2023年からホームゲームの地方開催ゼロが続き、地方のファンを失望させ続けているファイターズ。地方のファンがエスコンフィールドへ行くのにどれほど苦労しているか、考えようともせずに。
今日は地方のファンがどれほど苦労しているか、時間と費用の両面で書いてみようと思います。観戦に必要な金額をまとめた「こちらの記事」もあわせて参考にしてください。なお、記事中の「試合」とは「一軍公式戦」のことをさします。
◇ 例1:旭川からJRで
ファイターズにそそのかされ、せっかくスタルヒン球場に約10億円もかけてナイター設備を導入したのに、試合開催ゼロが続いている旭川市。その旭川からエスコンフィールドへJRで観戦に行くと、どれくらいの負担になるのでしょうか?
・旭川→札幌→北広島 約1時間50分 6,390円(指定席料金等込み)
・北広島→Fビレッジ 約5分 200円
ということで、費用は片道6,590円、往復13,180円です。一家4人だとすれば、交通費だけで52,720円になりますね。それに「こちらの記事」で書いたチケット代や飲食代などを加えると、仮にグッズを一切買わなかったとしても8万円前後の出費を覚悟しなくてはなりません。
所要時間は、乗り物に乗っている時間だけで2時間。これに待ち時間や、自宅から旭川駅へ行く時間などを含めれば、通常は3時間超でしょう。旭川は日帰り可能な距離とはいえ、けっこう体力的にも大変です。
◇ 例2:函館から車で
函館オーシャンで最後に試合が開催されたのは2017年(翌18年は中止)。エスコン開場前から切り捨てられていた函館市から、車で観戦に行った場合の負担はどれくらいになるのでしょうか?
・函館駅→Fビレッジ 4,040円(普通車のETC料金)
・ガソリン代 3,124円(ヤリスの場合、渋滞など考慮なし)
・所要時間:5時間30分程度(休憩・渋滞なしなら4時間41分)
函館駅付近から車に乗ったものと仮定し、高速道路を使って休憩や渋滞を考慮しない場合、手元のアプリでは4時間41分と表示されます。休憩時間や試合日の渋滞などを考えれば、5時間を大きく上回る時間がかかるでしょう。
日帰り可能な距離ではありますが、早朝に家を出て深夜に帰宅するという弾丸日程になるのは避けられません。
ガソリン代は、2023年の新車売り上げ台数1位の「ヤリス」の燃費(16km/L)と、ガソリン単価170円で試算しました。これは機械的に計算したものなので、渋滞などによる燃費の悪化は考慮していません。もちろん車種にもよるので、3,124円はかなり控えめな数値でしょう。
◇ 例3:釧路からJRで(1泊2日)
2022年にオリックス戦が日没コールドになったことで話題になった釧路市。なんとこれが一軍の試合は最後の開催で、それっきりファイターズから見捨てられています。その釧路からJRで、1泊2日で観戦に行くとどれくらいの負担になるのでしょうか?
・釧路駅→南千歳→北広島 約4時間 10,500円(指定席料金等込み)
・北広島→Fビレッジ 約5分 200円
・北広島→札幌 約16分 540円
・札幌→釧路 約4時間20分 9,990円(指定席料金等込み)
・宿泊費 4万円(土日祝の1人の平均価格、かなり控えめに)
まずエスコンで試合観戦し、終わった後に札幌駅に移動して宿泊し、翌日にそのまま帰宅するということを想定しています。自宅から釧路駅までの交通費を考慮しない場合でも、往復で1人21,430円の交通費が必要です。もちろん一家4人なら85,720円ですね。
宿泊費については、4月に調査したときは平均価格35,429円だったのですが、8月に調査したところ55,321円! 北海道では8月が最も観光客の多いシーズンであることを考慮し、上には4万円と記載しておきました。
相当控えめに、4名1室で15万円だとしても、1泊2日の観戦で交通費と飲食代とチケット代を合わせて25万円を軽く超えますね。
◇ これが地方切り捨ての実態だ
宿泊費の高騰が続いている昨今、1泊2日でのエスコン観戦を一家4人でおこなった場合、サラリーマンの月収に近いくらいの金額が軽く吹き飛んでしまいます。したがって、仕事明けで疲れていようとも、日帰りでの観戦が望ましいという結論になるでしょう。
しかし旭川から日帰りでも一家4人で8万円程度の出費が予測され、エスコン観戦は贅沢なレジャーになり果ててしまいました。せめて年に1〜2回、旭川や帯広や釧路や函館で試合を開催してくれれば、在住の方はどれだけ助かることでしょう。
華やかな五輪の裏側にマスコミが報じない闇があるように、電通に逆らえないマスコミが華やかなエスコンの光しか報じない裏側では、地方都市に住むファンが切り捨てられているのです。
このままでは「北広島日本ハムファイターズ」と揶揄される日も遠くありません。2025年こそ、地方開催されることを強く願います。
◇ 追記
北海道新聞の記事によれば、球団側は「エスコンでの集中開催を選択し」「エスコンを含む北海道ボールパークFビレッジの運営に引き続き注力していく必要がある」ために地方開催をゼロにしたとコメントしています。
一方で井川伸久オーナーは「将来的に行わないといけない」と開催に意欲を示してはいますが、いつになるかは不明な状態です。