1: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:17:55.45 ID:GCT3hz5+.net

 
真姫「そう。名前の通り、このスイッチを押す度に、ほのスメルが増幅するの」

海未「はぁ……」

真姫「この液晶画面に、『0』って出てるでしょ?」

海未「はい」

真姫「上ボタンを押すとほら、1に増えた」カチッ

真姫「これがほのスメル、『レベル1』の状態。で、下ボタンを押せばレベルが下がるってわけ」カチッ

真姫「ねっ、0に戻った」

海未「ふむ……」

真姫「使い方はこれだけよ。最大で、レベル5まであるらしいわ」

海未「なるほど……」

真姫「はい、あげる」

海未「えっ、いいんですか?」

真姫「うん。だってそもそもほのスメルが何なのか分からないから、使いようがないし」

海未「……」



4: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:19:57.53 ID:GCT3hz5+.net

    
――――――


海未「……ほのスメル、ですか」

海未(真姫は知らなかったようですが……しかし私には、分かります)

海未(ほのスメル……即ち、穂乃果の匂い)

海未(穂乃果の身体から溢れ出る、あの甘い匂いのことを、きっとそう呼ぶのでしょう)

海未(幼馴染ゆえに、彼女と接近する機会の多い私は、いつもあの匂いに惑わされてしまいます)

海未(頭が蕩けてしまいそうな、あの独特な匂い……それを、増幅させるスイッチ?)



海未「……最高じゃないですか」



この時の私は、知る由もありませんでした。

この夢のようなスイッチが、後に、あんな『悲劇』を引き起こすことになるなんて……。



5: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:20:53.08 ID:UbEULTlm.net

くれ悪



7: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:21:35.96 ID:GCT3hz5+.net

    
――――


部室



絵里「みんな集まったようね。それじゃ、着替えて練習にいくわよ」

凛「今日も練習いっくにゃーっ!」

にこ「ラブライブももう近いんだから、気を抜かずに行くわよっ!」

花陽「はい、頑張りましょうっ!」

希「ふふっ、みんなやる気満々やなぁ」

真姫「もう、暑苦しいわね……」

穂乃果「ことりちゃん、今日は一緒にストレッチしようよっ!」

ことり「うん。いいよぉー」

海未「……」



海未(一応あのスイッチ、試してみましょうか)

海未(二人きりの時でもいいのですが、今ならみんなの反応も見れますし……)


海未「まずはレベル1、と……」カチッ
 


9: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:23:29.35 ID:GCT3hz5+.net

   
フワァ


海未(おお、かすかに良い香りが漂ってきました……)


穂乃果「えっと、カバンカバン……」

希「……あれ? 穂乃果ちゃん、香水つけてきたん?」

穂乃果「えっ、ううん……?」

希「そう……?」

ことり「あっ、穂乃果ちゃん、ついでに私のカバンから手鏡出してくれる?」

穂乃果「はーい」


海未(……近くにいた希が、変化に気づいた様子ですね)

海未(ことりは……反応なしですね。私と同じく穂乃果といつも一緒にいるので、この匂いには慣れているのでしょう)


にこ「ていうか真姫、新曲の方はどうなのよ?」

真姫「心配しなくても順調よ。A-RISEにだって負けない曲が、できそうだわ」

絵里「ふふっ、頼もしいわね」


海未(穂乃果から離れているメンバーは、気づいていないのか、気にしてないだけなのか……とにかく、反応なしです)

海未(……)

海未(しかし、これはすごいですね……)


スンスン


海未(ああ、穂乃果の匂いです……。レベル1で、これですか。この距離でも、穂乃果とすぐ近くにいるような錯覚を覚えます……)
  


10: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:25:49.65 ID:GCT3hz5+.net

     
海未(次は……レベル2です)


カチッ

フワッ


海未(……っ!)



にこ「……あれ?」

絵里「どうしたの?」

にこ「なんか、いい匂いしない?」

真姫「……えっ?」

凛「あ、そういえば……」スンスン

花陽「なんか、甘い香りが……」スンスン

海未(こ、これは……っ!)



海未「……」スゥ、ハァ




海未「はぁ~~っ////」


海未(すごいです……っ! ま、まるで穂乃果と抱き合っているかのように、はっきりと匂いが……っ!)
    


11: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:28:08.04 ID:GCT3hz5+.net

  
絵里「……ほんと。良い匂いだわ」クンクン

ことり「何だかこの匂い、知ってるような……」

穂乃果「え、匂い? 全然わかんないよー?」クンクン

海未(増幅させても、穂乃果自身にはわからないようですね)

海未(しかしレベル2で、部屋に充満するほど匂いが強くなるとは……。素晴らしすぎますよ、このスイッチ)



花陽「ふわぁ……。なんだか、気持ちよくなってきちゃいました」

凛「うん……。凛も、頭がボーっとしてきたにゃ……」

絵里「ちょっと、大丈夫?」

真姫「でも確かにこれ、ずっと嗅いでるとやばいかも……」

にこ「んー……どうも、そっちの方から漂ってくる気がするわね」スタスタ

穂乃果「えー、ほんとー?」

希「うーん。やっぱり、穂乃果ちゃんから……?」



海未「……さて」


海未(ワクワクが止まらないので、そろそろレベル3に行きましょうか)


13: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:32:35.48 ID:GCT3hz5+.net

   
ことり「あれ、海未ちゃん。それ、なに持ってるの?」

海未「わあぁぁっ!? な、なんでもないですっ!」ササッ

ことり「そ、そう?」

海未(と、後ろに回した手で……)


にこ「あー、すごい。癖になりそう……」クンクン

希「なんやろなぁ、ほんと……」クンクン

花陽「はぁ~……。この辺は、特にすごいです……」スンスン

穂乃果「えーっ!? 全然分からないよぉーっ!」

絵里「ちょっとみんな、早く着替えちゃわないと……」



海未(レベルアップっ!)


カチッ


ブワッ

 


16: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:35:16.83 ID:GCT3hz5+.net

     
「「――っ!!?」」



真姫「ちょっ……」

にこ「うっ……うわ、うわっ」

凛「こ、これ……」

穂乃果「えっ? ど、どうしたの?」

絵里「さ、さっきより匂いが、強まって……っ!?」


海未(こ、これは、まるで……)


海未(穂乃果を押し倒し、そのまま彼女の身体に思いきり顔を埋めているかのような……)

海未(いえもう、穂乃果のシャツの中に入り込んで、直接匂いを嗅いでるかのような……)



希「うわ、うわぁぁ……///」

花陽「ふわわぁぁ……///」

ことり「な、なにこれ、すごいよぉ……////」



海未(と、とにかくこれは……っ!)


海未「あぁ~////」
 



17: 名無しで叶える物語(しまむら)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:37:35.88 ID:WnLxszOv.net

5なんか災害レベルだろ



19: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:38:12.45 ID:GCT3hz5+.net

    
にこ「や、やばい……やばいわよ、この匂い……っ///」クンクン

真姫「うわぁあぁ、すごい……っ///」クンクン

ことり「はぁ~~ん///」スンスン

凛「うにゃ~///」スンスン

穂乃果「えっ、えっ? みんな、どうしちゃったのっ!?」

花陽「はぁ、はぁ……///」クンクン

絵里「身体が、熱い……////」スンスン

希「ふわぁあぁ……っ! これ、ほんまにあかんっ////」スンスン

海未「あ、あぁ、すごい、すごいですよ、穂乃果ぁ……っ!」スンスンスン

穂乃果「どういうことっ!? 海未ちゃん、みんなっ! しっかりしてぇっ!」



海未(あ、あぁ、頭がおかしくなりそうです……っ!)

海未(こんな強烈な、穂乃果の匂い……ほのスメルは、今まで嗅いだことがありません……っ!)

海未(こ、これは、もう、流石に……っ!)
  


21: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:41:17.85 ID:GCT3hz5+.net

   
カチッ


海未「はぁっ、はぁっ……!」


カチッ

カチッ


フッ


海未(レベル0に戻して……)


ガラッ


海未(窓を……。これで……)




にこ「はぁ、はぁ……あ、あれ?」

絵里「匂いが……消えた?」

真姫「……みたい、ね」

海未(レベル0に戻した途端、一瞬で匂いが消えました……)



花陽「はぁ……///」

凛「まだ頭がボーっとしてるにゃ……」

希「……ウチ、しばらくあの匂い、忘れられそうにないかも」

ことり「な、なんだろうね。良い匂いだったけど、なんだかすごく、なんていうか……」

海未「ええ……。なんだかすごく、エッチな気分になりましたね……」

ことり「えっ!?」

海未「あっ! いえ、なんでも……」

穂乃果「……??」
  


27: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:44:17.47 ID:GCT3hz5+.net

   
海未「……そ、それよりもっ!」パンパンッ

にこ「えっ?」

海未「これから練習なんですからっ! 早くみんな、着替えてくださいっ!」

真姫「あんただって、全然着替えてないじゃない……」

海未「うっ、分かってますよっ!」

ことり「あはは……あ、穂乃果ちゃん。手鏡ありがとうね」

穂乃果「う、うん……」

凛「よ、よーし、凛は、先に屋上行ってるよっ!」

花陽「あ、わ、私もっ!」

希「あー、熱い熱い。あはは……」パタパタ

絵里「ほんと、なんだったのかしら……」



海未「……」ブルッ

海未(……なんですかさっきのは。危うくμ'sが、崩壊しかけましたよ……)

海未(まさかここまでとは……。予想以上に恐ろしいスイッチですね……)

海未(……いえ。本当に恐ろしいのは、スイッチの方ではなく――)チラッ


穂乃果「んー、そんなに良い匂いだったんだ。穂乃果も嗅いでみたかったなぁ」

ことり「ほんとに何も匂わなかったの? 不思議だなぁ」


海未(人をここまで惑わす、ほのスメル……)

海未(そしてそれをその身に宿す、穂乃果自身……ですか)
   


34: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/21(金) 23:59:22.39 ID:GCT3hz5+.net

  
――――


数日後……




穂乃果「海未ちゃん、一緒にかえろーっ!」

海未「は、はい。ことりは?」

穂乃果「バイトがあるから、先に帰るって」

海未「そうですか。では、行きましょうか」

穂乃果「うんっ」

海未(……と、その前に)

カチッ

フワァ


海未(……はぁ、癒されます。この匂い……)

穂乃果「海未ちゃん?」

海未「あ、いえ……い、行きましょう」
 


36: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:02:08.68 ID:/s3oTNs7.net

  
スタスタ


穂乃果「でねー、にこちゃんがー」

海未「ふふっ。そうですか」



海未(……結局スイッチはあれ以来、レベル1までしか使っていません)

海未(レベル1までなら、すれ違った人がたまに振り返る程度で済みますし……そこまで刺激は強くないですからね)

海未(特にみんなの前でこれは、絶対押してはなりません。二度とあのようなことを、起こさないためにも……)


穂乃果「それでね、絵里ちゃんがー」

海未「……」


海未(あれが穂乃果の匂いだったということは、恐らく誰も気づいてないでしょう。ましてやこのスイッチで、操作してたことなど……)

海未(可能性があるとすれば、真姫ですが……。何も言ってこないので、多分気づいてないのでしょう)

海未(どちらにせよこのスイッチのことは、誰にも知られるわけにはいきません……)


穂乃果「海未ちゃん、聞いてるー?」

海未「あっ、は、はい」
 


37: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:04:55.63 ID:/s3oTNs7.net

  
スタスタ


穂乃果「~♪」

海未「……」スンスン


海未(……しかし)

海未(レベル1ではそろそろ、物足りなくなってきましたね)

海未(かといって、あまり無闇にスイッチを使うのも……)


海未「……」ススッ

穂乃果「わっ。どうしたの、海未ちゃん?」

海未「いえ……。こうしてくっついて歩くのも、いいじゃないですか」

穂乃果「あははっ、そうだね。いいかも……」

海未「……」スンスン

海未(んん……。近づいた分、先ほどよりは匂いが強まりましたが……もう少し刺激が欲しいところですね)

海未(……レベル2くらいまでなら、今使っても大丈夫ですかね……?)


穂乃果「えへへ。じゃあ海未ちゃん、腕組んじゃおっか?」

海未「へっ?」

穂乃果「えいっ♪」ギュッ

海未「っ!!」
 


40: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:08:55.38 ID:/s3oTNs7.net

 
海未(こ、これは……)

穂乃果「海未ちゃ~ん♪」スリスリ

海未「ど、どうしたんですか急に……」

穂乃果「だって海未ちゃんの方からくっついてきてくれたのが、嬉しかったんだもんっ」

海未「……」

穂乃果「海未ちゃん、大好きっ!」ギュッ

海未「……」

海未「かわいい……」ボソッ

穂乃果「えっ?」


海未(……何を怖気づいてるのですか、私は)

海未(こんなに可愛い穂乃果が、すぐそばにいるというのに……)

海未(この素晴らしいスイッチを、使わないでどうするんですかっ!)


海未「……穂乃果」

穂乃果「な、なに?」



海未「今から、私の部屋に来ませんか?」
 


47: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:13:47.67 ID:/s3oTNs7.net

  
――――

海未の部屋


バタン


海未(……さて、と)



海未「では、今日の宿題を終わらせてしまいましょうか」

穂乃果「えーっ!? 遊ぶんじゃないのぉーっ!?」

海未「宿題を終わらせてからです」

穂乃果「うぅ~、騙されたぁ……」

海未(まずは自分の宿題を、さっさと終わらせて……)




海未「私の方はもう終わりましたが、そちらはどうですか?」

穂乃果「えっ!? は、早い……」

海未「……全然できてないじゃないですか。これでは遊べませんよ」

穂乃果「そんなこと言われても……全然分かんないんだもん」

海未「仕方ないですね。私も手伝います」

穂乃果「ほんとっ? ありがとぉー」

海未(隣に移動して……)

カチッ
  


53: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:19:00.82 ID:/s3oTNs7.net

  
フワッ


海未(おおっ……っ!)


穂乃果「教えて教えてー」

海未「え、えっと、ですね……。ここをこうして、ですね……」

穂乃果「ふんふん……」


海未(し、至近距離での、レベル2……これは、す、すごいですね……)

海未「あぁ~」

穂乃果「……? 海未ちゃん?」

海未「はっ! ほ、穂乃果、何をボーっとしてるんですか。ちゃんと理解できたんですかっ!?」

穂乃果「えっ……。今ボーっとしてたのって、海未ちゃんの方じゃ」

海未「理解できたんですかと聞いてるんですっ!」

穂乃果「うっ……。ご、ごめん、もう一回教えて……」

海未「ま、全く、仕方ないですね……ですからここは、こうして……」



海未(あぁ……閉め切った部屋に、穂乃果のにおいが広がっていく……)

海未(しあわせです……)
 


54: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:22:03.72 ID:/s3oTNs7.net

  
穂乃果「できたーっ!」

海未「ふぅ……ようやく終わりましたね」

穂乃果「ありがと、海未ちゃんっ。これで今日はもう、ゆっくりできるよぉー」

海未「いえいえ……それにしても疲れましたね。私、ジュース持ってきます」

穂乃果「お、やったぁー。私、喉カラカラだよぉ」


バタン



海未(ふぅ……しかし、ほのスメルが充満した部屋に、これだけ長くいると……)

海未(……ムラムラ、してきますね)

海未(今、お母様は買い物に出かけていて、いない……。家には穂乃果と、二人きり……)

海未(周りを気にせず、スイッチを存分に使える……)

海未(……ということは)

海未(『あれ』を確かめる、絶好の機会……っ!)
 


56: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:26:58.71 ID:/s3oTNs7.net

  
バタン

海未「はい、どうぞ」

穂乃果「ありがとぉー」

海未「……」

海未(もう宿題は終わってしまいましたし、隣に座るのはおかしいですかね……)

海未(仕方ない、ここは正面に座るしかありませんね……。むぅ、一度席を立ってしまったばっかりに……)


穂乃果「んっ……ぷはぁ、おいしぃーっ!」

海未「そ、そうですか。それは良かったです」モジモジ

穂乃果「んー、それじゃ、何して遊ぼうか?」

海未「特に何もせず、ダラダラお喋りというのもいいんじゃないですか?」

穂乃果「それも、そうだね。ふぅー」

海未「……っ」モジモジ

穂乃果「……?」



海未(くっ……。匂いが、匂いが弱い……っ!)

海未(スメルがぁ……っ! スメルが足りないっ! し、しかし、彼女に近づく理由が……っ!)

海未(こ、こうなれば、仕方ありません……っ!)


スッ


海未(……大丈夫。今は二人きり、誰にも迷惑をかけることはありません……っ!)

海未(むしろこの機会を逃せば、次はいつになるか……)


海未(……今です。今いくしか、ありませんっ!)



カチッ


海未(あの日以来の、ほのスメル、レベル3……っ!!)
  


59: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:31:40.06 ID:/s3oTNs7.net

 
ブワッ

海未(……っ!!)

海未(き、きた、きた……っ!)

スゥゥ

海未(あの時の……レベル3の匂いですっ!)

海未(『穂乃果のシャツの中に入り込んで、直接匂いを嗅いでるかのような』感覚が、再びっ!)


穂乃果「はぁ~、やっぱり、海未ちゃんの部屋は落ち着くなぁ」

海未「うっ……」

穂乃果「そうだ。今度、昔みたいにお泊り会とかしない? ことりちゃんも呼んでさ」

海未「あぁ~」

穂乃果「きっと楽しいよっ! あ、その時は私、トランプとか持ってくるね」

海未「はぁ、はぁっ!」

穂乃果「……う、海未ちゃん?」

海未「はぁ……きょ、今日は、暑いですねっ!」

穂乃果「えっ、そうかな……」


海未(か、体が、熱いです……っ!)

海未(興奮が、抑えきれない……っ! 穂乃果の顔を、まともに見れませんっ! これは、この気持ちは、一体……っ!)

海未(う、うぁ……。レベル3は、やはり……っ! 刺激が強すぎます……っ!)


海未「あ、あぁ、あっ~///」カァァァ

穂乃果「う、海未ちゃん、顔赤いよ?」

海未「うっ、えっ……」

穂乃果「それに、息も荒いし……大丈夫?」

海未「だ、大丈夫、です。大丈夫、ですから……っ!」

穂乃果「……もしかして、熱でもあるんじゃ」

海未「だいじょ……へっ?」

ピト

海未「――っ!!?」
 


65: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:36:03.63 ID:/s3oTNs7.net

     
穂乃果「ん~……」

海未「あっ、あ……」


海未(穂乃果が、おでこを……。か、顔が、こんなに、近くに……っ!)

海未(レベル3を、こんなに近くで……っ!)

海未(に、においが、かおが、あ、あぁ……っ!)


穂乃果「……んん」

海未「あ、ほ、ほの、かぁ……」


海未(穂乃果のお顔……あぁ、なんて可愛らしい……っ!)

海未(穂乃果……ほのか、ほのか、ほのか……っ!)


穂乃果「……」

海未「ほ……」

穂乃果「……ごめん、分かんないや」テヘッ


ドンッ

穂乃果「きゃぁっ!?」

海未「ほのかぁっ!!」ガバッ
  


68: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:40:41.42 ID:/s3oTNs7.net

   
海未「はぁ、はぁ……」

穂乃果「う、海未ちゃん……?」


海未(……もう、限界です)

海未(レベル3を、こんな至近距離で嗅がされたら……)

海未(もう、確かめるしかないじゃないですか。『あれ』を……っ!)

海未(すなわち、『穂乃果のシャツの中に入り込んで、直接匂いを嗅いでるかのような』感覚を味わえる、レベル3を――)

海未(本当に『穂乃果のシャツの中に入り込んで、直接嗅いだら』……一体どんな感覚を、味わえるのかっ!)



海未「ふっ、ふふ……」

穂乃果「あ、あの……う、海未ちゃん、どいて? 重いよ……」

海未「大丈夫です、すぐに終わりますから……」

穂乃果「えっ……?」


海未(穂乃果の汗のしみついたシャツの、その向こう側……)

海未(そこは、この世界で最もほのスメルが集まる場所……っ! そこに今から、私は――)


海未「――イキますっ!!」
   
  


75: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:45:06.34 ID:/s3oTNs7.net

    
「うみさーんっ! 帰ってるのーっ?」


海未「――っ!?」ビックゥ!

穂乃果「……?」

海未(お、お母様……っ!?)


海未「は、はぁいっ!」


「お部屋にいるのーっ?」


海未「は、はい、穂乃果もいますっ!」

穂乃果「あ、お邪魔してまーすっ!」


「あら、そうなの。ゆっくりしていってくださいねーっ」


穂乃果「はーいっ」

海未「……っ!」ササッ

穂乃果「……」

海未「はぁ、はぁ……」

穂乃果「……海未ちゃん」

海未「はいっ!?」

穂乃果「あのさ……」

海未「は、はい……」


海未(終わった……)
 


79: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:49:49.01 ID:/s3oTNs7.net

   
穂乃果「……穂乃果、ちょっとドキドキしたよ」

海未「……はい?」

穂乃果「いやぁー、まさか海未ちゃんに、押し倒されるなんて思わなかったよぉー。あはは」

海未「……あの」

穂乃果「これ、あれだよね。流行りの、『壁ドン』ってやつだよね? 穂乃果、初めて体験したよぉ……あれ、壁?」

海未「ち、違いますよ。今のは、『床ドン』です。今の流行は、床に手をつく『床ドン』です」

穂乃果「そっかぁ。どっちにしろ、ドキドキしたよ。あはは、ビックリしたぁー」

海未「ふ、ふふ、ごめんなさい、急に……」

穂乃果「ううん、面白かったからいいよっ」

海未(た、助かりました……。壁ドンが流行っていてくれて、助かりました……っ! 流行に疎い私がたまたまそれを知っていたのも、奇跡です……っ!)

海未(それにあと数秒遅かったら、私は完全に穂乃果の服を、脱がせにかかっていました……。そしたら冗談では、済まなかったかもしれません……)

コソコソ

カチッ、カチッ、カチッ

フッ

海未(……レベル、リセットです)

海未(あぁ、私は一体、何てことを……穂乃果に一体、何てことをしようとしてたんでしょう……)

海未(あと一歩で、自分の欲望のままに、穂乃果を傷つけるところでした……)

海未(このスイッチは、やはり危険です……レベル1までの使用に、留めるべき……)

海未(……いえ、もう二度と、使うべきではないかもしれませんね)
  


81: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:55:20.89 ID:/s3oTNs7.net

  
――――


次の日


チュンチュン


ガバッ


海未「……」

海未「ゆ、夢ですか……」



海未(錯覚でしょうか……。かすかにまだ部屋に、昨日の穂乃果の匂いが残っているような……)

海未(そのせいか、変な夢を見てしまいました……いえ、もう深く内容は思い出せませんが、穂乃果とエッチなことをする夢だったのは確かです……)

海未(女の子同士なのに……これではまるで、変態です……)


海未「……まだ少し、早いですね」

海未「いえ、今日は早めに出て、一人で学校に行くとしましょうか……。今は穂乃果とまともに顔を合わせられる自信がありません」

海未「……」チラッ


海未(スイッチ……)
  


82: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 00:58:56.87 ID:/s3oTNs7.net

  
――――

教室


海未「この時間だと、あまり人はいませんね……」

海未「……」


海未(……やはり)

海未(スイッチはもう、使うべきではありません……周りどころか、穂乃果本人にさえ迷惑をかけてしまいます)

海未(しかし、このまま持っていれば……誘惑に負けて、いずれ使ってしまう可能性も……)

海未(……となるとやはり、真姫に返すべきでしょう)

海未(今日は練習がありますから……放課後に、集まった時……)

海未(……いえ、それでは遅いです。今の私なら、次に穂乃果と顔を合わせたその瞬間に、使ってしまいかねない)

海未(穂乃果と顔を合わせる前に……今すぐ一年生の教室に向かいましょう……)

海未(スイッチを持って……あれ?)

ゴソゴソ

海未(ポケットに入れといたはずの、スイッチが……)



海未(ない……?)


86: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 01:04:15.68 ID:/s3oTNs7.net

   
――――

ことり「おはよー、穂乃果ちゃん」

穂乃果「おはよっ! それじゃ、いこっかっ」

ことり「うん……。そういえば、どうしたんだろうね、海未ちゃん。今日は先行くってメール着てたけど」

穂乃果「早く起きすぎちゃったのかなぁ。メール着てた時間、私まだ寝てたし」

ことり「あはは……。穂乃果ちゃんも、たまには早く起きるようにすればいいのに」

穂乃果「えー、無理だよぉ」

ことり「諦めるの早いね……」

穂乃果「うーん、だって穂乃果、朝は本当に……あれ?」

ことり「どうしたの?」

穂乃果「なんだろ……何か落ちてる」

ことり「えっ?」

穂乃果「……?」


ヒョイ


穂乃果「……」


穂乃果「ボタンが付いてる……。なにこれ……?」
   


130: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:09:23.50 ID:/s3oTNs7.net

ことり「……? なにそれ?」

穂乃果「わかんない……。ここ、『0』ってなってるけど」

ことり「小っちゃいボタンが二つ付いてるね……」

穂乃果「よし、押してみよう」カチッ

ことり「あっ、あまりいじらない方が……」


フワァ


ことり(……あれ?)

穂乃果「あっ。『1』になったよ」

ことり「ほ、ほんとだ……」

穂乃果「もう一回押してみよう」

カチッ

フワッ

穂乃果「……あっ、やっぱり『2』になった」

ことり「……//」スンスン

穂乃果「ことりちゃん? どうかした?」

ことり「う、ううん、なんでも……」

スンスン

ことり(こ、これ……この、甘い香り……)

ことり(そうだ、前に部室でも嗅いだ……でも、これって……)

ことり(穂乃果ちゃんの匂い、だよね……?)

ことり(穂乃果ちゃんの匂いが、つ、強くなってる……? な、なんで……?)


131: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:17:31.18 ID:/s3oTNs7.net

  
カチッ

フワァ


穂乃果「あっ、『1』になった。こっちを押すと、数字が下がるんだ」

ことり「……っ」

ことり(あれ……。匂いが、弱まったような……?)

ことり(……)

ことり(……まさか)


穂乃果「うーん。でも、これだけかぁ」

ことり「き、きっと、あれだよ。何かを数えたりするときに、使う道具なんだよ」

穂乃果「なぁんだ、そっか……」カチッ

フワッ

ことり「あっ……」

スンスン

ことり(っ! ま、まただ……また強くなった……。や、やっぱり……っ!)

ことり(でも、なんで……? なんでこの匂いを、嗅ぐと……)

ことり(体が熱くなって……頭が蕩けそうに、なるの……?)


ことり「ほ、穂乃果ちゃん……も、もう……」

穂乃果「何かに使えないかな……あっ、そうだ」

ことり「えっ……?」

穂乃果「腹筋の回数を数えるのとかに、使えるかもっ? こうやって、さんっ、しっ……」


カチッ、カチッ


ブワァッ!
 


133: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:23:55.22 ID:/s3oTNs7.net

  
ことり「――っ!!?」


穂乃果「って、普通に口で数えた方が早いか……あれ、ことりちゃん?」

ことり「あっ、あぁ、あっ……」フラフラ

穂乃果「ことりちゃんっ!? どうしたのっ!?」

ことり「うわぁ、ふわぁあ……////」

ことり「あああぁあぁ、あぁあっ!!///」ビクンッ


ことり(あっ、うわ、うわぁあぁあ……っ!? なに、これ……っ!?)

