亀井さんの国民新党は、郵政民営化に反対した人びとが立ち上げました。この巨大資金が外資に支配されはしないか、というのが、郵便のユニバーサルサービスが守れなくなるということと並んで、この党が民営化に反対した理由でした。
なのに、外資が入ってゆうちょ資金をいいように使うまでもなく、こちらから「献上」するというのです。しかも、相手が困っているから、そうすると。アメリカから資本が流出し始めたというのに、おそらく世界で一国だけ、このくには流出し始めたから流入させるのだと。アメリカの経済学者でも、ここ数年でドルの値打ちは半減すると予測する昨今です。死なばもろとも? そんなこと、わたしたちは合意していないと思うのですが。
亀井さんは、連立政権成立前の去年5月にも、アメリカに渡ってすごいことを言っています。「新政権ではアメリカ国債をダイナミックに買っていく」と(記事はこちら)。ということは亀井さん、前々からの確信なんですね。
どうしてかなあ。こういうとき、経済が理解できればいいのに、と思います。今年は、30年ものアメリカ国債が償還時期を迎えます。日本には一説に30兆円がようやく返ってくるのです。それが使えれば、このくにの財政はひと息つけるのではないでしょうか。わたしたちのお金が、やっとわたしたちの社会に回ることになるのです。
でも、そんなお金を今のアメリカが返せるわけもないので、結局買い換え(アメリカからすれば借り換え)するしかない、と金融専門家たちは言います。そのとおりだとしたら、お金の貸し借りでは借りた方が強い立場になるとは、ほんとうです。しかも、金融相は、さらにゆうちょ銀行のお金までつぎ込んで「ダイナミックに買っていく」のだと。そうだとしても、前もってそんな口約束をしたら、まったく外交カードとして機能しないのではないでしょうか。
私は以前、米国債償還を取引材料にして、沖縄の米軍基地をなんとかさせよう、と書きました(こちら)。アメリカにとっては、辺野古に新しい基地をもらうことより、財政のほうがずっと深刻な問題のはずです。でも、亀井流対米外交だと、かけひきもなにもないような印象を受けます。最初から、「もっとあげます、借金はもちろん返してくれなくてけっこうです」と言っているように聞こえます。なんなのでしょう。わたしたちからは見えないところで、いったいなにが起こっているのでしょう。
30兆円、耳を揃えて返せとは言わないまでも、「全額買い換えはできません、こちらもきびしいので」となぜアメリカに言えないのでしょう。30年ぶりに、このくにがようやくアメリカのくびきから離れることができるというのに、また30年、アメリカの風下に居続けるつもりなのでしょうか。誰がそれを望んでいるのでしょうか。アメリカとの距離を測り直すと主張し続けてきた鳩山さんや小沢さんではないでしょう。30年後、アメリカは「唯一の超大国」でもなんでもなくなっている、ドルは強力な基軸通貨の座を降りているとは、しろうとでも知っているのに。不気味です。




