【前置き】

先日のリアサスのプリロード調整の記事でようやくサスペンションのセッティングの奥深さを知った私。
となると、俄然「いい」リアサスを買って試してみたくなるというのが人情。
というわけで…多少気は早いもののボーナスを当て込んでリアサスを購入してしまいました!(アホ)

今回はそのレビューと、取り付け方法の紹介です。
(取り付け方法だけ参考にしたい人はレビュー読み飛ばしてね)


今回購入したのはこちら。


mx366
YSS ワイエスエス/MONO LINE リアシングルショック 【MXシリーズ】 MX366 YZF-R25


YSSというのはあまり聞き慣れないメーカーですが、タイでサスペンションを専業にしているメーカーだそうで。近年は日本でも代理店を通して販売を広げ、オーバーホールなどのアフターサービスも展開しているようです。
しかしやはりマイナーなのは否めない…。私も正直少し二の足を踏みました。

というわけで他に候補として上がったサスペンションをまずは紹介。
リプレース品のリアサスといえば有名なのは、やはり一番に思い浮かぶのはOHLINS。
OHLINS オーリンズ/リアサスペンション
OHLINS オーリンズ/リアサスペンション R25/R3/MT
 

ハイエンドなサスペンションの代名詞と言うべきOHLINS。こちらでお値段12万円ほど。
またオーリンズほどの知名度はありませんが、高性能なサスペンションとしてこちらも知る人ぞ知るのがNITRON。
NITRON ナイトロン/リアサスペンションモノショック NTR R3 シリーズ
NITRON ナイトロン/リアサスペンションモノショック NTR R3 シリーズ YZF-R25


こちらは15万円ほどもします。このイメージカラーの青がいかにもクール。
そしてこの2ケタ万円の高級品からは少しお求めやすい価格で最近登場したのが↓のKYBスペシャルのサスペンション。

YAMAHA ヤマハ ワイズギア/KYBスペシャルサスペンション リア
YAMAHA ヤマハ ワイズギア/KYBスペシャルサスペンション リア YZF-R25/R3・MT25/03


見た目にも鮮やかなオレンジカラーの別体ガスタンク式。お値段7.2万円
KYBというのは、ヤマハの純正によく採用されている国内の総合サスペンションメーカー。他ならぬR25の純正リアサスもKYB製です(ちなみに純正品の価格は3万円弱)。
純正品を作っているメーカーのアップグレード品なら適合性、性能アップはほぼ確実。値段もOHLINSやNITRONに比べればお手頃。
デザインもよく、正直こちらも迷ったのですが……。

YSS ワイエスエス/MONO LINE リアシングルショック 【MXシリーズ】 MX366
YSS ワイエスエス/MONO LINE リアシングルショック 【MXシリーズ】 MX366 YZF-R25


実はこのYSSのリアショック、上記3品と同じ別体式ガスタンクのフルアジャスタブル(取付長、プリロード、伸び/縮み減衰)でありながらお値段なんと6.6万円。先のKYBスペシャルより安く、OHLINSの半額です。

もちろん安かろう悪かろうでは意味が無いのですが、噂ではYSSは価格の割に性能も中々のものでコストパフォーマンスは良好との話。KYBのリプレース品と同程度の価格というのもそれなりに妥当感があります。

とはいえ大きい買い物なのでせっかくならいいものを…悩む気持ちもありましたが、考えてみればどだい私程度の腕前でOHLINSやNITRONなどのレース向けのサスを使いこなせるかといえば…まずムリ
どうせ高いサスを買っても持て余すなら、公道でのスポーツ走行向けをうたうこのYSSのMXシリーズの方がいいだろう(+失敗でも傷は浅い^^;)。

というわけで、このYSSのMX336を購入するに至ったわけです。
では毎度長い前置きの後は、レビュー&取り付け作業のレポートです。




【YSS MX366レビュー】

まず断っておくと、私はリアサスペンションの交換は初めてです。バイク自体のキャリアは10年ほどあるので、ある程度良し悪しは分かりますが、サスに関しては素人に毛が生えた程度です。
加えて、私の腕前は率直に言って世間で言えば中の上か上の下、バイクの運動理論はある程度わきまえているし峠でもそれなりに飛ばせますが、ポケバイなどでレースをしているガチな人にはまるで敵いません。
その程度の腕前という前提で聞いてください

とはいえ、これだけ断りを入れた後でいうのも何ですが正直……


こんなに変わるのか!!ってぐらい変わりましたね。ええ。


DSC_0024~03


リアサスを交換して早速、説明書通りにプリロード(前回の記事参照)を調整しただけで(あとはYSSのステッカーも貼って笑)、減衰については出荷時のセッティングのまま、ツーリングに出発。
正直、普通の道を走っている時はあまり差はわかりませんでした。プラシーボと言われればそれまでです。こんなもんか?と首をひねりました。

が……峠道に入って少しペースを上げ、コーナーに入った途端、驚くほどはっきりとした違いが現れました。
一言で言うなら、リアサスの挙動が非常に落ち着いたものになり、接地感がぐっとよくなったといいますか。

