辺野古

メアのクビを取れ

征服者が被征服者を尊敬することはありません。宗主国の人間は植民地の人間を軽蔑しかしません。このくにの、ついこのあいだの歴史を思い起こせばわかることです。植民地支配や侵略の記憶は、孫やひ孫の代になって嫌韓、嫌中といった言葉が発明され、それが定着するほどに、この社会の獲得形質を、ごく一部ではあれ不健全にゆがめています。かつて下に見て痛めつけた相手が痛手を乗り越えて立ち直ってきた時、「向こうは仕返しをたくらんでいるに決まっている」と考える、おのれの悪意や敵意を相手に反映させた防御反応が、そうした病理的な心理を生むのでしょう。

過去の悲惨を胸に、なにくそでがんばってきた韓国や中国の人びとが、時に怒りや悲しみをこちらにぶつけてくるのは、いかんともしがたい、自然なことです。こちらがするべきは、それを受け止めること、その悲しみや怒りは正当であることを何度でも肯うことです。謝ることです。お互いにとって取り返しのつかない過去の悲劇は、そうやって克服していくしかありません。火事を出したら3代謝り続ける、それがこのくにの伝統だったはずです。

のっけから話があらぬ方へと飛んでいってしまいました。言い訳すれば、私にとってはそのくらい考えさせるできごとではあるのです。

ケヴィン・メア。80年代から駐日大使館に勤務し、06年から09年までは在沖米総領事をつとめ、今は米国務省日本部長の座にあるアメリカの高級官僚です。この人の昨年末の発言がメディアに出た、なぜこの時期なのか、とまずは首を傾げました。ニュースのタイミングにはなにかしらの意図が隠されている、と考える癖がついてしまったからです。

ブログ「地元紙で識るオキナワ」さん(
こちら)が、連日にわたって網羅的に紹介してくださるメア関連記事によると、沖縄研修旅行を控えたワシントン・アメリカン大学の学生14人を対象に、昨年の12月3日、メアサンが講義をした、そこに沖縄出自の日系4世の学生がいた、この学生をはじめとする4人がノートを持ち寄って講義録をつくった、ということのようです。

12月18日から高江をふくむ沖縄各地を回って、米軍基地に苦しむ沖縄の現実に衝撃をうけた学生たちは、メアサンの言説と照らし合わせて、その外交官としての資質を「悲しい」と評しています。はたちそこそこの学生たちの感性はまっとうです。沖縄の現状も人びとも、メアサンから「聞いた話と違う」、ヘリパッドに反対している人びとは「勇敢だ」、「(辺野古の)現行案は米国と沖縄の関係を壊すだけだ。普天間は間違いなく危険だった。国務省や外務省だけでなく、沖縄を入れた議論を始めないといけない」(3月8日付「沖縄タイムス」、元は
こちら)と堂々と持論を展開して、すばらしいと思います。

メア語録を追いながら、私は奇妙な既視感にとらわれていました。守屋武昌元防衛事務次官の「ぼやき」調の述懐(拙ブログ「ぼやいてみせる守屋サン」10年4月27日 
こちら)と、メア日本部長の高飛車発言、立場や資質の違いからくるニュアンスを除けてみると、中身は驚くほど似ているのです。守屋サンとメアサンは、(たぶん沖縄のゴルフ場でまっ黒になりながら)辺野古新基地建設をおしすすめようと、ともに汗をかいた仲です。メアサンは任期中、基地を容認する沖縄の財界人としか接触しなかったそうですが、守屋サンの『「普天間」交渉秘録』(新潮社)を読むかぎり、守屋サンもそうでした。そして、かれらにきりきり舞させられ、いっぽうは沖縄に「手玉にとられた」とぼやき、いっぽうは沖縄は「ゆすりの名人」と軽蔑もあらわに言い捨てた。

つまりふたりとも、それぞれの政府からうけた厳命をまっとうできなかったどころか、1ミリも前進させることができなかった。上司から無能、使えないと烙印を捺されてもしかたなかった。沖縄の、かれらと交渉にあたった財界人ではなく、基地に出て行ってほしいと粘り強く行動し続けた沖縄の人びとの勝利です。でも、だから、ふたりは自分の不首尾を沖縄の人の不誠実のせいにして、役人としての保身にこれ努めているのです。人は失敗した時に本性をあらわすものです。ふたりは卑怯で小心なところがバレてしまいました。表向き、どんなに権力の中枢にいて肩で風を切っていようとも、しょせんは手柄に汲々とする小役人でしかないことがバレてしまいました。守屋サンは収賄の罪で服役中です。

