなど、なるべく経費を削れるような形を探ってほしい」
旭川北は、スタルヒン球場のお隣にあります。今までは支部予選も北北海道大会もすぐ近くでできたのに、帯広開催となれば177km・4時間55分の遠征が必要となってしまいます。これは大きな負担でしょう。
・札幌大谷・五十嵐大監督
「函館で試合をしたことがないので、土の硬さや(外野手の守備位置から)フェンスまでの距離がわからない。ホテルの確保なども含め、さまざまな対応力が問われる」
・函館中部・斉田龍平主将
「高いレベルの高校と試合ができる可能性が高まることはモチベーションにつながる」
・函館中部・弦木裕監督
「(北海戦を経験して)生徒たちの視線が上がった。変更をいいものにしていきたい」
◇ 総評
2025年中に検討を重ね、同年11月の理事会で正式に決定して発表される予定。とにかく良いものにしていってほしいと願うばかりです。
やはり私にとっても最大の懸念材料は遠征の負担。今まではベスト16以降に札幌または旭川に遠征すれば良かったのが、今後はベスト32というトーナメントの下のほうの試合で宿泊を伴う遠征を余儀なくされる可能性があるわけです。進学校にとっては授業の欠席についても問題になってくるでしょう。
例えば、3回戦で函館大有斗−北海、函館大柏陵−東海大札幌というトーナメントが実現したとしましょう。通常は組み合わせ決定時に開催球場も決定するもの。
ところが、勝ち上がったのが北海と東海大札幌なのに、函館オーシャンでの試合を余儀なくされるということも考えられますね。こんな無駄な遠征が発生してしまってはたまりません。
したがって、開催球場は1回戦ごとに順次決定していくのが望ましいと私は考えています。ちなみに過去の事例では、2005年の秋季全道大会で影響力の大きさや観客動員を考慮し、駒大苫小牧の試合が全試合(麻生ではなく)円山で実施されたということがありました。
◇ 変更後のルール
早ければ来年2025年夏にも、1勝しただけで南・北北海道大会に進出できてしまうケースが発生する可能性があるとのこと。現行ルールでは各支部最低1枠は確保されているので、高校数の減少に歯止めがかからない限り、これは防ぎようがありません。それを是正するためのルールがこちら。
・1・2回戦は各支部ごとに実施。
・3回戦から準々決勝までは、全支部交えたトーナメント。南大会は硬式化の改装工事が完了したモエレ沼公園(札幌)と函館オーシャン、北大会は旭川スタルヒンと帯広の森で行われる、
・準決勝以降は、南北ともエスコンフィールドで開催。
上記方法により、支部間の「1校の格差」問題の是正が期待されます。一方で、遠征費用がかさんでしまうのは避けられないでしょう。
◇ どれくらい遠いのか?
各校の函館オーシャンスタジアムへの距離と時間(車移動)をアプリで調べてみました。
・北海(札幌支部) :306km・4時間42分
・北照(小樽支部) :231km・6時間04分
・駒大苫小牧(室蘭支部):251km・3時間52分
※ 北海のほうが北照より遠いのに所要時間が短いのは、高速道路使用のため。
帯広の森野球場への移動についても調べてみました。
・旭川志峯(旭川支部):180km・5時間01分
・遠軽(北見支部) :194km・5時間23分
・武修館(釧根支部) :134km・3時間37分
・クラーク(空知支部):177km・4時間55分
・稚内大谷(名寄支部):459km・11時間14分
稚内大谷は、旭川スタルヒン球場への移動であれば234km・7時間で済みます(これもムチャクチャ遠いのですが)。帯広開催は、さらなる負担増加となるわけですね。
◇ 指導者からの意見
北海道新聞の記事で、各校の指導者からの意見が掲載されましたので、ここで抜粋してみます。
・旭川北・笹森敦監督
「仕方がないことではあるが、隣にある球場で試合ができない可能性があるのは複雑」
