民進党の代表選挙に、蓮舫氏が名乗りを上げた。今後の路線については「基本的枠組みは維持しつつ、検討を必要とする」と野党共闘を続ける方針だが、「綱領や政策が違うところと政権をめざすことはあり得ない」という微妙な表現だ。

こういう「連立政権をめざさない野党共闘」が、成功した試しはない。60年代以降、社会党の路線論争は「社共」か「社公民」かでぶれ続け、社共共闘の革新自治体が壊滅した80年代後半にようやく社公民に転換したが、もう遅かった。すでに右派は党を追放され、残ったのは土井たか子の憲法原理主義だけだった。

蓮舫氏も「憲法9条は絶対に守る。これは私の信念だ」という点だけは明確に言い切ったので、憲法審査会での自民党との協議も実のある話にはならないだろう。しかし党内の票読みによると、彼女には社民党・民社党グループと連合がつくので優勢らしい。ほどほどに票をとって生き延びる万年野党をめざすならそれもいいが、それは土井社会党と同じ「ゆるやかな死」への道だろう。

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