ことり(からだが……あっ、あぁっ! あつい、あついよぉ……っ!)

ことり(あ、ああぁ、あたまが、ふわふわして……。と、とけちゃうぅぅ……っ/////)


フラッ


穂乃果「っ!? ことりちゃんっ!」ガシッ

ことり「あぁ、ほ、ほのか、ちゃ、ああぁっ……////」トロォン

穂乃果「ことりちゃんっ! し、しっかりしてっ!」

ことり「はぁ、ぁ……////」


ことり(……)

ことり(ボタン……スイッチ……すうじ……)

ことり(……『4』?)

ことり(おすと……においが……つよく……)


ことり「……っ!!」
 


134: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:28:31.32 ID:/s3oTNs7.net

  
ググッ……

ことり「ほ、ほの、かちゃん……そ、それ……」

穂乃果「えっ!? な、なに……?」

ことり「……うっ」グイッ

ことり(下ボタン……)


カチッ、カチッ、カチッ、


穂乃果「ことり、ちゃん……?」

ことり「あと……いっかい……」


カチッ……

フッ


ことり「は、ぁ……のか、ちゃん……」

穂乃果「ことりちゃんっ! ま、待っててっ! 今、救急車を」

ことり「それ……その、スイッチ……」

穂乃果「……えっ? な、なにっ!? 聞こえないよっ!」

ことり「だ、め……」

ことり「……」


ガクッ


穂乃果「ことりちゃんっ!? ことりちゃんっ! ことりちゃん――」
 


135: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:32:03.43 ID:/s3oTNs7.net

  
――――


――りちゃん……っ! 


ことりちゃん……っ! ことりちゃんっ!


穂乃果「ことりちゃぁんっ!」

ことり「……」

パチッ

ことり「……あれ?」

穂乃果「っ! ことりちゃんっ!」

ことり「ほのか、ちゃん……?」

海未「ことり……っ!」

真姫「ことりっ! よかった、目を覚ましたのね……っ!」

ことり「ここは……」


ことり(病院……?)

ことり(……そうだ、私――)
 


136: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:35:32.83 ID:/s3oTNs7.net

  
真姫「ここは、西木野病院よ。あなた、急に倒れたらしくて、ここに運ばれてきたのよ」

海未「それから半日ほど、あなたは眠ってたんです」

ことり「……そっか」

穂乃果「ことりちゃんっ!」ガバッ

ことり「わっ……」

穂乃果「良かったよぉ、目を覚ましてくれて……」グスッ

ことり「あ、あはは……心配させちゃって、ごめんね」

海未「でも何事もなさそうで、よかったです……」

真姫「そうね。検査してみたけど、どこにも異常はなかったわ。外傷もないし、入院する必要はなさそうね」

ことり「きっと、疲れてたのかも。練習やバイトで、忙しかったから……」

海未「くれぐれも、無理だけはしないようにしてくださいね……」

ことり「うん……」

穂乃果「ことりちゃぁん……」ギュゥ

ことり「……」


ことり(穂乃果ちゃん……)
 


138: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:38:14.41 ID:/s3oTNs7.net

  
ズキン

ことり「……っ」

ことり(頭、痛いな……)


ヴーヴー

真姫「……あっ、みんなも着いたみたい。ちょっと私、入り口まで迎えに行ってくるわ」

海未「私も、お手洗いに……。穂乃果、ことりをちゃんと見ててくださいね」

穂乃果「うん……」グスッ

ことり「……」



ガラッ


海未「……」


『穂乃果……? どうしたんですかっ!?」

『う、海未ちゃん……っ! ことりちゃんがぁっ!』


海未(……あの後、落としたスイッチを探しに、通学路を戻っていた私は……通学途中の穂乃果と、ことりを見つけました)

海未(ですが穂乃果は泣いていて、ことりは、意識を失っていました……)

海未(急いで救急車を呼んで、そのまま病院に……なのでスイッチは結局、見つけられませんでしたが)

海未(そんなことは、どうでもいいです……。ことりが無事で、よかった……)

海未(やはり疲労が、原因だったのでしょうか。これは過酷な練習メニューを組んだ、私の責任でもありますね……)

海未(あとでちゃんとことりには、謝罪しなくては……)
 



140: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:43:09.47 ID:inaLh5EL.net

レベル5とか世界が崩壊するレベル



141: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 22:45:01.72 ID:/s3oTNs7.net

 
ことり「穂乃果ちゃん」

穂乃果「うっ、うっ……。えっ……?」

ことり「スイッチは?」

穂乃果「……えっ? す、スイッチ?」

ことり「ほら、今朝拾ったでしょ?」

穂乃果「あっ、えっと……。どうしたっけ……?」ゴソゴソ

ことり「……」

穂乃果「あ、あった……。ポケットにしまってたんだ」

ことり「貸して?」

穂乃果「えっ……い、いいけど。はい」

ことり「……」

カチッ

フワァ

ことり「……」スンスン

穂乃果「……あの、ことりちゃん?」

カチッ

フッ

ことり「……これ、私が貰ってもいいかな?」

穂乃果「えっ、別にいいけど。何に使うの?」

ことり「バイトでお皿数えるのに使おうかなーって」

穂乃果「あっ、なるほど……」

ことり「あと一応、他の人には内緒ね。ほら、拾った物を使ってるなんて、恥ずかしいし」

穂乃果「そうだね。分かったよっ」

ことり「……ふふっ」
 



149: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:04:25.44 ID:EzwY+mfg.net

レベル5のハードル上げすぎやろ



150: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:11:45.73 ID:/s3oTNs7.net

    
――――

数日後……


海未(結局あれから通学路、学校中を探し回りましたが、スイッチは見つかりませんでした……)

海未(しかしそうなると、誰かに拾われた、という可能性が……)

海未(でも今のところ、私と一緒にいる限りでは、穂乃果の匂いが強まることはなかったですし……)

海未(何も知らない人が拾ったのなら、とりあえず一度は押してみるはず……)



ことり「ねえ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「なに?」

ことり「今日、私の家に来ない?」

穂乃果「えっ? でもことりちゃん病み上がりだし、ゆっくり休んだ方が……」

ことり「私はもう全然、平気だよ。それに私、穂乃果ちゃんといた方が、元気になれるし」

穂乃果「ほんと……? えへへ。じゃあさ、明日は学校休みだし、お泊り会しよっか」

ことり「お泊り……?」

穂乃果「この前、海未ちゃんと話してたんだー。あっ、でもことりちゃん家に、迷惑が……」

ことり「ううん、いいよ。お泊り会、しよっか」

穂乃果「ほんとっ? じゃあ海未ちゃんも、誘ってみるねっ」

ことり「……」



海未(いえ。そうとは限りませんか。拾った後で、どこか別の場所に捨てられた可能性も……)

海未(……あるいは)

海未(あのスイッチの仕組みを理解し、無闇に押すことの危険性を知っている、誰かが拾い……『押さずに持っている』という、ことも……?)

海未(……しかし、私以外にあのスイッチの意味を理解している者など……)
 


151: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:16:32.29 ID:/s3oTNs7.net

  
穂乃果「海未ちゃんっ!」

海未「……穂乃果ですか。どうしました?」

穂乃果「今日さ、ことりちゃん家でお泊り会するんだけど、海未ちゃんもどうかなっ?」

海未「今日、ですか……。ごめんなさい。実は明日、弓道部の方で大会があるんです。今日はその、練習が……」

穂乃果「あっ……。そういえば、言ってたね……」

海未「なのですいません、また今度、ということで……」

穂乃果「うん、わかったっ。じゃあ明日はことりちゃんと、応援にいくねっ」

海未「本当ですか? ありがとうございます」


海未(……穂乃果)

海未(一応、通学路は一緒ですし……拾っている可能性も……)

海未(……ダメもとで、聞いてみますか)


穂乃果「それじゃねっ」

海未「あの、穂乃果っ」

穂乃果「えっ?」

海未「これくらいの、小さなボタンがついてて、液晶画面がある、おもちゃのようなものを……どこかで、見ませんでしたか?」

穂乃果「あっー、それってもしかしてこの前、道で拾ったアレかな?」

海未「っ!?」
 


152: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:21:02.31 ID:/s3oTNs7.net

  
海未(ま、まさか……)

穂乃果「何か物を数える時に使う道具でしょ? ボタンを押したら、数字が増えるの」

海未「そ、そうっ! それですっ!」

海未(まさか『ほのスメル増幅スイッチ』を、穂乃果本人に拾われているなんて……っ!)

海未(でもスイッチの効果にまでは、気づいてない……?)

穂乃果「あっ、もしかしてアレって、海未ちゃんのだったの?」

海未「そっ……そうですっ。私のですっ! そうですか、あなたが拾ってくれてたんですね……っ!」

穂乃果「あれ結局、何に使う道具なの? ことりちゃんは、お皿を数える時に使うって言ってたけど……」

海未「腹筋の回数を数えるのに使うんですっ! それで、えっと……か、返してもらえますかっ?」

穂乃果「えっ、でもアレは、今は……あっ」

海未「はいっ!?」

穂乃果「……しまった。これ、内緒なんだった……」

海未「なにが内緒なんですっ!? あれは、私の物ですよっ!?」

穂乃果「あっ、そっか……じゃ、仕方ないよね。アレは、今……」

海未「今……?」

穂乃果「……ことりちゃんが、持ってるんだ」

海未「……ことり?」
 


154: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:25:10.99 ID:/s3oTNs7.net

    
穂乃果「バイトで使うらしくって、だからことりちゃんにあげたんだ」

穂乃果「ごめんね、海未ちゃんの物だなんて知らなかったから……。でもことりちゃんに言えば、きっと返してくれると思うよ」



海未「……あの、ことり?」

ことり「あっ、海未ちゃん。今日のお泊り会、楽しみだねえ」

海未「ごめんなさい。明日、弓道の大会があるので、私は……」

ことり「あぁ、そういえばそうだったね。忘れてたよ。残念だなぁ」

海未「……そんなことより、スイッチは、あなたが?」

ことり「スイッチ? なんのこと?」

海未「知らないんですか? 穂乃果があなたに渡したと、言ってるんですが……」

ことり「……」

ことり(穂乃果ちゃん……内緒って言ったのに……)


ことり「あぁ、あのスイッチ? 確かに私が、貰ったけど……」

海未「返して頂きたいのですが……。あれは、私が落とした物なんです」

ことり「……えっ」


ことり(海未ちゃんが、落とした……?)

ことり(穂乃果ちゃんの、匂いが強くなるスイッチ……。あれは、海未ちゃんの物だったの……?)
 


155: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:31:10.36 ID:/s3oTNs7.net

  
海未「ことり……?」

ことり「……あれ、もう捨てちゃったんだ」

海未「えっ!?」

ことり「バイトで使おうと思ったら、すぐに壊れちゃって。だから、捨てちゃった」

海未「なっ……」

ことり「ごめんね……。海未ちゃんのだとは、知らなかったから。弁償するよ、いくら?」

海未「い、いえ……。100円均一で買ったものですから、気にしないでください」

ことり「そう? ごめんね、本当に……」

海未「はは、大げさですって……。たかが100円で……」


海未(100円なわけないですっ! あれは、100万円払う価値のある代物ですっ!! ことり、なんてことを……っ!)

海未(うぅ、しかしこの前のこともありますし、ことりにはあまり強く言えません……っ!)

海未(いえ、そもそも……。私はもう二度とあれを使うつもりはなかったんですから……。真姫に返すつもりだったんですから、そんな悲しむこともないはずです……)

海未(むしろ壊れたのなら、好都合じゃないですか……。他の誰かの手に渡る前に、壊れたのなら……)

海未(……)

海未(……くぅ)


海未「そ、それでは。私はこれで……また今度、お泊り会しましょう」

ことり「うん。そうだね、楽しみにしてるよ」

海未「はい……」


スタスタ


ことり「……」
 


157: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:41:43.89 ID:/s3oTNs7.net

 
――――

ことりの部屋


ことり「はい、穂乃果ちゃん。マカロン、焼けたよぉ」

穂乃果「やったぁー。いっただきまぁすっ!」

ことり「どうぞー」

穂乃果「もぐもぐっ。おいしいぃっ! やっぱりことりちゃんの作ってくれるマカロンは、最高だよぉっ!」

ことり「あはは……。これ食べたらちゃんと、宿題やろうね?」

穂乃果「分かってるよっ! これ全部食べたらねっ! もぐもぐっ……」

ことり「……」


ことり(家には今、誰もいない……)

ことり(準備は、昨日のうちに全部済ませた……)

ことり(『縛り方』も、ちゃんと調べた……)

ことり(スイッチも、いつでも押せるように、ポケットに……)

ことり(……あとは――)


穂乃果「はぁー、おいしかったー」

ことり「よかったぁ。じゃ、宿題やろっか」

穂乃果「うん……。でもお腹いっぱいになったら、なんだか眠くなってきちゃったなぁ……」

ことり「えっ、でも宿題……」

穂乃果「うん、ちょっと眠ったら、すぐに……」

ことり「えー、穂乃果ちゃぁん……」




穂乃果「……」スゥスゥ

ことり「……」


カチッ

フワァ


ことり「……あはっ」
  


167: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/22(土) 23:56:46.91 ID:/s3oTNs7.net

   
――――


穂乃果「……」


穂乃果「……?」

穂乃果「……っ!?」

ことり「あっ、穂乃果ちゃん。起きた?」

穂乃果「んっ……。んぅっ!?」

ことり「今ね、ちょうど宿題が終わったとこだよ……。やっぱり良い香りに包まれてると、頭も冴えるねえ。勉強も捗るよ」

穂乃果「んっ……!?」

ことり「捗り過ぎて、穂乃果ちゃんの分までやっちゃったよ。これからは部屋の芳香剤捨てて、穂乃果ちゃんを置いとこうかな?」

穂乃果「っ! ふっ……っ!」

ことり「なーんて。あぁ、ビックリしたよね。ごめんね、いきなり」

ことり「でもね、理由があるんだよ。穂乃果ちゃんをこうして縛りつけて、口にタオルを巻いて、アイマスクを被せて、こーそくしてるのには、ちゃんとした理由があるんだ」

ことり「その理由はね……あ、その前に」

ことり「そろそろもう一つ、上げてみようか。『1』のままだと勉強は捗るけど、ちょっと物足りないしねえ――」


カチッ

フワッ


ことり「あはっ♪ すごぉい、穂乃果ちゃんの匂いだぁ……」スンスン

穂乃果「……っ!? ……っ!?」ガタガタ
   


168: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 00:08:45.81 ID:L/CNBsRl.net

  
ことり「あのね、穂乃果ちゃん……」スタスタ

ことり「……わっ。近づくと、もっとすごいや……。あぁー……」スンスン

穂乃果「っ! ん、んーっ!」

ことり「はぁはぁ、穂乃果ちゃん、すごいよ、いい匂いだよぉ……///」スンスン

ことり「大好きだよぉ、穂乃果ちゃん……」

ことり「かわいいなぁ、かわいいなぁ穂乃果ちゃん。匂い、匂いが可愛いよぉ……っ! あぁ、あぁー///」スンスンスン

穂乃果「んっ! んっ……!」

ことり「はぁ、はぁ……。あ、ご、ごめんね。いけない、いけない。ちゃんと、理由を説明しなきゃ」

穂乃果「ん……」

ことり「えーっとね。つまりこうやって、穂乃果ちゃんを縛り付けてる理由だけど……。実は私ね、これから穂乃果ちゃんに、すごくエッチなことをしようと思うの」

穂乃果「っ!?」

ことり「いきなり変なこと言って、ごめんね……。でも私がエッチなことをしようとしたら、穂乃果ちゃんきっと、抵抗すると思うの」

ことり「それが別に、私のことが嫌いだから抵抗するわけじゃないんだってことは、分かってるの。うん。女の子同士なのにいきなりそんなことを迫られたら、誰だって抵抗するよね」

ことり「でもね……最初はおかしなことだと思うかもしれないけど、本当はそれって、すごく素敵なことなんだよ」

ことり「っていっても、私も初めてだけど……。でもやってみたらきっと、すごく気持ち良いと思うよ」

穂乃果「ん、んっ……」フルフル

ことり「穂乃果ちゃんもきっと、気持ちよくなれるよ……。お互いが幸せになれることなのに、何も知らないからって抵抗するなんて、時間の無駄でしょ?」

ことり「だから……穂乃果ちゃんには抵抗するよりも前に、『知ってもらう』ことにしたんだぁ」

穂乃果「んーっ!? んーっ!」

ことり「大丈夫、穂乃果ちゃんに抵抗する気がなくなったら、縄を解いてあげるからね。その頃には穂乃果ちゃんも、理解してくれてると思うから……」
   


170: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 00:15:54.45 ID:L/CNBsRl.net

  
ことり「はぁ、はぁ……///」スンスン

穂乃果「んっ……! んーっ!」

ことり「穂乃果ちゃんの、首すじの匂い……っ! はぁ、はぁ……っ!」スゥハァ

穂乃果「んぁっ! ぁ……」ビクッ

ことり「いい匂いぃ……かわいいよぉ……。穂乃果ちゃん、私、やっと気づけたよ……っ!」

穂乃果「ん……っ!?」

ことり「私ね、あの日、倒れた時……っ! 夢の中で、穂乃果ちゃんと、き、キスしたんだ……っ!」

ことり「でね……? 目が覚めて、穂乃果ちゃんの顔を最初に見た時、気づいたんだ……っ!」

ことり「私はずっと、穂乃果ちゃんのことが、大好きだったんだっ! ってっ!」


ギュウゥ


穂乃果「っ!! ん、んんーっ!!」ジタバタ

ことり「は、はなさないっ! はなさないよぉっ! あぁ、嗅ぎたい、もっと嗅ぎたいっ! あぁーっ!」

ことり「穂乃果ちゃんの汗っ! あせ、はぁ、はぁっ!」スゥゥ

ことり「あーっ! ねえ穂乃果ちゃん、もっと汗かけないかなっ!? 全然足りないよ、匂いがっ!」

穂乃果「んっ! んぅっ!」

ことり「ちょっと、やる気あるのっ!? もっと積極的に、新陳代謝を繰り返してよっ!! 穂乃果ちゃんっ!!」

穂乃果「ふっ、んぅ……」グスッ
 


174: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 00:27:22.86 ID:L/CNBsRl.net

  
ことり「はぁ、はぁっ! もういいや、我慢できないっ!」

カチッ

ブワッ

ことり「あ、あ……///」スゥゥゥ……

ことり「あははははははっ! すごい、すごいよぉっ! なにこの匂いっ!? 穂乃果ちゃんの体、どうなってるのっ!?」

穂乃果「……ふっ、うっ」ポロッポロッ

ことり「頭がどうにかなっちゃいそうだよぉっ! あは、あはは、はぁ、はぁっ!」

ことり「よ、よし、この『3』の匂いにも、体が慣れたら……っ! つ、次は、いよいよ……っ!」

ことり「あの時の、『4』の匂いを、嗅ぐんだ……っ! 今度こそ最後まで、倒れずに……っ!」

ことり「あの時のリベンジだ……っ! こ、今度は負けないからね、穂乃果ちゃんっ!」

穂乃果「う、うぅ~……」グスッ

ことり「はぁ~っ! さぁ、まだまだ先は長いよ、穂乃果ちゃんっ!」

ことり「今日の『お泊り会』は、寝かせないんだからっ! あはははぁーっ!」


スンスンスン……
  



188: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 02:10:23.04 ID:y6nQNZhe.net

園田だとギャグっぽいのに南だとシリアスっぽくなる謎



206: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 21:47:25.12 ID:L/CNBsRl.net

  
――――

弓道場


バシュン



海未「……」


海未(……本当にことりは、あのスイッチを捨てたのでしょうか?)

海未(いえ……。決してあのスイッチに未練があるわけでは、ないのですが……)

海未(……ことりはバイトで、スイッチを使うつもりだった)

海未(お皿の数を、数えるために……。だけど使う前に、スイッチは壊れてしまった……)

海未(ことりは、知っていた……。『あのスイッチのボタンを押したら、液晶画面の数字が増えること』を……)


バシュン


海未(拾ったのは、穂乃果……。では穂乃果がそのことを、教えた……? だとしたらスイッチを使ったのは、穂乃果……)

海未(穂乃果はスイッチを、『この前道で拾った』と言った……。『この前』、とは……?)

海未(私はスイッチを落とした日に、通学路をくまなく探しまわった……しかし、見つからなかった)

海未(だったら穂乃果が言っていた『この前』は、やはり、あの日なのでは……?)

海未(あの日……私がスイッチを落とした日……。つまり――)


バシュンッ!



海未(ことりが通学途中に、倒れた日……っ!)
  



207: 名無しで叶える物語(舞妓 どすえ)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 21:50:15.85 ID:2C7/9+fk.net

そう、これは重要なファクターだ



209: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 21:54:40.88 ID:L/CNBsRl.net

 
部長「あれ、外したのっ? 珍しいー」

海未「すいません部長、今日は帰りますっ!」

部長「はっ!? 明日大会よっ!?」

海未「辞退しますっ! さよならっ!」

タッタッタッ……


海未(間違いありません……っ! 穂乃果がスイッチを拾ったのは、あの日の朝、通学途中……っ!)

海未(その時に、ことりも一緒だった……っ! だとすると、あの日ことりが倒れた原因は、疲労なんかじゃない……っ!)

海未(あのスイッチが、押されたことで……ほのスメルが強まり、それを至近距離で嗅いでしまったために、倒れたんですっ!)

海未(レベル3なら、意識を失ってもおかしくないほどの刺激です……っ! きっと、それで……っ!)

海未(だとしたら……意識を失う前にことりは、スイッチの仕組みに気づいていたのでしょうか?)

海未(もしも……)

海未(もしもあのスイッチの正体を知っていながら、それを隠し、私に嘘をついていたのだとしたら……)


ピタッ


海未(……いえ)

海未(ことりはそんなことをするような、人じゃ……)

海未(ましてや幼馴染を、疑うなんて……)


『……そんなことより、スイッチは、あなたが?』

『スイッチ? なんのこと?』

『知らないんですか? 穂乃果があなたに渡したと、言ってるんですが……』

『あぁ、あのスイッチ? 確かに私が、貰ったけど……』


海未(……)

海未(あの時ことりは、私と同じように、『スイッチ』という言葉を使った……)

海未(私に合わせて言ったにしては、あまりにも自然な言い方でした)

海未(本来なら『ボタンを押せば画面の数字が増える』だけの道具を、『スイッチ』と呼ぶのはおかしい……)

海未(あの言い方は、ボタンを押すことがきっかけで、数字が増える以外の何かが起きることを、知っていたからこその……)


タッタッタッ……


211: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:06:23.67 ID:L/CNBsRl.net

   
――――

ことりの家


ピンポーン


海未「……」

海未「……っ!」ガチャガチャッ

海未(鍵は開いていない……)

海未「ことりっ!? いますかっ!? 海未ですがっ!」 ドンドンッ!


シーン……


海未「……穂乃果っ!? いるんですかっ!? いるなら返事をしてくださいっ!」


……


海未「……くっ! 携帯も繋がらないですし、どうすれば……」

海未「……」

海未(あそこの窓……少し、開いている?)

海未(あそこからなら……しかし……)

海未「……いえ、緊急事態ですっ! 仕方ありませんっ!」

海未「穂乃果、ことりっ!」

ガラッ
 


213: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:10:49.44 ID:L/CNBsRl.net

  
――――

ことりの部屋


バンッ


海未「ほの――」


ブワッ


海未「っ!? こ、これは……」



ことり「あははははっ! あはははっ! あははははははっ!」スゥハァスゥハァ

穂乃果「ふっー、ふっー……」ポロポロッ

ことり「穂乃果ちゃんのシャツの中、さいっこぉーっ! あはぁ、ははははっ!」モゾモゾ

ことり「ねえ、どうしてっ!? どうして穂乃果ちゃんはこんなに、エッチな匂いがするのっ!? なんなのこの体っ!?」

穂乃果「ん、ぅ……ふっ……」

ことり「ぺろっぺろっ、おいしぃっ! 穂乃果ちゃんの汗、おいしいぃよぉっ! あ、あぁーっ!」

ことり「んんっ、んぐっ、ふぅ~っ! しかもこうして穂乃果ちゃんのおなかに、顔を押し付けると……ふ、ふひゃ~」

穂乃果「んんっ!? んぁっ、んっ!」ビクン

ことり「も、もう一生ここから出たくない……。あ、あぁ、もう、いいよね……」

ことり「もういっても、いいよね……。『4』に……。天国に……」

ことり「あ、あぁ、スイッチ、スイッチはどこ……。何も見えない……たしか、この辺に――」


グイッ


ことり「――へっ?」


ドタァンッ!


ことり「ったぁいっ!? な、なにーっ!?」

海未「あ、あなたは……」

海未「あなたはなにをやってるのですか、ことりっ!?」
  


214: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:18:48.63 ID:L/CNBsRl.net

   
ことり「う、海未ちゃん……? あっ、わ、私のスイッチ――」


カチカチカチッ!

フッ


ことり「あぁーっ!?」

海未「……っ」ガラッ!

ことり「あ、あぁっ! に、匂いが、窓から穂乃果ちゃんの匂いが、逃げてくよぉ~……」

ことり「ま、まって、いかないで……いかないでぇ~」

海未「ふざけないでくださいっ!」バシィン!

ことり「いったぁいっ!?」

海未「穂乃果に、こんなことをして……っ! 穂乃果、大丈夫ですかっ!? 今、縄を……もうほとんど解けてるようですが、とりあえず全部解きますっ!」

穂乃果「ふっ、うっ、うぅ……」グスッ

海未「目も、口も……。穂乃果、大丈夫ですかっ! しっかりしてくださいっ!」

穂乃果「ふ、ぁ、う、うみ、ひゃぁん……」

海未「っ!!」

海未(な、なんですか……。穂乃果の顔が、体中が、ベタベタです……っ! これは彼女の涙や汗だけじゃない……っ! 別の人の、別の何かがっ!)