「抽選後、旭川、十勝支部同士の試合は地元で行うなど、臨機応変な対応をしてほしい」
「遠征が必要な学校の試合は、朝一番ではなく、第2、3試合にするなど、なるべく経費を削れるような形を探ってほしい」
旭川北は、スタルヒン球場のお隣にあります。今までは支部予選も北北海道大会もすぐ近くでできたのに、帯広開催となれば177km・4時間55分の遠征が必要となってしまいます。これは大きな負担でしょう。
・札幌大谷・五十嵐大監督
「函館で試合をしたことがないので、土の硬さや(外野手の守備位置から)フェンスまでの距離がわからない。ホテルの確保なども含め、さまざまな対応力が問われる」
・函館中部・斉田龍平主将
「高いレベルの高校と試合ができる可能性が高まることはモチベーションにつながる」
・函館中部・弦木裕監督
「(北海戦を経験して)生徒たちの視線が上がった。変更をいいものにしていきたい」
◇ 総評
2025年中に検討を重ね、同年11月の理事会で正式に決定して発表される予定。とにかく良いものにしていってほしいと願うばかりです。
やはり私にとっても最大の懸念材料は遠征の負担。今まではベスト16以降に札幌または旭川に遠征すれば良かったのが、今後はベスト32というトーナメントの下のほうの試合で宿泊を伴う遠征を余儀なくされる可能性があるわけです。進学校にとっては授業の欠席についても問題になってくるでしょう。
例えば、3回戦で函館大有斗−北海、函館大柏陵−東海大札幌というトーナメントが実現したとしましょう。通常は組み合わせ決定時に開催球場も決定するもの。
ところが、勝ち上がったのが北海と東海大札幌なのに、函館オーシャンでの試合を余儀なくされるということも考えられますね。こんな無駄な遠征が発生してしまってはたまりません。
したがって、開催球場は1回戦ごとに順次決定していくのが望ましいと私は考えています。ちなみに過去の事例では、2005年の秋季全道大会で影響力の大きさや観客動員を考慮し、駒大苫小牧の試合が全試合(麻生ではなく)円山で実施されたということがありました。
2024年11月22日
東海大札幌が完封負け 収穫と課題
(神宮大会準々決勝)
広 島 商 210 000 000=3
東海大札幌 000 000 000=0
(広商)徳永(8)、大宗(1)−柳井、片岡
(東札)高橋(5)、藤田(1)、矢吹(3)−鈴木
意外にも神宮大会初出場ということで話題になっている広島商。かつては北海道・東北と、中国・四国は隔年での出場だったことも影響しているでしょう。中国地区は10地区の中で唯一、神宮大会での優勝経験がありません。
東海大札幌は1回戦と大幅にオーダーを入れ替え、1回戦でヒットを打った選手の打順を上げ、ノーヒットの選手は打順を下げました。中でも全道大会でも主軸を担った太田勝心が1番から8番に打順を下げたのは驚きですが、下位打線を厚くするという意図もあったかもしれません。
◇ 広島商が先制
1回戦の大垣日大(岐阜)戦では2番手で登板した、東海大札幌の背番号1の最速143キロ右腕・高橋英汰ですが、今日は変化球の制球がうまく定まらず、球が高めに浮く傾向にありました。1回表の広島商、2番西村銀士の左中間を破る三塁打で1死3塁のチャンスを作ると、3番三田桂慎のセンター前タイムリーで先制します。
さらに2死1、2塁となって6番柳井晶翔のサードゴロをファンブル。3塁ベースを踏むのは微妙なタイミングと判断したか、1塁にツーバウンド送球しますが、これを一塁手が捕球し損ね、その間に2塁ランナーがホームインしてさらに1点追加、2−0となります(記録はサードのエラー)。
2回表の広島商、1死3塁で広島大会は怪我のためベンチ外だった1番小田健登がピッチャー前に初球スクイズ、ピッチャー高橋がホームにグラブトスしますがセーフ、広島商がさらに1点を追加しました(記録は犠打野選)。
