社民党

「参院選、沖縄比例区では社民党が第一党」byヤメ蚊さんのブログ

ヤメ蚊さんのブログ、「情報流通促進計画byヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」は、ブログ名からおわかりのように、メディア出身の弁護士さんが、メディアと司法・政治にまたがる情報をわかりやすく解き明かしてくださいます。と言っても、国際法など私には難しいこともあるし、なにしろ文字がちいさい! きっと老眼などとは無縁の方なのでしょう。

その14日の記事を転載します(もとは
こちら)。沖縄県では、比例代表の得票数は社民党が1位だった、党首の福島瑞穂さんも沖縄県で驚異的な票を集めた、というのです。ヤメ蚊さんは、沖縄選挙区で自民党候補が当選したことに焦点をあてているので、各党の比例得票率の都道府県ランキング、自民党は沖縄県がビリだったことしか指摘していませんが、民主党も沖縄県がビリでした。それも、ブービー賞の大阪府(自民)と宮崎県(民主)まで、得票率はじりじりと下がっているのに、両党ともそこから沖縄県ではがくっと下げての、堂々のビリなのです(こちら)。沖縄では、民主も自民も支持されていない、ということです。ちなみに、民主党は岩手県がダントツ1位です。すごいな……。

それにしても、沖縄県と沖縄県外、こんなに選挙の争点も違えば支持政党も違うんですね。ため息。

ヤメ蚊さんも活用しているこの横道もんさんのブログ「都道府県別統計とランキングで見る県民性」はすごく面白いです(こちら)。


     *************************


【社民党、参院選沖縄選挙区で最多得票を報道しないマスメディア〜えっ、辺野古なんて忘れたよってか?】



今回の参議院選で、もっとも、真剣に投票したのは、普天間の県内(辺野古)移転を押し付けられた沖縄の人ではないだろうか。その沖縄の人が、比例区で最も多く投票したのは、県内移転にノーと言い続けた社民党だった。100票当たりの得票数はなんと、22.68票。他方、自民党は、100票あたり17.64票で、自民党としては全国最低の値。つまり、沖縄の人は、いまでも、辺野古移転を決めた自民党を拒否し、辺野古反対を貫いた社民党を支持しており、米軍基地の県内移転を容認していないことがはっきりと分かった。

ところが、沖縄で社民党が最多を占め、他方、自民党は全国で沖縄が一番得票率が低かったことは、ほとんど報じられていない。辺野古移転反対こそが、沖縄の人の願いだということがこんなにはっきりと分かったのに、なぜ、報道しないのか?  まるで、普天間移転問題に目をつむるかのような沈黙ぶりだ。

社民党の県別得票率→http://todofuken.ww8.jp/t/kiji/10866

自民党の県別得票率→http://todofuken.ww8.jp/t/kiji/12125

いまのところ、全国紙では朝日の13日付夕刊が次のようにまともな分析をしているようだ。

【民主が不戦敗を選択した沖縄の参院選は自民の島尻安伊子氏(45)が制した。ただ、比例区で最も多く票を集めたのは社民。全国では2議席獲得にとどまった同党への期待は、米軍普天間飛行場の移設問題を抱える沖縄が、民主にも自民にも厳しい見方をしていることを浮き彫りにした。】
http://mytown.asahi.com/areanews/okinawa/SEB201007120076.html


実は、もうひとつ報道されていないことがある。それは社民党福島党首が、公明党を除けば比例区で個人別得票2位だったことだ。民主党における蓮舫氏の一人勝ちは報道されているが、福島党首の健闘ぶりはまったく報道されていないのだ。

http://www.47news.jp/news/election/sanin2010/hireidaihyou_tokuhyousu_ranking.php

しかも、沖縄での得票数がすごい。上記の朝日新聞沖縄県版によると、

【福島氏の影響力は、県内での個人票の獲得状況に顕著に表れている。福島氏は04年選挙の1万351票から2万7679票へと倍増。再選を目指した民主県連代表の喜納昌吉氏(62)が、6万965票から3万6251票と激減させ落選したことと対照的だ。普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対し、閣僚を罷免された福島氏への支持が沖縄で続いていることが裏付けられた形だ。】