ことり「う、うぅ~、痛いよぉ~……」ヒリヒリ

海未「……ことりぃっ!!」

ことり「ひっ!?」ビクッ
 


215: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:26:23.07 ID:L/CNBsRl.net

  
海未「い、嫌な予感は、していました……。同じ幼馴染です。あなたがもしスイッチを手に入れてしまったら、私と同じ過ちを起こしてしまうのではないかと……」

海未「し、しかし、ここまでやるとは……。あ、あなた、一体どれほど長い間この部屋で、レベル3を嗅ぎ続けてたんですか……っ!?」

ことり「だ、だって、だってぇ……」

海未「だってじゃありませんっ! 大丈夫ですか穂乃果、立てますかっ!?」

穂乃果「ふっ、うっ、うぅ……。うぁぁぁああ……」

海未「帰りましょう、家まで送っていきますから……」

ことり「はぁ、はぁ……。う、うぅ、ほっぺた、いたい~」グスッ

海未「……ことり。このスイッチは、私が預かります。いいですね」

ことり「うっ、ひぐっ、そ、そんなぁ~……」ポロポロッ

海未「このスイッチがどれだけ危険な物なのか、まだあなたには分からないのですかっ!?」

海未「レベル3で、これですよっ!? あなたがそんな風になってしまったのも全部、あの時レベル3を嗅いで、倒れた時からでしょうっ!?」

ことり「ふっ、うぅ……」グスッ

海未「このことは、内密にしておきます……ですから反省し、もう二度と馬鹿なことは、考えないでください」

ことり「うっ、ひぐっ、ふぅぅ……」

海未「……穂乃果、行きましょう」

穂乃果「う、ん……」

ことり「うっ、ふっ、ふぅ、ふふっ……」



ことり「ふふっ、ふふふっ、ふふふ……っ!」

海未「……っ?」
  


216: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:33:42.24 ID:L/CNBsRl.net

  
ことり「グスッ、えぐっ……。うっ、ふふっ、ふふふ……」

海未「……笑って、いるのですか?」

ことり「ふふっ、ふふっ、あはは、はぁ……」

海未「な、なにが、おかしいんですかっ!?」

ことり「ズズッ……。ふふっ、そ、っかぁ……。海未ちゃんはまだ、『知らないんだ』……」

海未「……なんですって?」

ことり「『3』までしか……『レベル3』までしか、知らないんだね……ふふっ」

海未「なにを言って……」

ことり「私はあの時、『レベル4』まで嗅いだんだよ……」

海未「……っ!?」

ことり「あはははっ、あの時はあまりに刺激が強くて、倒れちゃったけど……」

ことり「でもね、おかげで……グスッ……。はぁ……今は、すっごく良い気持ちだよぉ……」

海未「あ、あなた……」


ことり「――穂乃果ちゃんっ!!」


穂乃果「っ!?」ビクッ

海未「っ!」

ことり「ふふっ……えへへ……」グスッ

穂乃果「……え、えっ……?」

ことり「今日は、無理だったけど……」

ことり「……えへ」ズズッ





ことり「いつか必ず『お泊り会』、しようねっ」
 


220: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:42:08.90 ID:L/CNBsRl.net

  
海未「……っ」

穂乃果「ひっ……」ゾクッ


バタン


海未(……今のは一体、誰ですか?)

海未(ことり……あなたは一体、どうしてしまったのですか?)

海未(ただ一つ、分かるのは……)

ググッ

海未(……このスイッチが、全ての原因だということ……)

海未(『レベル3』を超える、『レベル4』ほのスメル……。それを嗅いでしまうと、人はあんな風に変わってしまうのですか?)

海未(なんて、恐ろしい……ほのスメル――)

海未(いえ……本当に恐ろしいのは、スメルをその身に宿す――)

チラッ


穂乃果「う、うみ、ちゃん……」ブルブル

海未「……穂乃果?」

穂乃果「わ、私、わからないよ……ことりちゃんが、何を言ってるのか……」

穂乃果「海未ちゃんが、何を言ってるのか……二人が何を言ってるのか、分からないよ……」

海未「……っ」

穂乃果「ことりちゃん、どうしちゃったの……? わ、わたし、こわいよ……ま、また、あんなこと、されたら……」

穂乃果「わ、わたし、わたし……っ!」ポロッポロッ

海未「……穂乃果っ!」


ギュッ
 
  


221: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 22:50:28.18 ID:L/CNBsRl.net

  
穂乃果「あっ……」

海未「大丈夫です……。もう二度と、あんなことは起こりません……っ!」

海未「私が、させませんから……っ! 私があなたを、守りますからっ!」

穂乃果「うみちゃん……」

海未「ですから、大丈夫です……っ! あなたは何も知らなくても、大丈夫ですからっ!」

穂乃果「う、うっ、うぁ、あぁああぁぁ……」

穂乃果「怖かったよぉ……っ! うみちゃぁんっ! うあぁあぁあぁあぁん……っ!!」

海未「……」


海未(違う……この穂乃果に、罪なんてあるわけない……)

海未(悪いのは……スイッチを使おうとする、心なんですから)

海未(しかしだとしたら、私も……)


『ふっ、ふふ……』

『大丈夫です、すぐに終わりますから……』


海未(……本当に、私に穂乃果を抱きしめる資格は、あるのでしょうか?)

海未(いえ……今は考えるのは、やめましょう)

海未(今は、ただ……)


穂乃果「うあぁあぁあぁ……」

海未「穂乃果……」


ギュウゥ……
 


231: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 23:27:26.13 ID:L/CNBsRl.net

 
――――――


月曜日……



海未(あの事件があってから土日を挟んで、初めての登校日ですが……)

海未(穂乃果は、大丈夫でしょうか……。ちゃんと学校には、来れるのでしょうか)

海未(心配です……)


海未「……あっ」

穂乃果「……おはよ、海未ちゃん」ニコッ

海未「お、おはようございます。もう、平気なんですか?」

穂乃果「うん……。しっかり休んだから、もう大丈夫」

海未「そ、そうですか……。では今日から、練習も再開できそうですか?」

穂乃果「うん、大丈夫だよ。リーダーがいつまでも落ち込んでる場合じゃ、ないもんね」

海未「ええ、まあ……」

海未(やはり、落ち込んでたんですね……。笑顔もどこか、ぎこちないような……)

海未(……いえ、穂乃果のことです。きっとそのうちあんなこと忘れて、いつもの明るい笑顔に戻ってくれるはず)


海未「それでは、行きましょうか」

穂乃果「うん……」


「おはよーっ! 二人ともっ!」


海未「っ! あっ……」

穂乃果「っ!!」ビクッ
 


232: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 23:35:37.80 ID:L/CNBsRl.net

 
ことり「ふえぇ、酷いよ二人ともっ! 今ことりのこと、置いてこうとしたでしょっ!?」 

海未「なっ、なっ……!」

穂乃果「あ、あぅ、あっ……」ガタガタ

海未「あ、あなた……っ! 一体どういうつもりですか……っ!?」

ことり「えっ、なにがっ?」

海未「あんなことがあった後で、一体どういうつもりで私たちの前に姿を現したのかと、聞いてるんですっ!!」

ことり「そんなこと言われても……私はいつものように待ち合わせ場所に、着ただけだよ?」

海未「ですから、それが……っ!」

ことり「あっ、穂乃果ちゃんっ!!」ズイッ

穂乃果「ひっ!?」ビクッ

ことり「今日も可愛いね……。ふふっ」

穂乃果「あっ、あぁ……」

海未「……っ! 穂乃果から、離れてください」ザッ

ことり「えぇー? どうして?」

海未「いいですからっ! あなたは先に行ってくださいっ!」

ことり「なんでことりを仲間外れにするの……? 一緒にいこうよー」

海未「ダメです……っ!」

ことり「……ダメなの? 穂乃果ちゃん」

穂乃果「……うっ」ビク

海未「っ!」
 


235: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 23:49:04.34 ID:L/CNBsRl.net

  
ことり「穂乃果ちゃん……?」

穂乃果「……う、い、いいよ。一緒に、いこう……?」

海未(っ! 穂乃果……っ!)

ことり「やったっ! ありがと、穂乃果ちゃんっ」ニコッ

穂乃果「え、へへ……」

海未「……ならせめて、私が間に入ります。これでいいですね」

ことり「ええー。ま、いっか。それじゃいこっかっ!」

穂乃果「う、うん……」

ギュッ

海未(私の袖をつかんで……。明らかに無理をしていますね、穂乃果…)


スタスタ……



海未(……でも私だってことりを仲間外れになんて、したくありません)

海未(だけどせめて、二人が元に戻ってくれるまでは……。穂乃果は明るい穂乃果に、ことりは優しいことりに、戻ってくれるまでは……)

海未(私が、間に立たねば……)


ことり「……ねえ、海未ちゃん」ヒソヒソ

海未「……なんですか」

ことり「あのスイッチ、あれから使ったの?」

海未「はっ!?」
 


237: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/23(日) 23:56:47.41 ID:L/CNBsRl.net

  
穂乃果「……?」

海未「穂乃果もいる前で、あなたは何を言って……っ!」ヒソヒソ

ことり「大丈夫、穂乃果ちゃんには何のことか分からないよ」

海未「ですが……っ!」

ことり「で、使ったの?」

海未「使ってませんし、これから使うこともありませんっ!」

ことり「えー、もったいない。別に我慢しなくてもいいのにー」

海未「あなたと一緒にしないでください……っ!」

ことり「海未ちゃんが使わないなら、私が使いたいなぁ。ねえ、そういえばあれって結局、レベルいくつまであるの?」

海未「『5』ですよ……」

ことり「わぁ、やっぱりまだ上があったんだぁ……っ! 『4』で気絶しちゃうくらいだったのに、『5』だったらどうなっちゃうんだろぉ……っ///」

ことり「ね、ねえねえ、海未ちゃんっ。今日一日だけでいいから、貸して?」

海未「あ、あなたは何も反省してないのですね……っ!」

ことり「そうだね、反省しなきゃ。今度はちゃんと、部屋の鍵もかけておくようにするよ」

海未「あなたねえっ!」

ことり「ねえ、おねがぁい、海未ちゃん……」

海未「ダメですっ!」

ことり「けちー」

海未「それにスイッチは、もう……」

ことり「……?」

海未「……穂乃果っ! 今日、全部終わったら、帰りにクレープを食べに行きませんか?」

穂乃果「えっ……。う、うん、そうだね。いこう」

海未「ふふっ、約束ですよ」

ことり「クレープかぁ、久しぶりだなぁ。何味にしよっかなー」

海未「あなたは来ないでください」キッ

ことり「ひどいっ」ガーン



海未(そう……今日で『全部』、終わるんですから……)
 


240: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 00:10:36.46 ID:dsAOQXC9.net

  
――――


海未「いいですか。私がいない間、絶対に穂乃果とことりから、目を離さないでくださいね」

ヒデコ「い、いいけど……どうかしたの?」

海未「いえ……それでは、頼みましたよ」




真姫「なによ、話って?」

海未「これ、覚えてますか?」

真姫「……あぁ、この前私があげた、『ほのスメルを増幅させるスイッチ』じゃない。それがどうかしたの?」

海未「あなたに返します」

真姫「えっ……。い、いらないわよ」

海未「でしたらしかるべき方法で、処分して頂けますか。これが二度と、使えないように」

真姫「なんでよ? あんたが処分すればいいじゃない」

海未「それは無理です」

真姫「なんで……」

海未「無理に壊そうとして、万が一暴発してしまったら……例えばレベルが上がったまま元に戻らなくなってしまえば、大変なことになります」

真姫「……?? そうなの?」

海未「はい……これはとにかく、危険なスイッチだったんです。面白半分で、好奇心で、押していいものではありませんでした……」

真姫「ふーん……」

海未「ですので、ちゃんと正しい手順で、処分してください。作り方を知っているのなら、壊し方も知っているはずでしょう」

真姫「まあ、ママに頼めば、多分……」

海未「お願いします」スッ

真姫「……分かったわ。処分しとく」
 


243: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 00:20:06.27 ID:dsAOQXC9.net

 
海未「あ、一応言っておきますが……くれぐれもそのスイッチは、押さないように」

真姫「分かってるわよ……危険って言われて、押すわけないでしょ」

海未「ふふっ。それでは、確かに返しましたよ……」


海未(これで……これで、いいんです)

海未(確かにこのスイッチは、魅力的な物でした……レベル2くらいまでなら、使い続けても良いくらい……)

海未(ですがそれ以上にこのスイッチは、危険です。使用した人の人格を変えてしまうほどの、危険性があります……)

海未(それがいずれ、誰かを悲しませる結果を、生むくらいなら……その可能性が少しでもあるのなら、そんなスイッチは、存在しない方がいい)

海未(私はそのリスクを背負ってまで、私利私欲にこのスイッチを使いたくはありません)

海未(それに……私は穂乃果の幼馴染なんです)


海未(匂いを嗅ぎたいのなら、嗅ぐチャンスはいくらでもあるのですっ!)グッ

海未(もちろん嗅ぐときは、バレないように、こっそりと、ですが……ってこれじゃあまるで、変態みたいじゃないですか)

海未(嗅ぐなら堂々と、です……)

海未(……まあ、とにかく)



海未(これで『全部』、終わりです……)

海未(あとは穂乃果とことり、二人が戻るのを待つだけですが……)

海未(……それもスイッチがなくなってしまえば、時間の問題でしょう)

海未(だからこれで、全部終わり……)




真姫「……ねえ、一つ聞いていい?」

海未「はい?」
 


246: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 00:27:46.66 ID:dsAOQXC9.net

 
真姫「このスイッチが危険だって分かるってことは……。つまりあんたには、『ほのスメル』がなんなのか、分かったってわけ?」

海未「えっ……」

海未(そういえば真姫は、何も知らないんでしたね……)

海未「は、はい。まあ……」

真姫「ふーん……」

海未「……」

真姫「……そう」

海未「気になりますか?」

真姫「別に……」

海未「……そうですか」

真姫「……」

海未「……」



真姫「……お、教えなさいよ」

海未「分かりました。誰にも言わないでくださいね」

真姫「ん……」

海未「いいですか……『ほのスメル』というのはですね……」

真姫「……」ゴク……

海未「……――――」





海未「――のことです」

真姫「なにそれ、意味わかんない」

 


第1部、完。
 

 




248: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 00:30:43.50 ID:cf/i1SmE.net

まさかの第一部


249: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 00:34:01.75 ID:eN0eAaX3.net

第8部でレベル7が登場して宇宙がほのかになる


257: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 01:03:40.82 ID:a3OGc8Bo.net

二部はよ


258: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 01:08:14.21 ID:LgZ0euvl.net

二部は園田の孫が主人公なんですねわかります


266: 名無しで叶える物語(水都アリスタシア)@\(^o^)/ 2015/08/24(月) 19:13:26.49 ID:wJVPHVA1.net

大長編なの?
すばらしいやん


276: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 11:53:34.93 ID:Mr2kvN8F.net

第六部でほのスメルが加速して世界を一周させる




285: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:05:21.83 ID:mZS7Mjp/.net

    

――――第2部、『発症者』



 

凛「――えっ? 穂乃果ちゃんが、話があるって?」

凛「なんだろ……。部室? うん、分かったっ!」


タッタッタッ……



ガチャッ


凛「きたよー」

穂乃果「あっ、凛ちゃん」

凛「穂乃果ちゃん……昨日はその、大変だったね」

穂乃果「う、ううん、私は全然、平気だから」

凛「そっか……。それで穂乃果ちゃん、話ってなにかにゃ?」

穂乃果「えっ?」

凛「へっ?」

穂乃果「えっと……。話があるのって、凛ちゃんの方じゃ……?」

凛「えっ? 凛は、穂乃果ちゃんが話があるからって、言われてきたんだけど……」

穂乃果「えっ……。おかしいなぁ」
  


289: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:12:16.05 ID:mZS7Mjp/.net

 
 
「……」

「ふふっ……」




「さようなら……。ううん、『いってらっしゃい』、かな?」




カチッ、カチッ


カチッ 

 

 

  
  

カチッ

 


291: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:18:29.87 ID:mZS7Mjp/.net

  

ブワァッ!


凛「――っ!!?」


穂乃果「うーん、でもさっき、メールで……」

凛「あっ、あ、あぁ……」

穂乃果「……凛ちゃん?」

凛「う、うわ、な、なに、なにこれぇ……////」フラフラ

穂乃果「凛ちゃんっ!? ど、どうしたのっ!?」

凛「っ! あっ、だ、だめ、だめぇ……っ!」

凛「だめええええぇーっ!////」ビクンッ!

穂乃果「っ!?」

凛「わ、う、わ、ぁ……」

凛「ぁ……」


ドサッ


凛「……」ビクンビクン

穂乃果「……凛ちゃんっ!? しっかりしてっ! 凛ちゃぁん――っ!」
  


293: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:26:49.05 ID:mZS7Mjp/.net

   
――――


『事件』の前日……



ことり「ほのかちゃぁん……ふふっ」スリスリ

穂乃果「こ、ことりちゃん、あの……」

ことり「ん~良い匂いだなぁ、穂乃果ちゃんは……」スンスン

穂乃果「や、やめてよ、は、恥ずかしいよ……///」

ことり「えぇ~、そんなことないよぉ、うふふ。あ、穂乃果ちゃん、汗かいてるね。タオル持ってきてあげる」

穂乃果「あ、ありがと……」

ことり「ぺろっ」

穂乃果「ひゃぁっ!?」

ことり「あはっ♪ 穂乃果ちゃんの汗は、やっぱりおいしいなぁ」

穂乃果「う、うぅ……」ビクビク

ことり「じゃ、タオル持ってく――」


バチィン!


ことり「いったぁっ!?」

海未「穂乃果から離れなさい、ことりっ!!」

穂乃果「う、海未ちゃん……」
 


294: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:33:15.87 ID:mZS7Mjp/.net

   
海未「あなたは一体、何度注意されればわかるのですかっ!?」

ことり「う、うぅ、いたいよぉ、海未ちゃん……」ヒリヒリ

海未「ぶつほうも痛いんですっ!」

ことり「じゃあぶたないでよぉ……」

海未「言葉で注意してもやめないでしょうっ!?」

ことり「わ、分かったよぉ、ごめんってば……」

海未「謝るのならまず穂乃果に謝ってくださいっ!」

ことり「うぅ、怒鳴らないでよ海未ちゃん……。タオル、持ってくるね……」

海未「早くいきなさいっ!」

ことり「はぁ~い……」トボトボ

海未「まったく……っ!」

穂乃果「海未ちゃん。あ、ありがと……」

海未「穂乃果……大丈夫ですか? 怖くなかったですか?」

穂乃果「うん、平気……」ニヘ

海未「よかったです……」ホッ


海未(あれから1日が経ちましたが、ことりは相変わらずです……っ!)

海未(穂乃果は徐々に元気を取り戻してるようですが……しかしこのままでは、いつまた新たなトラウマを植え付けられてしまうことか……っ!)
 


295: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:38:55.33 ID:mZS7Mjp/.net

  
花陽「すごい……」

絵里「流石、海未ね……」

凛「ほんとにゃ。見事なビンタだったにゃ」

にこ「あれは私たちには真似できないわ……」

希「あ、あはは……」

海未「ちょっと、みんなもっ! どうして見てるだけなんですかっ!?」

真姫「いや、そうは言っても……」

海未「言いましたよねっ!? 私の見てないところで穂乃果に何かあったら、助けてあげてほしいとっ!」

希「そ、そうやけど……ウチらじゃ海未ちゃんみたいにうまく、怒れないし……」

絵里「え、ええ……。ましてや、ビンタなんて……」

海未「ビンタは私だってしたくないんですっ! そうじゃなくて、間に割って入るだけでも……っ!」

凛「でも……なんていうか、その……」

海未「な、なんですか……?」

凛「あんまり、その……関わり合いたくない、っていうか……」

にこ「ば、バカっ!」

海未「……はい?」
 


297: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:46:03.32 ID:mZS7Mjp/.net

 
凛「だってさ……。いや、ことりちゃんが穂乃果ちゃんのこと大好きなのは、前から分かってたことだけど……」

凛「でも流石に、汗を舐めるなんて……正直、ドン引きにゃ」

海未「で、ですから、それをやめさせるために……っ!」

凛「……凛、ことりちゃんがあんな人だなんて、思わなかったよ」

海未「……っ!」

真姫「確かに、そうだけど……何か事情があるんじゃないの?」

凛「それでも今のことりちゃんは、なんだか……怖いよ。関わり合いたくないにゃ」

にこ「ま、まあ……そうね。関わったら、私たちもなにかされそう、かも……」

海未「ことりが興味あるのは、穂乃果だけですっ! なにもされませんよっ!」

にこ「だから怖いのよ。変に邪魔したら、なにされるか……」

海未「……」

花陽「う、うーん……。本当にことりちゃん、どうしちゃったんだろ……」

凛「あれじゃ変態だよ……」

希「み、みんな、それくらいにせえへん? 流石にことりちゃんが可哀想や……」

絵里「そうね。でも、海未……。やっぱりことりには、昔から付き合いの長い、海未の注意が一番効くと思うわ」

絵里「私たちもできるだけ、協力したいけど……」

海未「……分かりました。ですが本当に危ない時には、助けてあげてくださいね……」

絵里「ええ……。それは、もちろんよ」



海未(甘かった……。スイッチさえなくなれば、すべて解決すると思っていたのに……)

海未(ことり一人のせいで、μ'sにまで、悪影響が出てしまうなんて……)

海未(こんな状態では、ラブライブどころではありません……早めに何とか、しなくては……)
 


298: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 21:53:57.77 ID:mZS7Mjp/.net

 
ことり「穂乃果ちゃん、タオル持ってきたよ~」

海未「私が渡します。貸してください」

ことり「えぇ~……」

海未「……何度も言っていますが、あまり穂乃果に近づき過ぎないでください。怯えていますので」

ことり「……ふぅん」

海未「……なんですか」

ことり「ううん、なんでもないよ。それより海未ちゃん、スイッチ貸して?」

海未「貸しません」

ことり「えーっ。昨日クレープ奢ってあげたのに~」

海未「べ、別に頼んでませんっ! あれはあなたが勝手に……」

ことり「もう、分かったよ。じゃあ穂乃果ちゃんのエッチな姿を写真に撮って送ってあげるから、それでいいでしょ?」

海未「……ことりっ!!」

ことり「怒らないでよぉ。じゃあさ、貸すのが嫌だったら、一緒に使おう?」

海未「……は?」

ことり「穂乃果ちゃんを海未ちゃんの部屋に呼んでさ。二人でスイッチを使おうよ」

海未「嫌ですよ……」

ことり「嘘ばっかり~。そういえば海未ちゃんはまだ、『レベル4』を体験したことがないんでしょ?」

海未「……っ!」

ことり「……ふふっ。海未ちゃんも嗅いでみたいでしょ? 『レベル4』の、穂乃果ちゃんの匂い。すごいよ、最高だよ。意識が飛んじゃうくらい、気持ち良いよ」

海未「……そんなこと」

ことり「我慢しなくていいんだよ。使っちゃおうよ。使いたいんでしょう? だって海未ちゃんは、私と同じ――」

海未「あのスイッチはっ!」

ことり「……」

海未「……もう、処分しました」

ことり「……へっ?」

海未「さぁ、休憩は終わりです。練習を再開しますよ」

ことり「えっ、えっ……?」
 


301: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:00:49.76 ID:mZS7Mjp/.net

 
――――――


練習後……


「「お疲れ様でしたーっ!」」



海未「ふぅ……」

ことり「海未ちゃん」

海未「……なんですか」

ことり「えっと……さっきの話なんだけど」

海未「はい?」

ことり「その……スイッチを処分したって、どういうこと?」

海未「……そのままの意味ですが?」

ことり「つ、つまり……。もうスイッチは、ないってこと?」

海未「そうです。貸すも貸さないも、ないんです。だってスイッチはもう、この世に存在しないんですから」

ことり「う、嘘だ……」

海未「嘘じゃありません。ですからもう、諦めてください」

ことり「嘘だよ……。あ、あはは、そんなわけないよ。そんなこと、できるわけない……」

海未「……は?」

ことり「海未ちゃんがあのスイッチを処分するなんて考えられない。海未ちゃんにそんなこと、できるわけない……」

海未「な、なにを言ってるんですか?」

ことり「海未ちゃんの、嘘つき……。海未ちゃんだって本当は、使いたいくせに……。本当は穂乃果ちゃんの匂いを、もっと嗅ぎたいくせに」

海未「ことり……っ! 私は――」

ことり「海未ちゃんだってどうしようもない、変態のくせにっ!!」
 


304: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:08:37.46 ID:mZS7Mjp/.net

 
ガシッ

海未「痛っ……ちょ、ことりっ!?」

ことり「どうしてそんな嘘つくのっ!? そんな嘘ついてまで……っ! 海未ちゃんは自分を、騙し続けるのっ!?」

海未「ことり、離してください……っ!」

ことり「海未ちゃん……っ! 海未ちゃんも、私と同じでしょうっ!?」

ググッ……

海未(な、なんですか、この力の強さはっ!? まるでことりとは、別人のような……)

絵里「ことりっ! な、なにしてるのっ!?」

真姫「は、離れなさいっ! ことりっ!」グイッ

ことり「海未ちゃん……っ!」

海未「う、ぐっ……」

希「う、海未ちゃん、大丈夫?」

海未「……穂乃果を」

希「えっ……?」

穂乃果「……っ」ガタガタ

にこ「……っ! 穂乃果っ!」サッ

絵里「だ、大丈夫よ、大丈夫だから……っ!」

穂乃果「……みんな」

花陽「あ、あの、私、穂乃果ちゃんと先に帰りますっ。穂乃果ちゃん、いこっ?」

穂乃果「うん……」

海未(みんな……。ありがとうございます……)
 


307: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:16:50.86 ID:mZS7Mjp/.net

 
ことり「海未ちゃん、本当のことを言って? スイッチ、まだ持ってるんでしょう……?」

海未「で、ですから……っ!」

絵里「ことり、あなた……。さっきからなに言ってるのよ? スイッチって、なんのことよ……っ!?」

真姫「……っ」

凛「ことりちゃん……一体、どうしちゃったの?」

ことり「なにが……?」

凛「昨日からことりちゃん、なにか変だよ……。もう見てられないよ……。穂乃果ちゃんに変なことばっかしてさ……」

凛「凛は前のことりちゃんが、好きだよ……。早く元に戻ってよ。今のことりちゃんは……変態みたいで、その、怖いにゃ……」

希「り、凛ちゃん……」

ことり「……私が穂乃果ちゃんにしてることが、そんなにおかしい?」

凛「おかしいよ……だって……」

ことり「いつも凛ちゃんが花陽ちゃんにしてることと、何が違うっていうの?」

凛「……」

海未「こ、ことり……っ!」

凛「り……」


凛「凛はかよちんの汗をペロペロしたことなんてないっ!!」


ガッシィ


にこ「凛っ!」

ことり「……っ! で、でも、したいとは思ってるんでしょ?」

凛「思ってたとしても、凛はそんなことしないっ! ことりちゃんと凛を、一緒にするなっ!」ググッ

ことり「一緒でしょっ!? 凛ちゃんだっていつも花陽ちゃんの匂いを嗅いで、興奮してるくせにっ!」

凛「匂いの話は今関係ないにゃっ!」

希「もうやめてっ!!」
 


312: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:23:54.87 ID:mZS7Mjp/.net

  
凛「……っ!」

にこ「の、希……」

希「凛ちゃんも、ことりちゃんも……。これ以上喧嘩しないで……」

ことり「……」

絵里「……そうよ。こんなことで喧嘩して、なんになるの? 穂乃果も花陽も、悲しむだけだわ……」

凛「……」

凛「そうだね……。ごめん」

ことり「……帰る」

海未「あっ、ことりっ!」

真姫「ちょ、ちょっと……」

凛「凛も帰る……。いこ、真姫ちゃん」

真姫「あ、うん……」

絵里「……私たちも、帰りましょう」

にこ「……」

希「……うん」




海未(どうして、どうしてこんなことに……)

海未(スイッチはもう、ないのに……。どうしてこんなにμ'sが、バラバラに……)
 


319: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:31:49.63 ID:mZS7Mjp/.net

 
――――――

帰り道


タッタッタッ……


ことり「……」

海未「ことり、待ってくださいっ!」

ことり「……海未ちゃん」

海未「……ことり、あなたは」

ことり「さっきはごめんね、海未ちゃん……痛かった?」

海未「えっ? わ、私は大丈夫ですが……」

ことり「酷いことも、言ったよね……本当に、ごめん」

海未「……」

海未「……ですから謝る相手が、違います。あなたが謝るのは、穂乃果でしょう?」

ことり「……なんで?」

海未「はい……?」

ことり「なんで私が穂乃果ちゃんに、謝るの……? 私、なにも悪いことしてないのに……」

海未「なっ……あ、あなたね、今まで自分が穂乃果に何をしてきたか、分かってて言ってるんですかっ!?」

ことり「……ねえ、海未ちゃん」

海未「なんですかっ!?」

ことり「本当にあのスイッチはもう、なくなっちゃったの……?」

海未「……」
 


320: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:36:55.76 ID:mZS7Mjp/.net

 
海未「真姫ですよ……」

ことり「……えっ?」

海未「あのスイッチは、真姫から貰ったものだったんです……。私の物ではありません」

ことり「そうだったんだ……」

海未「ですから昨日、彼女に返しました。『処分してほしい』と、そう言って、返しました」

ことり「……」

海未「真姫は処分を母親に頼むと言っていましたから……彼女ももう、持ってはいないでしょう」

海未「私の言葉が信じられないのなら、真姫に確認してください……。もちろんだからといって、彼女に強引に迫るのは、許しませんよ」

ことり「ううん、もう十分だよ。その言葉だけで……。海未ちゃんの言ってることが本当だって、分かったよ」

海未「……」

ことり「そっか……。海未ちゃんはちゃんと、自分の意志であのスイッチを、手放せたんだ……」

ことり「海未ちゃんは、私とは違う……。そうだよね、『レベル3』までしか、嗅いでないんだもんね……」

ことり「でも、私はもう……」

海未「……ことり?」

ことり「ごめん。あとはもう、一人で帰れるから……」フラッ

海未「あっ……」


海未(ことり……なんだか、寂しそうです……)

海未(……)
 


321: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 22:45:02.27 ID:mZS7Mjp/.net

 
海未(ことりさえ元に戻ってくれれば、μ'sも穂乃果も、元通りに……)

海未(私たち三人の関係も、元に戻って……また楽しく笑って過ごせる日が……)

海未(……)



海未「ことりっ!!」

ことり「……えっ?」

海未「わ、私が――」




海未「私が必ずあなたを、元に戻して見せますからっ!」




海未「そしたらまた、三人で……っ!」

ことり「……」




ことり「……」ニコッ


スタスタ……



海未(ことり……)


329: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:10:06.96 ID:mZS7Mjp/.net

――――


次の日……

教室



ことり「っはぁぁあぁああんっ! 穂乃果ちゃん穂乃果ちゃんほのかちゃんっ!」スリスリスリ

穂乃果「きゃぁああっ!?」

ことり「可愛いよぉ可愛いよぉいい匂いだよぉっ! あ~もう、絶対離さないんだからっ! あはははっ!」ギュゥゥ

穂乃果「い、こ、ことりちゃ、やっ」

ことり「んぅ~、なんだか女の子って感じだよね、穂乃果ちゃんの匂いっ! ん~っ! はぁ、はぁっ!」スゥハァ

ことり「髪の毛っ! 髪の毛の匂い嗅がせてっ! むっ、むぐっ、はぁあぁあぁっ!」

ことり「いいよぉ~、しゅごい~っ! いつまでも嗅いでたいっ/////」スンスンスン

穂乃果「あ、あぁ、やぁ……///」

ことり「はぁっ、はぁっ! で、でもやっぱりスイッチがないと、物足りないよぉ……っ!」

ことり「あ、あぁ、も、もっと嗅ぎたい、穂乃果ちゃんをもっと感じたいっ! あぁ~っ////」


バチィン!