広島商は2枚看板の一角、背番号10の2年生左腕・徳永啓人が先発。最速132キロ程度の直球に威力はあるものの、ストライク・ボールがハッキリしていましたが、回を追うごとに調子を上げていき、東海大札幌はなかなか攻略の糸口をつかめません。
◇ 広島商が逃げ切り
5回裏に高橋に代打が起用され、6回からは背番号10の2年生左腕・藤田晴也が登板します。秋は3試合の登板があり、札幌支部予選では2試合で先発も経験。今日の試合でも遠藤愛義監督は先発起用を迷ったそうです。秋の全道大会のパンフレットによれば、藤田は168cm、86kgのパワフルな体格ですが、直球で力押しするのではなく変化球をうまく生かすタイプでした。
5回まで2四球を得ながら実はノーヒットだった東海大札幌、6回裏に2死から連打で1、3塁のチャンスを作りますが、フルカウントから期待の強打者・4番太田勝馬が変化球に空振り三振。この試合最大のチャンスを逃しました。
背番号7の2年生左腕・矢吹太寛は野手としてもスタメンを外れており、どこか怪我をしたのか…と思いきや、7回表から3番手として登板しました。甲子園につながる予選ならとっくの昔に投入していたのでしょうが、他の投手の成長を促したものと私は判断します。
テンポも制球良く、最速144キロを記録してその実力を存分に見せつけました。センバツでは、このジョーカーをどう起用するかも注目ポイントになりそうです。
8回裏の東海大札幌、四球とヒットで無死1、2塁のチャンスを作りますが、初戦の3番から2番に打順を替えた鈴木賢有が初球打ち遊ゴロ併殺打。絶好のチャンスを逃しました。結局最後まで球種もコースも絞ることができなかった東海大札幌は、無念の完封負けを喫しました。
◇ 総評
勝った広島商は、3盗塁(2盗塁死)にスクイズや犠打なども絡め、私が生まれる前の話ではありますが、強かった頃の広島商の野球を彷彿とさせるような攻撃でした。決して強打ではなく、3回以降は2安打に封じられましたが、投手の立ち上がりを攻略するというミッションは達成しました。
敗れた東海大札幌は4安打完封負け。分かってはいたことですが、打線が課題なのは明らか。特にサードは全道大会では守備力を重視して宮崎泰地がスタメンでしたが、全道5試合で打率.182、神宮でもノーヒット。しかし打力を買われて今日スタメン出場した佐藤聡央也は、3イニングで送球エラーが2つで早々に交代。他の選手にもチャンスはありそうなので、冬の間に切磋琢磨してほしいところです。
投手陣は4人が神宮のマウンドを経験。今日の高橋は調子が悪い部類に入りましたが、さらに制球力に磨きをかけて矢吹と競い合ってほしいですね。藤田や砂田左漸、神宮では登板していませんが全道で登板経験がある1年生左腕・山本映瑠も控えます。左腕3枚のレフティーズ(死語かな)はセンバツでも活躍が見込めるでしょう。
今日の守備陣は攻撃重視のオーダーを敷いた影響で2失策ですが、基本的には堅守のチーム。攻撃と守備のバランスをどうするか、これも冬の課題になりそうです。
広 島 商 210 000 000=3
東海大札幌 000 000 000=0
(広商)徳永(8)、大宗(1)−柳井、片岡
(東札)高橋(5)、藤田(1)、矢吹(3)−鈴木
意外にも神宮大会初出場ということで話題になっている広島商。かつては北海道・東北と、中国・四国は隔年での出場だったことも影響しているでしょう。中国地区は10地区の中で唯一、神宮大会での優勝経験がありません。
東海大札幌は1回戦と大幅にオーダーを入れ替え、1回戦でヒットを打った選手の打順を上げ、ノーヒットの選手は打順を下げました。中でも全道大会でも主軸を担った太田勝心が1番から8番に打順を下げたのは驚きですが、下位打線を厚くするという意図もあったかもしれません。
◇ 広島商が先制