だからと言って、メアサンに憐れをもよおす必要はありません。断乎、クビを取りに行くべきです。そうしない内閣は、植民地の下請け政庁であり、どんなにばかにされてもこちらからは波風をたてたくない、「へいこら」姿勢をとり続けたいと公言することになります。メアサンは沖縄を侮辱したと、沖縄のメディアは主張しますが、よく読むと、日本の和の文化はその実ゆすりの手段だとか、日本人は本音と建て前を使い分けるとか、このくにを丸ごと軽蔑したうえで、なかでも沖縄の人びとはそういうことに長けている、としています。県内外のウヨクさん、こぞって怒っていただきたい。いま怒らないで、いつ怒ります?

アメリカの国益を、アメリカの国益のみを追求する正直と言えば正直なメアサンの今回の発言、これからアメリカの外交を観察するのにおおいに役だってくれるでしょう。とくに、9条改憲してもらっては困る、あれがあるから米軍基地を沖縄などに置けるのだし、集団的自衛権は別の話として進めていけばいいし、そうできるのだから、自衛隊はどんどんアメリカにとって使い勝手のいいものにしていけばいい、という主張は、9条護憲を唱える県外の人びとの弱点をみごとに突いています。改憲して戦争のできるくにになるのはいや、かと言って米軍に居座られるのも拒否したいとする立場からこれに対抗するなら、辺野古・高江でがんばっている人びとと連帯することがますます重要になってきます。でもその前に、メアのクビを取れ、と政府に迫ることでしょうね。

なぜこの時期に報道されたのかは、いまだわかりません。メア発言、各論についてもいろいろ思うところがありますが、きょうはここまでにしておきます。

(エントリのタイトル、「メアのクビを取れ」は表現としておかしいですね。正しくは「メアのクビを差し出させろ」です。タイトルを訂正すると、すでにツイッターやあちこちのサイトに出回っているので混乱を招くと思うので、ここに訂正しておきます。16:06)

ウェブ版「沖縄タイムス」紙(3月8日付)の「メア日本部長発言録全文(日本語)」を以下に貼りつけます(元は
こちら)。「沖タイ」はウェブに英語全文も載せています。気合い、入ってます。ジャーナリズムの気概を感じます。

     ************************

アメリカン大の学生らが作成したメア日本部長発言録全文は次の通り。

   ×   ×   

私は2009年まで駐沖縄総領事だった。在日米軍基地の半分が沖縄にあるといわれているが、この統計は米軍専用基地だけ勘定している。もし、米軍基地と米軍と自衛隊が共用している基地のすべてを考慮に入れれば、沖縄の基地の割合はもっと小さくなる。沖縄で問題になっている基地はもともと水田地帯にあったが、沖縄が米施設を囲むように都市化と人口増を許したために今は市街地の中にある。

沖縄の米軍基地は地域の安全保障のために存在する。基地のために土地を提供するのが日米安保条約に基づく日本の責務だ。日米安全保障条約に基づく日米関係は非対称で、日本は米国の犠牲によって利益を得る。米国が攻撃されても日本は米国を守る責務はないが、米国は日本を守らなければならず、日本の人々と財産を保護する。

 集団的自衛権は憲法問題ではなく、政治問題だ。

1万8千人の米海兵隊と航空部隊が沖縄に駐留している。米国が沖縄に基地を必要とする理由は2つある。既にそこに基地があることと、沖縄は地理的に重要な位置にあることだ。(東アジアの地図を見せながら)、在日米軍の本部は東京にあり、そこは危機において、補給と部隊を調整する兵たん上の中心に位置する。冷戦時に重要な基地だった三沢はロシアに最も近い米軍基地であり、岩国基地は朝鮮半島からわずか30分だ。さらに、沖縄の地理的位置は地域の安全保障にとって重要だ。