ことり「ひゃあんっ!?」

海未「あなた、元に戻る気ないですよねっ!?」

ことり「ふええぇ……」



「南さんって、あんなだったっけ……?」ヒソヒソ

「い、意外な一面だね……」ヒソヒソ


332: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:19:45.21 ID:mZS7Mjp/.net

海未「何なんですかあなたはっ! 少しは自分でも、元に戻る努力をしてみたらどうなんですかっ!?」

ことり「し、知らないよぉ……。海未ちゃんが勝手に言ってるだけで、ことりは別に戻りたくなんてないもん……」

海未「昨日の意味深な台詞と笑顔はなんだったんですかっ!?」

ことり「ほっぺた痛いよぉ……」ヒリヒリ

海未「穂乃果、大丈夫ですかっ!? あぁ、服も髪も、こんなに乱れて……」ササッ

穂乃果「あ、ありがとう、海未ちゃん……」グス

海未「いいですよ、気にしないでください」ニコッ

ことり「海未ちゃぁん……」

海未「なんですか」ギロッ

ことり「え、えっと、教室の外に、真姫ちゃんが……」

海未「えっ? あ、あぁ……」

海未「そうでした、私が呼んだんでした。ちょっと行ってきます」

ことり「いってらっしゃ~い……。さてとっ」

海未「ヒデコ、フミコ。穂乃果をお願いできますか?」

ヒデコ「わ、分かった」

フミコ「穂乃果、こっちで話そっ?」

穂乃果「う、うん……」

ことり「隙がないなぁ……」


333: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:36:35.22 ID:mZS7Mjp/.net

  
――――


真姫「ことりは今日も、あんな感じなのね……」

海未「ええ、まあ……」

真姫「で、話って何よ?」

海未「その、ことりのことなんですが……。彼女、病院でもう一度検査して頂いた方が、良いのではないかと思いまして」

真姫「ことりが変になったのは、倒れた時からなんでしょう? あの日検査した時は、何も異常なかったじゃない」

海未「そうですが……」

真姫「そもそも再検査するかどうか決めるのは、彼女の意志よ。私たちじゃない」

海未「うっ……」

海未(今のことりが、自分から再検査を申し出るとは思えません……)

海未「し、しかし今の彼女は明らかに異常ですし、まともな精神状態ではないことは確かですっ!」

海未「それになにより、人的被害が出ていますっ……! もう彼女の意志など関係なく、強制的に病院に隔離するべきなのではっ!?」

真姫「被害……穂乃果のことを言ってるなら、あの子が直接それを訴えれば、可能かもね」

海未「……穂乃果が、ですか」

真姫「ええ……。例えば親とか、先生にでも話して、問題にしてもらうとか……」

海未(そんなこと……穂乃果には、無理です……)

海未(だって少し前まで二人は、仲良しの親友同士だったんですから……。いくらことりに嫌なことをされても、穂乃果はそこまで非情にはなれません……)

海未(だとすれば、やはり私が何とかするしか……)
 


334: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:44:07.15 ID:mZS7Mjp/.net

 
真姫「……確認だけど、ことりがあんな風になった原因はやっぱり、『ほのスメル』なのね?」

海未「ええ。恐らくあの日スイッチを拾った穂乃果が、何も知らずにレベル4まで押してしまい……。一緒にいたことりはそれを嗅いだことで、変わってしまったんです」

真姫「レベル4、か……」

海未「……レベル3までなら私も体験したことがありますが、それでも頭がおかしくなってしまいそうなほどでした」

海未「そのレベル3の感覚を、私は心の中で『穂乃果のシャツの中に入り込んで、直接匂いを嗅いでるかのよう』だと表現しましたが……」

真姫「えらく具体的に表現したのね……」

海未「逆に言えば表現できたということは、そこまでは私の想像の範囲内だったというわけです」

海未「ですがその先のレベル4以上は、私の想像をも超える……きっと誰も表現することのできない、あらゆる理解を超越した、『匂い』なのでしょう」

海未「嗅いだ人間を、あそこまで狂わせるほどの……」

真姫「ことり……あの子見てる限りだとやっぱり、『匂い』に異常に執着してるように見えるわね」

海未「そうですね。私に対しても、スイッチをやたらとせがんできますし……」

真姫「ほのスメル中毒ってとこかしら……。レベル4を吸ってしまったことで、彼女はもう普通の匂いじゃ満足できなくなった……」

真姫「更にスイッチを取り上げられたことで、禁断症状が……だとすると……」ブツブツ

海未「真姫……?」

真姫「……そうね。彼女のような状態のことを、ひとまず暫定的に、こう呼ぶことにしましょう」

海未「えっ……?」


真姫「『ほのスメル過剰吸引による中毒症状発症者』――」




真姫「略して、『ほのキチ』よ」
  



336: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:45:27.32 ID:xgtai1j2.net

どこを略したんや



340: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:50:21.75 ID:mZS7Mjp/.net

  
海未「……」

真姫「……」

海未「……すいません、もう一度言っていただけますか」

真姫「だから、『ほの』スメル過剰『き』ゅう引による『ち』ゅう毒症状発症者、よ」

海未「な、なるほど……」

真姫「レベル4ほのスメルを吸ってしまうと、人は『ほのキチ』になってしまう。そうなると、精神に異常をきたし、正常な判断ができなくなり、常にほのスメルを求め続けるようになる」

真姫「そして……穂乃果に対して、異様なまでの劣情を持つようになる。ことりがしてるセクハラの数々を見れば、明らかね」

海未「確かにほのスメルには、人をいやらしい気分にさせる効果がありますからね……」

真姫「そ……そうなの?」

海未「ええ。それもレベル4ともなると、すさまじいのでしょう……。きっとそれに体や心が耐え切れず、人は『ほのキチ』となってしまうんです」

真姫「ほのスメル……穂乃果の匂い、か。あんたから最初に聞いた時は、冗談かと思ったけど……でも考えてみると、やっぱり恐ろしいわね」

真姫「いや、本当に恐ろしいのは、スメルをその身に宿す、穂乃果自身か……」

海未「違いますよ。本当に恐ろしいのは、あのスイッチです」

真姫「……」

海未「ですからあのスイッチが処分されて、本当に良かったです……」

海未「だってあのスイッチがなければ、これ以上『ほのキチ』が生まれることはないんですから」

真姫「……そう、ね」

海未「そろそろ休み時間が終わりますね。それではまた、放課後に」

真姫「うん、じゃあね……」
 



343: 名無しで叶える物語(茸)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:53:14.89 ID:GIA2tWZK.net

シリアスな展開の中で唐突過ぎるわw



345: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/25(火) 23:58:41.89 ID:mZS7Mjp/.net

  
――――

教室



海未(……穂乃果が、いない?)


海未「あの……二人とも、穂乃果はどちらに?」

ヒデコ「あっ、海未ちゃん……。それがね、急にメールで凛ちゃんに、呼び出されたらしくて」

フミコ「部室、って言ってたかな……。ついさっき教室を、飛び出してったよ」

海未「そ、そうですか……」

海未(急な用事だったんでしょうか。まあことりから穂乃果を遠ざけられるのなら、なんでも……)

海未「……って」キョロキョロ

海未「こ、ことりもいないじゃないですかっ!?」

ヒデコ「えっ……あ、そういえば……」

フミコ「ご、ごめんっ! ことりちゃん、あれからずっと一人でおとなしくしてたから、全然気にしてなかった……」

海未「……っ! 二人を探してきますっ!」タタッ

ヒデコ「あっ! じゅ、授業始まっちゃうよっ!?」


海未(ことり……っ! まさか、部室に向かう穂乃果の後をつけて……っ!)

海未(凛と合流する前に、彼女をどこかに連れ込む気じゃ……っ! ま、まずいです、急がなくては……っ!)


ドンッ


海未「っ!?」

「わわっ!?」
 


346: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/26(水) 00:02:57.02 ID:VGPE+ISh.net

  
海未「うっ……」

ことり「いたた……」

海未「ごめんなさ……って、こっ、ことり?」

ことり「あ、海未ちゃん。またどこかに行くの? もう授業始まっちゃうよ?」

海未「えっ……。あ、こ、ことりの方こそ、今までどこに?」

ことり「おトイレだよ?」

海未「……そう、ですか。いえ、ならいいのですが……」

ことり「教室入ろうよ。……って、あれ? 穂乃果ちゃんがいないね」

海未「……穂乃果は凛に呼び出されて、部室に向かいました」

ことり「ふぅん。そうなんだ、何かあったのかな」


海未(ことり……。穂乃果よりも先に、教室を出ていたのですか……)

海未(私の思い違いだったようですね……。今回ばかりはことりを疑ってしまったことを、反省しなくては……)


ことり「そっか。私がトイレで穂乃果ちゃんのことを想像しながら色々なことをしているうちに、そんなことが……」

海未「ことりぃっ!! あなたって人は――」



「海未っ!!」

 


349: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/26(水) 00:10:53.39 ID:VGPE+ISh.net

  
海未「……えっ?」

ことり「あ、真姫ちゃんだ」

真姫「海未、大変よ……っ! 凛がっ!」

海未「り、凛……?」

真姫「凛が部室で、倒れたって……っ!」

海未「た、倒れた……?」

海未「『倒れた』、ですって……っ!?」

ことり「ええっ!? 大変っ!」

海未「ま、待ってください……。部室には、穂乃果もいるはず……」

真姫「穂乃果は無事よ……。凛は、保健室に運ばれたわ」

海未「で、では、すぐに向かいましょうっ!」

真姫「ええっ……」

ことり「急ごうっ!」



タッタッタッ……


海未(まさか……)

海未(に、似ている……。この状況は、『あの時』と……っ!)

海未(しかし、そんなはずは……っ! だって、だってあのスイッチは、もう……っ!)


真姫「ごめん、海未……」

海未「えっ……?」

真姫「私、あんたに話してないことがあるの……本当はすぐに話さなくちゃいけなかったんだけど、どうしても、言い出せなくて……」

海未「な、なんですか……?」

真姫「あんたから二日前に返してもらった、あのスイッチ……実は、処分できてなかったの……」

海未「はい……?」
 


356: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/26(水) 00:20:26.18 ID:VGPE+ISh.net

   
真姫「だってあんたから聞いた話が、あまりにも馬鹿らしかったから……。あの時の私には、スイッチがそんなに危険なものだとは到底信じられなかった……」

真姫「『匂い』なんて、って……。それにあの日はママも、忙しそうにしてたから……。だから処分を、頼めなかったの」

海未「っ! だ、だったら、次の日にでも……っ!」

真姫「そうよ。私は次の日、つまり昨日、学校から帰った後で、頼むつもりだった……。だからその日はカバンからスイッチを取り出して、とりあえず机の上に置いておいたの……」

真姫「でもね。昨日、練習が終わって、家に帰って、部屋に戻ったら……」

真姫「……なかったのよ」

海未「な、なかったって……」

真姫「机の上からスイッチが、なくなってたのよ……っ! パパとママに聞いても、知らないってっ!」

真姫「ごめん、海未……。もっと早く言うべきだったわ……っ! でもまさか、こんなことになるなんて……」

海未「す、スイッチが勝手になくなるわけないじゃないですか。ちゃんと探したんですか? きっと風でも吹いて、机の下に落ちたんですよ」

真姫「風……。そうね。部屋の窓は、開いてたもの」

海未「……」

海未「……まさか」

真姫「海未……。落ち着いて、聞いてね……」




真姫「あのスイッチは、誰かに『盗まれた』のよ……っ!」

海未「……っ!!」




ことり「……」



ニヤア……

 


428: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:08:56.03 ID:YbBfnzMO.net

   
――――――

病院



真姫「……検査では、今回も異常は見つからなかったわ」

海未「そうですか。『目を覚ました時』も、異常がなければ良いのですが……」

真姫「穂乃果が言っていたわ。凛は突然息を荒くしながら、震えだして……。そしたら顔がカーッと赤くなって、倒れた、って……」

海未「まだ、分かりません。まだそうと、決まったわけでは……」

真姫「でももしそうだったら、私のせいだわ。私が危機管理を、怠っていたせいで……」

海未「いえ、あなたにスイッチの危険性を伝えきれなかった、私にも非はあります……」

海未「しかし、もしまたあのスイッチが原因だったとすると……一体誰が、押したのでしょう……?」

真姫「決まってるでしょう。スイッチを盗んだ、『誰か』よ」

海未「まだ盗まれたと、決まったわけじゃ……」

真姫「他に考えられないわよ。私が学校に行ってる間、誰かが開いてた窓から部屋に侵入して、机の上に置いてあったスイッチを盗んだんだわ」

海未「真姫の部屋って、二階では……」

真姫「部屋の近くに大きな木があるの。きっとその木に登ってから、飛び移ったのよ」

海未「……確認ですけれど、他に何か盗まれたものはないんですね?」

真姫「なかったわ。そもそもあんな物、何に使うか分かってなきゃ、空き巣だって盗まないわよ」

海未「となると、スイッチを盗んだ『誰か』は、あのスイッチのことを知っている人物であると……」

真姫「そう……そしてそいつは学校で、穂乃果と凛が部室で二人きりになった時を狙って、スイッチを押した」

海未「一体、なんのために……」

真姫「……それは――」
 


430: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:12:42.12 ID:YbBfnzMO.net

   
「凛ちゃんっ!」

「よかった、凛ちゃん……っ!」


海未「……目を覚ましたみたいですね。私たちも中に入りましょう」

真姫「そうね。話の続きはまた後で……」


ガラッ


凛「……うぅん」

花陽「凛ちゃん、凛ちゃぁん……っ!」ギュッ

穂乃果「り、凛ちゃん、大丈夫……? 凛ちゃん、私と話してる最中に、急に倒れちゃったんだよ……っ?」

凛「そうなんだ……」

真姫「凛……」

海未「まさか、今度はあなたが倒れるなんて……意識ははっきりしてますか?」

凛「うん……大丈夫」

海未(一見、大丈夫そうですが……。しかしことりの時も、最初は……)

花陽「凛ちゃん……っ! 私、すっごく心配だったんだよっ!」ギュゥ

凛「かよちん……」

花陽「で、でも、本当に、よかった……っ! 目を覚ましてくれて、本当に……っ!」グスッ

凛「……」
 


433: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:17:59.78 ID:YbBfnzMO.net

   
花陽「うっ、うぅ……凛ちゃぁん……」

穂乃果「花陽ちゃん……」

凛「……ごめん、みんな。その……二人にしてほしい、にゃ」

穂乃果「えっ?」

海未「あっ……そ、そうですよね。ごめんなさい、気が利かなくて……」

真姫「じゃあ私たちロビーにいるから、何かあったら呼んでね」

穂乃果「えっと……それじゃ、花陽ちゃん。凛ちゃんをよろしくね……?」

花陽「グスッ……うん、分かった……」

海未(二人きりにしてほしいだなんて……。本当に凛は花陽のことが、大好きなんですね)

凛「えっ、あれ? ちょっと待ってよ」

花陽「……えっ?」

凛「なんで穂乃果ちゃんが部屋から出てくの? 凛は、穂乃果ちゃんと二人きりになりたいのに」

穂乃果「……へっ?」

海未「……」




海未「り、凛……。今、なんて……?」
 


435: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:23:52.50 ID:YbBfnzMO.net

  
花陽「えっ……凛ちゃん?」

凛「ごめんね、かよちん。ちょっと、離れてくれる?」

花陽「ど、どうして……?」

凛「うん。かよちんの『匂い』も、すごく良いんだけどね……。でも凛は今、穂乃果ちゃんの匂いが嗅ぎたいんだ」

凛「だからあまり、くっつかないでほしいにゃ。じゃないとほら……匂いが、混ざっちゃうからさ」

真姫「なっ……」

海未「そんな……凛っ!」

穂乃果「り、凛ちゃん? な、なに言ってるの?」

凛「穂乃果ちゃん……」ユラ

ダキッ

穂乃果「っ!? ど、どうしたの?」

凛「うわぁ……良い匂いだなぁ。ううん、ただ良い匂いなんじゃなくて、なんか、こう……」

凛「わ、わっかんないやぁ……。凛、バカだから……」

凛「あ、あぁ、でも、なんだろ……ずっとこうしてると……えへへ……」


スンスンスン……


穂乃果「ひっ……!?」

凛「凛、もっとバカになっちゃいそぉ……///」
 


436: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:30:00.98 ID:YbBfnzMO.net

 
穂乃果「う、あ、ぁ……」

花陽「り、凛ちゃん……?」

凛「あ、あぁ~……///」

花陽「凛ちゃん、どうしちゃったの……?」

凛「あぁ……。あれぇ……? なんだか、まだ別の匂いがするよぉ……」

凛「穂乃果ちゃん以外の、匂いが……。って、えっ? どうしてみんなまだ、部屋にいるの?」

海未「……はい?」

凛「早く出てってよっ! 凛は、穂乃果ちゃんの体から出る匂いしか嗅ぎたくないのっ!!」

真姫「は、はぁっ!?」

凛「なに、何なのこれ、何の匂いっ!? 出てけっ! 凛の鼻から出てけえっ!!」

花陽「……っ!!」


ガラッ!


海未「あっ、花陽っ!」

真姫「わ、私が行ってくるわっ!」

凛「出てけえっ! 出てくにゃあーっ!!」
 



437: 名無しで叶える物語(神宮)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:30:56.21 ID:yf8BDutC.net

これアカンやつや……



441: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 21:38:45.98 ID:YbBfnzMO.net

海未「凛、あなた……」

穂乃果「り、凛ちゃん……?」ガタガタ

凛「さぁ穂乃果ちゃん、続きをするにゃ~♪ ん~」スンスン

凛「はぁ~//// 穂乃果ちゃぁん、凛、穂乃果ちゃんのことが大好きだよぉ……♪」スリスリ

穂乃果「え、えっと……」

凛「あれ……? 穂乃果ちゃん、汗が垂れてきてるにゃ」

穂乃果「えっ――」

凛「ぺろっ」

穂乃果「っ!!」ビクン

凛「はぁ~、穂乃果ちゃんの汗、おいしー♪」

穂乃果「……っ! ……っ!」ブルブル


海未(ま、間違いありません……。凛はほのスメルレベル4を嗅いで、『ほのキチ』に、なってしまった……っ!)

海未(ということは、つまり……っ!?)


『っはぁぁあぁああんっ! 穂乃果ちゃん穂乃果ちゃんほのかちゃんっ!』

『可愛いよぉ可愛いよぉいい匂いだよぉっ! あ~もう、絶対離さないんだからっ! あはははっ!』

『あ、あぁ、も、もっと嗅ぎたい、穂乃果ちゃんをもっと感じたいっ! あぁ~っ』



海未(あのただでさえ厄介なほのキチが、二人になってしまった、ということですか……っ!?)

海未(そんな、馬鹿なことが……ぜ、絶望的、過ぎます……)


448: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 22:37:35.02 ID:YbBfnzMO.net

 
――――


次の日……

教室



ことり「おはよう穂乃果ちゃ――」

海未「おはようございます、ことり」ガシッ

ことり「……おはよう、海未ちゃん。今朝からはとうとう、一緒に登校もしてくれなくなったね」

海未「あなたが元に戻るまでは、いつもと時間をずらして登校することにしました。少しでも穂乃果とあなたを、会わせないために」

ことり「もぉー。そんなことしたって、どうせ教室で会うんだからぁ」

海未「教室では、味方も多いですからね」

ヒフミ「「……」」ジーッ

ことり「はぁ……、海未ちゃん。私だって別に、何されても傷つかないってわけじゃないんだよ?」

海未「……今まで散々穂乃果を傷つけといて、よく言いますね」

ことり「海未ちゃん。ことりは悲しいです……」シュン

海未「あなたね……」

穂乃果「こ、ことりちゃん……。あのね、海未ちゃんはその、私のために……」

海未「ほ、穂乃果……?」

ことり「あはっ♪ 分かってるよぉ、穂乃果ちゃん。やだなぁ、私が本当に悲しんでると思って、心配してくれたんだ?」

穂乃果「えっ……?」

ことり「優しいなぁ、いじらしいなぁ、もぉ……っ! ほんっとに可愛いんだから穂乃果ちゃんはっ! あははっ!」

穂乃果「……」

海未「……っ! ことりっ! ちょっとこっちに来なさいっ!」グイッ

ことり「いたた、引っ張らないでよぉ~」
 


450: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 22:47:11.46 ID:YbBfnzMO.net

  
――――

廊下


海未「ことり……っ! あなたは、あなたはどうしてそうなのですかっ!?」

ことり「最近の海未ちゃんは、怒ってばかりだね。穂乃果ちゃんの次くらいに可愛い顔が、台無しだよぉ?」

海未「……っ! くっ、このような人が私たちの中にもう一人増えてしまったなんて、考えたくもありません……っ!」

ことり「それって凛ちゃんのこと? 昨日は私、病院までは行かなかったけど、やっぱり凛ちゃんも『なっちゃった』んだ?」

海未「そうですよ……っ! あなたと同じようにねっ!」

ことり「へえ~。ってことは凛ちゃんも、『レベル4』を嗅いだってことだよね。じゃあやっぱりあのスイッチは……」

海未「昨日真姫が言ってた通り、誰かに盗まれたんです……。スイッチのことを知っている、『誰か』に」

海未「その誰かが、穂乃果と凛が部室に二人きりになった瞬間を見計らい、スイッチを押したんです。恐らくそれが狙いで、スイッチを盗んだんでしょう……」

ことり「ん~……。なんのために?」

海未「凛を『ほのキチ』にするためですよ。それしかないでしょう」

ことり「『ほのキチ』?」

海未「あなたや凛みたいになってしまった人のことを、そう呼ぶそうです。真姫が名づけました」

ことり「ほのキチかぁ……。いいね、気に入ったよっ」グッ

海未「……とにかく、部室という密室でレベル4を真っ向から浴びせられてしまった凛は、精神を保てずほのキチになってしまいました」

ことり「羨ま……酷いね。それがその『誰か』の狙いだったの……?」

海未「ええ……。これは計画的犯行だったと考えられます」

海未「そしてその犯人は、この学校の中にいる……」
 


453: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 22:59:23.57 ID:YbBfnzMO.net

 
海未「スイッチを盗んで、無理やり凛をほのキチに変えようとした、人物が……この学校にいます」

ことり「サイテーだね、その人……。凛ちゃんが大好きなのは、花陽ちゃんなのに。そのことを知っててスイッチを押したんなら、本当にサイテーだよ」

海未「ええ……。昨日の凛は、見てられませんでしたよ。花陽のことなんて、見向きもしなくなってしまって……。花陽もとても、悲しそうにしていました」

ことり「許せない……。凛ちゃんとは一昨日喧嘩したばっかりだけれど、でもやっぱり、大切なお友達だもん。凛ちゃんをそんな風に変えちゃうなんて……」

ことり「それに花陽ちゃんまで悲しませて、絶対に、許せない……っ! 海未ちゃんっ! その犯人、絶対に捕まえようよっ!」

海未「……ええ」

ことり「私も、協力するよ……っ! だってスイッチをそんな風に使うなんて、間違ってるもんっ! そうだよね、海未ちゃんっ!?」

海未「私も、そう思います……」

ことり「私と海未ちゃんが協力すれば、必ず犯人を捕まえられるよ……っ! ねえ海未ちゃん、私さっそく、考えてみたんだけどっ!」

海未「なんですか?」

ことり「真姫ちゃん昨日、部屋の『窓が開いてた』って言ってたよね……? ってことは犯人は、そこから真姫ちゃんの部屋に入ったんだ……っ!」

ことり「真姫ちゃんの部屋は、二階だけど……。でも近くに確か、大きな木があったよね? 犯人はその木に登ってから、部屋に飛び移ったんだよっ!」

ことり「木を登ったり、窓に飛び移ったりできるほどの、運動神経があるのは……。この学校の中では、あの人たちしかいない……」

ことり「……『運動部』っ! 海未ちゃん、まずは『運動部』の人たちを当たってみようよっ!」

海未「……やりますね、ことり」

ことり「へへー、少しは見直してくれたかな?」エッヘン

海未「ええ。その推理に私の考えも合わせると、ある程度、犯人を絞り込めましたよ」

ことり「ほんとっ? 聞かせて聞かせてっ!」

海未「あなたが犯人です、ことり」

ことり「だいぶ絞ったねっ!?」
 


457: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 23:19:33.89 ID:YbBfnzMO.net

