京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの信条です。こういう方がもっと増えるといいのに、と思います。私のばあいは、もちろんそういう場面はご遠慮申し上げていますが、理由は小出さんとは大違いです。お役所の名前が印刷されたおおきな茶封筒がどさっと届くと、まずどきっとして、次に「見なかったことにする」のです。だって、むつかしいことがむつかしいお役所のことばでびっしりと書かれたぶ厚い書類を読破し、もちろん理解し、なにごとかを考える、それを文章にしたためるなんて能力は、からきしないからです。これを読んだお役所のみなさん、もう私を誤解しないでくださいね。
その小出さんが、エネルギー庁主催のシンポジウムに出られたそうです。テーマは、「どうする高レベル放射性廃物」。去年11月20日、岡山での開催でした。参加にあたって小出さんが出した条件はふたつ。ひとつは、1対1での公平な討論を保証する、もうひとつは、シンポジウムはすべて公開する、というもので、これにしたがってエネルギー庁は当日配布物やシンポジウムの一部始終の動画を公開しています。エネルギー庁、快挙です。すべてのお役所のシンポジウムがこうだといいのに、と思いました。小泉政権時代の、広告代理店が入った、お金かけまくり、仕込みしまくりのタウンミーティングと異なり、会場もお金がかかっていなさそうです。
長いので、まだ半分しか見ていませんが、私自身、科学リテラシーや科学的社会的、ひいては歴史的倫理を問われる、中身の濃いシンポジウムです。なぜなら、放射性廃棄物の問題は、科学や政治や経済の、専門性の高い問題でありながら、最終的には私たち市民が意志決定しなければならないことだからです。
下記のサイトから見ることができます。お暇を見てご覧になれば、きっと損はないと思います。私が考えたことは、後日書こうと思います。
http://www.dousuru-hlw.jp/okayama.html
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