例えばコーナリング中、車体がバンクしている時に少し路面が荒れていると、今までは車体が不安定な状態でリアサスが暴れる(ボヨンボヨンと動くというか)のでとても怖く、コーナーへの侵入・脱出の時に思い切ったブレーキ・アクセルワークができませんでした。
それがリアサスを変えてからは、同じようなシチュエーションでもリアの動きがとても穏やかです
。減衰が効いているというのか、路面の凹凸が車体までまるで伝わっていないような感じすらします。

またコーナーへ切り込んでフロントブレーキを握り、コーナーの頂点で一気に車体をバンクさせる時も、フロントブレーキが効くことでリアへの荷重が弱くなっているはずなのに、しっかりリアタイヤが路面を噛んでいる感じが伝わってきます。
何が影響しているのか私にはわかりませんが、ブレーキ時のフロント荷重から、二次旋回でのアクセルを開いてのリア荷重に移る時の感覚が素晴らしく、車体が路面を舐めるように動くように思えます。

全体として、リアタイヤの動きに非常に安定感が増し、ビビりの私でも安心感を持ってブレーキ、旋回、アクセルというコーナリングの手順をキビキビとこなす事ができます。
おそらくバイクの運動性の限界自体が上がっていますし、何よりバイクの挙動がライダーにとって安心感がある風に変化するので自然と上手く早く走れるようになった、と大いに感じます。


ちなみに、よくバイクのカスタムで言われるのが「プラシーボじゃないの?」という言葉。
パーツを変えたのだから変わるはず、という思い込みで「変わった気がする」と思い込んでしまう現象です。
今回に限ってそれはありません。なぜなら…一緒にツーリングに行った友人のR25と乗り比べたからです(笑)

R25とR3はエンジンこそ少し違えど車体は同じ。純正状態の友人のR25は大変良い比較になりました。リアサスを交換したR3から乗り換えると「純正のリアサスってこんなにボヨンボヨンしてたっけ?」と、数日前までそのサスで乗っていた自分のことを忘れて言いそうになります。
しまいには、交換してR3を乗った友人が一言。「俺もリアサス変えてみようかな…」と。ちなみに彼はバイクに乗り始めて1年未満、初めてのバイクがR25という新人ライダーですが、彼でもそう思うほどの違いがあったようです。



というわけで長々と書いてしまいましたが、感想としては「もっと早く交換すればよかった!超オススメ!」の一言につきます。

もっとも、本領を発揮するのはコーナーを曲がる時ですから、街乗りや直線道路を走るだけでは効果が実感しにくいパーツではあります。のんびり走るだけなら、純正のリアサスでも十分といえばそうかもしれません。
ですが、先程も言ったように、リアサスを交換することで車体の挙動が穏やかになり、コーナリングにも安心感と楽しさが増すのは間違いないです。

上手い人にはもちろん、コーナーが苦手という人にもぜひトライしてもらいたいパーツだな、というところでレビューをまとめたいと思います。

YSS ワイエスエス/MONO LINE リアシングルショック 【MXシリーズ】 MX366
YSS ワイエスエス/MONO LINE リアシングルショック 【MXシリーズ】 MX366 YZF-R25





【取り付け方法】

さて、ここからは同じくYSSのMX366を買ったor買う一歩手前の同志のための取り付けレポート。
というのも、このサスペンション、どこにも別体タンクの車体への取り付け方法が書いていません

はい、どこにもです。
付属の説明書にすら書いておらず、ネットには画像もレポートもなく、ただ謎のステーがゴロリと同封されているだけ。
私も最初は「これでいいのか…?」とさんざネットを探してから作業しましたので、そういう方の参考になれば。

ではまず、リアサスの交換方法から。
まずサスペンションを交換するためには、当然純正のリアサスを外さねばなりませんが…これがどうすればいいか分かりにくい。いや、基本は取り付けボルトを緩めるだけなんですが、ツールパス(工具の差込方)が一見して分かりにくい。
というわけで手順を踏みます。


① サイドパネルを外す


サイドパネルというのは、この赤◯で囲ったカバーのことです。
こいつは黄◯で囲んだネジ2本と、裏側のグロメット(ゴムの輪)への差込2点の計4点で固定されています。
BlogPaint

ネジを外したら、あとはグロメットでの取付点付近を思い切って引っ張りましょう。スポン、と抜けるはず。
カバーを外すと…おわかりでしょうか、リアサスが見えるようになりますね(交換後の画像でスミマセン)
DSC_0005~04

これで、リアサスの上側取り付けボルトにアクセスできるようになりました。


② マッドガードを外す

次に、リアサスの下側ボルトへのアクセスを邪魔するマッドガードを外します。
BlogPaint

マッドガードはリアサスの真後ろにある赤◯の部品です。
リアサス側からツールを差し入れてやればボルトが2本ありますので、これを外せばOK。


③ リアサスの上下ボルトを緩める

いよいよリアサスのボルトを緩めます。スイングアームとの下側の締結、フレームとの上側の締結をそれぞれ緩めます。指定トルクは58Nmなのでかなり固いですが、頑張って回しましょう(ハンドルスピナーとエクステンションを使うと楽かと思います)。