    
ことり「わ、私じゃないよっ! ていうか、なんで私なのーっ!?」プンプン

海未「いや、どう考えてもあなたが一番怪しいですし……。というか、あなたしかいないでしょう」

ことり「そんな……。い、いくら私がこんなんでも、何の根拠もなしに決めつけるのはよくないんじゃないかなーっ!?」

海未「根拠なんていくらでもありますよ……。いいですか、ことり。そもそも先ほど言った通り、犯人は『スイッチを知っている人物』にまで、既に絞られてるんです」

海未「いえ、スイッチは真姫の部屋から盗まれたんですから……正確には、『真姫がスイッチを持っていることを知っている人物』です」

海未「一昨日、練習終わりの帰り道で、私は『真姫にスイッチを返した』ことを、あなたに伝えましたよね? スイッチが盗まれたのも、一昨日です……」

ことり「あ、あの後すぐに私が真姫ちゃんの部屋に行って、盗んだって言うの……っ!?」

海未「ええ。あの時あなたは『一人で帰れる』と言って、私と別れました。あの後急いで移動すれば、真姫より早く彼女の家に辿り着けたかもしれません」

ことり「違うよ……っ! あの後はすぐに、家に帰ったもんっ!」

海未「家には誰かいましたか?」

ことり「い、いなかったけど……」

海未「では帰った時間を証言できる人物はいませんね。それで、先に真姫の家に着いたあなたは、彼女の部屋の窓が開いてることに気づき、そこから侵入したんです」

ことり「二階だよっ!?」

海未「知ってます。ですから先ほどあなた自身が言ったじゃないですか。木を登って窓から飛び移ったのではないかと……」

ことり「き、木を登ることなんて私、できないよ……」

海未「子供の頃、穂乃果とよく木登りしていたじゃないですか」

ことり「子供の頃の話でしょっ!? あの高さの木を登るなんて、今の私には怖くて無理だよ……っ!」

海未「……では、命綱があったらどうですか?」

ことり「い、命綱……? なにそれ。ロープみたいなものを、私がたまたま持ってたっていうの……?」

海未「たまたまではありません。だってあなたは、『いつもロープを持ち歩いてる』んですから」

ことり「……あ、あはは、おかしなことを言うなぁ。いつもロープを持ち歩いてる女子高生が、どこにいるの?」

海未「これはあなたのカバンの中に入っていたものです」タラッ

ことり「それは穂乃果ちゃんを縛るための縄だよっ!!」

海未「だからこれを命綱にして、木を登ったんでしょうっ!?」
 


460: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 23:37:27.90 ID:YbBfnzMO.net

 
ことり「くぅ~……っ! だ、大体なんで私がスイッチを使ってまで、凛ちゃんをほのキチにするのっ!?」

海未「動機の話ですか? そんなの簡単です」

海未「あなたはあの日、凛と派手に喧嘩をしてたじゃないですか。あの時あなたは自分を否定する凛に対して、『凛も自分とそう変わらない』というような主張をしていましたね」

海未「それに対し凛は『違う』と、『一緒にするな』と返しました……。その言葉に苛立ちを覚えた、あなたは――」

海未「スイッチを使って凛を、無理やり『自分と同じ』にすることを考えたんです。自分と同じ、ほのキチに……」

ことり「なっ……ち、違う、私はそんなこと、考えてない……」

海未「……」

ことり「お、おかしいよ……。だってほら、覚えてるでしょ? 私はおトイレに行ってたから、海未ちゃんに聞かされるまで、穂乃果ちゃんが部室で凛ちゃんと会ってるなんてこと、知らなかったんだよ……っ!?」

海未「……本当は、あなたが二人を部室に呼んだんでしょう?」

ことり「えっ……? な、なにを言ってるの? 穂乃果ちゃんはメールで、凛ちゃんに呼び出されたんでしょ?」

海未「そうです。『あなたが凛の携帯から打ったメール』で、ね」

ことり「っ!?」

海未「トイレに行っていたというのは嘘で、あなたはまず凛のところへ向かい、携帯を借りたんです……。理由はどうとでもなるでしょう。とにかく彼女の携帯を借りてメールを打ち、穂乃果を部室へと呼び出した……」

海未「同時に凛にも、『穂乃果ちゃんが部室で話をしたがってる』とでも言って、部室へ向かわせたんです。こうして凛と穂乃果が部室で二人きりになる状況を、作った……」

ことり「は、はは……。無理だよ、そんなの……。あんなに私を嫌がってた凛ちゃんが、携帯なんて貸してくれるわけないでしょ……?」

ことり「それに喧嘩したばかりで、まだ仲直りもしてなかったのに……」

海未「それぐらい、演技でどうとでもなるでしょう?」

ことり「……えっ?」

海未「必死に謝って、反省して、元のことりに戻った『フリ』をすれば……。心優しい凛なら、すぐに許してくれるでしょう」

海未「そんな、凛の優しさに……あなたはつけ込んだんでしょう? いつも穂乃果に、そうしてるように……」

ことり「……」



ことり「……どう、して」
 



464: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 23:53:51.26 ID:0n6zckgP.net

ってなんでですか~



465: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/27(木) 23:55:20.87 ID:YbBfnzMO.net

 
ことり「どうして……? どうして信じてくれないの……?」

海未「凛を、騙して……。穂乃果も、騙したんでしょう? あなたなら、やりかねません……」

ことり「違う……。違うもん……。私じゃないもん……」

ことり「そ、そうだ。凛ちゃんに聞いたら、すぐ分かるよ。私が凛ちゃんと話してないって……。凛ちゃんを部室に向かわせた人が他にいたら、その人が犯人だよ……」

海未「もちろん聞きましたよ。何度もね。最初はまともに取り合ってくれませんでしたが、何度も話しているうちに、彼女が『何も覚えていない』ことが分かりました」

ことり「お、覚えてない……?」

海未「そうです。事件前の記憶が、ごっそり抜けてしまってるんです。これも、ほのスメルの影響でしょうか……とにかく彼女からは、犯人の情報は全く得られませんでした」

ことり「じゃ、じゃあ花陽ちゃんだ……。凛ちゃんといつも一緒にいる花陽ちゃんなら、私が凛ちゃんのところに来てないことも……」

海未「花陽の話では、凛はあの時『一人で』、実験室に忘れ物を取りに行っていたそうです。しかしそれきり彼女は、帰ってこなかった……つまり、犯人が接触したのはその時です」

海未「ですから花陽からも、情報は得られませんでした。ここまで計算ずくだったのなら、犯人はかなりのやり手ですね……」

海未「……それで他に、ありますか? あなたがその犯人でないと、証明できそうな話は……」

ことり「……私じゃ、ない」

海未「……そうですか、残念です。では――」

海未「せめて最後に、自分の罪を認めてください。そして……ただちにスイッチを、返してください」

海未「それで凛が元に戻るわけではないですが……。現状を打破できるわけでもありませんが、それでも……」

海未「あなたが反省してくれるのなら、私は今回限りはあなたを許そうと思います……。真姫にも一緒に謝りに行きましょう。今回だけは……」

海未「本当に、今回限りです……。これで本当に、最後です……。本当に……ですから、ことり――」

ことり「私じゃないの、海未ちゃん……。お願い、信じて……」

海未「……」
 


470: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/28(金) 00:08:35.91 ID:pI56AsQh.net

  
海未「……」

海未「……分かりました。では、話はもう終わりです」

ことり「う、海未ちゃん……?」

海未「……」スタスタ

ことり「ま、まって海未ちゃんっ! 違うの、本当に違うのぉっ!」ギュッ

ことり「信じて、信じてよぉっ! 私はやってないっ! スイッチも持ってないっ! 本当なのっ!」

ことり「本当、なのぉ……っ! うっ、うぅ……、し、信じて、海未ちゃぁん……っ!」グスッ

海未「……離してください」バッ

ことり「あっ……ま、まって、待ってよぉっ!」

ことり「海未ちゃん……っ! うっ、ぅ、お願い、待って、私の話を、きいてぇっ!」

海未「ことり……っ!」

ことり「海未ちゃん――」




海未「あなたなんて、大嫌いですっ!!」
 


473: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/28(金) 00:14:02.43 ID:pI56AsQh.net

  
ことり「――っ!!」

海未「……絶交です。さようなら」

ことり「ま、まってえっ!」

ことり「グスッ、まって、やだ、やだぁあっ! ぜっこう、やだぁ……っ!」ポロッポロッ

ことり「うみちゃん……っ! うみぢゃぁあん……っ! う、えぐっ……」

ことり「うええぇええん……っ! やだ、やだよぉぉ……っ!」

ことり「しんじでよぉ、ひぐっ、う、うみぢゃぁん……っ! ふえぇええぇん……っ!」


海未「……」


「な、なにあれ?」

「どうしたんだろ……? 喧嘩?」


ヒソヒソ ヒソヒソ


海未(……どうしてですか、ことり)

海未(どうして、認めないんですか? そこまで、あのスイッチが大事なんですか……?)

海未(私たちとの関係よりも……? だとしたら、あなたは本当に何もかも、元に戻らなくて良いと思っているのですか……?)

海未(……それとも本当に犯人は、他にいると?)

海未(いえ、そんなはずは……。何度考えてもことり以外に怪しい人物はいませんでしたし、ことりが犯人なら腑に落ちます……)

海未(だからあれもきっと演技で、嘘泣きなんでしょう……)
 


521: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 21:33:11.42 ID:EJ5XpgVn.net

 
――――

放課後……

屋上


凛「穂乃果ちゃぁん……。はぁん、落ち着くにゃぁ~///」スリスリ

穂乃果「り、凛ちゃん……。その、練習しなきゃ……」

凛「もうそんなことはどうでもいいのにゃ……。凛はずっとこうしてたいよ……///」スリスリ

穂乃果「で、でもぉ……」

凛「あ、でも練習終わりの穂乃果ちゃんの汗の匂いは、すっごく嗅ぎたいかも……? うぅ~ん」

穂乃果「……っ!?」ゾクッ



にこ「そろそろ止めた方がいいわね……」

絵里「ええ……。でも凛はことりに比べるとなんだか、ソフトな感じがするわね」

にこ「そうでもないわ。あいつの場合、無理やり止めようとすると、思いっきり逆ギレしてくんのよ……」

絵里「それは怖いわね……。花陽が相手なら少しはマシになりそうだけど」

にこ「まあ、無理でしょ。今の花陽じゃ……」



希「花陽ちゃん、一緒にストレッチしよか?」

花陽「はい……」

希「……元気出して、花陽ちゃん。きっと凛ちゃんもまだ、花陽ちゃんのこと……」

花陽「いいんです……。凛ちゃんはもう、私のことなんて嫌いなんです……」

希「花陽ちゃん……。そんなこと、ないよ……」

花陽「もういいです……。分からないんです……。私には凛ちゃんが、何を考えてるのか……」

希「……大丈夫や。二人はずっと、仲良しやったんやから。きっとすぐにまた、仲直りできるよ……」ナデナデ

花陽「うぅ……」
 


525: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 21:42:35.41 ID:EJ5XpgVn.net

  
真姫「……海未。ことりは?」

海未「帰りましたよ」

真姫「そう。珍しいわね、穂乃果がいるのに、ことりが練習にこないなんて」

海未「ええ。代わりに凛が穂乃果にくっついてしまっていますが……。しかしことりがいないだけで、随分楽ですよ」

真姫「このまま二度と来なければいいのに……」

海未「……」

真姫「……なんて馬鹿なこと、思ってないでしょうね?」

海未「まさか……。そこまでは流石に思ってませんよ。μ'sは、9人でμ'sです」

真姫「ならいいけど……」

海未「ただ……」

真姫「ただ?」

海未「……ラブライブで勝つことはもう、諦めるべきかもしれませんね」

真姫「……」

海未「メンバーがこんな状態では、練習も捗りませんし……。本番で力を出し切ることも、無理でしょう」

海未「私たちは、きっと……。本戦に出場することもなく、負けるんです」

真姫「……ねえ。やっぱり、ことりが犯人だったの?」

海未「……さあ」

真姫「さあ、って……。あんた、確かめたんじゃないの?」

海未「確かめましたよ……。どう考えても、犯人はことりです。ただ彼女は最後まで、それを認めませんでした……。それだけです」

真姫「そう……」

海未「……」

真姫「……言っとくけど、私は諦めないからね、ラブライブ」

海未「真姫、あなた……」

真姫「ふん……」
 


526: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 21:51:22.58 ID:EJ5XpgVn.net

 
――――

次の日……

教室



穂乃果「でね。お父さんが、新作のほむまんを開発中でねー」

海未「ほう……。それは是非、食べてみたいですね」

穂乃果「私も手伝ってるんだっ。できたら一番に海未ちゃんに、食べさせてあげるね?」

海未「ふふっ。楽しみにしています」

海未(少しずつですが、穂乃果に元気が戻ってきてるようです……。よかった……)

海未「……」チラッ


ことり「……」ブツブツ……


海未(……しかし今日のことりは、どうしたのでしょうか? いつもなら教室に入るなり、真っ先に私たちのところに来るのに、今日は一人で席に座ったまま……)

海未(それに、よく聞こえませんが、なにか独り言のようなことを……?)


スクッ


海未(……っ! 席を立ちました。あっ、こちらを見て……。やはり、来ますか……っ!?)バッ


ことり「……」

ことり「……っ」クルッ


ストン

ブツブツ……


海未(振り返って席に戻り、また座って独り言を……。さっきからこれの繰り返しです……っ!)

海未(何か様子が、おかしい……。やはり昨日のことを、気にして……?)

海未(……いえ、ことりのことです。私と絶交したことなんて、気にも留めてなさそうですね……)
 


528: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 21:59:50.19 ID:EJ5XpgVn.net

 
ことり「……」ブツブツ……


ヒソヒソ ヒソヒソ


「ねえ……。最近の南さん、やっぱおかしいよね?」

「穂乃果ちゃんに変なことばっかしてるよね……。前は絶対、あんな子じゃなかったのに……」

「今日もなんか、様子がおかしいし……」

「ちょ、ちょっと。私今、南さんの近くにいて、独り言聞いちゃったんだけど……」

「えっ。な。なんて言ってたの?」

「ずっと『穂乃果ちゃん』って、言ってた……」

「は……?」

「『穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん』って、何度も……」

「うわっ……」

「なにそれ、こわっ……」

「正直……気持ち悪い、かも」



ことり「……のかちゃん」ボソッ



ことり(ほのかちゃんほのかちゃんほのかちゃんほのかちゃんほのかちゃんほのかちゃん――)
 


531: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:05:47.28 ID:EJ5XpgVn.net

 
――――

放課後……

部室



穂乃果「今日も練習頑張ろうね、海未ちゃん」

海未「そうですね」

海未(……ことりはまだ教室に残っていましたが、今日も練習には参加しないつもりなのでしょうか?)

穂乃果「あっ……」ゴソゴソ

海未「どうかしました?」

穂乃果「練習着、教室のロッカーに入れっぱなしだった……。取りに行かなきゃ」

海未「あぁ……」

海未(教室には、ことりが……)

海未「私が取りに行きましょう。穂乃果はここで待っててください」

穂乃果「えっ、でも……」

凛「穂乃果ちゃぁん、今日、凛と一緒にストレッチしよぉ?」

穂乃果「えっ? あ、えっと」

にこ「ダメよ凛、穂乃果はにことするんだから」

凛「はぁ~? 凛の穂乃果ちゃんを、横取りしないでほしいにゃ」

にこ「いつからあんたのになったのよっ!」

海未(ここには凛がいますが、今はみんなが穂乃果を守ってくれます。大丈夫でしょう……)
 


532: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:10:27.68 ID:EJ5XpgVn.net

 
――――

教室


海未(もうほとんど生徒は残っていませんね……)


バチィンッ!


海未「――っ!?」


ドサッ


女子A「あんたさ……。ほんと、なにやってんの?」

女子B「いい加減穂乃果ちゃんの気持ち、考えなよ」

ことり「……っ」

海未(な、なんですか……? 今、ことりが叩かれたんですか……?)

海未「ど、どうしたんですか? なにがあったんですか?」

女子A「あっ、園田さん……。見てよ、その子が手に持ってる袋」

海未「……穂乃果の、練習着?」

女子B「南さん、穂乃果ちゃんの練習着を、盗もうとしてたんだよ」

海未「なっ……!?」

ことり「……」

女子A「園田さんがいないからって、そんなことするなんて……。あんた、サイテーね」

女子B「でも安心して、園田さん。私たちが代わりに南さんを、こらしめといてあげたから」

海未「……っ!」

女子A「ねえ、南さん。流石に、キモすぎるよ」

女子B「練習着なんて盗んで、なにするつもりだったの? 南さんって、変態だったんだ?」

ことり「……」

女子A「何とか言ったらどうなのっ!?」

海未「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!」
 


533: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:14:52.36 ID:EJ5XpgVn.net

 
女子A「えっ……?」

海未「あ、ありがとうございます。ここからはもう、大丈夫です。私がきつく、言っておきますから」

女子B「そ、そう?」

海未「ええ。バッグを持っているところを見ると、お二人はもう、帰るところだったのでしょう?」

女子A「そうだけど……。じゃあ、あとは園田さんに任せるね」

女子B「もう二度と南さんに、こんなことさせないでよ。穂乃果ちゃんが悲しむ顔なんて、私たち、見たくないから」

海未「はい、私もです……」


スタスタ……


海未「……大丈夫、ですか?」

ことり「うん、平気……。海未ちゃんのビンタに比べたら、あんなの全然へっちゃらだよ」

海未「それならよかったです……。では、どういうことか説明して頂きましょうか」

ことり「……」

海未「……ことりっ!! あなたはスイッチだけじゃなく、穂乃果の練習着まで――」

ことり「……はい、海未ちゃん」スッ

海未「えっ?」

ことり「私、今日も練習休むから……。それ、穂乃果ちゃんに届けてあげて?」

海未「……」

ことり「それじゃ……」

海未「待ってください」

ことり「……」

海未「あなた、もしかして……。これを穂乃果が忘れていることに気づき、届けようとしていただけなんじゃ……?」

ことり「……」


スタスタ……


海未(ことり……?)


534: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:20:55.33 ID:EJ5XpgVn.net

 
――――

下駄箱



真姫「ことり」

ことり「……」

真姫「今日も練習、サボるつもり?」

ことり「……真姫ちゃん。どうして、ここに?」

真姫「ここで待ってれば、あんたに会えるかと思っただけ。それより、私の質問に答えて」

ことり「うん。サボるつもり」

真姫「あっそ。次からはちゃんと、出なさいよ。ラブライブまで、時間ないんだから」

ことり「ラブライブか……ふふっ」

真姫「なにがおかしいのよ」

ことり「今の今まで忘れてたよ、ラブライブなんて……。そういえばそのために、私たちは頑張ってるんだったね」

真姫「あんたね……」

ことり「分かったよ。サボるのはこれで最後にする……。ところで、私も一つ、聞いていい?」

真姫「なによ?」

ことり「真姫ちゃんも私のこと、疑ってるの?」
 


535: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:28:27.48 ID:EJ5XpgVn.net

真姫「……まあ、ね」

ことり「そっか……」

真姫「だって『スイッチ』のことと『ほのキチ』のことを知ってるのは、私とあんたと、海未だけだもの」

真姫「……どう考えても、あんたが一番怪しいわよ」

ことり「……」

真姫「でもね、ことり……。私は別に、誰が犯人だろうが、どうだっていいの」

ことり「……えっ?」

真姫「例えあんたが犯人でも……。あんたが私の部屋に忍び込んで、あのスイッチを盗んだんだとしても……私は別にあんたを責めるつもりはないわ」

真姫「それが違う、誰かでもね……。だってスイッチなんて本当は私、どうでもいいんだから」

ことり「……」

真姫「あんたや海未は、えらくアレにこだわってるみたいだけど……。匂いがどうとか、私には正直馬鹿らしくて、ついていけないって感じ」

真姫「だから別に、スイッチとかどうでもいい……。なんなら返さなくったって、いいわよ」

真姫「ただ……。使うなら『レベル2』か、せいぜい『3』までにして。凛みたいなことに他の誰かがなるのは、二度とごめんだから」

真姫「ま、あんたが持ってるならの話だけど」

ことり「……えっ、と?」

真姫「ん……。つまりね、だから、その……。私に対しては、あまり気を遣わなくていいわよ、ってこと」

ことり「……??」

真姫「だからっ! 困ってることがあるなら、私にいつでも相談しなさいってことっ! いつまでも暗い顔してんじゃないわよ、バカっ!」

ことり「……」

ことり「……ふふっ、ありがと、真姫ちゃん」

真姫「んっ!」


537: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:33:56.90 ID:EJ5XpgVn.net

――――

帰り道


スタスタ……


穂乃果「今日も練習、疲れたねー」

海未「今日からは少し練習メニューを増やしましたからね……」

穂乃果「でもそれだけみんなも、頑張ってたよね。これならきっと私たち、ラブライブでも勝てるよねっ」

海未「……そう、ですね」

海未(いえ、ラブライブはそんなに甘くありません。チームがバラバラの今の状態では、とても勝つことなんて……)

海未(……って、穂乃果が諦めてないのに、私が諦めてどうするんですか。もうやめましょう、こんなことを考えるのは……)

穂乃果「ねえ、海未ちゃん。お腹すいたし、どこか寄ってかない?」

海未「……そんなに食べてばかりいると、太りますよ。ダメです」

穂乃果「えー。ちょっとぐらい、いいじゃん」

海未「ダメです」

穂乃果「海未ちゃんの、おにー」

海未「誰が鬼ですか……」

海未(……あれ? なんだか穂乃果との会話の調子が、前のように戻ってきているような……)

穂乃果「ふふっ……。海未ちゃん。手、繋いでもいい?」

海未「えっ!?」

穂乃果「えへへー」ギュッ

海未「……っ!!」ドキッ


海未(そ、そういえば……。ここ最近は色々あったので、すっかり忘れていました……)

海未(ですが改めて今こうして、普通に彼女と接してみて、はっきりと思い出しましたよ……)

海未(穂乃果が可愛すぎるという事実を……っ!)
 


539: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:43:27.69 ID:EJ5XpgVn.net

  
海未「ほ、穂乃果……」

穂乃果「えー?」ニコニコ

海未「い、いえ……」

海未(可愛い……。どうしましょう、可愛いです……。い、意識してしまったら、急に胸がドキドキしてきました……)

海未「手を繋ぎたい、なんて……。穂乃果は本当、甘えたがりですね……」

穂乃果「えー、そうかなぁ? きっと、海未ちゃんだからだよ」

海未「そ、そうですか、わたしだからですか……」

穂乃果「うんっ」ギュッ

海未(あぁ、穂乃果から、良い匂いがします……。これだけ近づくと流石に、スイッチ無しでも彼女の匂いが鼻に届きますね……)

海未(久しく忘れていました……。これこそ私が幼少の頃から嗅いできた、増幅されていない穂乃果のいつもの匂い……)

海未(素材本来の香り、ほのスメル『レベル0』……っ! な、なるほど、今になって改めて嗅いでみると、これはこれで……)


穂乃果「……ふふっ」

穂乃果「海未ちゃん……」

海未「あぁ~」スンスン



穂乃果「いつも穂乃果を守ってくれて、ありがとうね……」ボソッ



海未「あぁ……。あ、今何か言いましたか、穂乃果?」

穂乃果「えっ? う、ううん、何でも――」

穂乃果「……」ピタッ

海未「……? どうしました?」

穂乃果「……」




穂乃果「ことりちゃん……?」

ことり「……」
 


540: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:48:56.82 ID:EJ5XpgVn.net

  
海未「っ!! ことりっ!?」

バッ

海未「あなた……。帰ったはずじゃなかったんですかっ!?」

ことり「……」

海未「ま、まさか……。私たちをここで、待ち伏せしてたんですか……っ!?」

ことり「……穂乃果ちゃん」スタスタ

穂乃果「……っ! あっ……」ビク

海未「っ! 離れてください、ことりっ! これ以上私たちに近づいてくるのなら――」


ペコ


ことり「……」

海未「……」

穂乃果「えっ……?」

海未「ことり……あなた、何をして……」

海未(ことりが、私たちに……。いえ、穂乃果に……)


海未(……頭を、下げた?)


ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「こ、ことりちゃん……?」


海未(頭を下げた……ということは、まさか――)


ことり「穂乃果ちゃん……。お願い、します……」





 

ことり「匂いを、嗅がせてください……っ!」
  



541: 名無しで叶える物語(聖火リレー)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:51:33.23 ID:fILkEiAl.net

ダメダコリャ



544: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 22:54:55.96 ID:EJ5XpgVn.net

  
海未「……は?」

穂乃果「……えっ」

ことり「お願い……。今すぐ穂乃果ちゃんの匂いを、嗅がせてほしいの……」

ことり「20秒……ううん、15秒だけでいいから、嗅がせて……。嗅がせて、くださいっ!」

ことり「お願い……っ! お願い、します、穂乃果ちゃん……っ!」

海未「あなた、なに言ってるんですかっ!?」

ことり「……」

海未「あ、あなたね、穂乃果に頭を下げて言うことが、それですかっ!? ば、馬鹿なんじゃないですかっ!?」

海未「それよりもまず、謝罪でしょうっ!? 私はてっきり、ようやくあなたが穂乃果に謝る気になったのかと……そう思ったのにっ!」

海未「ことり……っ! あなたは頭を下げてまで、穂乃果の匂いを嗅ぎたいんですかっ!?」

ことり「……穂乃果ちゃん。私たち、幼馴染、だよね……?」

穂乃果「……う、うん」

ことり「じゃあさ、ことりを、助けてよ……。ちょっと匂いを嗅がせてくれるだけで、いいの……」

ことり「それだけで、ことりは救われるの……。だから、お願い……」

海未「ことりっ! あなたはまたそうやって、穂乃果を騙そうと――」

穂乃果「いい、よ……?」

海未「っ!? 穂乃果……っ!?」

穂乃果「大丈夫だよ、海未ちゃん。なんかことりちゃん、いつもと違う感じだし……。ちょっとだけなら私、我慢できるから」

海未「なっ……」

ことり「……ありがとう、穂乃果ちゃん」
 


547: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 23:00:28.29 ID:EJ5XpgVn.net

 
……


ことり「……じゃあ、するね」

穂乃果「う、うん……」

海未「……15秒ですからね。それ以上は、穂乃果が許しても私が許しません」

ことり「分かってるよ……」ギュッ

穂乃果「……」

海未(……確かにいつもとは様子が、違います。いつものことりなら、匂いを嗅ぐのにわざわざ頼みを入れたりしません)

海未(ことり……一体、何を考えて……?)

