1: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 21:50:52.38 ID:gJWUCQDe.net

放課後 部室

果林「どうしたの?ため息なんかついて」

善子「か、果林さん!?」

果林「もう皆帰ったわよ。一人でなにしているの?」

善子「果林さんこそどうしてここに?」

果林「練習着を忘れちゃって取りに戻ったのよ」

果林「そんな事よりなにかあったの?なんだか寂しそうな顔してるけど」

善子「な、なんでもないわ」

果林「なんでもなかったらこんな所にいつまでも一人でいないでしょ。よかったら話を聞くわよ」

善子「でも……」

果林「学校は違くても同じスクールアイドル同士仲間なんだから遠慮なんてしないで、ね」

善子「……」

善子「実は……」



3: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 22:06:33.63 ID:gJWUCQDe.net

善子「最近、お母さんが忙しくて中々会えないの。そしたら今日から一週間出張に行くってお母さんが言い出して……」

果林「寂しい、のね」

善子「うん、家じゃ好き放題やってるけどお母さんが家にいるのといないのとでは全然違くて、お母さんがいない間私一人きりになってしまうの」

善子「正直、寂しい……」

果林「あなたの気持ち、よくわかるわ。私も寮生活でエマと同じ部屋にいるのだけどエマがいない時はとても寂しい」

善子「私、お母さんがいない間どうすればいいのか……うっ、ぐすっ」

善子「不安で心が押し潰されそう…ひぐっ」

果林「善子ちゃん……」トクン

果林(あれ、なにかしらこの気持ち?)

ギュウ

善子「果林、さん?」

果林(思わず抱きしめてしまったわ。こうなったら……)

果林「善子ちゃん、いいのよ。今は二人きりだから私の胸で思いっきり泣きなさい。それで少しでも気が紛れるなら嬉しいわ」

善子「……ありがとう果林さん」

善子「うぅっ、ぐすっ、ひぐっ……」


5: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 22:20:52.07 ID:gJWUCQDe.net

善子「すう…すう…」

果林「寝ちゃったわ、赤ちゃんみたいね」

果林(どうしたのかしら私、こんなのらしくないわ)

果林(でも、泣いてる善子ちゃんを見たら放っておけなくて思わずこんな事を)

果林(私は善子ちゃんのようになった事はないけど毎日エマに甘えてなかったらこうなっていたのかも……)

果林(エマだったらこんな時どうするかしら?)

果林「とりあえず、頭を撫でてみようかしらね。私もよくやってもらうし」ナデナデ

善子「ん、んん……」

果林「ふふっ、かわいいわね善子ちゃん」

善子「ん~お母さん……」

果林「はわっ」ズキューン!!

果林(えっ、なに今の?)

善子「うふふ……お母さん」ギュウ~

果林「はうあっ」ドキューン‼

果林(なんなのよこの気持ちは?)


8: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 22:35:56.41 ID:gJWUCQDe.net

果林(どうやら善子ちゃんは寝言を言ってるみたいだけど)

果林(それにしても『お母さん』か、よほどお母さんの事が好きなのね)

果林(私は今までエマに甘えてばかりいたけど)

果林(こうやって誰かを甘えさせるのもいいものね)

善子「お母さ~ん……」サワサワ

果林「はいはい、いい子ですね善子ちゃん」



善子「ん…ん?あれ、私……」

果林「あら、目が覚めた」

善子「果林さん!?なんで私果林さんに抱かれて……」

果林「覚えてないの?私が抱きしめたらそのまま泣きつかれて眠っちゃったのよ」

果林「すごく私に甘えてたわよ」

善子「えぇっ、私が果林さんに!?ご、ごめんなさい‼」

果林「いいのよ、むしろ嬉しかったわ。エマの気持ちが少しわかったかも」

善子「エマさんの気持ち?」

果林「あぁ気にしないで。こっちの話」

果林「また寂しくなったら私に言って。この際だから連絡先を交換しましょう」

善子「は、はい」

善子「その時は……よろしく」


9: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 22:47:22.00 ID:gJWUCQDe.net

果林「ふふふん、ふふ~ん」

エマ「おかえり果林ちゃん、ご機嫌だね。なにかいい事あったの?」

果林「ふふん、そうよ。今日は素晴らしい発見があったわ」

エマ「へぇ、なになに?」

果林「エマの気持ちがわかったの。誰かに甘えられるのってすごく嬉しいものね」

エマ「わぁ、果林ちゃんもそういう気持ちになれたんだ。よかったねぇ」

果林「エマも私に甘えてみない?いつものお返ししてあげる」

エマ「そう?じゃあたまには甘えちゃおうかな」ポフッ

果林「あ~エマ可愛いわね~よしよし」

エマ「えへへ、なんだかくすぐったいな~」

エマ(果林ちゃんも誰かを想えるようになったんだ……嬉しいな)


10: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 23:04:50.14 ID:gJWUCQDe.net

翌日

ピロンッ

果林(ん?善子ちゃんからメール?)