沖縄は中国に朝貢していたが、独立した王国だった。中国の一部になったことはない。米国は1972年まで沖縄を占領した。

沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄とのコミュニケーションのパイプを持っていない。私が沖縄の人と接触しようと提案すると、民主党の関係者は「はい!はい、お願いします」という。自民党の方が現在の民主党政権よりも、沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解している。

3分の1の人は軍隊がない方が世界はもっと平和になると思っているが、そんな人たちと話し合うのは不可能だ。

09年の選挙が民主党に政権をもたらした。これは日本では初の政権交代だ。鳩山首相は左派の政治家だ。民主党政権下で、しかも鳩山首相だったにもかかわらず、米国と日本は2+2(外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会)の声明を(昨年)5月に発表することができた。

〈メア氏は部屋を退出し、彼の2人の同僚が日米の経済関係について講義。メア氏が戻ってきて講義を再開すると、2人の同僚は部屋を出た〉

米国は普天間飛行場から海兵隊8千人をグアムに移し、米軍の存在感を減らすが、軍事的プレゼンス(存在)は維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。

(米軍再編の)ロードマップのもとで日本は移転費を払う。これは日本による実体的な努力のしるしだ。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。日本の民主党は日本本土への施設移設も言ってきているが、日本本土には米軍のための場所はない。

日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。

しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。

沖縄の主産業は観光だ。農業もあるが、主産業は観光だ。沖縄ではゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。

沖縄は離婚率、出生率、特に婚外子の出生率、飲酒運転率が最も高い。飲酒運転はアルコール度の高い酒を飲む文化に由来する。

日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。

沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ。

日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。

米軍と日本の自衛隊は違った考え方を持っている。米軍はありうる実戦展開に備えて訓練しているが、自衛隊は実際の展開に備えることなく訓練をしている。

日本人は米軍による夜間訓練に反対しているが、現代の戦争はしばしば夜間に行われるので夜間訓練は必要だ。夜間訓練は抑止力維持に欠くことができない。

私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている。憲法9条が変わるとは思えない。日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。もし日本の憲法が変わると、米国は国益を増進するために日本の土地を使うことができなくなってしまう。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常に得な取り引きをしている。(共同)

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「抑止はユクシ(嘘)」by琉球新報

「ほとんどの2月13日付新聞の1面トップはムバラク政権崩壊・大統領辞任の記事だったと思います。ところが沖縄の地元2紙はちがいました」──ブログ「地元紙で識るオキナワ」さんの2月14日のエントリの書き出しです(こちら)。この日、沖縄の2紙は、鳩山前首相のインタビューを1面トップにもってきたのでした。

最近、私は、政治家の言葉に向き合っていません。腹が立つばかりで、建設的なことがなにひとつ書けないからです。鳩山さんのインタビューにも脱力感を覚え、なにか言わなくてはと思うのですが、気が重くて、きょうまで放置していました。いまも気が重いことに変わりはありませんが、思い切って向き合うことにします。引用は、琉球新報「鳩山前首相一問一答 見通しなく『県外』発言」(2月13日付、
こちら)によります。

「民主党は沖縄ビジョンの中で、過重な基地負担を強いられている沖縄の現実を考えた時に、県民の苦しみを軽減するために党として『最低でも県外』と決めてきた。鳩山個人の考えで勝手に発言したというより党代表として党の基本的考えを大いなる期待感を持って申し上げた。見通しがあって発言したというより、しなければならないという使命感の中で申し上げた。」

「最低でも県外」は、鳩山さん個人の思いではなく、民主党の方針だったということが、まず確認されました。「しなければならないという使命感」、けっこうではありませんか。政治家なら、そうでなくてはなりません。ところが、これに続く「しっかりと詰めがあったわけではない」は、一言よけいというか、ふつう政治家は口が裂けても言わないたぐいの言葉ではないでしょうか。詰めがあったかなかったかなんて、たとえ訊かれたって答えなくていいのです。むしろ事前に詰めなんかなくたってかまわない、総理大臣というポジションに就いて初めて入手できる情報や人材を駆使して捜せばいいのです。この方、とことん正直というか、なんというか。

