2010年05月23日

人の振り見てわがふり直せ

本日鳩山総理が、沖縄へ訪問し、普天間基地移設問題を結局現行案の通りにすべく、沖縄県知事、沖縄の皆さんへ陳謝、お願いしたそうである。
本当に愚かである。

今までの日米合意に至る経緯からいって、こうなることは見えていた。

民主党が野党時代、反対してきたことは、すべて?絵に描いた餅”であり、子育て支援、高速道路無料化、暫定税率撤廃、消費税値上げ反対、郵政見直し、天下り禁止、などなど、どれ一つとして、達成されたものはなく、むしろ借金をふやすばかりで、旧自民党の政策よりさらに後退するものである。

現自民党は、いかにすべきか・・。
ある、無能女性議員のように?ルーピー”とかやじっているようでは、ほとほとあきれ返るばかりで、なにも進歩していない。

このこじれた普天間基地問題ひとつにしても、自民党はそれみたことか、ではなく、?さればどうすべき、どうするのが一番いいことか”というのをはっきりうちだすことである。

それがなければ、野党時代の民主党と同じである。

自民党に限らず、野党は今こそ、崩壊した民主党政治に?ノー”とをつきつけるだけでなく、しっかりした、さらには現時点で最良と思われる?実現可能”な財政再建策、国家安全保障策、経済政策を国民に分かるよう、明示すべき時である。

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2010年04月21日

愚かな首相

党首討論を見ていた。
鳩山・・・どうしようもない。
自分自ら、”おろかな首相”と言明する・・・情けない。
それが、日本のトップの人間がいう言葉ではない。

相変わらず普天間基地問題・・・これは、解決しない。
腹案?とはなんぞや・・・。
あるのか、ないのかすら不明。

どうしたいのか、まったく不明。
今腹案を発しないということは、どういうことか?
アメリカとの水面下の交渉が必要といっていたが、それが決まったら、決まりましたからご理解ください、といってごり押しか?それでは、住民はどこでも了解するはずはない。

腹案は徳之島なのか?今までの経緯から、沖縄の方の負担はわかるが、首相の言葉からは、「沖縄の方々の負担軽減」という言葉はでるが、徳之島の方への負担はどうなるのか?徳之島以外であれば、そこの移転先の負担はどうなるのか?

そんなことを考えると、自分たちだけで考えるのは無理がある。
腹案をさらけ出して、国民の前で開かれた議論をしたほうが、共感を得るのではないか?多分、元首相“木村拓哉”であれば、何をさておいても現地に赴いて、住民と対話していたであろうに・・・。

すべてにおいて、どうしようもない・・。

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2010年04月20日

民主党の政治はひどすぎる・・。

だんだん民主党に腹がたってきたので、なんか抵抗できないものかと、ブログを書くことにした。

以前の自民党の政治もひどかった。そのため、民主党の“うそつきマニフェスト”に乗ってしまった自分が情けなくもある。が、それにしてもひどい。ひどすぎる。

マニフェストとかいって、いまだなにも実現されていないのはおろか、ひどくなる一方である。この国の行く末はとてもではないが、民主党には預けられない。

マニフェストの政策の柱をいくつかやり玉にあげてみる。

「子育て支援」
一応、今年度から実施することになったが、財源を含め借金を増やす悪の根源で、選挙対策の一助にしかならない。改めて愚策であることが明白である。

「高速道路無料化」
無料化どころか、値上げになるところすらあるくらい。言語道断。全線無料化っていっていたはずなのに・・。

「消えた年金」
最近話題にもならない。野党時代はあれほど憤慨していたはずなのに、政権とれば完全にトーンダウン。どうしたんだ長妻?

「天下り根絶」
郵便局の局長人事で、できないことは明白。結局なにもできてない。

「無駄削減」
完全なお門違い。事業仕訳すれば、無駄金があふれんばかりにでてくるといわんばかりの国会論戦であったが、いざしてみれば、スズメの涙ほどの無駄を絞ったのみ。事業仕訳は、まず、類似団体を集約化し、そこに必要な金を振り分ければいいだけのこと。まず、事業を削減しようとするから、必要なものも切らざるをえなくなる。

「暫定税率廃止」
まったく、声もかからない。

「普天間基地問題」
まあ、むりでしょう。徳之島の人たちは怒っています。腹案とかいって、結局徳之島の人がぎせいか?アメリカは今はまだシカトですんでいますが、そのうち怒るに決まっている。世界の中での日本の立場は追いつめれていくばかり・・・。

「郵政事業」
官にもどってしまった。何のビジョンもなく・・・。
先々の制度設計もなく、ただ、亀井のいいなり。これで国債買おうとか、国の財政は破綻します。

「景気対策」
目立った方策はなし。



とにかく、今の民主党は選挙のことしか考えていない。そのためには、国民に甘い汁をみせつけ、それで票を稼ぐことしかかんがえていないように思える。
さらには、いまだに以前の自民党政治を批判することしかしない。今の現状をどう打開するかという、建設的な意見はほとんどなく、後ろ向きの批判ばかり。

民主党で評価できる点は3点、一つは、公共事業費を大幅に削ったこと。いいか悪いかはべつであるが、これは、宣言通りできたと評価できる。しかし、割引財源を建設費にあてるのは、納得できない。
もう一つは、事業仕訳を透明化したこと。
最後は、とりあえず、2大政党制をまがりなりにも確立した点。
これ以外は評価に値しない。

今、日本の国で必要なことはなんなのか・・・。
私が思うに、まず「財政再建」
事業の無駄ではなく、政策の無駄が多すぎる。
これでは、1000兆円の借金は目に見えている。誰が返すのか・・。
その長期的見通しをはっきりするべきである。
借金してまでしなければいけない政策とそうでないものを仕分けるのが、事業仕訳より先である。民主党は財源は、「無駄遣いをなくすことで捻出できる」と言ってきた。今となっては「大ぼら吹き」である。自民党議員が言っていたように、むだを省くのには限界があるし、恒久的財源とはならない。郵政民営化、大学の独法化などは、国の財政再建に向けて、長期ビジョンを示し、国民のコンセンサスを得た政策であったはずだ。それを郵政票をほしいがための、一閣僚にかく乱されて、もとに戻して何の意味があるのか?国の財政破たんは、国の衰退を意味する。そのうち国債も暴落する。最貧国になるのはそう遠くないかもしれない。
消費税もあげないといけないのは目に見えている。誰もがその思いである。むだを削って・・という議論もわからないではないが、多分4年は待てない。民主党も頭が固く、消費税はあげないとかいっていないで、早めに手を打つべきだ。

次に「国際関係」
とりもなおさず、普天間基地問題だ。これも社民党のばか党首のおかげで、せっかく決まっていたものを白紙に戻すとかいいうもんだから、わけがわからんようになっている。確かに沖縄の方には、負担があるのは事実であろう。しかし、変に期待を持たせるものだから、沖縄の住民も今や大反対、かといって、移設されるところも大反対でどうにも首が回らない。いまさら、長崎とかいわれても多分大反対をくらうだろう。アメリカとの関係を含め、このことは民主党の大罪である。日本は国際的に孤立する。多分、鳩山が言った、CO2削減も絶対無理。また、日本はうそつきのレッテルをはられるだけだ。これは、相手があることだから、こじれないことを祈るが、かなり厳しい。

最後に「少子化」
産婦人科医だからい言うわけではないが、今後の国力を考えた時に、今の現状では、国を支える人がいなくなる。少子高齢化といわれるが、まだ自民党政権のときは、全面に打ち出して、小渕だの野田だのが一生懸命やっていたが、いまの社民党のばか党首は、なにも考えていない。というか、はっきりした政策での発言はなし。これではどうにもならん。子育て支援で子供を生んでくれる人がいるか・・絶対にいない。
今後の年金のことを考えても、次世代を支える人材がいなければ、国は成り立たない。会社でも、病院でもスタッフは大事である。国もまた同じ。ある意味最優先課題かもしれない。