『今日の放課後、時間ある?』

果林(ふふっ、さっそく来たわね)

『もちろん、部室で待っているわ』



善子「果林さ~ん」ダキッ

果林「あらあらいきなり抱きつくなんて大胆ねぇ」

善子「え~果林さんが甘えていいって言ったんじゃない」グリグリ

果林「あ~善子ちゃんかわいい~」ナデナデ

善子「果林さんの体暖かくて柔らかくて落ち着く……ヘブンはここにあったのね」

果林「相変わらず変わった事を言うのね……」

果林「お母さんは出張に行ったの?」

善子「うん、行っちゃった……」

果林「家に一人で大丈夫?」

善子「大丈夫じゃないよ」

善子「学校にいる間は果林さんや他の皆がいるけど家に帰ると寂しくなっちゃう」

果林「そう、学校にいるうちはこうして慰めてあげられるけど善子ちゃんが家に帰ったら心配になるわね……」

果林(なにかいい方法はないかしら)

善子「あ~あずっと果林さんと一緒にいられたらいいのになぁ」

果林「ずっと一緒……?ハッ!!」

果林「それよ善子ちゃん!!」

善子「ふぇ?」


12: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 23:17:49.45 ID:gJWUCQDe.net

果林「エマ、ちょっとお願いがあるんだけど」

エマ「お願い?どうしたの?」

果林「実は善子ちゃんのお母さんが出張で一週間いなくなるみたいでその間善子ちゃん一人になるのよ」

エマ「あ~果林ちゃんが慰めてたのって善子ちゃんだったんだ」

エマ「なんだか最近元気なかったもんね」

果林「そうなのよ、それでお母さんが帰ってくるまで善子ちゃんの家に泊まってそばにいてあげようと思って」

エマ「それはいい考えだね~」

果林「私がいない間エマを一人にしてしまうけれど……」

エマ「私なら大丈夫、善子ちゃんのそばにいてあげて。今の善子ちゃんには果林ちゃんが必要なんだから」

果林「エマ、ありがとう……」

エマ「果林ちゃん戻ってきたらいっぱい甘えさせてもらうね」

果林「えぇ、行ってくるわ」


14: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 23:31:59.96 ID:gJWUCQDe.net

善子「さぁさぁ果林さん、上がって上がって」

果林「そんなに引っ張らなくてもお邪魔するわよ」

果林「へぇ、きれいなお部屋ね」

善子「果林さんが来るから頑張って掃除したのよ」

果林「頑張ったわね、偉い偉い」

善子「うふふっ」



果林「一緒に夕食作ってみない?」

善子「私、普段料理なんかしないからなにも出来ないわよ」

果林「だったら尚更、やってみないとね。カレーでも作りましょうか」

善子「果林さんが教えてくれるならやってみようかしら」



果林「完成したわね、上手に野菜切れたじゃないの。善子ちゃんやれば出来るんだからもったいないわよ」

善子「そうね、今度お母さんに作ってあげようかな……」



善子「うーんおいしい!!このカレー最高‼」

果林「本当ね、私も久しぶりに料理したわ」

善子「果林さんもあまり料理しないの?」

果林「……普段はエマに作ってもらってるわ」


16: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 23:46:11.34 ID:gJWUCQDe.net

善子「誰かと一緒にお風呂入るなんていつぶりかしら」

果林「この年になると親と入るのは恥ずかしいものね」

善子「べ、別にお風呂くらいは一人で入れるけど……」

果林「でも一人じゃこんな事はしてもらえないでしょ?」シャー

善子「わっ、果林さん?」

果林「髪の毛、洗ってあげる。私のシャンプー術教えてあげるわ」

善子「ん…気持ちいい~美容室にいるみたい」

果林「ふふっ、人の頭を洗うっていうのも新鮮ね」




果林「さて、そろそろ寝ましょうか」

善子「えーまだ日付け変わってないわよ」

果林「いつも何時に寝てるのよ……寝不足はお肌の大敵よ。善子ちゃんキレイなお肌してるんだから夜更しなんてしちゃダーメ」ツンッ

善子「……もう、仕方ないわね。たまには早く寝てあげるわ」

善子「その代わり、手を握ってもらっても……いい?」

果林「えぇ、いいわよ。おやすみなさい」

善子「おやすみ」


20: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/16(土) 23:53:02.86 ID:gJWUCQDe.net