閣内が「県外」案で一致しなかったのは、「簡単じゃないとの思いから腰が引けた発想になった人も多かった。閣僚は今までの防衛、外務の発想があり、もともとの積み重ねの中で、国外は言うまでもなく県外も無理だという思いが政府内にまん延していたし、今でもしている。その発想に閣僚の考えが閉じ込められ」たのだそうです。「防衛、外務の発想」とは、「防衛、外務の官僚の発想」の意味であって、「その発想」とは「官僚の発想」でしょう。官僚が、大臣に個別にがんがんレクチャーした結果、大臣たちは簡単に「腰が引けた」わけです。これでは、政治家の存在意義が疑われます。官僚だけがいればいいということですから。

なんでそんな人を選んだのか、北澤防衛相は「防衛関係に安定した発想を持っているということだった。テーマを決めてそのための大臣だという前に、リストを決めてその中で一番ふさわしい人という形で当てはめていった」結果だというのです。「テーマ」とは、このばあい「国外、県外」実現だとしたら、そういうことは問わなかったし、任命時に「国外、県外に向けて働くように」と厳命をくだすこともしなかったのです。政治家としてどのような考えかではなく、ただ分野ごとに実力がありそうだったり、経験が豊富だったりする人を選んだわけで、これではいくら総理大臣がなにかを実現しようとしても、最初からむりというものです。

北澤サンは、「どこまで防衛省の考え方を超えられるか、新しい発想を主張していくかということが本当はもっと勝負だった気がする」とのことですから、鳩山さんの目からは、すぐに防衛官僚に籠絡されてしまったと見えていたのでしょう。岡田前外相は、「民主党が圧倒的な国民の支持を得て政権を中心的につくらせてもらったのだから、党のビジョンはしっかり打ち出すべきだと思った。一致して行動していただきたいという思いはあった」、つまり党首の言うことをぜんぜん聞かなかった、ということです。

そして極めつきは、やはり外交防衛官僚です。鳩山さんの「国外、県外」案という新しい発想を受け入れない土壌が「本当に強くあった。私のようなアイデアは一笑に付されていたところはあるのではないか。本当は私と一緒に移設問題を考えるべき防衛省、外務省が、実は米国との間のベース(県内移設)を大事にしたかった。官邸に両省の幹部2人ずつを呼んで、このメンバーで戦っていくから情報の機密性を大事にしようと言った翌日に、そのことが新聞記事になった。極めて切ない思いになった。誰を信じて議論を進めればいいんだと」

官僚組織がまったく言うことを聞かなかったのです。官僚たちの顔は、上司である総理大臣ではなく、アメリカに向いていた。アメリカこそが官僚たちの上司なわけです。鳩山さんは、5月の連休にオバマ大統領と直談判しようとしたけれど、それがつぶれたのも、お膳立てをすべき官僚組織が動かなかったからだし、官僚に入れ知恵された閣僚たちがてんでに足を引っぱったからでしょう。「密使」を置くことに失敗したのも、同様の理由でしょう。そして、首相のもとには岡本行男という買弁が何度も押しかけた。その手筈をととのえたのは、官僚でなくて誰だというのでしょう。

閣僚は腰が引けている、官僚はいっかな思い通りに動かず、冷笑的。これでは誰だって、「極めて切ない思いにな」るでしょう。でも、そこで突破口を見いだし、力技で道を切り開くのが政治家ではないでしょうか。それを、沖縄の人びとはじめ、政権交代を支持した人びとは期待したのではなかったでしょうか。「殺されたっていい」と言い放った首相もかつてはいたのです。「自分自身の力量が問われた」(この部分はウェブには出ていませんが、「地元紙で識るオキナワ」さんの紙面写真から読み取れます)、ようするに自分には力がなかったと認めたわけです。「極めて切ない」はこちらのセリフです。

私たちは、いったん国の舵取りを任せた人に、「相手は沖縄というより米国だった。最初から私自身が乗り込んでいかなきゃいけなかった。これしかあり得ないという押し込んでいく努力が必要だった」と、あとから反省されても困ります。「オバマ氏も今のままで落ち着かせるしか答えがないというぐらいに多分、(周囲から)インプットされている。日米双方が政治主導になっていなかった」と、官僚主導はおたがいさまみたいなことをおっしゃっていますが、オバマさんは外国の、海兵隊の一基地の問題なんて、さして関心がなかったのではないでしょうか。日本の首相の首が飛ぶほどの一大事だとの認識がなかったから、周囲にまかせっきりだったのだと、私は思います。

