2024年05月21日

打てる捕手 田宮裕涼のありがたみ

 ゆあビームの異名を持つ強肩で一躍時の人となっている、日本ハムの高卒6年目の捕手・田宮裕涼(たみや・ゆあ)。ですが、今日は肩ではなくバッティングについてです。

◇ 貴重な打てる捕手

 本日の試合終了時点の田宮の打率は.301。規定打席に少し足りないですが、仮にこのままの打率で規定打席に到達したとすれば現時点でパリーグ5位相当です。十分に首位打者が視界に入りますね。

 言うまでもないことですが、捕手は野手の中で最も守備負担が重く、打撃成績は低くなりがちなポジションです。もちろん、打力があっても守備力の低い捕手は起用されない(または別のポジションにコンバートされる)という事情もあるでしょう。

 過去に捕手で首位打者を獲得したのは、プロ野球史上わずか4名。1965年の野村克也(南海)、1991年の古田敦也(ヤクルト)、2012年の阿部慎之助(巨人)、2019年の森友哉(西武)です。

 しかし田宮は強肩で守備面にも定評があるのみならず、打撃でも首位打者を狙える位置に付けているのです。

◇ 捕手の併用がトレンド

 近年は絶対的な正捕手がデンと座っているチームは少数派で、ほとんどのチームで2〜3人の捕手を使い分けています。日本ハムでは田宮と伏見寅威が併用されていますね。併用する理由はいくつか考えられます。

・先発投手によって捕手を使い分ける

・捕手の打力が低いので、チャンスなどで代打が起用されてしまう

・捕手は守備負担が大きいので、休ませながら長いシーズンを乗り切る

 昨年2023年のパリーグは、捕手の規定到達者は事実上ゼロ。森友哉(オリックス)は指名打者との併用なので、捕手での規定打席到達とは言い難い状況です。セリーグも大城卓三(巨人)、坂倉将吾(広島)の2人だけでした。

 首位打者というのはもちろん規定打席に到達することが大前提なので、現代野球ではますます捕手の首位打者獲得のハードルは上がっていると言えるでしょう。

◇ 打てる捕手のありがたさ

 現代野球では捕手だけでなく、遊撃手・二塁手も打てる選手が減少しつつあります。例えば2023年の日本ハムの主要オーダーは以下でした。

1. 二 加藤 豪将 .210 6本 16打点
2. 左 松本 剛  .276 3本 30打点
3. 三 清宮幸太郎 .244 10本 41打点
4. 指 野村 佑希 .236 13本 43打点
5. 右 万波 中正 .265 25本 74打点
6. 一 マルティネス .246 15本 66打点
7. 遊 上川畑大悟 .212 0本 18打点
8. 捕 伏見 寅威 .201 3本 12打点
9. 中 五十幡亮汰 .228 0本 6打点 

 ファイターズファンなら誰しもご記憶とは思いますが、昨年までは下位打線が絶望的でしたよね 笑 伏見の守備力は安定感がありますが、「打てる捕手」とは程遠い存在でした。

 上の表の伏見のところに、首位打者を狙える田宮を当てはめたら? いろいろ打順を組み替えることができるようになり、打線に厚みが増します。今年のファイターズの好調の理由のひとつであるのは間違いありません。