1回戦の大垣日大(岐阜)戦では2番手で登板した、東海大札幌の背番号1の最速143キロ右腕・高橋英汰ですが、今日は変化球の制球がうまく定まらず、球が高めに浮く傾向にありました。1回表の広島商、2番西村銀士の左中間を破る三塁打で1死3塁のチャンスを作ると、3番三田桂慎のセンター前タイムリーで先制します。
さらに2死1、2塁となって6番柳井晶翔のサードゴロをファンブル。3塁ベースを踏むのは微妙なタイミングと判断したか、1塁にツーバウンド送球しますが、これを一塁手が捕球し損ね、その間に2塁ランナーがホームインしてさらに1点追加、2−0となります(記録はサードのエラー)。
2回表の広島商、1死3塁で広島大会は怪我のためベンチ外だった1番小田健登がピッチャー前に初球スクイズ、ピッチャー高橋がホームにグラブトスしますがセーフ、広島商がさらに1点を追加しました(記録は犠打野選)。
広島商は2枚看板の一角、背番号10の2年生左腕・徳永啓人が先発。最速132キロ程度の直球に威力はあるものの、ストライク・ボールがハッキリしていましたが、回を追うごとに調子を上げていき、東海大札幌はなかなか攻略の糸口をつかめません。
◇ 広島商が逃げ切り
5回裏に高橋に代打が起用され、6回からは背番号10の2年生左腕・藤田晴也が登板します。秋は3試合の登板があり、札幌支部予選では2試合で先発も経験。今日の試合でも遠藤愛義監督は先発起用を迷ったそうです。秋の全道大会のパンフレットによれば、藤田は168cm、86kgのパワフルな体格ですが、直球で力押しするのではなく変化球をうまく生かすタイプでした。
5回まで2四球を得ながら実はノーヒットだった東海大札幌、6回裏に2死から連打で1、3塁のチャンスを作りますが、フルカウントから期待の強打者・4番太田勝馬が変化球に空振り三振。この試合最大のチャンスを逃しました。
背番号7の2年生左腕・矢吹太寛は野手としてもスタメンを外れており、どこか怪我をしたのか…と思いきや、7回表から3番手として登板しました。甲子園につながる予選ならとっくの昔に投入していたのでしょうが、他の投手の成長を促したものと私は判断します。
テンポも制球良く、最速144キロを記録してその実力を存分に見せつけました。センバツでは、このジョーカーをどう起用するかも注目ポイントになりそうです。
8回裏の東海大札幌、四球とヒットで無死1、2塁のチャンスを作りますが、初戦の3番から2番に打順を替えた鈴木賢有が初球打ち遊ゴロ併殺打。絶好のチャンスを逃しました。結局最後まで球種もコースも絞ることができなかった東海大札幌は、無念の完封負けを喫しました。
◇ 総評
勝った広島商は、3盗塁(2盗塁死)にスクイズや犠打なども絡め、私が生まれる前の話ではありますが、強かった頃の広島商の野球を彷彿とさせるような攻撃でした。決して強打ではなく、3回以降は2安打に封じられましたが、投手の立ち上がりを攻略するというミッションは達成しました。
敗れた東海大札幌は4安打完封負け。分かってはいたことですが、打線が課題なのは明らか。特にサードは全道大会では守備力を重視して宮崎泰地がスタメンでしたが、全道5試合で打率.182、神宮でもノーヒット。しかし打力を買われて今日スタメン出場した佐藤聡央也は、3イニングで送球エラーが2つで早々に交代。他の選手にもチャンスはありそうなので、冬の間に切磋琢磨してほしいところです。
投手陣は4人が神宮のマウンドを経験。今日の高橋は調子が悪い部類に入りましたが、さらに制球力に磨きをかけて矢吹と競い合ってほしいですね。藤田や砂田左漸、神宮では登板していませんが全道で登板経験がある1年生左腕・山本映瑠も控えます。左腕3枚のレフティーズ(死語かな)はセンバツでも活躍が見込めるでしょう。
今日の守備陣は攻撃重視のオーダーを敷いた影響で2失策ですが、基本的には堅守のチーム。攻撃と守備のバランスをどうするか、これも冬の課題になりそうです。
2024年11月20日
東海大札幌 校名変更後全国初勝利!