官僚は総理大臣を裏切り、忠誠など誓いませんでした。党幹部も閣僚の大部分も、党首の公約をなかったことにして、その手足となって働きはしませんでした。そんな連中は、即刻更迭すべきだったのではないでしょうか。そうすれば、アメリカに隷属するのではない、新しい、よりよい日米関係の始まりを思い描いていた人びとは、鳩山政権への支持をさらに強め、それが内閣や官僚組織を動かし、アメリカに対する外交力を強めたのではなかったでしょうか。鳩山さんという人は、そういう「冷酷な」ことのできない方なのですね。人がいいというのも、政治家、しかもその頂点に立つ総理大臣としては考えものです。

ここまで書いたら、がっくり疲れてしまいました。じつはこれは前置きです。正直な鳩山さんは、じつに重要なことを証言してしまいました。それはあしたに回します。

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続「文書を示せこのポンコツ」 昭和天皇の沖縄メッセージ

きのうの続きです。

昭和天皇の沖縄メッセージは全体が「痛い」けれど、とくに「痛い」文言があります。マッカーサー宛のほうの、以下のところです。

……United States military occupation of Okinawa……should be based upon the
fiction of a long-term lease……According to the Emperor, this method of
occupation would convince the Japanese people that the United States has no
permanent designs on the Ryukyu Islands……

訳すと、「米軍による沖縄占領は、長期リースというフィクションに立脚すべきで、天皇によると、このやり方で占領すれば、日本の民衆は、米国が琉球列島にパーマネントにいるという構想などないと信じ込むだろう」となります。「長期の租借なんて、日本の民衆向けの嘘ですからね、貴国は沖縄を半永久的に軍事占領するべく算段してください、ということが本意ですからね」と昭和天皇のお使いは言った、としているのです。ワシントン宛のほうには、「日本の民衆は米国の軍事的もくろみにウェルカム(喜ぶ)だろう」と、昭和天皇は言っている、ともあります。この「日本の民衆」に沖縄の人びとが入っていないことは明白です。この時、沖縄は米軍の軍政下にあり、「日本」ではなかったのですから。そんな状況のもとで提案されたことが、「核抜き本土並み復帰」というさらなるフィクションを重ねて(まさに嘘の上塗り)、今なおしぶとく延命している……。

問題はさらにあります。昭和天皇は、新しい憲法によって、政治には一切関わらないことになったはずです。けれども、新憲法施行からわずか4カ月あまりのこの時期、むしろ戦中よりも活発に、まるで水を得た魚のように、憲法など第4条(天皇の国政参加禁止)も第99条(憲法遵守義務者の筆頭は天皇)もどこ吹く風、政治家として旺盛に活動していたわけです。しかもその動きが以後60年以上、沖縄の桎梏となり続けたとなると、その政治責任は重い。昭和天皇の戦争責任について、議論は収束していません。しかし私は、昭和天皇の戦後責任、とくに沖縄に関する政治家としての責任についても問われねばならないと考えています。

先ごろ民主党政権は、米軍辺野古基地新設反対の市長を選んだ名護市への交付金16億円を停止しました。住民の民主的意志決定ではなく日米合意を金科玉条とする「民主」党政権は、つぎつぎと閣僚を沖縄に送り込み、「じゃあ普天間はそのままってことですね。危険でいやだと言うなら立ち退くしかありませんね」と慇懃にすごんでいます(ブログ「地元紙で識るオキナワ」さんの記事は
こちら)。ヤンバルの高江では100人もの作業員が、非暴力で抗議する村人たちを尻目に、米軍ヘリパッド建設のためのフェンスをつくってしまいました(琉球朝日放送のサイトはこちら。動画あり)。さらに23日には、米軍ヘリが「ヘリパッドいらない」住民の会のテントの上空たった15メートルで1分間ホバリング、テントは支柱のパイプが曲がり、シートがはずれ、机や看板が飛ばされました(こちら)。なんのつもりかわかりませんが、いやがらせととられても構わないと考えてやったことは否めないのではないでしょうか。