私は小沢は基本的には好きだ。世の中には必要悪という人が必要だ。田中角栄、金丸信など、大物という政治家は、悪ではあるが必要であるからだ。しかし、今の小沢は以前とは違う。選挙しか頭にない。多分自分の存在意義をそこでしか示せないからであろう。小沢の役割は、「2大政党制」を曲りなりに作ったところで完結したように思える。ただ、今の民主党の政策があまりにも、政権前に言っていたことと違いがありすぎて、小政党が乱立し、結局せっかくの2大政党制に“ケチ”をつけてしまった。
アメリカではどういう風にして、2大政党制が機能しているか、勉強不足で知らないが、少なくとも今の日本では根付かないのかもしれない。民主党の不協和音、自民党の足並みの乱れをみると、一つの政党のなかでも、ある政策には、同調するが、ある政策には全く別の立場ということがよくある。かくなるうえは、“政界再編”をすべきであろう。全部の党を解体し、政策理念があっているもの通しが、集まる会派を再度作り直すべきだ。

今民主党がしていることは、旧自民党の政策と同じかそれ以下だ。麻生の時も批判はあったが、以前にも書いているように、言っていること、やっていることの大筋は決して間違いではなかった。小泉のときもそうだ。今の民主党はポリシーがなく、ただ選挙に勝つためだけに、「民衆受けする政治」をめざしているようにしか思えない。必要なことは、たとえ選挙に負けても、国民に耳が痛くでも、やり遂げる信念が必要だ。その覚悟が、今の閣僚には見られない。あえていえば、前原くらいか?

私は、自民党をひいきするわけではないが、今の谷垣はよくやっているほうだと思う。周りはいろいろ言うが、必死さは伝わってくるし、言っていることに説得力、具体性はある。自民党は以前の利権、官僚依存政治からの脱却をしたとき、新たな顔が作れると思う。ただ、若い力がほしい。有能な若い力があれば、復権することは可能であると思う。その意味では、重鎮といわれる人たちが離党したのは、いいことであると思う。その人たちは、政策のオブザーバーとして、小政党で尽力してもらえばいいのである。
自民党は、みんなの党、日本創新党のような、若い有能な人材を発掘、連携する必要がある。この2つの政党の言いようは、きわめてまっとうである。ビジョンもある。ただ、実際の政権に就いた時に、今の民主党のようにならなければいいが・・・と思う。以前の民主党も野党時代は魅力ある政党であったから・・。

最後に日本医師連盟、医師会も玉虫色でがっかりしている。所詮利権団体なのか・・。今度の会長は「親民主」だそうだが、現在国会で尽力している西島氏を公認しないとのこと。それはそれで勝手であるが、以前武見氏が尽力して、医療界を政界の中でリードしてきたように、今医師会と政界の人脈を断つようなことをすれば、ただでさえ医療崩壊といわれている現状で、さらに医療崩壊を進めるだけである。一般意見も大事であるが、医療界の現状、崩壊の危機をストレートに表現できる人材は、絶対必要である。今の民主党はわかっていないので、そこにくさびをうつ存在は絶対不可欠であるはずだ。政権がかわったから、新参者でなおかつ押しの弱い人を送り込んでも、結局官僚、一部の政治家のいいなりに終わるだけだ。自民党政権になったら、また鞍替えするつもりなのか・・?そんなポリシーのない会であれば、解散してしまったほうがいい。

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2009年12月06日

民主党政権が続くと、戦争に突入する。

民主党政権が方向転換しない限り、日本は戦争に突入する、という危惧を抱いているのは、私だけでしょうか?

かなり突拍子もない見解と思うかもしれないが、意外と現実かもしれない。

誰しも民主党政権には、「変革」を期待した。
私も、その一人かもしれない。

しかし、今の民主党の混乱振りを見ると、日本の行く末は、果たしてどうなるのか、非常に不安が強い。

なぜ、戦争に突入するのか・・、私の見解はこうだ。

日本の安全は、日米同盟の上に成り立っているのは、明らかな事実である。
これが崩壊しようとしているからだ。

民主党は、政権をとるために、あまりにも無理なマニフェストを作りすぎた。以前から、ばら撒き政策と揶揄されていたが、財源確保は埋蔵金も含め、無駄を省けば、絶対に、いかにも簡単に捻出できると言い張ってきた。
国家の莫大な財政赤字を考慮するに、小泉内閣のとき(あるいは橋本内閣の時より)より、財政再建を旗印にあらゆる無理を国民に強いり、国の赤字を減らそうと努力してきた。郵政民営化もその一つだ。
冷静に考えると、今回の民主党のばら撒きでも、国家財政の健全化を図れるのであれば、自民党だって、簡単にできたはずである。しかし、それができなかったことは、何か不具合があってのことだ。

事業仕分けもその一つで、皆無駄を省くことを期待していた。
しかし、そのやり方が、あまりにも稚拙であると思われる。
今のやり方は、削減ありき、で一つ一つの事業をやめることを目的としている。仕分けはやめることではない。そのやり方が、まずおかしい。
国家の天下り団体の4000事業?を見直すことは重要であるが、無駄を省く観点からすると、まず、その4000事業の重複、あるいは、実質機能していない、公益法人、独立行政法人を集約化し、そこを削るだけ削って、まとめた団体に効率的に予算をつけ、その範囲でやってもらうことをすべきであった。事業を削るのは、それからの話だ。そのことをやらずして、一つ一つの事業を削っていくのは、やはり反感をかうだけだ。

国家の収入は当然限られている。このデフレ不況のなか、税収が限られているのは、既知の事実だ。よく、民主党の幹部は、「この財政状況は前政権の負の遺産」とか、「あんたがたにいわれたくない」とかいうが、民主党は、なにも無理やり政権についたわけではない。自分が好んで政権交代したわけだから、当然その負の遺産も考えて、今後の財政を立て直していくべきだ。それがいやなら、さっさと政権を明け渡すべきだ。どこの家庭も会社も、限られた収入でやりくりしている。国家の収入が限られているとすれば、その範囲でやってくれ、というのがすじであり、以前から財源の問題を指摘されていたのが、現実であれば、「ごめんなさい、やっぱりできません、私たちは理想を話していました」と早々に頭を下げるべきだ。今のマニフェストは、到底実現不可能であるし、やはり、今の民主党の議員は、「評論家」としては有能であるが、「政治家」には値しない。

JALは経営難で、年金をカットするよう求められている。
日本の国家の赤字は、JALどころでない。私たちからみれば、この国の赤字をつくったのは、あなたたちでしょう。といいたい。事業削減などする前に、「あなたたちにいわれたくない」のである。事業仕分けを見に来ていた内田氏は行った。「議員の給料をまずカットせよ」
まさにその通り。まず櫂より始めよ。財政困難であれば、自分たちの給与をカットする、議員年金をカットすることをしたらどうだと。みな、自分の懐はさぐられたくない・・議員さんも一緒でしょう。0.数%カットするくらいでは、国の財政は立て治りません。事業もこれだけ削減するのであれば、まず足元をみつめるべきだ。実際の民間であれば、これだけの赤字があれば、ボーナスもカットである。国会活動には金がかかるという前に、まず、自分たちの年金、給与、議員数を見直したらどうか?