(神宮大会1回戦)
.大垣日大 000 000 000=0
東海大札幌 300 000 00X=3
(大垣)中野(7)、谷之口(2)−西河
(東札)矢吹(4)、高橋(4)、砂田(1)−鈴木
今年最後の高校の公式戦。神宮大会を軽視する方も少なくありませんが、秋時点での「現在地」を確認する意味では重要度は決して低くないでしょう。もちろん「地元のために1枠持って帰ろう」という、汗と涙の青春ストーリーのような展開は、基本的にはないものと思っていますが 笑
◇ 東海大札幌が先制
東海地区代表の大垣日大(岐阜)は、背番号1の2年生右腕・中野翔真が先発。東海大会決勝の常葉大菊川(静岡)戦では149球を投げ、10安打4失点で完投しています。データを見る限りでは奪三振数が少ないものの四球数も少ないので、おそらく打たせて取るタイプの投手なのでしょう。
大垣日大バッテリーの配球は外角に偏っており、1回裏の東海大札幌は2番山口聖夏が6球目の外角スライダーをレフト前に運んで出塁すると、暴投で3塁へ。3番鈴木賢有にも外角球を連投しますが、4球目が死球となって1死1、3塁となります。
ここで4番太田勝馬が甘く入ったスライダーを捉え、右中間を破る2点タイムリー三塁打となって東海大札幌が先制! さらに6番八鍬航太朗もショートへのタイムリー内野安打でさらに1点を加え、3−0となりました。
北海道地区代表の東海大札幌は、背番号7の2年生左腕・矢吹太寛が先発。背番号こそ7ですが2枚看板の一角であり、実質エースとも言える存在です。立ち上がりはストレートで押そうとしていたふしがありますが、すぐに変化球を交えたピッチングに転換。3回まで4安打を浴びますが四死球を与えず、無失点で切り抜けました。
◇ 東海大札幌が逃げ切り
大垣日大バッテリーが外角の変化球頼みから直球主体に配球を改めてからは、試合が膠着しました。すると先に動いたのは、リードする東海大札幌。マウンドの矢吹がレフトに回り、レフトの櫻庭がベンチに下がって背番号1の2年生右腕・高橋英汰がマウンドに上がります。アベレージ130キロ台中盤の直球とスライダーを駆使し、大垣日大打線を4イニング2安打無失点に抑えました。
大垣日大のほうも、8回からはマウンドの中野がレフトに回り、レフトの1年生左腕・谷之口翔琉がマウンドに上がります。東海大会準々決勝の中京大中京(愛知)戦では先発して10イニングを投げて4安打2失点で見事完投勝利。しかし中5日空けた準決勝の岐阜第一戦では先発するも、2回1/3を投げて4安打6四死球で5失点(自責点4)と大乱調で降板しています。後述しますが東海大札幌は色々な攻撃を試していたこともあり、この谷之口のことも攻め切ることができません。
このまま試合が終わるのか・・・と思った9回表、東海大札幌が継投したのは驚きました。マウンドに上がったのは背番号11の1年生右腕・砂田左漸。秋は4試合の登板経験があります。制球力はあまりありませんが、球威で押すタイプの本格派右腕です。私が観戦した秋の全道2回戦の札幌光星戦では先発し、毎回四死球を与えながらも5回1失点にまとめました。
四球でランナーを出さなければ・・・という私の心配をよそに、大垣日大は早打ちを繰り返してわずか4球でゲームセット。東海大札幌の内野陣の守備の堅さも光りました。
◇ 総評
まず敗れた大垣日大ですが、東海大会で逆転の連続で勝ち上がってきた勝負強さこそ発揮されませんでしたが、守りでは随所に良い面が出ていました。打つほうでは4打数無安打でしたが、4番も務める捕手の西河遥人は盗塁を2つ刺すなど強肩が光ります。投手では2番手で登板した1年生左腕の谷之口は、最速133キロくらい? の良い球質のストレートを投げていたので、来年はドラフト候補になるのではないでしょうか。