ことり「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「うん……」

ことり「……」スンスン

穂乃果「んっ……」

ことり「……」スゥゥ

穂乃果「……//」

ことり「……んん」ギュゥ

穂乃果「あっ……。ぅ……//」

ことり「穂乃果ちゃん……」クンクン

穂乃果「こ、ことりちゃん……//」


スンスンスンスン……


海未(な、なんですかこの状況は……。なんで私は幼馴染が幼馴染の体を貪るように嗅いでいる光景を、黙って見ているのですか……っ!?)
 


548: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 23:09:18.49 ID:EJ5XpgVn.net

  
ことり「……」ギュウゥ

穂乃果「うっ、うぁ……」

ことり「んっ……。むぐっ……」ムギュ

スゥゥゥッ


海未(な、なんだかことりの嗅ぎ方が、激しくなってきているような……)

穂乃果「ひゃ……。あ、やぁ……///」

ことり「はぁ、はぁ……」スンスン

穂乃果「あっ、あぁ……」

ことり「はぁ……。んぅ……」スゥゥゥ

海未(二人とも、顔が真っ赤です……。息も荒くなってきているような……)

海未(な、なんだかよく分かりませんが、すごく、ハレンチです……。なんですかこれ……なんですか、これ……っ!?)

海未(知りませんよ……っ! こんな、こんな感覚は……っ!)



穂乃果「はぁ、ぁ……」

ことり「んん、ん……」スゥスゥ

穂乃果「う、ぁ……」

ことり「ん~……」ギュゥ

穂乃果「あっ、あぁ……」

ことり「はぁ、はぁ……。穂乃果ちゃん――」スンスン

海未「というか、いつまで嗅いでるんですかっ!? もう1分は経ちましたよっ!?」
 


549: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 23:17:53.77 ID:EJ5XpgVn.net

  
ことり「ん~っ……!」ムギュ

穂乃果「……っ//」

ことり「……」スゥゥ

ことり「ぷはぁっ……!」フラッ

ドサッ


海未「や、やっと離れた……っ!」

穂乃果「はぁ、はぁ……」

海未「穂乃果、平気ですか……?」

穂乃果「う、うん。ちょっと怖かったけど、平気だよ……」

ことり「ふぅ~……。あはっ。あははっ」

海未「……ことりっ! なにがそんなにおかしいのですかっ!?」

ことり「穂乃果ちゃん、ありがとうね」

穂乃果「……えっ?」

ことり「ふふっ……やっぱり穂乃果ちゃんの匂いを嗅ぐと、頭が冴えるなぁ。おかげでやっと、分かったよ」

海未「今までずっとですけど、何を言ってるんですかあなたは……」

海未「というかそんなところにいつまでも座ってると、スカートが汚れますよ。立ってください」スッ

ことり「ありがと、海未ちゃん」ギュ

グイッ

海未「まったく、あなたは……。いいですか。こんなことは、もう二度と――」

ことり「ねえ、海未ちゃんっ」

海未「……なんですか」

ことり「犯人は、真姫ちゃんだよ」
  



550: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 23:19:15.28 ID:z41kkk7Y.net

な、なんだってー!!


552: 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2015/08/29(土) 23:20:25.50 ID:2Y54n+1h.net

こいつはキマってやがる



606: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:09:35.86 ID:q8I7KpUa.net

  
――――


ことり「そもそもね。よく考えたら、一番怪しいのは私なんかじゃなくて、真姫ちゃんだったんだよ」

ことり「だって、そうでしょ? 最後にあのスイッチを持ってたのは、真姫ちゃんなんだから」

ことり「だから……一度は疑ってみるべきだったんだよ。確かにほのキチでもない真姫ちゃんを疑うことなんて、優しい海未ちゃんには難しかったかもしれないけど」

ことり「それでも一度は疑うべきだったんだ。真姫ちゃんが『嘘をついてるんじゃないか』、ってね」

ことり「確かにスイッチが『本当に盗まれた』んだとしたら、犯人は私以外に考えられないかもしれない……。でも、そうじゃなかったんだ」

ことり「スイッチは、盗まれてなんかいない。全部私に罪を被せるための、真姫ちゃんの嘘だったんだ」

ことり「でも……だとしたら今も真姫ちゃんは、スイッチを持ってるのかな?」

ことり「つまり凛ちゃんと穂乃果ちゃんを部室に誘き出したのも真姫ちゃんで、スイッチを押して凛ちゃんをほのキチにしたのも、真姫ちゃんなのかな……?」

ことり「うん、違うよね。だって真姫ちゃんはあの時、廊下で海未ちゃんと話をしてたんだもんね。そんなこと、できるわけない」

ことり「スイッチを4回押すぐらいなら、海未ちゃんの目を盗んでできたかもしれないけど……。押すタイミングが分からなきゃ、押せないもんね」

ことり「だからあの時の真姫ちゃんの役目は、ただ海未ちゃんを穂乃果ちゃんから引き離すことだけだったんだ」

ことり「つまり真姫ちゃんは、『実行犯』じゃない……。ここまで言えば、頭の良い海未ちゃんなら分かるよね?」

ことり「そう……。犯人は、『二人』いる」

ことり「一人は、真姫ちゃん。でも今スイッチを持っているのは、真姫ちゃんじゃない……」

ことり「持っているのは、『もう一人』の方。真姫ちゃんは私たちに、スイッチは『盗まれた』なんて言ってたけど……。本当はその人に、スイッチを『渡してた』んだ――」
 



608: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:12:31.45 ID:mgThWk6I.net

マジかよまきちゃん



612: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:23:49.12 ID:q8I7KpUa.net

 
――――


次の日(土曜日)……


神田明神



真姫「正解よ」

海未「……」

真姫「スイッチを盗まれたっていうのは、嘘。本当はスイッチは、『ある人』に渡していたの。『スイッチを貸してほしい』って、頼まれてね……」

海未(頼まれた……? ということは、私やことりの他にもスイッチのことを知る人物が……?)

海未「……『ある人』とは、誰ですか?」

真姫「言えるわけないでしょ」

海未「では、どうして貸したのですか? 私はあれほどあのスイッチは危険であると、言っておいたはずですが」

真姫「『その人』の目的に、ある程度共感できたから、かしらね。少なくとも私はあのスイッチは、そうやって使うべきだと思ったわ」

海未「人を無理やりほのキチに変えることが、あのスイッチの正しい使い方だと言うのですか……?」

真姫「まあ……。本質はそこじゃないけどね」

海未「……そういえば『ほのキチ』という呼称も、あなたが付けたものでしたね……。しかし今思い返してみれば、あの時のあなたは何か変でした」

海未「あの時点ではまだ、ほのキチはことり一人だけだったんです。なのにあなたはわざわざ、彼女にそんな呼び名をつけた……」

海未「まるでこれから、ことり以外にもほのキチが生まれることを、知っていたかのように……っ!」

真姫「……」

海未「真姫……っ! あなたと、あなたがスイッチを渡した『ある人』の目的とは、『凛をほのキチに変えること』ですかっ!? だとしたらそれに一体、何の意味が……っ!」

真姫「……バカね。凛だけを変えても、意味なんてないわよ」

海未「は……?」

真姫「特別に教えてあげる。『私たち』の目的は――」



真姫「『μ'sのメンバー全員をほのキチに変えること』、よ」
  


617: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:31:52.30 ID:q8I7KpUa.net

  
海未「なっ……」

真姫「……」

海未「なにを、言ってるんですか……? あなたは一体、何を考えてるんですか……?」

真姫「……まあ、理解できないでしょうね。あんたには」

海未「わ、分かりませんよ……。ですからそんなことをして、一体何の意味があるっていうんですか……?」

真姫「言う必要はないわ」

海未「……っ! あなた、分かってるんですかっ!? μ'sが全員ほのキチになるなんて……。それが一体、どれだけ恐ろしいことなのか、分かってて言ってるんですかっ!?」

海未「まさか、ほのキチになった凛の姿を見てもまだあなたは、あのスイッチの危険性を理解してないのですか……っ!?」

真姫「危険……? ええ。確かに使う人によっては、あのスイッチは危険なものになり得るかもしれない」

真姫「特にことりや海未、あんたたちみたいな人の手に渡れば、ね……」

海未「は……? どうしてそこで私の名前が……?」

真姫「でも『あの人』は違う。『あの人』ならスイッチを、正しく使ってくれる……」

海未「……真姫。あなた、言いましたよね。『私はラブライブを諦めない』、と……」

真姫「……」

海未「μ'sのメンバー全員の『ほのキチ化』などといった事態になれば、それどころじゃなくなりますよ……っ!? それでも、いいんですかっ!?」

海未「それともまさかあの言葉すら、嘘だったのですか……っ!?」

真姫「……はぁ」

海未(どうして真姫が、このようなことを……。一体彼女に、何があったのですか……っ!?)
 


618: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:38:55.54 ID:q8I7KpUa.net

   
「おーいっ! 二人ともーっ!」


タッタッタッ……


海未「っ!? あれは……穂乃果? どうしてここに……」

真姫「あぁ、やっときた。私が呼んだのよ。『今日は海未も呼んで、神社で三人で練習しないか』、って」

海未「……えっ? れ、練習?」

真姫「そうよ。休みの日だって練習しなくちゃ。ラブライブはもう、近いんだし」

海未「……」

海未(……おかしい。真姫を呼んだのは私の方なのに、どうして真姫が、穂乃果を……?)

海未(いえ、それよりどうして彼女はこんなにもあっさり、自分が犯人であることを認めて……)

真姫「ねえ、海未……」

海未「……はい?」

真姫「あんたの目にはさ……私たちのしてることは、どう映ってる?」

海未「……そんなの、決まっています」

海未「あなたたちのしていることは、最低な行為です。人の気持ちを無理やり捻じ曲げることなんて、許されるわけがない……それで穂乃果が悲しむことになるのなら、なおさらです」

真姫「……まあ、そうよね」

海未「なにが言いたいんですか……?」

真姫「いや、あんたも迂闊ね……って思っただけよ。だってスイッチはまだ、『こっち側』にあるのに」

海未「……っ!」

海未(まさか……っ!)



海未「穂乃果っ! こちらに来ては――」

真姫「これ以上邪魔されると面倒だわ。あんたもここで、『ほのキチ』になっちゃいなさい」
 
 


620: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:49:50.00 ID:q8I7KpUa.net

    
「……ありがとう、真姫ちゃん」

「先に『あっち』で、待っててね……」

「これであと、『4人』――」



「……?」

「あれは……」




タッタッタッ……



穂乃果「お待たせ、二人とも――えっ?」

真姫「なっ!?」


グイッ!


海未「っ!?」

ことり「わーっ! 海未ちゃん、こんなとこにいたんだぁっ! 探したよー?」

海未「こ、ことりっ!? あなたまで、なぜここに……っ! というか、どこからっ!」

ことり「もぉー。今日はことりのバイトを手伝ってくれる約束でしょー?」

海未「ええっ!? ま、またあのような恰好を……?」

ことり「よーし、れっつごーっ!」

海未「わぁっ!? ちょ、ちょっと――」


グイグイ……



真姫「……」

穂乃果「……あ、あれ?」
 


622: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 22:55:53.56 ID:q8I7KpUa.net

 

タッタッタッ……



ことり「ふぅ~。ここまでくれば大丈夫かな?」

海未「はぁ、はぁ……。こ、ことり、あなた……」

ことり「あはは。危なかったねー、海未ちゃん。もう少しで、『私みたいに』なるところだったねえ」

海未「……ずっと、見ていたんですか?」

ことり「うんっ。海未ちゃんの後をつけてて、大体行き先が分かったから、先回りして神社の境内に隠れてたの」

海未「ど、どうして私の後をつけてたんですか……」

ことり「昨日、言ってたでしょ? 『明日、真姫に直接真実を確かめてくる』、って」

ことり「でもそうなったら、真姫ちゃん側も何か仕掛けてくると思ったから……。だから今日一日はずっと、海未ちゃんを見守っておくことにしたんだぁ」

海未「……」

ことり「おかげでバイトはサボりになっちゃったけど……。あ、気にしないで。海未ちゃんのためなら、バイトの一日くらい――」

海未「……ことりっ!!」


バッ


ことり「……えっ?」

海未「本当に……本当に、ごめんなさいっ!!」

海未「あなたを疑ってしまって、ごめんなさいっ! 私が、間違っていました……っ!」

海未「あなたは犯人ではありませんでした……。なのに私は、あなたを疑って……。酷いことも、たくさん言って……」

海未「ごめんなさい、ことり……」

ことり「……」
  


628: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 23:03:25.68 ID:q8I7KpUa.net

  
ことり「……顔を上げて、海未ちゃん」

海未「こ、ことり……?」

ことり「謝ることないよ。ことりが怪しかったのは、事実だもんね。犯人だって思われても、仕方がないよ……」

海未「そ、そんな……。私は、最低です……っ! 大切な幼馴染を、疑って……」

ことり「えっ。まだ私のこと、幼馴染だって思ってくれるの?」

海未「あ、当たり前じゃないですかっ!」

ことり「……それじゃ絶交も、取消し?」

海未「えっ? あっ……。は、はい、取り消しです。あの話は、なかったことにしてください……」

ことり「ほんとっ? よかったぁーっ! えへへっ」パァ

海未(……もしかして、本当にあのことを気にしていたのですか? ここ最近、様子がおかしかったのも……)

海未「ことり……。本当にごめんなさい……」

ことり「ふふっ。もういいってばー」

海未「私はあなたを、誤解していたのかもしれません……」

ことり「……?」

海未「あなたの人格が歪んでしまったことで私は、その変化を受け入れきれず、一方的にあなたを悪い人だと決めつけていました……」

海未「でも……そうじゃなかった。いえ、穂乃果に対するセクハラ行為は困ったものですが、それでも……」

海未「それでもやっぱりあなたは、ちゃんと『ことり』だったんですね。あなたはやっぱり私のよく知る、大切な幼馴染でした……」

海未「それが分かったいま私は、あなたが無理に元に戻る必要はないのではないかとさえ思います。今のあなたを否定する意味は、もうないのだから……」

ことり「……」
 


629: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 23:12:40.49 ID:q8I7KpUa.net

  
ことり「……海未ちゃん、私ね」

海未「……?」

ことり「私ね。実は最近、ちょっとだけだけど、元のことりに戻ってみてもいいかなって、思うときがあるの」

海未「っ!? それは、本当ですか……?」

ことり「うん……。なんだかたまにね、頭のここら辺が、ズキってする時があるの……」

海未「……? それは一体……」

ことり「分かんない……。分かんないんだけど、でもね、海未ちゃん……。私、なんだかね――」



ことり「ほのキチになったあの日から、なにか大切なことを、忘れてる気がするの……」



海未「……」

海未「それは『常識』とか、『理性』とかじゃないですか?」

ことり「ううん。きっと、それよりも大切なことだよ……」

海未「そ、それよりも大切なことがあるんですか……。それはともかく、まさかあなたが自分から『元に戻りたい』という日がくるとは……」

ことり「うん……。海未ちゃん、協力してくれる?」

海未「……ふふっ。何を言ってるんですか」


スッ


海未「あなたが『協力して』と言うのなら、私は何でも協力しますよ。幼馴染でしょう?」

ことり「……海未ちゃん」
  


631: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 23:19:53.94 ID:q8I7KpUa.net

ガシッ

ことり「ありがとう。私も海未ちゃんに、最後まで協力するよ」

海未「……そうですね。まだ、終わってませんもんね」

ことり「うん……。真姫ちゃんたちのやろうとしていることを、なんとしてでも止めよう」

ことり「これ以上……私や凛ちゃんみたいな人たちを、増やさないためにも」

海未「ええ……そうですね」


海未(真姫……。ほのキチでもないあなたが、一体なぜあのようなことを……?)

海未(それに、ことりに罪を被せようとするなんて……。いくらことりがほのキチだからって、あの真姫がそんなことするなんて……)

海未(やはり彼女が言っていた、『あの人』というのが気になります。『あの人』なる人物が、真姫を変えてしまったとしか思えない……)

海未(一体、何者なんですか……? 私たちは一体、何と戦っているのですか……?)



『つまりね、だから、その……。私に対しては、あまり気を遣わなくていいわよ、ってこと』

『困ってることがあるなら、私にいつでも相談しなさいってことっ! いつまでも暗い顔してんじゃないわよ、バカっ!』


ことり(……)

ことり(真姫ちゃん……。真姫ちゃんは自分が疑われないために、ことりのことを利用しようとしていたの……?)

ことり(だとしたら、あの時ことりにかけてくれた言葉も……全部、嘘だったの?)

ことり(……真姫ちゃん――)


639: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 23:48:07.85 ID:q8I7KpUa.net

 
――――


真姫「……はぁ」

真姫(まさか、ここでことりが出てくるなんて、ね……)

真姫(二人で示し合せてたのかしら……? いやでも、海未の反応を見た限りだと、あれはことりの独断専行か……)

穂乃果「海未ちゃんが、連れてかれちゃった……。バイトって言ってたけど、真姫ちゃん、なにか聞いてた?」

真姫「……」チラッ

真姫(それでも早くスイッチを押しちゃえば、まだ何とかなったのに……。なにやってんのよ、あいつは……)

穂乃果「真姫ちゃん……?」

真姫(まだ覚悟を決めきれてないのかしら……。まったく、話を持ちかけてきたのは、あんたの方でしょ……?)

真姫(とにかく、作戦は失敗か……。はぁ。貴重な休日を、無駄にしたわ……)

穂乃果「真姫ちゃんっ!」

真姫「えっ?」

穂乃果「ど、どうしたの? さっきからずっと、怖い顔をしてるけど……」

真姫「……は? 私が、怖い顔?」

穂乃果「うん……。もしかして海未ちゃんのこと、怒ってる?」

真姫「えっ、いや……」

穂乃果「あのね、最近海未ちゃんずっと忙しそうだから、つい予定を忘れちゃったんだと思うの。だから、許してあげて……?」

真姫「……」


真姫(穂乃果……。あんた目の前のヤツに、利用されてるのよ? 自分の置かれた状況も知らないで、なに言ってんだか……)

真姫(ほんっと、バカなんだから……)

真姫(……それにしても)

真姫(怖い顔、ね……。いつの間にか私、そんなに余裕がなくなっちゃってたんだ……)
  


641: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/08/31(月) 23:58:17.58 ID:q8I7KpUa.net

 
穂乃果「それにしても……どうしよっか。海未ちゃんいなくなっちゃったし、二人で練習する?」

真姫「……穂乃果」

穂乃果「なに?」

真姫「こうして二人でいると……。あの時を思い出すわね」

穂乃果「あの時って……?」

真姫「初めてあんたと出会った時よ。あの時も、私とあんたは二人きりで……」

穂乃果「えっ……。でもあの時は音楽室だったけど、今はお外だよ……?」

真姫「……あの時のあんたには、驚かされたわ。いきなり、『アイドルやってみたいと思わない?』とか……ほんと、意味わかんない」

穂乃果「わぁっ! そんな前の話、今更言わないでよぉ~……」

真姫「でも……最近になってようやく、気づけたわ。あの時あんたは私に、大事な『意味』をくれた――」

真姫「そしてそのおかげでいま私はこうして、ここにいるんだ、って」

穂乃果「……えっと、どうしたの、真姫ちゃん? 急に……」

真姫「穂乃果っ」

穂乃果「な、なにかな……?」

真姫「もう多分、きっと……『今の私』はあんたとはもう、二度と会えないから」

真姫「だから最後に、言わせて」

穂乃果「えっ……?」

真姫「あの時……」


 



真姫「あの時『アイドルみたいに可愛い』って言ってくれて、嬉しかった」

真姫「私をμ'sに誘ってくれて、ありがとうっ。穂乃果――」
 


643: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/01(火) 00:05:47.37 ID:Bq6PNAWf.net

 

ダキッ

穂乃果「っ! えっ!? ま、真姫ちゃんっ!?」

真姫(あぁー、恥ずかしい……。なにしてんのよ、私)

真姫(でも、ここまですれば分かるでしょ? 『あんた』が次に、なにをすべきか……)

真姫(……これで、私の役目は終わり。あとは、あんたの仕事よ)

真姫(正直、あんただけでこの先やってけるか、不安だけど……。でもまあ、大丈夫でしょ)

真姫(あんたにはあのスイッチと、ほのキチがついてるから――)

穂乃果「ま、真姫ちゃん、本当に、どうしちゃったの? なんか、変だよ……?」

真姫「穂乃果……ごめんね」

真姫「今までずっと、ごめん……。そして、これからも……」

穂乃果「えっ……?」

真姫「私はこれからおかしくなって、私が私じゃなくなって、それで……。あんたに酷いことをいっぱいするかもしれないし、変なこともたくさんするかもしれない」

真姫「それでも……どうか私を、受け入れて……。『私たち』を、受け入れて……。そうすれば、きっと……」

穂乃果「真姫、ちゃん……?」

真姫「μ'sは……。μ'sは、きっと――」


ブワァッ!


真姫「――っ!!」


フラッ


穂乃果「ま、真姫ちゃんっ!?」

真姫(あぁ……そっか……)

穂乃果「真姫ちゃん、どうしたのっ!? 真姫ちゃんっ!」

真姫(これが……『ほのスメル』、なんだ……。この、におい……このかんかくが……)

真姫(うん、わるくない、わ……。やっと……わたしにも、わかっ……)



ドサッ……
 
 


648: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/01(火) 00:32:54.36 ID:Bq6PNAWf.net

  
――――――


二日後(月曜日)……



海未「真姫が言っていた、『あの人』……」

海未「『あの人』などいう他人行儀な呼び方をしていたのは、正体を悟られないようにわざとでしょう」

海未「実際は、かなり親しい間柄の人間に違いありません。あの真姫が手を組もうとする相手なんて、限られていますから」

ことり「……となると、やっぱり」

海未「考えたくはありませんが……。μ'sの誰か、でしょうね」

海未「そして私の考えでは、その人物は……。これからはその人物を、『犯人』と呼ぶことにしますが……」


海未「犯人は既に、『ほのキチになっている』可能性が高いです」


ことり「……うん、そうだね。私もそう思う」

海未「この一連の事件の犯人は、ほのキチです。これは、ほのキチがほのキチを生み出すために起こされた、事件だったんです」

海未「真姫は言っていました。『μ'sのメンバー全員をほのキチにする』のが目的だと。最初はそれにどんな意味があるのか、理解できませんでしたが……」

海未「犯人がμ'sのメンバーであり、さらにほのキチであると仮定すれば、納得がいきます。きっと犯人は、『μ'sのみんなでほのキチになりたかった』のだと」

海未「μ'sというグループの中で、ほのキチという少数派でいることが、寂しくて……犯人はみんなも一緒に、巻き込もうとしたのでしょう」

海未「そして――」


海未「知ってのとおり、先日、真姫までもがほのキチになってしまいました」
  


649: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/01(火) 00:41:29.70 ID:Bq6PNAWf.net

    
ことり「でも真姫ちゃんは、犯人の目的に共感してたんだよね?」

海未「ええ。ですからきっと真姫は、最初からほのキチになる気だったのでしょう。犯人の計画に協力しようと、決めた段階で……」

海未「『みんなも一緒に自分と同じほのキチになってほしい』。そんな寂しそうな犯人の、訴えを聞いて……真姫は犯人に、協力したのでしょう」

海未「自分もほのキチになることを、受け入れた上で……」

ことり「あのね、海未ちゃん」

海未「はい?」

ことり「私なりにね、犯人の気持ちを考えてみたんだけど……」

海未「……聞かせてください」

ことり「犯人が、みんなをほのキチにしようとしたのは……確かに寂しかったっていうのも、あるかもしれないけど」

ことり「ほのキチってね。なってみると分かるんだけど、すごく幸せな気分になれるんだよ」

海未「……」

ことり「もちろん、普通の人には理解できないだろうけど……。だから犯人のほのキチは、みんなにその感覚を理解してもらいたかったんじゃないかな?」

ことり「頭ごなしに、否定するんじゃなくて……実際に『なってみて』、みんなに理解してほしかったんじゃないかな」

ことり「犯人はみんなにも、ほのキチになるっていう『幸せ』を、知ってもらいたかったんだと思うの……だから、こんなことを……」

海未「……なるほど。そういった見方もあるんですね……」
  


650: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/01(火) 00:44:05.36 ID:Bq6PNAWf.net

  
海未「ありがとうございます、参考になりました。やはりほのキチが味方にいると、心強いですね」

ことり「ひ、久しぶりに、海未ちゃんに褒められた……っ!」キラキラ

海未「……問題は、誰が犯人のほのキチなのか、ですが」

ことり「……あれ? でもそういえば、スイッチを持ってたことがあるのって、犯人に渡る前は、海未ちゃんか私か真姫ちゃんだけだよね?」

海未「そうですね」

ことり「でも犯人は、事件の計画を思いついた時には……スイッチを真姫ちゃんから借りた時には、もうほのキチになってたんだよね?」

海未「……はい」

ことり「じゃあ、犯人はいつ、ほのキチになったの……?」

海未「……私の考えが正しければ、犯人はことりよりも先に、ほのキチになっていた可能性があります」

ことり「……っ!? えっ、そんな前から……?」

海未「はい……。犯人は、末恐ろしいほのキチです。そんな前から、異変に気づかれないように、ほのキチであることを隠しきっていたというのですから……」

ことり「まさか穂乃果ちゃんと一緒にいて、理性を保ち続けられるなんて……そんなほのキチが、いるなんて……」

海未「やはりほのキチ側から見ても、異常ですか……」

ことり「うん……。そういえば私、凛ちゃんと真姫ちゃんとも、話したんだ。何かヒントがもらえるかと思って……」

海未「ほんとですかっ!? なるほど、ほのキチ同士なら、彼女たちも心を許して、話をしてくれるわけですね……っ!」

ことり「といっても、凛ちゃんはやっぱり、犯人のことは覚えてなかったし……。真姫ちゃんも計画のことまでは、話してくれなかったけど……」

ことり「それでも結構、良い話ができたよ。例えばね――」
 


652: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/01(火) 00:53:21.74 ID:Bq6PNAWf.net

    
ことり「――……。こんなところ、かな」

海未「すごいです……。やはりことり、あなたが味方で、本当に良かった……っ!」

ことり「えっ……? え、えへへ、まさかそんなに、喜んでもらえるなんて……」テレッ

海未「お手柄ですよ、ことり。そうなると……」

海未「『μ'sのメンバー全員をほのキチにする』といっても、穂乃果だけはほのキチにすることができない――」

海未「そしてなぜ犯人は、『メンバー全員のほのキチ化』が目的であるにもかかわらず、『全員を一斉にほのキチ化』しようとはしなかったのか――」

海未「――この二点が疑問でしたが……今、解決しました。そしてこれまでの考えを、まとめると……」

海未「……」ブツブツ

ことり「……」

海未「……私の考えを聞いていただいても、よろしいですか?」

ことり「うん、聞かせて?」

海未「……――――」

ことり「……そっか。だとすると――」

海未「――――」

ことり「――――」



……



海未「……なるほど」

ことり「そうなると、やっぱり……」

海未「ええ。犯人は――」
  


653: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/01(火) 00:59:54.17 ID:Bq6PNAWf.net