では、なぜこれが戦争になるのか・・。
歴史を紐解けば、日本が第2次世界大戦に入っていた経緯に、アメリカから差し向けられた・・という説がある。兵糧攻めにあうと、孤立し、戦争へ向かうというのは、以前からよくあることだ。

話は変わるが、MLBで松井秀樹選手が、MVPを取ったにもかかわらず、チーム事情で、ヤンキースから契約を打ち切られるという報道がある。今日本も、野村監督が同様の仕打ちをうけており、日本の考え方も欧米化しているが、元来、日本は情に訴える国で、合理性より心情を重んじてきた。しかし、アメリカは違う。あくまでも合理主義の国であり、自分の利益にならないものは、ことごとく斬っていくという国民性である。

そこで出てくるのは、今最大の懸案事項である、普天間基地問題である。
これを反古にすることで、たぶんアメリカは日本への不信感をさらに大きくするだろう。中国の経済成長が凄まじい今、アジアをリードするアメリカの戦略としてのターゲットは、日本ではなく、明らかに中国である。とすれば、日本は今までの旧友としては、存在するが、アメリカにとって、約束を破られる国の信頼は皆無となり、まして、自分にメリットがないとすれば、当然日本は斬られる。軍も撤退することになる。そうなれば、喜ぶのは北朝鮮である。日本は目の上のたんこぶであるので、当然日本をやっつけに来る。アメリカからは守られない、かといって、今回の事業仕分けで、自衛隊の増員にも反対、軍備費も削減、当然、自国を守るだけの軍備もない国では、今の北朝鮮には、対抗できはずもなく、合えなく白旗・・ということは、目に見えている。

現在の経済状況、アメリカを含めた国際関係、現在の政策の決定の方式(後述)などから考えると、今のままでは、あと10年もすれば、日本が戦争の渦中へ引き込まれるのは、そう絵空事ではないかもしれない。つまり、アメリカから攻められるわけではなく、アメリカが日本から手をひくことで、それまで日本を目の上のたんこぶ、と思っていた国からの?逆襲”が始まるのだ。当然、一回手を引いたアメリカは、傍観者的立場で見るものの、直接的な支援はないだろう・・一回信頼を裏切られたのだから・・。

東アジア共同体とか友愛とかいっているが、日本の安全保障は、アメリカの傘のもとでしか成り立っていない。いくら、日本がリーダー的存在と思っていても、他国はそうは思っていない。スポーツの世界でも、絶対金メダルをとるといわれていても、いざ大会にはいると、メダルはおろか予選も通らない日本の選手がよく見られる。これは、完全にメディアに踊らされている。今の日本の国際的地位も、報道だけをみるとかなり高い地位、へたすれば、世界有数の国に入っているように思えるが、実際の世界の中での日本の国際的位置づけは、経済的にも日本人が思っているほどそう高いものではないように思える。

確かに沖縄の方には、大変な問題である。積極的な解決策があればそれにこしたことはない。しかし、一度約束したものを覆すには、それなりに覚悟が必要だ。その相手が、大物だとしたら・・、さらに重大である。

民主党の現在の政策決定のにも疑問がある。
現在民主党は国家戦略会議という、仰々しい、いかにも戦争に向かいそうなシステムを持っている。命名はさておき、現在の政策決定には、閣議、いわゆるトップダウン方式で、政策決定でてくるのは、総裁はじめ一部の権力を持った閣僚だけで政策がきまっていくように見える。他の中堅議員、新人議員はほとんど蚊帳の外、大臣、副大臣、政務官の3者のみが表立った形だ。官僚政治功罪はあるにせよ、今のやり方は政治主導どうはいうものの、いままでのシビリアンコントロールが効かない。つまり、ヒトラーのような独裁者が出てきたとすると、それがそのまま政策に反映する形のように思える。一度苦い経験をした日本であるから、まさかそのようなバカなことはないことを祈るが、戦争好きな政治家数名が政権を支配するとしたら・・・。怖いことになるのではないかと危惧する。
しかも今回の強行採決。以前の自民党と変わらない。一部の強硬派の意見が通るという意味では、もっと悪いかもしれない。


民主党は、評論家としての役割は十分に果たしたと思う。しかし、すべてが現実的ではない。
経済に対しても、あれだけ、エコポイントはばら撒きだ、官僚天下りは最悪だ、といいながら、そのことを自分のところでも踏襲しようとしている。
税収が減るのであれば、思い切った経済成長策を打ち出すべきであるが、それも現政権では見てこない。削減による収入を得ようとしているばかりだ・・。
麻生元政権は、かならずしもいいとは思わないが、経済成長戦略として行ってきた手当ては、決してまちがいではなかったようにも思える。それは、最近まで、一時的でも経済成長をしてきた結果に現れていた。しかし、現政権になっては、それは、全くそこが見えない、まして、さらに追い討ちをかけるごとく、悪くなる一方のように思える。
連立にも問題があるが、理想と現実が乖離していることを、改めてしるべきだ。

政治家は選挙以外は本当に頭を下げようとしない。選挙のときには、へこへこするのに、それ以外は、理屈をつけて、あたかも自分たちが言っている事、してきた事を、正当化しようとするばかり・・。誰の目に見ても、今回の郵政役員人事は、天下りとしかいいようがない。もしこれを正当化するのであれば、日銀総裁のときの、人事に反対した民主党は「あの時は、国民の人気取りのために、反対してすみませんでした」と頭をさげるべきである。

今の日本は自由主義国家と、皆が思っているようであるが、現在の民主党のやり方は、自由主義ではない。社会性民主主義あるいは共産性民主主義である。私は、どちらがいいとはいえないが、その辺の主張をはっきりすべきである。
オバマ政権に変わっておどろくべきことがある。それは、オバマ大統領が、「国民皆保険制度」を導入しようとしたところ、国民から強い反発をうけたことだ。すべての国民が、低負担で、平等に医療を受けられること、日本では極当たり前のことで、だれも悪いとは言わない。しかし、アメリカでは違う。アメリカでは、自分は自分の手で守る、自分で稼いだお金で、高額の保険を掛けるかわり、有事の際は、それに応じて医療を受ける、という考え方が当たり前なのだ。保険も掛けないものに、なぜ自分たちが支払う税金で、その人たちの補償をしなければならないのか?さらには、国民皆保険を導入することで、民間の保険会社に潰れろというのか?という議論まであるようだ。
もし、自由民主主義を唱えるのであれば、その考え方は、間違っていない。
税金はあくまでも公的(強制されるもの)なものに使うべきで、個人(自由、権利的なもの)のものに使うべきではないのかもしれない。最近国の行政の変更で、いやおうなしに国民に支出を強要する行為がたくさんある。地デジ対応などはまさにそのもので、今までのテレビでもなんら見るものに支障はないが、この制度に変更されることで、テレビの買い替え、アンテナの取り付けなどの支出を強要される。地デジの利点、必要性はいろいろあるにせよ、図らずも支出を強要するのであれば、それなりの手当てはして当然だ。白黒からカラーになるとき、あるいは音声多重放送になるときは、別にテレビを買い換える必要はなかった。単に機能をダウンさせてみても、べつになんら支障はなかったのだ。しかし、今回はちがう。見れなくなるのであれば、問題である。
医療の世界では、電算化である。これも猶予は設けられたものの、国から一方的に突きつけあれたもので、その支出は、数十万から数百万に上る。それを払えない人は、閉院せざるを得ない。そんなばかなことはない。いままでの手書きのレセプトでも、診療している側は全く問題ないのだ。それを強制的変えるのであれば、それなりに手当てすることは必要である。
逆に、今回のインフルエンザワクチンの接種を一時無料にするという話が出ていたが、国民にとってはありがたい話であるが、ただほど高いものはない。最近話題の子宮頸がんワクチンもそうだ。インフルエンザワクチンは3600円は確かに痛い支出ではあるが、必ずしも全員にうつ必要がないと考えると、国の財政難を考えると、個人負担でいいような気がする。何でもかんでもただにしてしまうと、選挙対策、国民には喜ばれるが、それ以上のつけが、必ずどこかで回ってくることを考えるべきである。
民主党が、高額所得者をターゲットに社会性民主主義を唱えるのであれば、税収をアップするように、国民の負担を北欧諸国並みにに負担の増額を強いり、国民すべてに生活レベルが等しく配分するような政策をうちだせばいいし、逆に自由民主主義国家を唱えるのであれば、思い切って法人税、所得税などの減税措置をはかり、また国民の負担を極端に減額し、そのかわり、個人は個人で守るようにして、国の手当ても必要最小限に縮小するべきである。現在の民主党案のような、高福祉、低負担は絶対にありえない。その方針を明らかにすべきである。

