さとうまきこさんは、入念な情報収集と分析で、いつもいろいろなことを教えてくださいます。きょうのBCCメールはとくに興味深かったので、ご紹介します。
きょうもきょうとて、このくにのテレビニュースは、「鳩山政権、終わってる」と言いたくて、その筆頭に在沖縄米軍基地のことでアメリカとの溝が深まった、もうだめだ、と言い立てています。
絶句し、苦笑しながら肩をすくめるクローリー次官補の映像、わたしも数回見ましたから、このくにのテレビは繰り返し流しているのでしょう。「怒りを通り越してあきれている」とコメントした局もありました。しかし、その前後のやりとりは、以下のとおりだったそうです。
バンクーバーのSatokoさんは、deferを「任せる」となさっていますが、もっとへりくだったニュアンスではないでしょうか。ジーニアス英和辞書には、「〔人・意見・希望などに〕(敬意を表して)従う,譲る」とあり、「承(うけたまわ)る」あたりが妥当なのではないかと思います。そうすると、「日本政府がその立場を表明するなら承ります」というどの意味になると思います。We'd be happy to obligeも、ばかていねいなほどの鄭重な言い回しではないでしょうか。英語はよくわからないので、自信はありませんが。
ともあれ、以下の記者会見を読めば、クローリー次官補の「しどろもどろ」は、なにがあっても日本を刺激しないよう指示されていたために、もっと強圧的に出るべきでは、と迫る質問者を躱(かわ)すのに四苦八苦していた結果だとわかります。
では、さとうさんのメールをお読みのうえ、このくにのメディアがかけたバイヤスのほどを計ってください。クローリー次官補の苦労も、このくにのメディアにかかっては水の泡というわけです。
( Bccで少しのかたに勝手にお送らせて頂きます)
普天間問題について、バンクーバーにいるSatoko さんのブログの記事が本人から送られてきました。
http://peacephilosophy.blogspot.com/
おもしろいので興味のあるかたは読んでください。下記に抜き出します。その下は雰囲気がわかるように、問題の「やりとり」を少し抜き出したものです。このマットさんは「いらいらしている」という言葉を引き出したかったように感じられます。
さとう
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日本のメディアは横並びで「海兵隊トップのコンウェー司令官は普天間先送りを「遺憾」」としたと報道している。
「国務省のクローリー次官補(広報担当)も同日の記者会見で、移設先修正をめぐる再交渉には応じない考えを重ねて示した。 」(共同)
このクローリー氏と「マット」と呼ばれる記者のやり取りを見てほしい。「再交渉に応じない」などとはどこにも書いていない。
まず 「I will defer to the Government of Japan to describe its position」(日本政府にその立場を表明することを任せる)と始めている。
2006年「ロードマップ」に沿う意向、引き続き協議を重ねる姿勢、沖縄の問題が複雑で日本側にも時間が必要なことに対する理解を示し、最後には 「We'd be happy to oblige.」 ((日本側がもっと時間が必要というのなら)喜んで従います))とまで言っているのだ。
「任せる」から始まり「従う」に終わったこの話のどこから「再交渉に応じない考えを重ねて示す」という、あたかも強硬的な態度を取ったかのような解釈ができるのだろうか。そして、この、何か収穫(日本政府の普天間決定延期に対する否定的な反応)を持って帰らないと、奥さんに殺されるといった勢いの記者は一体何者か。その「奥さん」は誰なのか。心当たりのある人は教えてほしい。
(ここまでブログ)
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(上記の解説のあと、やりとりの最後の3分の1ほどの訳 この「やりとり」はブログ内にURLがあります)
質問者(マット):ちょっといいかい―この問題全体について。日本の新政権がこんなに時間をかけているのはすこしいらいらする(frustrating)ことじゃないかい?
クローリー次官補:日本側と作業を続けるつもりだ。我々はこれらが日本側にとって複雑な問題だと理解している。彼らは様々な問題でいま処理のスピードがあがってきているところだ。僕は...とは思わないが。
質問者:これまでも時間をかけてきたと君は思わないかい、キャンベルが日本に何度くらい行ったのかを考えれば。
クローリー:2,3度だ。
質問者:それに日本側も担当者たちをこちらに来させたし。だから、
クローリー:我々は日本側と作業を続けるつもりだ。
質問者:じゃ、引き延ばしもありかい―このままずっと引き延ばさせるつもりかい?
クローリー:ロードマップ(日米合意)があるんだ。それに基づいて計画しつづけるが、しかしこれから数週間か数ヶ月は日本とハイレベル協議を続けるつもりだ。
質問者:本当に「ロードマップ」という言葉を使いたいのかい。他の話においては(笑い)そのロードマップではどこにも行き着かないよ。だから・・
クローリー:もしそれがグアムに至るならばね(笑い)
質問者:まじめに話そう、PJ.まじめに聞いてるのだから
クローリー:マット....
質問者:どれくらい日本にぐすぐすさせておくつもりかい?
クローリー:我々の認識では、沖縄の駐留米軍は沖縄の人々にとり大きな影響をあたえており、そしてそれはまた日本の人々にとって非常に重要で利害をもつものであるということだ。我々は日本政府と協議を続けるつもりだ。
質問者:(マット):しかしそれでは質問にこたえていない。日本にどれくらい引き延ばしさせるつもりなのかい?
クローリー:マット...
質問者:なんだい、単純な質問だろう。
クローリ:広報官は肩をすぼめた、と記録させとこう(笑い)
質問者:それじゃ君には(期限が)わからないのかい?
クローリ:何を?
質問者:分からないかい?これ(日本の引き延ばし)は無期限に続くかもしれないし、そうなったら(米国)政府にとってやっかいだろう?
クローリー:僕は、この日本政府とのやりとりを、無期限とはきめつけないよ。日本政府は我々に、この問題を解決するためにもう少し時間をかけたいと示し、そして我々は喜んで応じるつもりだ。
.......(”マット”は引き下がるが、別の話題からまたこれにもどってくる!)
質問者:日本の基地問題に戻っていいかな? 実際、日本政府は普天間基地の移設値を探そうとしていて、全く別の(聞き取れず)、そして僕の質問は、米国は。。。
................................
質問者:米政権はそれを受け入れることができるのか?
クローリー:現行計画があり、我々はそれが前に進む最善の方法だとかんがえるが、さっきも言ったように、我々はこれを日本政府と協議し続けるつもりだ。
質問者:ああ、我々みんなロードマップが最善だとわかっている、がしかし日本政府はあらたな場所を考えている、だから僕の質問は..
クローリー:それはわかっている。われわれはこの問題を日本政府と協議し続けるつもりだ。
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繰り返し、日本側と協議し続ける、作業を続ける、という言葉がクローリ国務省次官補からでてきます。「いらいらするだろう?」という誘導尋問にはひっかからず、数週間から数ヶ月は日本と協議する、と言っています。
さとう
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