2012年10月10日

育成選手は素晴らしい制度

「(育成制度は)賛成できないし、中途半端な制度だと思う。僕がこういう立場にいる限り、ドラフトで育成選手を獲るつもりはない」(スポーツニッポン)

「(支配下登録の)70人の中で勝負してほしい。(ボーダーの選手は)アマに残してあげた方が本人のためです」(スポーツ報知)

 前回の日記では、阪神・中村勝広GMの発言を支持しましたが、この発言はいただけません。私は全面的に反対いたします。



 阪神は2007年からの5年間で育成選手を10人獲得し、支配下登録されたのは野原祐と田上の2人だけなのだそうです。私はまずまずの数字だと思います。だって10人は通常のドラフト指名から漏れた選手なのですから。野原祐も田上も、もし育成制度がなければプロとして日の目を浴びぬまま終わっていたかもしれない選手です。そういう選手を2人も救えたのは大きいとは思いませんか?

 育成選手をすべて支配下登録させる必要はどこにもありません。むしろ20人でも30人でもかき集めて、その中から2〜3人当たりが出れば儲けもの。言葉は不適当かもしれませんが、こういう感覚でいいと思います。

 支配下登録されなかった選手はどうするんだ。こういう批判もあるかもしれませんが、長い人生、たかが2〜3年の回り道などどうってことはありません。それよりも二軍とはいえ、わずかな期間でもプロとして働いた経験を生かすことができるのではないでしょうか。

 アメリカに目を転じてください。メジャー経験がないまま3A、2A、1Aなどで野球人生を終える選手のほうが大多数ではありませんか。だからこそメジャーは夢の舞台なのです。ちょっと故障者が続出すればすぐに昇格できる日本の一軍には、夢がなさすぎます。選手層が薄すぎるのです。

 中村GMは「ボーダー上の選手をアマに残すべき」と発言していますが、長引く不況で社会人チームの廃部が相次いでいます。こういう時こそ、プロが門戸を広げるべきなのではないでしょうか。

 育成選手は年俸250万円前後、支度金(契約金のようなもの)100万円程度が相場です。これなら10人程度雇ったとしても、(移動費などを考慮に入れても)チームの財政に大きな負担とはなりません。一軍経験のない若者に数千万円もの契約金を払い、数百万〜1千万以上もの年俸を支払って高級車に乗る贅沢な生活を許すことが球団の責任であるとは、私には全く思えません。

 念のため…。中日が中村紀洋と育成選手として契約するなど、本来の趣旨と違う運用が多数見られる事実は理解しております。そういった運用には私も反対です。



 最後に、育成出身選手の活躍ぶりを掲載しておきましょう。こちらもスポーツ報知からの抜粋です。

山口鉄也(巨人05年1巡目) 2年目の07年4月に支配下登録される。08年は68試合に登板し、11勝2敗、防御率2.32で新人王獲得。5年連続で60試合登板中。

松本哲也(巨人06年3巡目) 07年の春季キャンプで俊足をアピールし、支配下選手登録。09年に「2番・中堅手」に定着し、ゴールデングラブ賞、新人王を獲得。

山田大樹(ソフトバンク06年1巡目) 10年3月に支配下登録。11年にはシーズン7勝を挙げ、育成選手初の日本シリーズ勝利もマークした。

岡田幸文(ロッテ08年6位) 09年3月に支配下登録され、11年からレギュラー定着。育成出身初の全試合出場、規定打席到達を果たした。

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