私も含め、評論は言いたい放題で、なんとでもできる。
ただ、実務は違う。それは、上に立つものであれば、だれでも経験することだ。
国の行く末が見えない今、経済、平和、国家の繁栄のためにも、早急な決断、対応、政策の練り直しが必要であり、自民党議員も揚げ足をとる議論や、審議拒否をするでなく、国の行く末に危機感を持って、対応してただきたいと切に願うばかりである。

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2009年09月02日

自民党敗北とこれから

今回の選挙で自民党は歴史的敗北。この要因につき考えてみたい。
といっても一口にこれだ、と言うものがあるわけではなく、いろいろな要因が積み重なって、これまでの自民党政権にNOが突きつけられたものだ。

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2008年11月20日

「社会的常識欠けた医者多い」=麻生首相、全国知事会で発言

「社会的常識欠けた医者多い」=麻生首相、全国知事会で発言
11月19日17時57分配信 時事通信


麻生太郎首相は19日、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師不足問題に関連し、「地方病院での医者の確保は、自分で病院経営しているから言うわけじゃないが大変だ。社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多い。とにかくものすごく価値観が違う」と述べた。

この真意はどこにあるのか?
以下、麻生首相の発言の全文だそうだ。

自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会的常識が、かなり欠落している人が多いと思ったほうがいいなあ。
うちは何百人と預かってますからよく分かりますよ。とにかく、ものすごく価値観が違う。
それはそれで、そういう方をどうするか、という話を真剣にやらないと。
これは本当に大問題なんで、小児科、婦人科というところが猛烈に問題になっている。
これは急患が多い。急患が多いところはみな人が引く。
だったら、その分だけ点数を上げたらどうですかとかいろいろ言っていると、問題点がいっぱい指摘できた。

百歩譲って、医者の社会的常識が欠けるということが、一般の人に比べ「お金や名声でなく、献身的態度”が常軌を逸している。」と言うのであれば、好意的にとれないでもない。しかし、その後の記者からの質問の会見での釈明は、甚だお粗末で、とても好意的に解釈できるものではない。単に、医者は「風変わりなやつが多い、だから、医者不足の責任は医者自身の自覚の問題で、政策とは全く関係ない。」と医者を愚弄する、前の大臣発言となんら変わりなければ、非常な問題である。

もし、医者を愚弄する発言であるとするならば、飯塚病院の先生方は、早くその病院を辞職されたほうがいい。そんな経営者のもとで、なにも献身的に働く必要はない。

さらに、今まで、日本医師会は自民党に政策をお願いすることで、いろいろ恩恵を被ってきたが、総理、大臣の発言をそのまま受け取るとするならば、すでに自民党にすりよる必要はなにもない。むしろ、民主党と政策協議するか、無党派団体として、自民党から離脱することを考えたほうがいい。

マスコミの曲解であるかもしれないが、そうならそうで、しっかり説明するべきである。

付け加えていうなら、テレビ朝日の「報道ステーション」の古館氏の発言も首をひねりたくなる思いだ。弱者救済を盾に、視聴率を得たい気持ちもわかる。また、すべて医者を擁護する発言をしてくれとも思わないが、医者をバッシングすることで、視聴者の支持を得ようと思うのであれば、その発言は厳に慎重であるべきだと思う。彼の発言もまた、自民党幹部の発言となんら変わりないからである。

最近こういう報道をみるにつけ、むなしい気持ちになる。


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2008年10月26日

産科医療崩壊の危機

東京で、また妊婦さんの悲しい出来事が起こりました。
最近、この手の話があとをたちません。

報道のあり方にも問題ありと思いますが・・。
このことは、竹内先生のブログに書いてありますので、そちらで見てみて下さい。

そうこういっても、早急な対応が必要なのも事実です。
どうしたらいいか・・。

私が考えるに、開業医をうまく使うことだと思います。
地域の諸事情があるので、一概にはいえませんが、搬送先の病院は分娩が年1300件くらいあるようです。これでは、たぶん搬送の受け入れは難しいと思われます。
病院の経営と言われればどうしようもありませんが、ハイリスクとローリスクの患者さんをすみ分け、ERを持つような大きな病院、あるいは未熟児施設を持つような病院では、極力ハイリスクの患者さんを診るように徹底し、ローリスクは開業医に紹介するようにするのが、一番手っ取り早い対策であるように思います。
受け入れる開業医の先生も協力して、また患者さんにも理解していただき、できるだけローリスクの患者さんは救急医療施設では診ないようにしたらいいのではないでしょうか?そうすれば、勤務医の先生の負担も減らすことができるし、今まで以上に入院患者さんの受け入れを確保できるようになると思います。
もっと詳しく分けるならば、切迫早産ならA病院、新生児手術が必要ならばB病院と決めてあると、もっとスムーズかもしれません。


ただ、当地域では、絶対的な未熟児を診る施設が不足しているので、それを拡充することが近々の課題と思います。

開業では、とにかく早産をさせないこと。まずそれに尽きると思います。その管理を厳重にすることで、大病院への負担を軽減できると思いますし、どうしても管理できない重症例を搬送する見極めが必要だと思います。

なにか思い切った対策を打ち出さなければ、ただ、産科医、小児科医が少ない、あるいは受け入れ施設の絶対数が足りない、勤務医の先生の激務が軽減しないなどと言っているだけでは、今の妊婦さんの安全を確保するのは難しいですし、また不幸なことが繰り返すだけと思われます。

また、頑固な頭痛には要注意です。私も以前大学勤務時代、2例の脳血管疾患の患者さんを診てきましたが、いずれもとても重症でした。
妊婦さんは特に、CTなどが簡単に取れないので、臨床症状や神経学的症状で判断せざるを得ません。
なかでも、(妊婦さんには鎮痛剤が投与しにくですが・・)鎮痛剤で効かないほどの嘔吐を伴う頑固な頭痛や、視野異状(目にかすみがかかる、飛び物がする、影がかかるなど)を伴っている頭痛は、必ず紹介、精密検査が必要です。
十分中止してください。

最後になりましたが、今回お亡くなりになられた妊婦さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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2008年10月06日

帝王切開術と子宮全摘

福島の事件でいろいろ問題を取りざたされる中、最近同じような経験をした。

先日、帝王切開をした。
適応は前回帝王切開。現在では、よく子宮破裂を避けるために、行われる方法だ。
術前の異常は貧血があったので、治療をしていた。その他は、心電図、胸写、凝固検査(血がとまるかどうか)も異常はなし。

赤ちゃんが出るところまでは、なんら通常と変わりなかった。
元気に女児出生。元気だった。
胎盤の娩出もスムーズ。胎盤は前置胎盤ではなく、後壁にあるため、前回の切開創にもかかっていなかった。胎盤は体部から、体下部にかけて付着、一部頚部に近かったかもしれないが、前置胎盤といえる位置ではない。癒着胎盤はないと思われた。

問題はこれから起こった。
胎盤娩出後、通常とは明らかに違う出血。
子宮から沸いてでてくるような出血だ。
まず考えるのは、子宮収縮不全。このため、子宮収縮剤を投与した。
子宮の上から(底部)出血はだいぶおさまったが、出血の主病巣はどうも頚部近くのようであった。このため、局所に収縮剤を注射し、圧迫止血を試みた。しかし、一向に出血が収まる傾向にない。今度は、縫合による止血を試みた。これでもだめだ。

福島の先生の心境が頭をよぎる・・・。
たぶん、こんな感じだったんだろうと・・。

この間約40分間くらいであったろうか。出血量は2000gをゆうに越え、3000gに手が届きそうな勢いである。

この方は女児2人であったので、次回は男児を・・と期待されているであろうと思い、必死に子宮温存を試みた。しかし、出血は増える一方で、止血する手立てがない。ここで、ご主人様に話をし、子宮全摘の承諾をいただいた。(本人も話せる状態だったので、簡単に説明し、承諾していただいた。)