東海大札幌のほうは、初回に3点を先制するものの2回以降は2安打無得点に終わりました。とはいえ、もともと打力は高くありませんのでこれは織り込み済みでしょう。先ほども少し書きましたが、盗塁やセーフティバントを多用して攻撃に幅を持たせることをテーマに戦っていたふしがあります。この試合ではあまり奏功しませんでしたが、とにかく今は経験を積む段階ですね。
投手は砂田の球数が少なすぎて参考外ですが、矢吹と高橋は及第点のピッチング。矢吹は直球にもっと磨きをかけてほしいのと、高橋は追い込んでからスライダー以外の決め球があるともっと投球に幅が出てくるでしょう。守備陣は無失策の上に難しい球もよくさばき、ほとんど完璧でした。
続く2回戦(準々決勝)では、あさって金曜日の第2試合(11時〜)で、1回戦シードの中国地区代表・広島商と対戦します。背番号1の2年生右腕・大宗和響と背番号10の2年生左腕・徳永啓人の2人が大半のイニングを投げており、この2人を中心とする守りのチームというイメージです。
打線は1、2番の出塁率が高く、1年生の4番・名越貴徳はチーム唯一の本塁打を放つなど要注意のバッター。中国大会では3、5番打者の調子があまり良くなかったので、名越については歩かせることも視野に入れた配球が求められるでしょう。
◇ おまけ
神宮大会は大学の部も開幕。福岡大(九州3連盟=九州六大学)−日本体育大(関東5連盟第2代表=首都大学)の試合では、札幌大谷で2018年の神宮大会優勝を経験している小関慎之助(4年)が、日体大で7番セカンドとしてスタメン出場、ヒットを放っています。
明日は第4試合(16時〜)で、札幌大(北海道2連盟=札幌学生)−天理大(関西5連盟第1代表=阪神大学)の試合が行われる予定です。厳しい相手だとは思いますが、ちゃんと試合終了まで見届ける予定です。
.大垣日大 000 000 000=0
東海大札幌 300 000 00X=3
(大垣)中野(7)、谷之口(2)−西河
(東札)矢吹(4)、高橋(4)、砂田(1)−鈴木
今年最後の高校の公式戦。神宮大会を軽視する方も少なくありませんが、秋時点での「現在地」を確認する意味では重要度は決して低くないでしょう。もちろん「地元のために1枠持って帰ろう」という、汗と涙の青春ストーリーのような展開は、基本的にはないものと思っていますが 笑
◇ 東海大札幌が先制
東海地区代表の大垣日大(岐阜)は、背番号1の2年生右腕・中野翔真が先発。東海大会決勝の常葉大菊川(静岡)戦では149球を投げ、10安打4失点で完投しています。データを見る限りでは奪三振数が少ないものの四球数も少ないので、おそらく打たせて取るタイプの投手なのでしょう。
大垣日大バッテリーの配球は外角に偏っており、1回裏の東海大札幌は2番山口聖夏が6球目の外角スライダーをレフト前に運んで出塁すると、暴投で3塁へ。3番鈴木賢有にも外角球を連投しますが、4球目が死球となって1死1、3塁となります。
ここで4番太田勝馬が甘く入ったスライダーを捉え、右中間を破る2点タイムリー三塁打となって東海大札幌が先制! さらに6番八鍬航太朗もショートへのタイムリー内野安打でさらに1点を加え、3−0となりました。
北海道地区代表の東海大札幌は、背番号7の2年生左腕・矢吹太寛が先発。背番号こそ7ですが2枚看板の一角であり、実質エースとも言える存在です。立ち上がりはストレートで押そうとしていたふしがありますが、すぐに変化球を交えたピッチングに転換。3回まで4安打を浴びますが四死球を与えず、無失点で切り抜けました。
◇ 東海大札幌が逃げ切り