その頃

エマ「今日は私一人か……」

エマ「果林ちゃん、頑張ってるかな」

エマ「……」

エマ「ちょっと……寂しいな……」

エマ(いつもいるのが当たり前だと思ってたけど、いなくなるとこんなに心が切なくなるんだね)

エマ(こんな時、誰かに甘えたくなるんだろうな)

エマ(果林ちゃん……)

エマ「私も、果林ちゃんの気持ちがわかったよ」


22: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/17(日) 00:07:29.16 ID:zKciE06M.net

お泊まり最終日 夜

善子「明日お母さんが帰って来るのね。一週間経つのは早かったわ」

善子「それも、果林さんといるのが楽しかったからね」

果林「残念ね、せっかく善子ちゃんの家に慣れて来たのに」

善子「いっその事私の家から通えばいいのよ」

果林「そうしたいのはやまやまだけど明日は寮に戻らないと、エマを残して来てるし」

善子「あ、エマさん一人きりだったのよね」

善子「ごめんなさい、私がずっと一緒にいたいなんて言ったから……」

果林「心配ないわ、寮に戻れば嫌でもまた一緒に過ごすんだから。もちろん埋め合わせはするけどね」

果林「むしろこれは私のわがまま。善子ちゃんのそばにいてあげる方が大事ってエマもわかってくれてるわよ。だから気にしないで」

善子「そう言ってもらえるとありがたいわ」

果林「お泊まりは今日で終わりだけど私達の関係は終わらない。いつでも呼んで、かわいい善子ちゃんの為ならどこへでも飛んでいくわ」

善子「うん……必ず呼ぶわ、果林さん」


23: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/17(日) 00:19:07.86 ID:zKciE06M.net

果林「ただいま」

エマ「おかえり、果林ちゃん」

果林「一週間、留守にしてごめんなさいね。一人で大丈夫だった?」

エマ「正直言うとね、寂しかった」

エマ「一人って辛いね」

果林「エマ……」

エマ「だからさ、一人ぼっちの善子ちゃんのそばにいてくれた果林ちゃんは偉いよ」

エマ「果林ちゃんがそういう事に気付く人になって私、すごく嬉しい」

果林「エマ、ありがとう……」

エマ「ふふっ、私果林ちゃんの友達でよかったよ」

果林「私も、エマとお友達でよかった」

エマ「今日はお互い、いっぱい甘えようね~」

果林「そうね、私もエマに甘えたいわ」

果林(やっぱり甘えるならエマが1番ね)


25: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/17(日) 00:43:02.93 ID:zKciE06M.net

善子「果林さーん」ダキッ

果林「お母さんが戻ってきても相変わらずあまえん坊さんね」

善子「えへへ……果林さんだってエマさんに甘えてるくせに」

果林「それはほら、持ちつ持たれつっていうか」

善子「皆あまえん坊じゃないの」

果林「あら、言われちゃったわね」

善子「……」

善子「あのね」

善子「あの日、果林さんに声をかけてもらえなかったらきっと今の私はいなかったと思う」

善子「私、果林さんに優しくしてもらってすごく嬉しかった。私みたいな人がいたら同じようにしてあげたいと思った」

善子「果林さんのおかげで気付いたわ、本当にありがとう」

果林「あ……」トクン

果林(この感覚……また)

果林(よくわからないけど……悪くない)

果林(とても温かくて、気持ちいい)

果林(こうやって優しさって回ってゆくのかしら)

果林「ふふっ、うふふ」

善子「果林さん?」

果林「善子ちゃんのおかげでまた一ついい発見が出来たわ」

善子「?」

果林「善子ちゃんはいい子ね~」ナデナデ

善子「へへっ、まぁいっか」



26: 名無しで叶える物語(東日本) 2019/11/17(日) 00:46:34.05 ID:zKciE06M.net

長くなりましたがこれで終わりになります
途中でID変わってますが最初から最後まで書いたのは同じ自分です。ありがとうございました




27: 名無しで叶える物語(とうふ) 2019/11/17(日) 00:47:26.16 ID:obfgxGre.net

おつ
ほっこりした


28: 名無しで叶える物語(庭) 2019/11/17(日) 00:49:36.56 ID:QG+riPaL.net

素晴らしかったおつ
きれいな果林さんはもはや貴重な気がしてしまう


30: 名無しで叶える物語(もこりん) 2019/11/17(日) 02:07:26.68 ID:RkhyCy+p.net

このスレからいい匂いがする





元スレ:http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1573908652/