それから、子宮全摘。その間約15分・・。出血量は3500gを越えたが、全摘した時点で、出血はなくなった。
2000gを越えた時点手では、DIC(血液が止まらなくなる状態)を危惧したが、輸血が間に合ったせいもあり、最悪の事態だけは免れた。

術後10日目、母子ともに元気に退院された。

今回の事例を経験して、やはり予測できない出血はありうることを再認識した。
実は、今回で帝王切開後の子宮全摘は3例目(前2回は大学勤務時)となるが、前2例は前置胎盤であった。

いずれのときも思うのは、どうにかして、子宮を温存したい・・ということだ。しかし、処置が遅れると、命取りになることも十分に考慮されなければならない。産科医であれば、こういう事態になると、必ずこのジレンマに打ちひしがれる。しかし、状態は待ってくれないので、その時々に瞬時に判断を下さなければならない。

今回結果的には、最悪の事態とはならなかったが、本当にこれでよかったのか・・といつも思う。医学的には、人命を取り留めたので、問題ないと思われるかもしれないが、私に去来する思いは「申し訳ない」である。別に、ミスしたわけではない。しかし、決して「手術したからよかった・・」とは、私はいえない。

とかくお産はお祝い事で、何もなくて当然と思われがちであるが、必ずしもそうではない。かなり重篤な危険性がすぐ隣にあるのである。
・。


福島の事件と比べるつもりはない。たぶん、お産を扱っている産科医は皆、こういう気持ちで、お産に臨んでいるのではないかと思う。反省すべきは、反省し、さらに研鑽をつみ、みなさんに「ありがとう」と言われるお産をしていきたい。

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2008年09月04日

産科医療補償制度(産科無過失補償制度)と分娩費値上げ

http://www.m3.com/news/news.jsp?articleLang=ja&articleId=79471&categoryId=&sourceType=GENERAL&
産科医療補償制度(産科無過失補償制度)とは、出産時の医療事故で子どもが脳性麻痺(まひ)になった場合、医師らの過失を裁判で立証しなくても補償される制度で、産科の訴訟リスクを減らして産科医不足の解消につなげるのが狙い、です。不幸にして、新生児の脳性マヒは、分娩時の異常によるものが10%程度、新生児期におこる感染などによるものが10%程度で、残りの80%は原因不明、即ち胎内ですでに完成されている異常なのだそうです。その子供や御家族を援助する目的で、考えられたのがこの制度です。

一見よさそうに見えますし、今メディアでも話題になっています。
産婦人科学会からは、分娩を取り扱うすべての医療機関に入るよう、通達が出されています。

私たちの長崎県でも先日この制度につき、国の役人の方をお呼びして、会合がありました。

このことにつき、私見も含め意見したいと思います。

まず、一番はこの制度の財源のあり方にあります。
現在加入されている70%の先生方は本当にこの制度のからくりをご存知なのでしょうか?
実は先月末に強制的に加入申込書が送られてきました。私もメディアなどで、おぼろげにこの制度を知っていたので、入ったほうがいいと思い、署名する寸前でしたが、周りの先生のお話を聞くと、躊躇せざるを得ませんでした。
私は、当然国の補償制度として、発足するもので、財源も確保されていると思ったからです。でも実際は違います。
その財源の捻出は、分娩費の値上げによってまかなえ、と言うものでした。
国の役人は、妊婦さんに支払う“出産一時手当金”を現在の35万から38万に増額するので、その増額した3万をこの制度の財源として当ててくれ、というのです。
ここでの問題は、私たちが説明して、妊婦さんがそれを納得できるかと言うことです。
前回(昨年6月)の分娩費の値上げは、実際病院側の経営が今の分娩費では困難であるので、妊婦さんには申し訳ないのですが、一時金の値上げの分の分娩費の値上げをさせていただきました。
都市部では、分娩費が50万−60万くらいと聞きます。私たちの地域を含めた地方でも、それ位にできればこのような悩みはないのかもしれません。しかし、現状はこの地域で1万円値上げするのもはばかりがあるのに、3万円もあがるとなると、本当に妊婦さんの了解が得られるのでしょうか?

さらにこの保険は、妊婦さんではなく、病院と契約することになります。患者さんの補償ということであれば、通常妊婦さんと契約するのが筋です。ちなみに保険料は、施設の分娩数×3万円だそうです。
10件/月分娩がある施設では、月の保険料が30万円となりますが、そんなバカ高い保険は見たことがありません。さらに、補償額は3000万円です。テレビで宣伝している保険ですら、月々3000円で1000−1500万円の保証をするわけですから、いかにこの補償制度が非効率的であるかがわかります。

話が長くなるので、追記とします。続きを読む

ikebon906 at 12:58|PermalinkComments(7)TrackBack(0)

2008年08月21日

大野病院判決

大野病院の帝王切開の失血死の判決が無罪となりました。
私見ですが・・・感想を述べたいと思います。

まずは、この手術でお亡くなりになられた患者様に哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。

医療者として、この件での一番の問題は、この事件が刑事事件として取り扱われたこと、即ち生命を救おうとした医療行為が、結果として最悪の結末になってしまった場合、その医療行為が“凶悪殺人犯”と同列として取り扱われることの危惧でした。
故意に死に至らしめる行為(例えば、明らかな点滴混入のミスあるいは投薬のミス、さらには明らかな誤診による診療行為の不一致など)ではなく、正当と思われる治療をしても、結果が悪ければ、“犯罪者”となる可能性があるということです。

医療行為をする医療従事者は、産科に限らず、その場面場面で、即座の対応が求められます。当然、いい結果を求めて、その時の最良と思われる処置をするわけですが、必ずしも、その行為がいい結果を生むとは、保障されているわけではありません。緊急、重症ならなおさらです。最近の医療ドラマはすべて良い結果になるように設定されており、医療従事者の私でさえ、感動し、日常の診療でもこんなありえない治療でも、うまくいくんだ・・と錯覚させられるほどうまくできています。しかし、現実はそう甘くありません。その認識が、一般の方、報道の方と医療者側のギャップのように思えます。

続きを読む

ikebon906 at 12:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年08月31日

奈良県の流産について

今回の奈良県の流産されたことについて、この報道を見た方はどういう印象をお持ちなのでしょう?

普通の人であれば、「また、奈良県か。何回言っても同じこと、この周産期管理はいったいどうなっとるんや。もっとどうにかすればいいのに・・。」という意見が大半でしょう。
かくいう私も「とりあえず、受ければいいのに・・」と思っていました。

しかし、よくよく見てみると、報道にかなり歪曲した事実があるのに気づきます。

医療システムの不備を指摘すると、どのような状況にしろ、救急隊からの連絡なので、救急の一時処置ができる病院での速やかな受け入れができるよう、整備する必要がるようです。今回は妊娠ということでしたが、急性腹症(急激な腹痛)は妊娠以外でもありうるのですから・・。その意味では、産婦人科だけでなく、他科も入った、いわゆる高度救急一次施設のシステムを整備するのが、先決だと思います。
今回、奈良県立医大の先生は、受け入れ拒否とまではしていないようですが、その報道は完全に拒否しているかのようで、事実に反しているように思います。

それよりも、この報道にはかなり不備があります。まず、この妊婦さんの妊娠週数です。はじめは3ヶ月という報道でした。
私も産婦人科医なので、正直に申しますと、もし3ヶ月の妊婦さんが出血でご連絡いただいた場合、出血、腹痛の程度にもよりますが、軽度であれば自宅安静を支持すると思います。もし症状強ければ、御来院いただきますが、3ヶ月の切迫流産には、基本的に特効薬はなく、安静あるいは流産止め(これはあまり功を奏しないことがしばしば)を投薬するにとどまり、経過を見ることになります。妊娠初期の出血は10人に1人くらいはあることであり、それが流産する確率はさほど高いものではなく、さらに入院安静にしていても、予後には大差ありません。
それを考慮すると、受け入れ側の先生が、処置中で3ヶ月の切迫流産の搬送依頼を受けた場合、拒否しないまでも、そこまでの緊急性を認識していなかったのかもしれません。