そんな昨今の沖縄を見るにつけ、60数年前の昭和天皇の沖縄メッセージは、きわめて重いと思えてなりません。天皇制を支持する方がたにも、この問題をいっしょに考えていただきたい。これをクリアすること、つまりひとりの政治家としての昭和天皇にきちんとした評価を下すことは、これからも天皇一家に好意を寄せていきたいとする人びとの課題ではないでしょうか。これは、尊崇や敬愛といった個々人の内面にかかわることをいったん棚上げにした、政治一般の問題です。ひとりの政治家の結果責任を後世が問うという、ごく通常の歴史の手続きです。私は、昭和天皇はすごい政治家だったと思います。その意図した通りのことが、2010年も終わろうとしている今なお、現在進行形で進んでいるのですから。

沖縄メッセージに戻ると、……Soviet Russia and China, would thereby be stopped from demanding similar rights という件(くだり)が目をひきます。similar rights、「おなじような権利」とは、沖縄を占領する権利のことで、アメリカが沖縄をとってくれれば、ソ連や中国がとれなくなる、というわけです。これは、戦争は植民地獲得のためという、帝国主義時代の発想です。そうした侵略戦争は、すでに国連憲章とニュルンベルク裁判で禁止されていました。昭和天皇は、新しい国際法とのかねあいを沖縄の主権は日本に残すところに求めながらも、古いルールをひきずって、沖縄をいずれかの戦勝国に戦利品として差し出す植民地と見ていたことがうかがえます。

沖縄メッセージを伝えた寺崎英成という人の「先見の明」にも舌を巻きます。マッカーサー宛の最後の段落です。寺崎は、沖縄の軍事占領は日米二国間の条約によるべきで、連合国側との講和条約に含めるべきではない、と提案したというのです。 なぜなら、講和条約に含めると頭ごなしの感じが強く出すぎて、将来、日本の民衆のものわかりのよさ(the sympathetic understanding)を損ねる虞があるから。サンフランシスコ講和条約と日米安保条約は、この提案をみごとに具現しています。それで、先見の明と言いました。在米日本大使館に勤務したことのある元外交官寺崎の顔は、徹頭徹尾アメリカに向いています。「沖縄軍事占領をこの先ずっと民衆に受けいれさせるにはこうしたほうがいいですよ」と、アメリカに入れ知恵しているのです。まさに買弁とはこのことです。ここに戦後の外務省、ひいては現政権にいたるすべての政権の原型を見る思いがするのは、私だけでしょうか。

とにもかくにも、昭和天皇の沖縄メッセージが広く共通の情報となることがたいせつです。「文書を示せ」とおっしゃる方がおられるのですから、公開から30余年がたった今なおあまり知られていないのでしょう。今年は、アサンジュ氏のウィキリークス情報が、各国政府を震撼させました。このくにでは公安情報と尖閣ビデオが流出して、議論を呼びました。だけど、各国政府が地道にやっている情報公開によっても、沖縄メッセージのようなすごい情報は次々と私たちのものになっています。直近では、外務省が沖縄返還にかんする機密を公開しました。そうした古典的な公開情報にも目配りしなくては。私たち、忙しい。

それにしても、「このポンコツ」なんてはしたない言葉遣いの人に熱烈なシンパシーを寄せられたら、おととい喜寿を迎えた方ならずとも、困っちゃうんじゃないでしょうか。漫画表現なら、はんぱな笑い顔に冷や汗たらーってところです。


12月25日の朝日ニュースター「パックインジャーナル」で、田岡俊次さんが、「戦後、沖縄だけをアメリカに占領させてほかは独立してしまったのは悪質なこと」と言っていました。(12月26日2:00追記)

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歴史は繰り返すのか 辺野古をめぐる7年半

過去を振り返って、ため息が出ることがあります。

1997年12月21日、辺野古への新基地建設(当時はヘリポートと言っていました)をめぐる名護市市民投票は、反対が賛成を上回りました。2009年8月30日、衆議院選挙で、沖縄は辺野古への新基地建設を進めていた自民党と公明党の議員をひとりも当選させませんでした。

1997年12月24日、市民投票の3日後、比嘉鉄也名護市長(当時)は、辺野古への基地受け入れを表明し、同時に辞意を明らかにしました。2010年5月23日、鳩山首相(当時)は、辺野古新基地建設で米政府と合意し、6月2日、退陣しました。