…が、決してまだボルトを抜いてはいけません
今のままではリアサスは車重で縮んだままになっています。当然、ボルトは非常に抜けにくいですし、ムリに抜けばボルトのネジ山を傷つけます。そもそもリアサスを抜いたら、バイクは後輪への荷重を支えられなくなるので大変危険です。


④ リアサスの荷重を抜く

というわけで、車体を軽く持ち上げて、リアサスに荷重がかかっていない状態にしてから(=リアサスが自然長になってから)作業をします。
オススメはジャッキを使う方法です。

パンタグラフジャッキなら、だいたいの車のトランクに非常時のタイヤ交換用のが1個入っているはずです。
それもなければ、ホームセンターで木材を適当な長さにカットしてきて使うとかですが…素直にジャッキを買うのをおすすめします。
KTC ケイティーシー/パンタグラフジャッキ ハンドル付
KTC ケイティーシー/パンタグラフジャッキ ハンドル付


さて、このジャッキでどうやってバイクを持ち上げるかといいますと…。

1.まずバイクにサイドスタンドをかけます
2.安全のため、フロントブレーキをタイラップ等で握りっぱなしにします
3.できればサイドスタンドも跳ね上がらないように紐なりたいラップで固定します
4.車体の下にジャッキを置いて、クランクケースの下側をジャッキで押し上げます

DSC_0004~05
こんな具合です。ジャッキで直接だとクランクケースが傷つくので、厚手の布か木板を挟むとよいでしょう。

こうすると、サイドスタンドとジャッキ、フロントホイールの3点でバイクが支えられて後輪が持ち上がります。

DSC_0005~05
分かりにくいですが、リアタイヤが浮いて下に隙間が出来ています(厚手のビニール袋が入る程度)。

ちょうどこの写真ぐらい、タイヤが浮くか浮かないかぐらいだと、ちょうどリアサスの荷重が抜けて、伸びも縮みもしていないところです。このタイミングでボルトを押すとすんなり抜けるはずです。


⑤ 元のリアサスを取り外す


⑥ 新しいリアサスを取り付ける

ちなみにこの時ですが、別体タンクにつながるホースは前側から出しましょう。後ろ側からだとフレームと干渉します。
またもう一つ注意点としては、リアサスの取り付けボルトは緩むと非常に危険なのでしっかりトルクをかけましょう。また取付時はグリス塗布が指定されていますので、リチウムグリスをねじ山に塗って締めましょう(これをしないと実質的な締結力が弱くなります)。


⑦ 別体タンクの固定

まずは付属のステーに割締めでタンクを固定。そしてこのステーを車体にどう固定するか、という話になりますが…。

DSC_0003~06

とはいえおそらく選択肢はほぼタンデムフットレストと共締めしかないでしょう。
ただここで問題なのは、付属のステーが明らかにネジ1本でしか留められない構造だということ…(上の写真を見れば分かると思いますが)。ネジ2本で固定されているタンデムフットレストに共締めすると、フットレストが片側だけ浮いてしまい危険です。

この場合、タンデムフットレストを片側だけ外してしまってOKならば、このタンク&ステーだけをネジでフットレストのネジ穴に固定してしまえばOKです。
(ただし逆側のフットレストはマフラーのステーを兼ねているため外せません…)

とはいえ、片側だけフットレストがないと見た目が締まらないし、第一ただでさえ少ないR3/R25のフックを引っ掛けるポイントが減ってしまいます(笑)

というわけで、ステーを共締めするのと逆側の方に同じ程度の板厚のワッシャーを噛ませましょう。
ステーのブラケットの板厚は約4mm、固定のボルトはM8なのでM8の外形15-16mm程度、厚さ2mmのワッシャーを2枚噛ますのがベストでしょう。
DSC_0002~06

ちなみに私の場合、既にこのタンデムフットレストにKIJIMAのヘルメットロックを共締めしておりまして(↓見ての通りタンデムフットレストと前後2箇所で共締め)、するとなんと…ボルトの長さが足りない…
KIJIMA キジマ/ヘルメットロック
KIJIMA キジマ/ヘルメットロック YZF-R25


とはいえこのメットロックは便利なので外したくない…となると、ボルトを長くするしかありません。
同じくM8で長さ首下40mm(元は35mm)のボルトを探し、購入。
DSC_0001~05

DSC_0005~07

ネジ長さが+5mm、厚さが+4mmなのでちょうどよい長さ。

DSC_0004~06
というわけで、無事タンクの取り付けも終了!

取付作業自体は、迷わずにスムーズに行けば30分程度で終わるでしょう。
ずいぶん記事が長くなってしまいましたがお疲れ様でした。


【蛇足】

ちなみに、これだけリアサスを褒めそやした後でいうのもなんですが…。
「リアサス変えたし…せっかくだからフロントも変えよっか♪」と、フロントサスもいじってしまいました(ォィ

こっちらの方も後ほど記事にしますので、よければご一読ください。
リアサスに負けず劣らずオススメのカスタムですよ。