しかし、実際にはこの妊婦さんは妊娠20週くらい(6ヶ月)だったわけです。
そうでないと、妊娠3ヶ月で破水が明らかということはありません。逆に妊娠20週だったとすると、もっと早く受け入れを了承したかもしれません。

報道の人は、患者さん側に立った報道をするので、一方的に医療者サイドの不備を指摘しますが、今回のことについては、あえて言わせてもらえば、この患者さんにも責任はあると思います。
それは、その週数まで未受診であったとのことです。この報道はほとんどなされていません。

ここで、ちょっと視点を変えた話をしてみます。
続きを読む

ikebon906 at 13:24|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

2007年08月21日

ブログ更新

最近ブログ更新していませんでした。
にもかかわらず、40名余の方にご訪問いただいてありがとうございます。
私のつたないブログにコメントもいただき、ありがとうございます。

中絶のコメントが多いようですが・・。

いろいろな立場の方がおられて、いろいろな状況で、いろいろな考えをお持ちで・・。

私もいかに答えていいのやら、どうにも思いつきません。

ただ、竹内先生が言われるように、今の現状をありのまま、自分の思うように受け入れて、悩んで、苦しんで結果を出すことしかないように思います。

今は苦しいかもしれませんが、後に後悔しないよう(というのも難しい話ですが)、自分に授かった命について、十分に考えた末に結果を出すことしかないのでは、ないのでしょうか?

私のスタンスは変わりませんが、その考えは、産科医としてのスタンスであり、社会的状況や環境については、その方にしかわからないと思うからです。

でも、できれば避けてほしいですね。

ikebon906 at 02:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年05月08日

またまたでました

「婚姻の解消又は取消後300日以内に生まれた子の出生の届出の取扱いに関する法務省の民事局長通知について」の通達が、産婦人科学会からきた。

要は、妊娠した日を推定し、それが離婚後であれば、現夫の子として認めるとのこと。
それを産婦人科医が証明せよ、ということのようだ。

確かに、妊娠した日を推定することは可能かもしれない。しかし、正確ではない。まして、誰の子か、ということは、全く想像しえない。本人の自己申告を信じるしかない。
まして、非常に微妙な週数ならどうする?月経の日とあわないとか、胎児の発育不良とか・・・。
妊娠初期の受診ならまだしも、中期以降なんてこともありうる。
そんな、予定日なんて、あたりっこない。

戸籍に入れない子供がいることは、不幸なことだ。どうにかしてあげたいと思うが、それをこのような形で決着しようとしている、行政の態度にほとほとあきれる。

予定日作成が故意でなければ罪に問わないとしてはいるものの、どのようにでもすることができる。

くわしくは、わからないが、もっと、スムーズに戸籍をつくれるよう、法整備することが、まずは必要なことではないか?

付け焼刃の制度作成には、もうこりごりである。

ikebon906 at 15:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年04月13日

国民投票法案可決

今日衆議院で、国民投票法案が可決されたとのこと。

国民投票法案とは?いったいなんぞや?

勉強不足の私は、具体的にはわからないが、とにかく憲法改正にかかわる重要な法案だそうな。

そんな、重要なこと、こんなに強行に採決していいのか?
私は民主党支持者ではない。また、現行の憲法も時代に即していないとも思うが、やり方がなんとも、稚拙であると思えてならない。

まず、民主党の修正案と与党案の違いが、はっきりしない。というか、十分な説明がない。ほとんどの皆さんは、しらないのではないか?

また、この最近の投票率の低さ、無関心さを考えると、国民の過半数というものの、有権者の過半数を得ても、全体の過半数を超えることは、まず考えられない。

今の選挙の現状からみても、今の投票率では、支持政党の数の理論で、少々無理な改正論でも、通ってしまうことになりかねない。
へたすれば、また徴兵制も復活するかも・・??
その時に初めて、皆さんが後悔するすることになるのかも・・

その典型が、陪審員制度である。
本当に召集されたら、皆さんどうするのでしょう?本当にいけるのですか?自分の貴重な時間を割いてまで・・。
俺なら、いかない。ていうか、患者さんをほっておいて、人の裁判にたちあっている余裕なんてさらさらない。
それを皆さん容認できるのですか?信じられなーーい。
この法案、どうにかつぶせないんでしょうか?非常に迷惑・・。これも政治的無関心が引き起こしたことといえばそれまでであるが、起こってからでは遅すぎる。

それこそ、国民投票で、廃案にしたいと個人的には思う。

研修医制度も医療改革法案も、やれ施行されると、弊害ばかり・・・。
地デジだって、勝手に決めやがって。このために、2011年までに、テレビを買い換えないといけない。病室のテレビを全部となると、15台も無駄な出費がかかる。

お役人さん、政治家さん、もう少し、世論をきいてください。
いらん、人気取りは必要ない。
十分な内容の啓蒙がないまま(勉強不足といわれればそれまでであるが・・)、いろいろなことが、知らないところで決まっていくのは、どうも不可解であるし、もう少し、有識者とかいう、ごく一部の凝り固まった人の意見だけではなく、現場の声を聞いてほしいものである。

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2007年03月23日

タミフル問題を含めて・・

タミフルを10代の子供には投与しないように・・との通達である。
本当にいいのか?

この件は特にメディアに踊らされている気がする。
確かに、タミフル内服による副作用の精神症状で、お亡くなりになった方は痛ましく、お悔やみ申し上げるとしかいいようがない。
しかし、タミフルはインフルエンザには著効する特効薬であることは、医師、いや一般の人を含め、周知の事実である。要は使い方の問題である。
また、インフルエンザが重症化し、なくなった方も、これまた相当数居られるのである。
遺族の方の無念を攻めるつもりはないが、私見を述べさせていただくならば、副作用で亡くなった方より、タミフル内服で事なきを得た方のほうが、多いと思う。
その薬が使えないのは、由々しき問題である。

現在の国策は、これに代表されるがごとく、非常に曖昧で、ごく一部の人が、大きく騒ぎ立てる(表現が不適切かもしれませんが・・・)と、すぐそれになびいてしまう傾向があるのではないだろうか?

ことの真意、有用性、害悪をもう少し十分に吟味し、政策として発令しないと、見切り発車的なものが横行すると、すべての人が困惑してしまうのである。

安部首相になって、それがあまりにも目立つ。

小泉さんとの郵政民営化問題は、国民の過半数が、経費削減にはやむなし、との判断だったので、それを国策として、支持できた。また、三方一両損的な発想も、今の国の借金をかんがみると、やむなし、一部の負担増はしょうがないとのとことで、了承した結果だ。これは、長期的ビジョンがある程度示されていたので、国民全部が納得といわないまでも、ある程度の支持を得ていたのであろう。

しかし、今回の政策はすべて、付け焼刃的ものが多く、明日にはかわりそうな政策ばかり・・。医療制度、憲法改正、政界再編などなど・・。

たぶん、皆さん、こんな自民党なんて、押したくもないんですよ。
ただ、経団連、日本医師会など、大きな団体は、ある程度数を持った団体じゃないと、自分たちのいいような政策を通すことができないので、いぜんより数を持っている自民党をおさざるをえない・・というのが現状です。たぶん・・。

民主党もいろいろいいようにはいってはいるが、所詮、政権政党ではないので、いざ、自分が政権を取った時に、今行っていることの矛盾に気がつき、方向転換するのではないか・・という疑念が、一般の人には受け入れいられない。所詮、自民党とかわらないのではないかと・・。

さらに、公明党は与党でありながら、自民党の暴走をとめることができない。今回の大臣の問題をみても明らかである。あれを許すくらいなら、政権政党にとどまっておく意味がない。自民党に吸収されてしまえ・・って感じだ。

話は元に戻るが、今日yahooにタミフルを飲まず、インフルエンザによる精神障害で、飛び降り骨折の話題がでていた。
これを契機に、また、タミフルの副作用だけでなく、インフルエンザでもおこるんですよ、こんなことが・・・とだれかが言い始め、やはりタミフル飲みましょうと、近い将来方向転換しそうな予感もする。
もし、こうなるくらいであれば、もっと、正確な是非の吟味をしたあとで、いろいろな決定事項を発表しなければ、見切り発車でなんでもきめれられては、一般のひとは、本当に迷惑である。

ikebon906 at 09:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年03月20日

今の政治、やっぱり変

松岡農相とかいう、大臣・・。
やっぱり、おかしいでしょ。自分でも気づいているんでしょ。

やましいから、いえないんでしょ。
そんなことでは、だめでしょ。

もう、答弁聞いてて、あきれるというか、疲れるというか・・。
もっと、潔くできないものか?