という。

こういうと、沖縄は全国で一番投票率が少なかったではないか、本当に危機感を持っていたとは思えない、という反論する人が出るだろう。

しかし、【最大の要因は、全国で唯一、政権政党が候補者を立てられなかったことだろう。政権へ審判を下す機会が失われれば、有権者の関心がそがれるのは必然だ】(
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-164875-storytopic-11.html)という琉球新報の分析は正しいだろう。

そして、自民党候補者までもが、基地県内移転反対を訴えたのだから、盛り上がらないことこのうえない。

そういうなかで、社民党に投票した人が一番多かったことは、それ自体が、ニュースであるはずだ。

こういう分析をちゃんと伝えられないようでは、そのうち、本当に、マスメディアが見捨てられますよ。崩れ始めれば、結構速いかもしれないですよ。

今は経済的にも苦しいから政府も含めたスポンサー依存が高まっているだろうが、新聞ならば購読者が減れば、スポンサーも金を払ってくれません。市民がマスメディアから本当に離れたら、スポンサーも離れていく…。そうなる前に、市民の側に立った報道を始めるべきだと思いますよ…。

このエントリーをはてなブックマークに追加





沖縄は国政を見限り始めたのか

今回の参院選投票率、沖縄県は過去最低、全国でもいちばん低かったそうです。4人の候補者のうち3人が、普天間代替基地の県内移設に反対し、消費税率上げに反対しているのでは、また民主党が候補を立てなかったのでは、投票所に行く気も起きなかったのは、理解できます。

でも、民主党比例候補の喜納昌吉さんの落選は衝撃でした。喜納さんは、与党にあって基地の県内たらい回しに反対し、沖縄の声を国会に届け、なんとしても沖縄県内と画策していた平野官房長官(当時)とやりあってきました。それでも、投票率の低さも相俟って、得票数を前回の半分以下に減らしたのです。選挙ポスターに黒いバッテンが書かれもしたそうです。

沖縄を裏切ったのは民主党であって、喜納さんではないのに。つらいです。でも、喜納さんの永田町での働きをわかっていても、民主党候補である喜納さんの名前を書く気になれない沖縄の人びとの「怒」の底知れなさを、思い知るべきなのでしょう。

けれど、沖縄県外では、民主連立政権の沖縄への裏切りは、投票の決め手にはなりませんでした。この一点で政権を離脱した社民党が、まったく票を集められなかったのです。たとえば比例の保坂展人さん、今度も最後に奇跡の滑り込みを期待したのですが、残念な結果になりました。こんなくにを、いったいどう考えればいいのでしょう。天を仰ぎたくなります。沖縄の人びとは、「小指の痛みを全身の痛み」としない多数民意が頼りの中央の政治を、ひそかに見限り始めた、このたびの国政選挙の投票率全国最下位という事態は、そのことの沖縄の人びとの隠然たる表明なのかも知れません。

今回の選挙には、いろいろと思うところがありますが、もっとも応えたのが、沖縄と沖縄を争点とした政党の選挙結果でした。

このエントリーをはてなブックマークに追加





プロフィール

ikedakayoko

おしらせ
「引き返す道はもうないのだから」表紙180


「引き返す道は

 もうないのだから」
(かもがわ出版)

・このブログから抜粋して、信濃毎日新聞に連載したものなども少し加え、一冊の本にまとめました。(経緯はこちらに書きました。)
・かもがわ出版のHPから購入していただけましたら、送料無料でお届けします。
かもがわ出版 注文ページ

記事検索
アーカイブ
リンク





このブログの更新をメールでお届けします。 アドレスをご入力のうえ[決定]ボタンを押してください。

記事通知ブログパーツ「読んでミー。」