  
……



ピピッ



海未「……ん、時間ですね」

ことり「あ、ほんとだ」

海未「それでは、手筈通りに……」

ことり「うん、分かった。それじゃあ……」

海未「ええ……」




海未「部室に、向かいましょう」




海未(『ほのスメル増幅スイッチ』に纏わる、この一連の事件は……)


海未(今日中に、私たちが終わらせます――)




そして、数分後……


アイドル研究部部室に、穂乃果、凛、真姫を除く……




μ'sのメンバー『6人』が、集結した。


 


714: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 20:54:26.60 ID:Y8nf6A+N.net

  
――――

部室


にこ「昼休みだってのに急に呼び出して、何なのよー?」

絵里「大事な話って、メールでは言ってたけど……」

花陽「……もしかして、凛ちゃんや真姫ちゃんのこと?」

希「っ! 真姫ちゃんまで倒れちゃった時は、流石におかしいと思ったけど……」

希「……あの二人のこと、何か分かったん?」

ことり「……」

海未「ええ……。今日呼び出したのは、そのことについてみんなにお話するためです」

にこ「どういうこと? ことりもだけど……。三人が急に倒れた原因が、分かったっていうの?」

海未「その前に4人には、ある『スイッチ』のことをお話ししなければなりません」

絵里「スイッチ……? 確かことりも前に、そんなことを……」

海未「ええ。そのスイッチは、押すとほのスメル、すなわち穂乃果の体の匂いを増幅させることができるんです」

にこ「……は??」

花陽「……えっと」

海未「スイッチはボタンを押すごとに、5段階までスメルを増幅させることができます。『レベル2』までで十分な効果が得られ、『レベル3』までいくと常人にはやや刺激の強い匂いとなります」

海未「そして、『レベル4』に達すると……常識を遥かに超えた、ほのスメルとなります。嗅いだ人間の意識を、失わせるほどの……」

絵里「ちょ、ちょっと……」

希「まさか……」

海未「そして意識を取り戻したとき、その者はほのスメルのことしか考えられない、中毒症状発症者――『ほのキチ』になってしまいます」

海未「私たちμ'sに起きた、一連の失神事件の……これが、真相です」
  


718: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 21:02:00.83 ID:Y8nf6A+N.net

  

「「……」」


にこ「……ちょっと、アホらしすぎてついていけないわね」

絵里「え、ええ、悪いけれど……。ていうか、穂乃果の匂いって……ねえ」

花陽「う、うん……///」

希「えっと……つまりことりちゃんも凛ちゃんも真姫ちゃんも、穂乃果ちゃんの匂いを嗅いだから、倒れちゃったってことなん?」

ことり「そうだよ。私の場合は事故だったんだけど。通学途中に穂乃果ちゃんがスイッチを拾って、うっかり4回押しちゃったんだ」

にこ「拾ったって……」

海未「私が落としたんです。元々は真姫の物だったんですが、私が貰って……。でも最終的には、真姫に返したんです」

海未「……しかしその真姫が、何者かに協力し、スイッチを渡したんです」

海未「そしてその何者かが、スイッチを使って無理やり凛をほのキチに変え、真姫さえもほのキチに変えてしまいました」

絵里「何者か……?」

花陽「あ、あの、ほのキチって、その……」

海未「……最近のことりたちは様子がおかしかったでしょう? あの状態が、ほのキチです。レベル4を嗅ぐと、人はほのキチになってしまうんです」

絵里「ま、まって、整理させて……。意味が全然分からないわ。あなた一体、何を言ってるの?」

海未「落ち着いてください……。そしてできれば、信じてください」

にこ「信じろって言ったって……。じゃあそのスイッチとやらを、出しなさいよ」

ことり「それは、できないんだ……。私たちはそのスイッチを、持ってないから」

にこ「じゃあ、誰が……」

海未「言ったでしょう? スイッチは真姫が、何者かに渡しました。そしてその何者かが、凛や真姫をほのキチに変えた、『犯人』なんです」

希「……犯人?」

海未「ええ……そして――」



海未「犯人は、この中にいます」
 


723: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 21:16:03.95 ID:Y8nf6A+N.net

  
にこ「は……? なに、それ……」

海未「……」

にこ「なによ、それ……。つまりあんたは、仲間を疑ってるって言うの……?」

海未「……ええ。そういうことになります」

にこ「ふざけんじゃないわよっ! 頭おかしいんじゃないのっ!? そんな変な話をいきなりされて、疑われるこっちの身にもなりなさいよっ!」

希「に、にこっち……」

ことり「にこちゃん、海未ちゃんの話を、信じてあげて?」

にこ「信じられるわけないって言ってんのっ! ことり、あんただって――」

ことり「うん、実際に倒れてほのキチになった私が言ってるんだよ? それでも信じられない?」

にこ「……っ!」

絵里「……待って。匂い……? そういえばことりも、凛も……」

海未「ええ。今までの二人の様子を思い返してみれば、分かりますよね?」

絵里「確かに二人とも、『匂い』に異常に固執していたような……」

花陽「ま、まさか、本当に……」

にこ「……」

海未「……話を戻します。この中に、凛と真姫をほのキチに変えた人物がいる……」

海未「そして……私の推測ではその人物もまた、ほのキチです」
 
 


725: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 21:29:20.66 ID:Y8nf6A+N.net

  
希「……えっ?」

海未「犯人は、ほのキチです……。その目的は、『μ's全員を自分と同じほのキチにすること』だったんです」

絵里「えっ……。ちょっと待って。ほのキチって、ことりがそうなんでしょう?」

海未「ことりは、犯人ではありません。これは私が、保証します」

絵里「でも他にこの中で、穂乃果の匂いに固執してるような人なんて……」

海未「それは……尻尾を出していないだけです。犯人は、その事実を今日まで隠し続けながら、ここにいるんです」

花陽「……そんなことが」

ことり「できるはずないん、だけどね……。だけど、その犯人が『ほのキチになった状況』を思い返すと……。もしかしたら、って海未ちゃんは考えたんだ」

にこ「……言ってみなさいよ。そいつはいつ、ほのキチとかいうのになったの?」

海未「……犯人は、計画を思いつき、真姫にスイッチを借りる時には既に、ほのキチになっていた……」

海未「だとしたらその前に、スイッチが押された時です……。穂乃果がいて、犯人も近くにいるという状況で、スイッチが押された時……」

海未「そんな状況に、私は心当たりがあります。それはことりがほのキチになるよりも、もっと前……」

海未「私が真姫からスイッチを貰ってすぐに、部室でスイッチの『試し押し』を行った時です」

にこ「……なんですって?」

希「……そ、それって、いつぐらいの話なん?」

海未「二週間ほど前、です」

希「二週間前……?」

花陽「部室……? 匂い……?」

絵里「……あっ!?」



『や、やばい……やばいわよ、この匂い……っ///』

『はぁ、はぁ……///』

『身体が、熱い……////』

『ふわぁあぁ……っ! これ、ほんまにあかんっ////』


ガタンッ!


にこ、絵里、花陽、希「「あの時かぁーっ!!」」
 


726: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 21:38:58.33 ID:Y8nf6A+N.net

  
にこ「う、うわ、思い出した、そうよ、そうだわっ! 『匂い』よっ!」

絵里「なるほど……。あ、あれは、穂乃果の匂いだったのねっ!?」

花陽「う、わ、わわ……っ///」カァァァ

希「そ、そっか、そうやったんや。あ、はは……。あれがつまり、スイッチで増幅されたっていう……」

海未「『ほのスメル』です。ようやく、信じてもらえましたか」

ことり「そう。実はみんな、もう……。ほのスメルを一度、嗅いでたんだよ」

にこ「な、なんで隠してたのよっ! あの場で言いなさいよっ!」

花陽「そ、そうだよっ! あの匂いが気になって私、夜も眠れなかったんだよぉっ!?」

海未「言えるわけないでしょうっ!? あんなスイッチ使ってるなんて知られたら、変態だと勘違いされるじゃないですかっ!」

にこ「ちょっとっ! その言い方だと、あの後も使ってたように聞こえるわよっ!?」

海未「えっ!? そ、それは……」

希「海未ちゃん、『試し押し』って言ってたけど……。その後は、どんな風に使ってたん……?」

海未「べ、別に大したことには使ってませんよっ! 通学途中に『レベル1』を押して、優雅な朝を堪能したりだとか……っ!」

希「あ、うん……」

海未「穂乃果を部屋に連れ込んで、『レベル2』を部屋に充満させて楽しんだりとかっ!」

にこ「うわぁ……」

海未「彼女を押し倒して、『レベル3』をTシャツの中で嗅ごうとしたりとかっ! せいぜいその程度ですっ!」

ことり(やってること、私とほとんど変わらないような……)
 


729: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 21:50:24.97 ID:Y8nf6A+N.net

  
にこ「分かったっ!」

海未「えっ?」

にこ「あんたが犯人でしょ」

海未「違いますよっ! 私は探偵役ですっ!」

絵里「でもあなた自分で、『犯人はほのキチだ』って言ったじゃない」

海未「私はほのキチでもありませんっ!」

花陽「えっ!? 違うのっ!?」

希「違うんや……。よう分からんなぁ」

ことり「み、みんな、聞いて? 海未ちゃんは変態さんだけど、犯人ではないよ?」

海未「変態でもありませんっ! とにかくあの時ほのスメルを嗅いで、ほのキチになってしまった人がこの中にいるはずなんです……っ!」

絵里「……でもあの時は、誰も倒れた人なんていなかったわよ?」

花陽「そういえば……」

にこ「そうよ。そもそもあんたはあの時、その……『レベル』、だっけ? いくつまで上げてたのよ?」

海未「『3』ですよ」

にこ「ならおかしいじゃない。『レベル4』ってのが特にヤバくて、それを嗅いだらほのキチになっちゃうんでしょ?」

海未「私も最初は、そう思っていましたよ。ほのキチになる条件は、『レベル4』以上を嗅ぐことだと……」

海未「だけどよく考えてみたら、そうとは限らないんです。例えば私やことりは、『レベル3』を嗅いでもほのキチにはなりませんでしたが……」

海未「それは私たちが穂乃果との付き合いが長い分、ほのスメルに『耐性』があったからだとも考えられます」

海未「つまり耐性のない人なら、『レベル3』でもほのキチになってしまう可能性だって、十分に考えられるんです……」
 


730: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 21:58:49.74 ID:Y8nf6A+N.net

 
にこ「……なによそれ。じゃあ結局、私たち4人全員が怪しいってこと?」

海未「いえ、そうとは限りませんよ。あの時みんなが同じ条件下で、『レベル3』を嗅いだわけではありませんから」

花陽「と、いうと……?」

海未「そうですね。例えば……距離」

希「……っ!」

海未「距離が近ければ、それだけ匂いも強く感じられ、ほのキチに至る可能性も高まる……。と、いうわけで――」

海未「あの場で最も穂乃果から距離が遠かった、絵里は容疑から外しても良いでしょう」

絵里「えっ? あっ……。や、やったっ!」

にこ「ちょ、ちょっと待ってよ……。じゃあ、私たちは?」

海未「……三人は特にあの時、穂乃果の近くで匂いを嗅いでいましたよね」

にこ「うえっ!?」

花陽「っ!!」

希「そ、そんな……」

海未「あなたたち三人の誰かが、ほのキチです……」

にこ「……」

にこ「……なるほど、分かったわ」

花陽「えっ……?」

にこ「花陽、あんたが犯人ね」

花陽「えぇーっ!?」
 


740: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:08:35.53 ID:Y8nf6A+N.net

  
花陽「どうして、にこちゃんっ!?」

にこ「理由は簡単よ。あんたさっき、『あの匂いが気になって夜も眠れなかった』とか言ってたじゃない」

にこ「私は別にそこまでじゃなかったわ。はい、きゅーいーでぃー」

花陽「待ってくださいっ! 私が凛ちゃんを、スイッチで無理やりほのキチにしたって言うんですかっ!?」

にこ「あんたはほのキチなんだから、親友の凛のことをほのキチ側に引き込もうとしても、おかしくはないわ」

花陽「うっ……、で、でも、にこちゃんの方こそ怪しいよっ!」

にこ「はぁっ? なに言ってんのよ。私は別に穂乃果の匂いなんて、興味ないし」

花陽「さ、最近のにこちゃんは、妙に穂乃果ちゃんと一緒にいる機会が多い気がしますっ! 練習前のストレッチとか、いつも穂乃果ちゃんと一緒だよねっ!?」

にこ「な、なに言ってんのよっ! あれは穂乃果をほのキチ共から守るためにねえっ!」

花陽「そうだ、思い出したっ! 例の部室の時も、にこちゃんだけ明らかに匂いへの興味が強かったように思いますっ!」

にこ「そんなことないわよっ! 二週間も前の話だからって、適当なこと言ってんじゃないわよっ!」

花陽「ううん、はっきり覚えてるよっ! 部室中を歩き回って、匂いの元を探ってましたっ!」

にこ「ぬっ、ぐぐ……」

希「ふ、二人とも、一回落ち着こ? まずは海未ちゃんの話を聞いて――」

にこ「あんただって怪しいのよ、希っ!」

希「ウチもっ!?」
 


742: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:17:09.91 ID:Y8nf6A+N.net

  
にこ「思い出したわっ! あの時一番穂乃果の近くにいたのは、あんただったわっ!」

希「えっ? そ、そうやったっけ……」

花陽「あ、そういえば、そうだった気も……」

にこ「そして匂いを嗅いで一番蕩けた顔してたのも、あんただったっ!」

希「なっ!? そ、それは言い過ぎやってっ!」

花陽「うーん。確かに、そうだったような……」

希「に、にこっちなんか顔真っ赤にして、鼻息フーフーいわせてたやんっ!」

にこ「し、失礼ねっ! スーパーアイドルにこにーが、鼻息なんて吹かすわけないでしょっ!?」

花陽「うぅーん……」

にこ「鼻息で言えば絶対、花陽がダントツだったわよっ!」

花陽「ええっ!? わ、私っ!?」

希「じゃあ鼻息ランキングは花陽ちゃんがトップやなっ! なんならトロ顔ランキングも、花陽ちゃんかなっ!?」

花陽「どっちも私じゃないですっ! 特に鼻息のトップは、絶対私じゃありませんっ!」

にこ「うっさいわねっ! 鼻息は花陽、トロ顔は希で決まりでしょっ!?」

絵里(はやくかえりたいな……)ボーッ

にこ「言っとくけど、あんたも怪しいんだからね、絵里っ!!」

絵里「はっ!? 私は容疑から外れてるでしょっ!?」

海未「あの……」
 


743: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:26:45.49 ID:Y8nf6A+N.net

  
海未「とりあえず、話を続けてもいいですか?」

にこ「ていうかあんたには犯人が誰なのか、もう分かってんでしょっ!? もったいぶらずにさっさと言いなさいよっ!」

海未「順序というものがあるんですっ! いいですか、私の考えでは、ほのキチにも色々あるんですっ!」

花陽「どういうこと?」

海未「例えば凛と比べると、ことりにはまだ、理性が残っています。今はこうして、私に協力してくれますしね」

ことり「……うん」

海未「二人は同じ『レベル4』を嗅いだのに、この違いはなんでしょうか?」

海未「それは先ほども言った、ほのスメルに対する『耐性』にあると考えられます」

絵里「凛は耐性がなくて『重度のほのキチ』になってしまったけど、ことりには耐性があるから、凛よりも軽度で済んだ、ということね……?」

海未「はい。つまり同じほのキチでも、症状の度合いはそれぞれ違うんです」

海未「そして、『レベル4』よりも刺激の少ない『レベル3』でほのキチになった犯人は……より理性が残っていると、思われます」

希「だから犯人は今まで、ほのキチであることを、隠してこれた?」

海未「そういうことです。いわば犯人は、『不完全なほのキチ』なんです」
 



744: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:33:35.06 ID:ScYaL7i6.net

無能探偵が2人もいる無能警察もいる
迷宮入りやね



745: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:46:50.55 ID:Y8nf6A+N.net

 
希「……本当にじゃあ、ウチら三人の中に?」

にこ「全部を知った上で、まだ事実を隠してるヤツが、いるってことなの?」

花陽「……信じたくないよ、そんなの」

海未「犯人の目的は、『μ'sのメンバー全員のほのキチ化』です……」

海未「……だけどきっと犯人には、悪意なんてないんです」

にこ「……」

海未「間違っても犯人は、ほのキチ化によりμ'sを崩壊させようなどとは、思ってないはず……。私たちはそういう結論に、達しました」

花陽「……」

海未「あの時、部室でたまたまほのキチになってしまった、犯人は……。仲間であるμ'sのみんなにも、自分と同じほのキチになってほしくて、計画を考えたんです」

希「……」

海未「理由は、寂しかったから……。あるいは、理解してもらいたかったから。どちらにせよ――」

海未「犯人は、μ'sが好きだからこそ、こんなことをしたんです」

ことり「……」

海未「犯人をほのキチにしてしまった責任は、私にあります。ですから私が犯人の正体を、暴きます」

海未「その鍵となるのは……。これまでスイッチによるほのキチ化のターゲットに選ばれた、『二人』です」

花陽「……えっ?」

希「それって……」
 


746: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:53:35.33 ID:Y8nf6A+N.net

 
絵里「『二人』……」

絵里「……そういえば、どうして犯人はこれまで、μ'sのメンバーを『一人ずつ』ほのキチ化してきたの?」

にこ「そういえば、そうね。全員をほのキチ化したいなら、練習中とかみんなが集まってる時に、やっちゃえばいいのに」

海未「犯人は一斉にメンバー全員をほのキチ化するんじゃなくて、ゆっくり時間をかけて、徐々にほのキチ化を進めていくつもりだったんです」

にこ「だから、どうしてそんな回りくどいこと……」

海未「……穂乃果ですよ」

花陽「穂乃果ちゃん……?」

海未「μ'sのメンバー全員とは言っても、穂乃果だけは、ほのキチ化することはできない――」

海未「ということは、犯人の計画が達成されたとき……。μ'sは穂乃果1人と、ほのキチ8人になってしまいます」

にこ「た、確かに……。でもそんなの、あまりにも穂乃果が……」

絵里「……犯人は結局、ほのキチのことしか考えてないの? 穂乃果はどうなっても、いいって言うの?」

絵里「もしそうなら……いくら悪意がなくたって、許せないわ」

ことり「……ほのキチの考え方はね、普通の人にはきっと、理解できないと思う」

絵里「えっ……?」

ことり「私たちほのキチには一個だけ、穂乃果ちゃんに対する共通の想いがあるんだ……。凛ちゃんや真姫ちゃんにも確認したから、間違いないよ」

希「共通の想い……?」

ことり「『ほのキチは、絶対に穂乃果ちゃんに謝らない』。何でか分かる?」

海未「……」

ことり「それはね、穂乃果ちゃんがいつか私たちの好意を受け入れてくれるって、信じてるからなんだ」

ことり「穂乃果ちゃん自身が、いつか必ず私たちの行為は正しいって証明してくれる。私たちは常にそう思いながら、穂乃果ちゃんにエッチなことをしてるんだ」
 


748: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 22:59:22.08 ID:Y8nf6A+N.net

 
希「……っ!」

にこ「く、狂ってるわ……」

絵里「流石に理解、できない……。穂乃果があなたたちのしてるセクハラ行為を受け入れ、許す日が来るとでも言うの……?」

ことり「……」

海未「……ことりが味方で本当に良かったです。ほのキチのこの独特な考え方を知らなければ、犯人の計画の全容を暴くことはできなかったでしょうから……」

海未「これで分かったでしょう? メンバーを一気にほのキチ化してしまえば、きっと穂乃果は驚き、戸惑い、恐怖するでしょう」

海未「だから犯人は、周りを徐々にほのキチ化していくことで……。メンバーを一人一人丁寧に、ほのキチに変えていくことで……」

海未「穂乃果に恐怖を与えず、優しく……ゆっくりと時間をかけて、『ほのキチ』を理解させようとしたんです」

にこ「……」ゾッ

絵里「……分かったわ。それじゃあ、聞かせて。さっきあなたは、『ターゲットに選ばれた二人が鍵』だと言ったわ」

絵里「その、答えを……聞かせて」

海未「……私が犯人なら、まず自分に近しい人から順に、ほのキチ化していきます」

希「えっ……?」

海未「まず『こちら側』に引き込むなら、一緒にいる機会が多くて、仲の良い人をターゲットに選びます……。その方が後々、動きやすいでしょうからね」

にこ「……」

絵里「『ターゲットに選ばれた二人』、って……」





絵里「凛と真姫、よね……?」
 


750: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/04(金) 23:15:55.70 ID:Y8nf6A+N.net

  
絵里「……まさか」

にこ「あんたなの、花陽……?」

花陽「……えっ」

にこ「花陽……本当にあんたが、凛を……」

花陽「えっ!? あ、あの、私じゃ――」

海未「花陽ではありません」

絵里「えっ?」

海未「ほのキチ化のターゲットに選ばれた二人は……『凛』と、そして『私』です。真姫は自分の意志で、ほのキチになったんです」

海未「私は、狙われはしたものの……ことりのおかげで、ほのキチ化を免れました」

にこ「……」

絵里「狙われたのは、凛と、海未……? じゃあ二人と特に、近しい人物っていうと……」

海未「……『lily_white』は、みんな仲良しです」

にこ「っ!!」

ことり「……」

花陽「……そんな」

絵里「うそ、でしょ……?」

海未「……そう。今思い返せば、部室で試し押しをしたあの時、『あなた』だけが――」


『……あれ? 穂乃果ちゃん、香水つけてきたん?』

『うーん。やっぱり、穂乃果ちゃんから……?』


海未「あれが『穂乃果の匂い』であることに、気がついていた」

海未「匂いの正体を、理解していたからこそ……あなたはあの時レベル3で、ほのキチに至ったんです――」


 




 
 

海未「――希、あなたが犯人ですね?」

希「んー……」
 



758: 名無しで叶える物語(浮遊大陸)@\(^o^)/ 2015/09/05(土) 00:03:08.06 ID:rJpNcFrC.net

かよちんと思わせるのはミスリードを誘ってたのか!



809: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 21:23:42.13 ID:ybKz+AiX.net

 
希「ハズレ、やな」ニコッ

海未「……ハズレ、ですか」

希「うん。だってウチ、別にほのキチになってへんもん」

海未「……なんですって?」

希「それに最初に狙ったメンバーが『lily_white』の二人だったのも、ただの偶然や。凛ちゃんはともかく、海未ちゃんに関しては、真姫ちゃんが急に決めたことやもん」

海未「そ、そうだったんですか……?」

希「本当は凛ちゃんの次は、花陽ちゃんを『あっち』に送ってあげる予定だったんよ。だって可哀想で、見てられんかったんやもん」

希「凛ちゃんだけ、先に『あっち』に行っちゃって……。花陽ちゃん、すごく寂しそうやったもんな」

花陽「……え、えっ?」

希「とにかく……。残念やったね、海未ちゃん。しっかり考えてくれてたみたいやけど、海未ちゃんの推理は概ねハズレや」

海未「……ですが」

希「この時間は結構楽しかったけどね。あはは、たまにはこういうのもええなー」

ことり「……」

希「でもまあ、一つだけ海未ちゃんの推理で、当たってるところがあるとすれば……」



希「……ウチが犯人だ、って部分かな? そこだけは正解だよ、海未ちゃん」

海未「……希っ!」

ことり「希ちゃん……っ!」
 


812: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 21:36:17.31 ID:ybKz+AiX.net

  
希「あはは。いやぁ、まさかこんな形でバレちゃうなんてなぁ」

希「うん……。ことりちゃんを味方につけたのはファインプレーやったね、海未ちゃん」

海未「……」

絵里「の、希、そんな……」

にこ「……あんたが犯人だったのね、希。確かに悪戯好きのあんたなら、納得だわ」

にこ「でも今回は流石に、悪ふざけが過ぎるんじゃないの……? あんた、自分が何をしたか、分かってんの……っ!?」

花陽「希ちゃん……。本当に希ちゃんが、凛ちゃんをあんな風にしたの……?」

希「……せやで、花陽ちゃん。ウチが凛ちゃんを、スイッチでほのキチに変えたんや」

花陽「っ!!」

希「凛ちゃんから携帯を借りて、メールで穂乃果ちゃんを部室に呼び出して……。凛ちゃんも部室に向かわせて、二人を二人きりにさせたんや」

希「そしてウチは部室の外で、スイッチを4回押して……凛ちゃんを、『あっち』に送ってあげたんよ」

花陽「どう、して……」

海未「……希。凛を最初のターゲットに選んだのは、偶然ではありませんよね?」

希「……」

海未「やはり例の屋上での出来事が、理由ですか? 凛にほのキチを、否定されたから……」

希「せやね……。凛ちゃんを最初にした理由は、それで合っとるよ……」

希「でもさっきも言ったけど、ウチは『まだ』ほのキチじゃないんよ。だから凛ちゃんが言ってたことも正しいって、普通に思うで」

海未「……あなたがほのキチじゃないなら、一体どうしてこんなことを」

希「ウチはただ、μ'sがバラバラになっていくことに、耐えられなくなっただけや……」

ことり「……」


813: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 21:47:51.28 ID:ybKz+AiX.net

 
ことり「……もしかして」

海未「ことり……?」

ことり「私のためだったの、希ちゃん……?」

希「……」

にこ「ことりのため……?」

ことり「私が……私がμ'sで孤立しかけてたから、希ちゃんは……」

絵里「……っ!!」

花陽「あっ……」


『今のことりちゃんは、なんだか……怖いよ。関わり合いたくないにゃ』

『ま、まあ……そうね。関わったら、私たちもなにかされそう、かも……』

『う、うーん……。本当にことりちゃん、どうしちゃったんだろ……』


『み、みんな、それくらいにせえへん? 流石にことりちゃんが可哀想や……』


絵里「ま、まさか、希……。そういう、ことだったの……?」

ことり「希ちゃんは……ずっと私のことを、心配してくれてたんでしょ? それで、こんなことを……」

希「……だって、おかしいやん。ことりちゃんは、仲間なんだよ?」

希「いくら前のことりちゃんから、変わっちゃっても……ことりちゃんは、ことりちゃんやもん……」

希「なのにあの時は、みんながことりちゃんを冷たい目で見てた……。ウチ、怖かったんよ。あの時の、みんなが……」

希「……こんなの、ウチが望んでたμ'sの形やない。こんなにバラバラなμ'sはもう、見ていたくなかった……」


希「だからスイッチを使って、みんなをことりちゃんと同じ『ほのキチ』にしようとしたんや」

希「みんなでほのキチになれたら、そしたらもう一度μ'sは一つになれるかなって、ウチは思ったんや……」
 


815: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 22:01:21.26 ID:ybKz+AiX.net