客観的にみても、だれがみてもおかしいでしょ。そんなに、名声を守りたいのか?

柳沢厚労相とかいう、大臣・・。
本当に、医療の現状をわかっているのか?

全国の医師の勤務実態について

共産党小池晃委員
「病院勤務のほとんどの医師が、当直明けの長時間勤務や休日勤務をしていて、すごく長い勤務時間を就労してる。このような厳しい勤務実態が、産科医の減少や医療事故などの 原因の1つになってる」

柳澤厚生労働大臣
「たしかに病院に着いてから帰るまでの時間は長いかも知れないけど、その中には待機してる時間や休憩時間、自分の研究をしてる時間も含まれてるんだから、本当の勤務時間で ある『患者を診察してる時間』だけを見たら、厚労省の調査では別にたいしたことはない」


小池晃委員
「あのねえ、医師の勤務実態ってのはね、研究時間だって十分な勤務時間なんですよ!しかもね、待機っていうけれど、患者さんが来るまで待機してる時間、こういうのぜんぶ無 視するんですか? 厚労省の調査ってのはね、そういうのぜんぶ無視して、実際に診療してる時間だけを勤務時間だとする。これほどね、医師の勤務実態とかけ離れたものは無いですよ!だいたいこ れね、国民の実感にも、日本のお医者さんたちみんなの実感にも、まったく反する!とんでもない認識だ!こういう認識でやってるから、この問題が解決できないんだ!」


全国の医師の数が、世界の基準よりも大幅に少ないって事実について

小池晃委員
「日本中のすべての都道府県で医師の数が不足してる」

柳澤厚生労働大臣
「足りない地域もあるが、余ってる地域もある」

小池晃委員
「日本の中で、住民の数に対して医師の数がもっとも多い徳島県でさえも、世界の平均と比べると少ない。いったい、どこの都道府県に医師の数が余ってるって言うのか?」

柳澤厚生労働大臣
「ええと‥‥徳島県とか‥‥........私は世界と比べてるんじゃなくて、日本の中の話をしてるんです!」

元ネタ
http://www3.diary.ne.jp/user/338790/

この答弁が本当だったら・・・、このひと全くわかってない。

安部首相とかいう、総理大臣・・・。
自分の職にしがみつくのは、もうやめたら?
もっと、冷静な、客観的な目でものをみよう。
明らかに、だれが見ても悪いというものを、かばったりするのは、常識を疑う。

政治家は国民の代表・・とはいうものの、利権がらみで当選しているものなんて、山ほどいる。
そいつらが、勝手に、「国民の代表でござい」と横暴に法案を通していくのは、いかがなものか?
すべて、かね、金、カネである。
医療ネタだけでいっても、1:7看護の問題で、どれだけ現場が被害を被っているかわかっているのか?リハビリ問題、研修制度、地域医療問題、医師不足、少子化などなど、あまりにも、出てくる対策は、浅はかなものばかり・・。

官僚がわるいのか、その長である大臣が悪いのか知らんが、昨日出した法案をすぐ改変せざるを得ないようなものであれば、はじめからもっと、ちゃんとシュミレーションせーよ。

選んだ国民が悪いのか?政治的無関心が悪いのか?それもいえるかもしれんが、やはり、長がしっかりしなければ、この先、なんも良くならん。

全会一致というわけにはいかんので、強行突破しなければいかんのかもしれんが、あまりにも浅はかすぎるのは、政治素人の私にでもわかる。

あんたたち、プロなんやろ?
それで、金もろうとるんやろ?
それなら、もっとプロらしくしろ。それがいやなら、やめてしまえばいい。

過激すぎるかもしれんが、最近あまりのもひどすぎるので、書いてみた。

ikebon906 at 12:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2007年02月28日

薬が使えない

いよいよ3月になります。

最近報道でタミフルの問題が取り上げられている。
あの報道を見る限りでは、タミフルと異常行動は関係があるといわんばかりである。
その因果関係があるかないか、厚労省が調査するとのことであるので、その結論はさておき・・。

タミフルに批判的にな方々は、この薬は危ないから使うな!ということなのか?
タミフルのインフルエンザに対する効果は、一般の方も含め、周知の事実である。
また、インフルエンザの致死率の高さもこれまた、だれもが認めるところである。
なのに、この薬を使うな・・と。
もし、異常行動が問題であれば、使う時に、薬の効果が切れるまで、十分監視して(自宅でも保護者が目を離さない様にして)使えばいいのではないだろうか?

薬には副作用がある。これも、誰しも知っていることであるが、自分は大丈夫と思っている人が多い。

先日抜歯後に、予防的抗生剤、フロモックスを常用量3日間投与して、劇症肝炎で亡くなられた症例の報告があった。この薬は年間2000万人が服用されているそうで、その中で3人が劇症肝炎となり、1人が死亡との報告である。

当院でもフロモックスは、頻用する薬である。
注意して使っても、こういうことは誰しもに起こる可能性を持っている。

その昔、私の先輩で、抗生剤でも重篤な副作用が起こるので、十分に話をしないといけない、ということで、外来中に一人30分以上、抗生剤の副作用につき、説明されている先生がおられた。しかし、「この抗生剤を飲むと、死ぬかもしれませんよ」というと、患者さんはひいてしまう。人によっては、安全な薬に代えてください、といわれるが、そんな薬はありません、としかいいようがない。

その重篤な合併症を未然に防ぐには、申し訳ないが、ある程度自己管理していただくしかないような気がする。

医療サイドは、必要以上に薬を出すことを控えることであろうか。
よく外来の患者さんで、「余分に薬をもらえますか」とお願いされることがあるが、私は「次回の時は症状や原因がかわっているかもしれないし、薬を代える必要があるかもしれないので、お手数ですが、症状が出たときは、再度受診してください」とお話している。人によっては、不満そうに帰られる方もも少なくない。

高齢の方で、降圧剤が3種類も4種類もでている患者さんがおられるが、本当にきいているのか?と思うこともある。

医療者は必要、最少量、最低日数の薬を処方することで、この重篤な副作用を予防することが、必要であると思うし、患者さんのほうでは、薬はたとえ胃薬であっても、重篤な副作用は起こりうるし、重篤な合併症が起こる可能性があるという認識が必要で、なにか症状がでたときの自己管理を徹底して行うことが必要であると思う。

そうしないと、薬は使えない。

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2007年02月16日

開業産婦人科医の悩み

最近、当地域でもお産をやめる施設が、2件続きました。
一人は私の同級生で、閉院し、公立病院へ就職するそうです。
もう一人は、外来のみの診療とするとのこと。

要因は主に二つ
一つは少子化の波でお産が増えないこと(勝ち組と負け組みがはっきりしているということ)、もう一つは、夜勤の看護師さん、助産師さんの確保が、診療所では難しいことです。

以下は今度お産をやめる先生のメールです。

当直の出来る助産師の確保が絶望的となり、残念ながら
3月いっぱいで分娩取り扱いの終了を決断しました。
昨年8月から募集を出していましたが、
准看、正看も1名もありません。産科は敬遠されているようです。
産科崩壊は足元まで来ています。