大垣日大バッテリーが外角の変化球頼みから直球主体に配球を改めてからは、試合が膠着しました。すると先に動いたのは、リードする東海大札幌。マウンドの矢吹がレフトに回り、レフトの櫻庭がベンチに下がって背番号1の2年生右腕・高橋英汰がマウンドに上がります。アベレージ130キロ台中盤の直球とスライダーを駆使し、大垣日大打線を4イニング2安打無失点に抑えました。
大垣日大のほうも、8回からはマウンドの中野がレフトに回り、レフトの1年生左腕・谷之口翔琉がマウンドに上がります。東海大会準々決勝の中京大中京(愛知)戦では先発して10イニングを投げて4安打2失点で見事完投勝利。しかし中5日空けた準決勝の岐阜第一戦では先発するも、2回1/3を投げて4安打6四死球で5失点(自責点4)と大乱調で降板しています。後述しますが東海大札幌は色々な攻撃を試していたこともあり、この谷之口のことも攻め切ることができません。
このまま試合が終わるのか・・・と思った9回表、東海大札幌が継投したのは驚きました。マウンドに上がったのは背番号11の1年生右腕・砂田左漸。秋は4試合の登板経験があります。制球力はあまりありませんが、球威で押すタイプの本格派右腕です。私が観戦した秋の全道2回戦の札幌光星戦では先発し、毎回四死球を与えながらも5回1失点にまとめました。
四球でランナーを出さなければ・・・という私の心配をよそに、大垣日大は早打ちを繰り返してわずか4球でゲームセット。東海大札幌の内野陣の守備の堅さも光りました。
◇ 総評
まず敗れた大垣日大ですが、東海大会で逆転の連続で勝ち上がってきた勝負強さこそ発揮されませんでしたが、守りでは随所に良い面が出ていました。打つほうでは4打数無安打でしたが、4番も務める捕手の西河遥人は盗塁を2つ刺すなど強肩が光ります。投手では2番手で登板した1年生左腕の谷之口は、最速133キロくらい? の良い球質のストレートを投げていたので、来年はドラフト候補になるのではないでしょうか。
東海大札幌のほうは、初回に3点を先制するものの2回以降は2安打無得点に終わりました。とはいえ、もともと打力は高くありませんのでこれは織り込み済みでしょう。先ほども少し書きましたが、盗塁やセーフティバントを多用して攻撃に幅を持たせることをテーマに戦っていたふしがあります。この試合ではあまり奏功しませんでしたが、とにかく今は経験を積む段階ですね。
投手は砂田の球数が少なすぎて参考外ですが、矢吹と高橋は及第点のピッチング。矢吹は直球にもっと磨きをかけてほしいのと、高橋は追い込んでからスライダー以外の決め球があるともっと投球に幅が出てくるでしょう。守備陣は無失策の上に難しい球もよくさばき、ほとんど完璧でした。
続く2回戦(準々決勝)では、あさって金曜日の第2試合(11時〜)で、1回戦シードの中国地区代表・広島商と対戦します。背番号1の2年生右腕・大宗和響と背番号10の2年生左腕・徳永啓人の2人が大半のイニングを投げており、この2人を中心とする守りのチームというイメージです。
打線は1、2番の出塁率が高く、1年生の4番・名越貴徳はチーム唯一の本塁打を放つなど要注意のバッター。中国大会では3、5番打者の調子があまり良くなかったので、名越については歩かせることも視野に入れた配球が求められるでしょう。
◇ おまけ
神宮大会は大学の部も開幕。福岡大(九州3連盟=九州六大学)−日本体育大(関東5連盟第2代表=首都大学)の試合では、札幌大谷で2018年の神宮大会優勝を経験している小関慎之助(4年)が、日体大で7番セカンドとしてスタメン出場、ヒットを放っています。
明日は第4試合(16時〜)で、札幌大(北海道2連盟=札幌学生)−天理大(関西5連盟第1代表=阪神大学)の試合が行われる予定です。厳しい相手だとは思いますが、ちゃんと試合終了まで見届ける予定です。