 
絵里「……」

海未「……希。そもそもあなたはどうやって、スイッチのことを知ったのですか?」

希「海未ちゃんが真姫ちゃんにスイッチを返すところを、たまたま見ちゃって……。その時に二人がしていた話も、こっそり聞いてたんよ」

海未「あ、あの時ですか……。しかしよくあんな話を、すぐに信じられましたね」

希「部室でのことがあったからね。それでもあの時は半信半疑やったし、別にスイッチが欲しいとも、思わんかったよ」

希「だけど次の日……。あの屋上で、μ'sがバラバラになっていくのを感じた、ウチは……。計画を、思いついたんや」

希「スイッチを使って、『μ'sを変える』計画を……」

海未「……」

希「帰りに真姫ちゃんを呼び出して、すぐにその計画を話した……」

希「そしたら真姫ちゃんは、『協力する』って言ってくれた。すぐに話してよかったよ。真姫ちゃんは帰ったらスイッチを処分するつもりやったらしいけど、ギリギリ間に合ったんや」

希「真姫ちゃんからスイッチを借りたウチはまず、ことりちゃんと喧嘩してた凛ちゃんをほのキチにした……」

希「次に花陽ちゃん……の予定やったんやけど、真姫ちゃんの提案で、次のターゲットは海未ちゃんになった」

希「真姫ちゃんはその時に、海未ちゃんと一緒にほのキチになるつもりやったんよ。真姫ちゃん、早くほのキチになりたがってたから……」

にこ「ほのキチになりたがってた……? 真姫が?」

希「うん。『早くことりの気持ちを理解できるようになりたい』、って言ってたで」

ことり「……」

希「でも結局、その時ほのキチになったのは、真姫ちゃんだけだった……」

希「これはウチの、失敗……。ことりちゃんが海未ちゃんを助けようとしているのを見たら、なぜかスイッチが押せなくなっちゃったんや……」
 


821: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 22:22:42.66 ID:ybKz+AiX.net

 
ことり「……希ちゃん。真姫ちゃんが嘘をついていたのは、やっぱり私に罪を被せようとしてたから、なの?」

希「……それは、仕方なかったんよ。海未ちゃんに疑われないようにするためには、どうしても真姫ちゃんは、嘘をつく必要があった……」

希「でも真姫ちゃんは、やっぱりそこまで非情にはなれんかった。ことりちゃんに罪を被せる形になってしまったことを、すごく後悔してた……」

希「だから真姫ちゃんは、予定を変更して、早めに海未ちゃんをほのキチにしようとしたんやね……」

ことり(……じゃあやっぱり、真姫ちゃんがあの時かけてくれた言葉は、私を心配して……)

ことり(それどころか、真姫ちゃんは自分からほのキチになって、私のことを理解しようとしてくれてた――)

希「そんな真姫ちゃんの意志をついで、今度こそ、ウチは海未ちゃんをほのキチに変える予定やった」

希「その次には、花陽ちゃんも……。でもやっぱり、関係ない人を巻き込まないようにほのキチ化させるのって、難しいんよね。なかなかチャンスがなくて、今日までなにもできんかったよ」

希「で、二人をほのキチに変えられたら、最後に――」

希「にこっちとえりちに、計画の全てを話す予定だったんや」

にこ「……は?」

絵里「な、なんですって……?」
 


822: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 22:23:24.77 ID:ybKz+AiX.net

  
希「二人ならきっと、ウチのやろうとしていることを、分かってくれると思ったから……」

希「……そしたら今度は三人で、穂乃果ちゃんを説得するつもりだったんや」

希「戸惑ってる穂乃果ちゃんに、『ほのキチは怖くないんだよ』ってことを、『ただ穂乃果ちゃんが好きなだけなんだよ』ってことを、知ってもらうつもりやった……」

海未「な、なんですか、その考え方は……。あなたやはり、ほのキチになっているんじゃ……」

希「……そうやね。ウチも海未ちゃんと同じこと、考えてたよ。あの時部室でほのスメルを嗅いだとき、ウチはほのキチになったんじゃないか、って……」

希「でも多分それは、違う……。ことりちゃんたちを見てれば、自分がそうじゃないことくらいすぐに分かる――」


希「だって結局、心の奥底ではウチも、ことりちゃんが穂乃果ちゃんにしてることは変だって、思ってた……」

希「結局ウチはまだ、『こっち側』だったんや。口ではことりちゃんを庇ってても、気持ちではことりちゃんを否定してた……」

希「だからウチは、ほのキチの『成り損ない』……。ほのキチを理解しようとして、ほのキチの真似事をしていただけなんよ」
 


823: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 22:29:56.59 ID:ybKz+AiX.net

  
希「みんながほのキチになっても……穂乃果ちゃんはそれを受け入れてくれるはずやって、信じてた」

希「穂乃果ちゃんを説得して、納得してもらえたら……。その場でスイッチを押して、ウチとにこっちとえりちの三人で、ほのキチになる予定やった」

希「そしたらやっと……μ'sはもう一度、一つになれる――」

希「――はず、やったんやけどね……」

にこ「……あ、あんた、馬鹿じゃないの?」

絵里「ごめん、希……。私たちを信じてくれてたことは、嬉しい、けど……でも……」

絵里「私はそんな話をされても、多分あなたに協力しようとなんて、しなかったと思う……」

希「……そっか」

海未「希……。やはりあなたは私が試し押しをした時に、近距離でレベル3を嗅いだことで……ほのキチにはなってなかったとしても、少なからず影響が出ているようですね」

ことり「うん……。普通のままで、そこまで私たちの立場に立って、考えられるなんて……。やっぱり希ちゃんは、ほのキチに近いところまで来てると思う」

希「あはは。ことりちゃんが言うなら……本当に、そうなんかもな」

海未「ですが……手遅れではありません。あなたはまだ、元に戻れる位置にいる……」

希「……」

海未「……希。みんなに謝罪し、そして、スイッチを返してください。それでこの件は、終わりにしましょう」
 



825: 名無しで叶える物語(聖火リレー)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 22:41:25.26 ID:jxWjMAA5.net

火サスかな?



827: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:00:52.68 ID:ybKz+AiX.net

  
海未「さぁ、希……」

希「……あはは、ダメだよ」

海未「はい……?」

希「手遅れや、もう。ウチはもう、元には戻れんよ……」

海未「な、なにを言ってるんですか。あなたはまだ、ほのキチにはなってないでしょう?」

希「ううん、違うんよ。違うんや……」

海未「希……?」

希「分かってるんよ、全部。ウチはみんなに、取り返しのつかないことをしてしまった……」

希「本当は自分でも、おかしいと思ってるんよ。だってどう考えても、変だもん。こんなことするなんて、普通やない……」

希「おかしいよね……変だよね? ウチ……」

絵里「……ちょ、ちょっと?」

花陽「の、希ちゃん……」

にこ「落ち着きなさいよ、希……。どうしたの?」

希「でももう、ここまで来ちゃったら、先に進むしかないんや……。先に進めば、きっと……報われるから」

ことり「……」

海未「……希っ!」

希「だって、『今』はおかしいと思ってても……ほのキチになれたらきっと、それがおかしなことやなくて、『正しいこと』なんやって、思えるようになるはずだから――」



ガラッ!



穂乃果「希ちゃん、話って――」

希「――みんなも、ねっ!!」バッ


カチッ――

 


833: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:12:53.82 ID:ybKz+AiX.net

 

ドカァァァンッ!


希「っ!? えっ……」ビクッ

ポロッ

花陽「わわっ!?」ビクッ

穂乃果「ひゃっ!?」ビクッ

絵里「うわあぁっ! な、なに? なに?」オロオロ

にこ「ば、ばくはつ……っ!?」

海未「希。あなたが予め穂乃果を部室に呼んでおき、切り札としてスイッチを使ってくることは読めていました……」

海未「ですからあなたが持っていたスイッチは、事前に私がすり替えておきました――ことりっ!」

ことり「うんっ!」タタッ

ヒョイッ

希「あっ!?」

海未「学校に仕掛けておいた『爆弾』のスイッチと、ね……」

希「……は?」

ことり「やったぁーっ! スイッチだぁーっ!」ピョンピョン

海未「……というのはもちろん冗談で、私が持っているこのリモコンを押すと、あなたの真後ろにあるスピーカーから爆発音が鳴る仕組みです」

カチッ

ドカァァァンッ!

希「ひぅっ! あっ……な、なにこれっ!?」

にこ「そ、そういえば、見慣れないスピーカーが置いてあると思ったら……」

海未「目には目を、スイッチには、スイッチを……。これが私たちの『スイッチ』です。そして……」

海未「……『ほのスメル増幅スイッチ』の方は、返してもらいましたよっ! 希っ!!」

ことり「えへへー、スイッチが戻ってきたぁ~」スリスリ

希「……っ!!」
 


845: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:26:17.45 ID:ybKz+AiX.net

   
希(いつも部室でウチが座る席の真後ろに、予めスピーカーを置いて……)

希(ウチがポケットのスイッチに手を伸ばした瞬間に、爆発音を鳴らす……)

希(ビックリして落としたスイッチを、『すり替えた』なんて嘘をついて、ウチに拾うことをためらわせた……っ!)


希「く、ぅ……っ!」

にこ「や、やるじゃない、あんたたちっ!」

絵里「全部、作戦のうちだったのね……っ!」

海未「さぁ、スイッチは『こちら側』に渡りましたっ! 希、観念して――」

ことり「それじゃ穂乃果ちゃん、いこっかっ!」グイッ

穂乃果「えっ?」ビクッ

ことり「れっつごーっ!」


ガラッ!

タッタッタッ……


海未「――くださいっ! あなたの計画は、もはや崩、れ……?」

希「うぅっ、そんな……あ、あれ?」

花陽「あっ……ことりちゃん?」

にこ「……ん? あいつ、どこ行ったの?」

絵里「さ、さぁ……」

海未「……」
 



846: 名無しで叶える物語(わたあめ)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:27:40.71 ID:nINQremD.net

あかん


851: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:33:18.59 ID:PrTdixWX.net

やっぱりほのキチはほのキチだったか


853: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:36:05.20 ID:PdJ7LRxY.net

(・8・)「楽しかったぜ~おまえとの友情ごっこ」



856: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:38:16.21 ID:ybKz+AiX.net

  
希「……?」

花陽「えっと……」

にこ「ちょっと海未。あいつ、スイッチ持ってどこ行ったのよ?」

絵里「これも作戦よね? あなたことりに、なんて指示したの?」

海未「……」

絵里「……海未?」

にこ「ちょっと……」




海未「……」





海未「……っ」ギリギリ


  


  


海未「あの大バカ者を追いますっ!! 今すぐにっ!!」

にこ、花陽、絵里、希「「やっぱりっ!?」」
 
 



864: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:47:03.44 ID:ybKz+AiX.net

今日はここまでで。わかりにくいですが、
>>827のカチッは海未がリモコンを押した音で、希はスイッチを押せずに落としたってことにしてください。
希が持ってたスイッチは本物です。



870: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2015/09/07(月) 23:59:43.14 ID:PUQ2P5m0.net

わざわざども
乙です



906: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 21:12:27.76 ID:7et5RTkg.net

 
――――

廊下


タッタッタ……


ことり「はぁ、はぁ……あはっ、あはは……っ!」

ことり「やった……っ! やっと、私のスイッチが戻ってきた……っ!」

ことり「長かった……。でも、我慢してきた甲斐があったよ……っ! あはっ!」


『あのスイッチは、誰かに盗まれたのよ……っ!』

『……』


ことり「あの時は、嬉しかったなぁ……。思わずニヤけちゃったよ。まさかスイッチが処分されてなくて、誰かが持ってるなんて……っ!」

ことり「海未ちゃんについていれば、いつかスイッチに近づけるチャンスがあると思ってたけど……希ちゃんが持ってたんだねえ……っ!」

ことり「とにかく、これで……っ!」

穂乃果「こ、ことりちゃん……どこいくの?」ビクビク

ことり「あはは、そんなに怖がらなくていいよぉ、穂乃果ちゃん。私たちはこれから、『天国』にいくんだよっ」

穂乃果「っ!? て、天国って……」

ことり「そして今私たちが向かってる場所は、『天国に一番近い場所』。だいじょーぶ、穂乃果ちゃんもよく知っているところだからっ!」

穂乃果「……うぅ」ブルブル

ことり「いくんだ、天国に……。今度は『レベル4』なんかじゃない……っ! その先のステージに、ことりは……っ!」

ことり「あははっ! もう誰も、ことりを止められないんだからぁっ!」


穂乃果「たす、けて……。うみ、ちゃん……」
 


911: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 21:23:04.77 ID:7et5RTkg.net

 
――――


タッタッタッ……


海未「くっ、速い……っ! みんな、見失わないようにっ!」

絵里「廊下は走っちゃいけないのに、もう……っ!」

にこ「っとに、なんでにこがこんなことに付き合わなきゃなんないのよーっ!」

花陽「はぁ、はぁ……っ! こ、ことりちゃんは、一体何がしたいんだろう……?」

海未「決まってるでしょうっ! またあのスイッチを使って、ハレンチなことをしようとしてるんです……っ!」

海未「ことりは、ずっと狙ってたんです……っ! 自分がスイッチを手にする機会を、私に協力するフリをしながら、虎視眈々と……っ!」

海未「やはりほのキチなんて、信用するんじゃありませんでした……っ! また、騙されましたっ!!」ガーッ

にこ(こりゃ相当キてるわね……)

希「はぁ、はぁ……。ことりちゃん、どうして……」

海未「希っ! そもそもあなたがスイッチを簡単にとられるからいけないんですっ!」

希「えぇーっ!? う、ウチのせいなん……?」

海未「責任もって取り返してくださいっ!!」

希「はい……」シュン

絵里(さっきまで黒幕的な扱いだったのに、希……)

にこ(これが、『ことりのおやつにされる』ってことなのね……)

花陽(なんか希ちゃんが、可哀想になってきました……)
 


913: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 21:29:24.18 ID:7et5RTkg.net

 
――――

中庭


海未「待ちなさいっ! ことりっ!」

絵里「やっと追いついた……」

ことり「もー、しつこいなぁ」ピタッ

穂乃果「海未ちゃん……っ!」

海未「穂乃果……待っててください。今、助けますから……っ!」

希「ことりちゃんっ!」

ことり「あっ、希ちゃんも来たんだ」

希「どうして……? どうしてウチから、スイッチをっ!? ウチは、ことりちゃんのために……っ!」

希「ことりちゃんも、穂乃果ちゃんも、みんなも、全員が幸せになれる、μ'sにしたくて……っ! ウチはっ!」

希「ねえ、ことりちゃん……っ! ウチのしてきたことは、間違いだったんっ!?」

ことり「……あははっ、優しいね、希ちゃんは。でも……やっぱり、何もわかってない」

希「……えっ?」

ことり「なにもしなくてよかったんだよ、希ちゃんは。ことりは別に、穂乃果ちゃん以外の人のことなんてどうでもよかったんだ……」

ことり「だからことりのために、って言うなら……。希ちゃんはただスイッチを、ことりに渡してくれればよかったんだよ」

希「……っ!」

ことり「それだけでことりは、嬉しかったのに。それだけでことりは、幸せになれたのに……」

ことり「……でもそれが分からなかったなら、大丈夫。安心していいよ。希ちゃんはやっぱり、『ほのキチなんかじゃない』」

希「っ! そ、そん、な……」ガクッ

ことり「あははっ! でも最後にはスイッチを貰えたから、ことりは嬉しいよっ! ありがとう、希ちゃんっ!」

海未「……っ! ことりぃっ!!」 
 


914: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 21:35:18.77 ID:7et5RTkg.net

 
希「……ウチ、は」

絵里「……希、諦めなさい。あれが、『ほのキチ』よ」

にこ「あいつとあんたの考え方は、根本的に違うの。これで、分かったでしょ?」

希「う、うぅ……」

海未「……ことり、あなたはまたそのスイッチを使って、『レベル4』を嗅ぐつもりですか?」

ことり「えっ? あはは、やだなぁ。そんなレベルの低いステージに、もう興味ないよー」

海未「っ! では、やはり……」

ことり「そう。今日中に、ことりは……『レベル5』を嗅ぐ。うふふっ」

ことり「ことり、一体どうなっちゃうんだろぉ……楽しみだなぁ。うふふふふ……」

海未(……レベル5を嗅いだらどうなるかなんて、分かるわけありません。まだ誰も、嗅いだことがないのだから……)

海未(ただ……あれほど危険だと感じたレベル4よりも、更に恐ろしいことになるのは、間違いありません)

海未(なんとしてでも、止めなくては……っ!)


ことり「ふふっ……」

穂乃果「海未ちゃん……海未ちゃぁんっ!」

海未「穂乃果……っ!」


海未(ことりを逃がすわけにはいきません……)

海未(こちらは5人。この距離なら……全員で掴み掛れば、穂乃果もスイッチも、取り返せるはずっ!)

海未(……やるなら、今――)


「まてーっ!」
 
 


915: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 21:44:17.72 ID:7et5RTkg.net

 

ヒュゥ……

スタッ!


海未「……っ!?」

絵里「えっ……?」

ことり「あ、きたきたぁー」

花陽「……」



花陽「凛、ちゃん……?」

凛「いたた……。やっぱ無茶だったかな……よーしっ!」

凛「ふふ……っ! 穂乃果ちゃんとことりちゃんには、指一本触れさせないにゃぁー」

にこ「あ、あんた今、上から降ってこなかった……?」

ことり「……あはぁ」

海未「……凛、ですって? ことり、あなたまさか――」


スタスタ……


「はぁ……。ここにいたのね」


希「っ!? ま……」



希「真姫、ちゃん……?」

真姫「なによ、海未たちもいるじゃない……。ていうか……」

真姫「見てたわよ、凛。あんたバカじゃないの?」

凛「えへへ、『しょーとかっと』だよ。一回試してみたかったにゃ」

真姫「だとしてもやりすぎよ。二階から飛び降りるなんて……」
 


920: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 22:07:22.77 ID:7et5RTkg.net

 
にこ「は……。二階? なに言ってんの?」

ことり「さてと。それじゃ、始めよっか」スッ

凛「っ! そ、それが……例のスイッチか、にゃ?」

真姫「手に入ったのね……。ふふっ、楽しみだわ」

海未「っ!? みんな、鼻を塞いで、息を止めてくださいっ!!」

にこ「っ!」バッ

花陽「……っ!?」

絵里「うっ……!」

希「……っ!」


カチカチカチカチッ!

ブワァッ!


凛「っ!! はあぁぁぁぁ~っ//// いいいいいぃぃぃよぉ~っ!////」スンスン

真姫「っ! ふ、ふふっ、悪く、ないわ……///」スンスン

ことり「はぁ~、久しぶりの『レベル4』っ!! 穂乃果ちゃぁん~っ////」スンスン

穂乃果「ひっ!?」ビクッ

海未「っ! や、やめ……っ!」

海未(『レベル4』、ですって……っ!? なぜいきなり……っ! し、しかし――)

海未「みんな、気を付けてくださいっ! この匂いを少しでも嗅いでしまったら、ほのキチになりますっ!!」

にこ「っ! も、もうほんとに、なんなのよ~っ!?」

花陽「うわ、わ……っ!」
 


923: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 22:16:10.02 ID:7et5RTkg.net

 
海未(どういうことですか……っ!? 彼女たちもまさか、私たちのほのキチ化を企んでるんですか……っ!?)

海未(だとしたらまずい……っ? い、いえしかし、あの様子だと……)

ことり「はぁ~///」

凛「にゃぁ~///」

真姫「ん……///」

海未(なんだか、ただ『楽しんでる』だけ、という風にも見えます……)


カチカチカチカチッ

フッ


ことり「……ふぅ」

凛「あっ……。えーっ!? もう終わりーっ!?」

真姫「ふん……。続きはまた後で、ってわけ?」

ことり「うん。楽しみは、あとにとっておかなきゃね」


にこ「……っ! ぷはぁっ!」

花陽「も、もう平気みたい……」

絵里「レベルをリセットすれば、匂いが一瞬で消えるの? 一体どういう仕組みなのかしら……」

希「……」

希(今息を止めなければ、ほのキチになれたのに……。どうして、ウチは……)
 


924: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 22:25:54.11 ID:7et5RTkg.net

 
凛「ちぇー。ことりちゃん、約束だからねっ!?」

ことり「分かってるよ。ちゃんと二人にもあとで、『レベル5』を体験させてあげるから……」

真姫「……分かってるなら、いいのよ」

凛「へへー。よしっ! それじゃあ凛、頑張っちゃうよっ!」

真姫「ここは私たちに任して、先行ってなさい」

ことり「ありがとっ! それじゃ、いこっか穂乃果ちゃんっ!」グイッ

穂乃果「う、海未ちゃん、みんな……っ!」

海未「穂乃果っ! ことり、待ちなさいっ!」ダッ

凛「ここは通さないよーっ!」バッ

海未「くっ……」

海未(まさかほのキチ同士で、手を組むなんて……っ!)


『そういえば私、凛ちゃんと真姫ちゃんとも、話したんだ。何かヒントがもらえるかと――』


海未(最初から二人と、示し合せてたんですね……っ! ことり、あなたは……)

海未「……ことりぃっ!!」

ことり「……」

海未「あなた、言ってたじゃないですかっ! 『元に戻りたい』から、私に協力してほしいとっ!」

海未「『何か大事なことを忘れてる』って……っ! あの言葉はやはり、嘘だったんですかっ!? 私を騙してたんですかっ!?」

にこ「海未、今更なに言ってんのよっ! そんなの分かりきってることでしょっ!?」

海未「ことり……っ! 待って……っ!」


タッタッタッタ……
 
 


925: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 22:41:23.62 ID:7et5RTkg.net

 
海未「……くっ」

凛「さぁ、凛たちが相手だにゃー」

にこ「……とりあえず、私たちが二人を引き付けるわ。その隙に海未は、ことりを追って」

絵里「そうね。彼女の行き先が分からない以上、ここで見失えば、最悪よ……」

海未「……いえ、そうでもありません。行先は大体、分かってますから」

絵里「えっ……?」

花陽「凛ちゃんっ!!」

凛「えっ、なに?」

花陽「ど、どうして、どうしてこんなこと、するの……?」

凛「どうして、って……。凛は穂乃果ちゃんの匂いを、嗅ぎたいだけだよ」

花陽「っ! そ、そんなのおかしいよ。変だよ、凛ちゃん……」

真姫「なにを言っても無駄よ、花陽。凛にはもう、あなたの言葉は届かない」

花陽「そんな……。凛ちゃんっ!!」

凛「えーっと、はなよ、ちゃん?」

花陽「……えっ?」

凛「変だって言うなら、はなよちゃんも穂乃果ちゃんの匂いを嗅がせてもらうといいにゃ。きっと、凛の気持ちが分かるよぉ」

花陽「……」




花陽「『はなよちゃん』……?」
 
 


931: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 22:56:11.94 ID:7et5RTkg.net

 
凛「そうだ、はなよちゃんもさ、あとで一緒に来る? ことりちゃんに頼めば、きっと……」

にこ「凛? あんた……」

花陽「や、やめてよ、凛ちゃん……。何でそんな呼び方、するの……?」

凛「えっ……?」

凛「……」

凛「……あの子、『はなよ』ちゃんじゃないのかにゃ?」ヒソヒソ

真姫「名前は花陽で合ってるわ。でもあの子、あだ名があるのよ」

凛「あ、なんだぁー。早く言ってよぉ。なんてあだ名?」

真姫「『かよ』って呼ばれてるわ」

凛「かよ……? なんで『はなよ』なのに、『かよ』なんだろ……。ま、いっか」

凛「おーい、ごめんごめん、『かよちゃん』。かよちゃんもよかったら、一緒に――」

真姫「この通り、凛は記憶障害が進行して、あなたたちのことも忘れてしまったわ」

絵里「っ!!」

にこ「う、うそ、でしょ……っ!?」

花陽「……そん、な」

真姫「同じほのキチでも、人によって症状は違う……」

真姫「凛は、とくに重症でね。脳が『穂乃果』と『ほのスメル』以外の余計な情報を、常に消去し続けているようなのよ」

真姫「放っておくと……。私やことりのことまで、忘れちゃうかもしれないわね」
 


932: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 23:05:01.51 ID:7et5RTkg.net

  
花陽「う、うわぁ、あぁぁ……」ガクッ

花陽「あああぁぁあぁ……っ!!」

にこ「花陽……」

希「なに、これ……」

希「これが、ほのキチ……? こんなんが……ウチの、望んでた……」

真姫「……そういえば、希。あんた結局、失敗しちゃったのね」

希「っ!? 真姫ちゃん、覚えて……?」

真姫「ああ、私は別に、記憶障害とかはないわよ。言ったでしょ、人によって症状は違うって……」

真姫「……ねえ、希。安心していいわよ。あんたの計画は、まだ終わってないから」

希「えっ……?」

真姫「凛、うしろ」クイッ

凛「えっ? あーっ!」

にこ「っ! しまった、気づかれたっ!」

絵里「い、いえ、大丈夫よ、あれだけ距離が離れてれば……っ!」

凛「いつのまにあんなところにーっ! 逃がさないにゃぁーっ!」


タッタッタッ……

海未「はぁ、はぁ……っ! みんな、ありがとうございます……っ!」

海未「ことりは……いた、あそこに……っ!」
 


933: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 23:14:57.06 ID:7et5RTkg.net

  
凛「ほっ」


グルン


にこ「っ!? バク転っ!?」

凛「よっ、はっ」


ピョンッ、グルングルン、シュタッ


絵里「なっ……空中で回転して、向きを変えて着地……」

凛「いっくよーっ! ん~……にゃっ!!」


タッタッタッ……ドヒュンッ!!


にこ、絵里「「走っ……速っ!?」」



海未「はぁ、はぁ……えっ――?」

ガシッ

ドサァァ

海未「痛っ……なっ、凛っ!?」

凛「捕まえたにゃぁー♪」



絵里「か、簡単に追いつかれた……。あれだけの距離があったのに……」

にこ「なんなのよ、今の……」

真姫「……ほのスメルは、凛の脳と体に重大な影響を与えた。それにより凛は、記憶障害という『リスク』を背負い――」

真姫「同時に『桁違いの運動神経』という、『リターン』を得たの。あれは凛の中に元々あった、潜在能力……。それがほのキチ化により、限界まで引き起こされた」

真姫「言わばほのスメルによる、『覚醒』。はっきり言って今の凛は、あなたたち5人程度じゃ日が暮れても突破できないわ」
 



935: 名無しで叶える物語(SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 23:20:05.40 ID:eVwdhK/v.net

超絶展開にわろた



937: 名無しで叶える物語(新疆ウイグル自治区)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 23:27:07.45 ID:7et5RTkg.net

まだ埋まらなそうなので次に投下する時に次スレを立てたいと思います。
ありがとうございました



939: 名無しで叶える物語(かぶらずし)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 23:29:58.62 ID:yJIsy+hy.net

いきなりバトル展開でワロタ


943: 名無しで叶える物語(たこやき)@\(^o^)/ 2015/09/09(水) 23:47:39.21 ID:95VH/WEm.net

おつ
予想外の展開だ


945: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2015/09/10(木) 00:32:27.02 ID:UMgjeQNy.net

まさかことりちゃんやまきちゃんも特殊能力が!?


946: 名無しで叶える物語(ぎょうざ)@\(^o^)/ 2015/09/10(木) 00:32:39.82 ID:PfCxhY5C.net

海未ちゃんも覚醒しそうな展開


983: 名無しで叶える物語(ささかまぼこ)@\(^o^)/ 2015/09/13(日) 11:27:11.09 ID:p87zFx7M.net

楽しみ










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