当院でも今度の3月一杯で2人の看護師が退職予定で、今やっきになって夜勤できる看護師さんを探しているのですが、なかなかいません。

診療所レベルでは、十分な給料を払えないのも一つの要因かと思います。
また、大病院の大規模な看護師募集もネックになっているのかもしれません。

分娩費を35万円から50万に上げてもらえば、給料もあげることができて、人員の確保もできるのではないかとも考えますが、患者さんの負担を考えると、それもできない現状です。

産科医が足りないとはいえ、経営も大変困難になってきています。
毎日、ため息ばかりです。

ikebon906 at 11:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年01月31日

少し疑問が解けました

産科医の裁判は間違っている
http://ameblo.jp/anabanashi/entry-10024297291.html
を読ませていただきました。

やはり手術は、外科の先生を助手にされていたようである。
となれば、これだけ短期間、大量の出血であるので、いくら応援を頼もうと思っても、結果からみても無駄な行為であると思われるし、そこで産婦人科医が登場したとしても、今回の一件と同じく、子宮摘出以外に止血の方法は思いつかなかったであろう。(外科の先生のほうが、止血の術に長けているので・・)

胎盤を剥離した行為については、私も再度教科書を読んでみた。癒着胎盤の際は、出血が増加することがあるので、まず用手的に剥離を行い、出血が多量となる場合は子宮摘出も考慮する、と書いてあることは前回書いた。さらに、剥離することで子宮が収縮、生理的血管結さつがおおこり、止血できる(可能性がある)と書いてある。
となれば、速やかに胎盤剥離を行ったこと自体、この行為は妥当である。

この事件に際し、同じ産婦人科医として、この場に立った場合、自分ならどうしただろうと、いつも考え、もしかしたら命を救えた術があるのではないか?という視点でいつも考えていたので、この術者の先生の荒さがしのような記事になってしまったが、医療行為としては、至極まっとうであると思われるし、私もこういう手順を踏んでいたかもしれないと思う。

このアナウンサーが書いておられるように、この医師は、故意にあるいは悪意をもって、この女性を死にいたらしめたのであろうか?または、大きな過失をもって、この状況を作ってしまったのであろうか?

私は、そうは思えない。
裁判の結果はどうなるかわからないが、正義であるという判断は下していただきたい。

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2007年01月30日

福島の事件の疑問2

まず、稿をはじめるにあたり、この件で亡くなられた患者様に、深く哀悼の念を表します。

紫色の顔の友達を助けたい
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_ace1.html
この先生のブログに、今回の事件の傍聴した速報が詳細に書いてあった。

このブログをみて、私なりに不可解な点を挙げてみたい。

根本的にこの先生は、帝王切開を一人で行っているのであろうか?
助手の先生はいなかったのであろうか?
いくら一人医長とはいえ、手術は看護師前立ちにはできないものである。
せめて、外科系の他科の先生と一緒にすべきであったのではないか?
もし、助手の先生が一緒であったとすれば話は別であるが・・。

次に、出血が多かった場合、本当に胎盤を剥離する必要があったか?ということである。もし、剥離ができないと判断した場合は、速やかに子宮摘出に移行すべきであったのではないか、と思うのである。
しかし、この弁護の主旨は、的を得ていない。
なぜなら、胎児娩出から、胎盤剥離終了まで、わずか(あえて)12分で完了しているのだ。となると、本当に癒着胎盤だったのか?という疑問さえ出てくる。
通常の癒着胎盤であれば、12分で剥離終了するというのは、困難に思える。

しかも、その時の出血量はわずか550mlである。これは、胎盤剥離が十分に行われ、止血も、この時点ではある程度終わっているとさえ思える。
羊水量込みの2000mlの出血量は、通常の帝王切開としては多いように思えるが、極めて多い量ではない。現にこの時点では、バイタルは安定している。

問題はそこからの13分間である。
そこの出血が約5000mlである。この間になにかが、起こっている。
それが本当に癒着胎盤からの出血であろうか?用手的に剥離できる部分がかなりあった、とあるが、逆にその剥離できた限られた部分から、13分で5000mlもの出血をきたすことになるのであろうか?

前述したこととは、矛盾するかもしれないが、癒着胎盤の際は、分娩3期の出血が多くなる可能性があるので、用手的に剥離を進め、出血が多い場合は速やかに子宮全摘を考慮する、とある。胎盤の剥離はわずか12分であったことより、術者の先生の判断は間違っていなかったということになるが、この予期せぬ出血が今回の問題であろう。

しかも、この2分後には、すでに止血に入ってる。
子宮全摘終了が16:30。この先生がどんなに優れた産婦人科医であったとしても、子宮全摘には小一時間が必要であろう。となれば15:30くらいにはすでに子宮全摘にはいっているものと思われる。

こうみてくると、術者の処置は、極めて妥当と思われるのである。
術前、術中の検索も十分になされている。ただ、なぜ術中にもカラードプラをしたのであろうか?そのリスクは術前に評価できた要因は何なんだろうか?それは疑問である。

私見を述べさせてもらうと、術者の先生への疑問は以下に集約される。
1.術者はこれだけのリスクを術前に評価しながら、1人で手術したのか?
2.剥離の際、出血が多いと感じたのであれば、その時点でもう少し早く子宮全摘に移行できなかったか?
3.失血死としてしまっていること(2次的な失血死として思われていれば、司法解剖の段取りをふんでいただきたかった)

私見でいうと、2.は、時間的に一杯一杯であったとして、その他2点以外は、問題ないように思える。

今回の事件で、殺人犯と同じ扱いを受けるのは、極めて遺憾である。それは、医療に携わるものすべてが感じていることであろう。ベストを尽くしていることもよくわかる。報道は怖いことも、改めて認識した。

佐藤先生の最後の一説は心にのこりましたので、転用させていただきました。

「・・・激しい報道が繰り返されたが、こうした場面では、報道する側において、報道の根拠としている証拠が、反対尋問の批判に耐えて高い証明力を保持し続けることができるだけの確かさを持っているかどうかの検討が十分でないまま、総じて嫌疑をかける側に回る傾向を避け難い。・・・ところで、証拠調べの結果が右のとおり微妙であっても、報道に接した者が最初に抱いた印象は簡単に消えるものではない。それどころか、最初に抱いた印象を基準にして判断し、逆に公判廷で明らかにされた方が間違っているのではないかとの不信感を持つ者がいないとも限らない。そうした誤解や不信を避けるためには、まず公判廷での批判に耐えた確かな証拠によってはっきりした事実と、報道はされたが遂に証拠の裏付けがなく、いわば憶測でしかなかった事実とを区別して判示し、その結果、証拠に基づいた事実関係の見直しを可能にすることの重要性が痛感される。」(東京高等裁判所平成10年07月01日判決・高等裁判所刑事判例集 第51巻2号129頁 


 患者さんが亡くなった事は大変悲しいことです。しかし、真相を解明することなく、「一臨床医の過失で亡くなった」だけでは医学の発展はなく、患者さんは討ち死にです。亡くなった真相を把握せずに、一臨床医に対して罪罰を与えることを亡くなった患者さんが望んでいるのでしょうか。真相を科学的に解明できるのは専門家の医師です。医療関係事件の解明に専門医が無視されては絶対にいけない。

 もちろん医師に過失がある事件の存在は無視できません。しかしながら、専門家の医師が「過失はない」と判断する事故で、医師が逮捕されるような国の制度を放置するべきではないと考えます。この裁判で加藤先生が無罪を勝ち取ることによって、医療界は改めてそして強く一般国民に「医療過誤の判断を警察検察がおこなうことは大きな問題がある」と主張できると思います。


この事件に触れるたびに、悲しくなるばかりです。




ikebon906 at 19:32|PermalinkComments(0)TrackBack(1)