7年半をへだてて市政と国政、いずれもトップが直近の民意に背いて沖縄にさらなる米軍基地を建設するという決定を下し、その責任をとって職を辞しています。米軍のたかが一組織である海兵隊のたかが一遠征軍、しかももっとも規模のちいさな遠征軍のたかが一基地、しかも主力部隊を置くわけでもない一基地の新設をめぐって、このくにの政治はそのつどおおきく揺れ動いてきたのです。長い、長い間。そして、沖縄の地域共同体に対立をもちこみ、人びとの心と暮らしを痛めつけてきました。

民意が否定される政体を、民主主義とは呼びません。このくにはいったいどんな政治原理で動いているのかと、首を傾げます。傾げた首をひねりにひねったあげく、民意より上位の主体がこのくにの主権を握っているのだ、と考えざるを得ません。この超主権者がアメリカであることは言うまでもありません。アメリカを前にすると、首長や首相はその意向をのむと同時に、首を差し出してきたのです。不気味です。

名護市では、その後の市長選挙で、基地容認の岸本建男市長が選ばれました。7年半後の国会でも、菅直人首相は辺野古への基地建設を既定の事実としています。両者とも、かたちの上では民主的に選ばれているにも拘わらず、重要政策が民意とは真逆の方向を向いています。だから、その正統性のいかがわしさを払拭しきれないのだ、菅内閣のばあいは閣僚の失態失言以前に、発足当時からのアメリカへのへりくだった姿勢こそがいかがわしさを振りまいているのだ、と思うのは私だけでしょうか。

沖縄知事選挙まで、あと4日です。現職の仲井真さんは、辺野古に新基地は無理としながらも、けっきょく国からお金を引っぱって、サッカー場建設などの大型公共事業をする、と言っています。国は基地と引き替えでないとお金は出さなくなって久しいというのに、この論理矛盾に沖縄の人びとは気づかぬふりをして、現職の言葉に安心を求めようとするのでしょうか。そして、またしてもトップが民意を裏切る決定を下し、ことによったら今度も首を差し出すなどして、米軍基地が居座ることになるのでしょうか。歴史は、さらにもう一度繰り返すのでしょうか。そうはならないことを、今日も遠い東京から念じています。

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沖縄独立論者、増殖中

沖縄独立論についてはこれまで、5月17日に「沖縄のみなさま、ゆるさん独立どうですか?」(こちら)と、6月12日に「国連総会 琉球臨時政府 加盟承認」(こちら)の、2本の記事を書きました。ところが最近、沖縄の独立を説く人というか、沖縄独立論者であることをカミングアウトする人が増殖中らしいのです。菅総理までが副総理時代、「沖縄はもう独立したほうがいい」と語っていたそうなのですから。聞いたのは、喜納昌吉議員。以下、ブログ「地元紙で識るオキナワ」さんの6月17日の記事(こちら)から引用します。


「2010年6月1日、民主党沖縄県連の喜納昌吉参院議員(62)の著書『沖縄の自己決定権 地球の涙に虹がかかるまで』(未來社)が発売された。7月の参院選に比例代表で出馬する喜納氏が、自身のこれまでの歩みと政治信条をインタビュー形式で語った本だ。

菅直人首相が2009年9月の政権交代後、沖縄の米軍普天間基地移設問題について周囲に『沖縄基地問題はどうにもならない』『沖縄は独立したほうがいい』という旨の発言をしていたと、喜納昌吉参院議員が自著の中で明らかにした。本当にそう発言したのかは不明だが、新聞で報じられるなど、大きな波紋を呼んでいる。

喜納昌吉参院議員の『沖縄の自己決定権』。 その中の『沖縄の自立に向けて』という章に、09年9月の政権交代後、当時副総理だった菅氏に会った際、米軍普天間基地移設問題について話し合った内容が書かれている。

喜納氏が『沖縄問題よろしくね』と言ったところ、菅氏は『沖縄問題は重くてどうしようもない。基地問題はどうにもならない。もうタッチしたくない』と発言。最後には、『もう沖縄は独立したほうがいいよ』とまで言ったという。

以前から沖縄独立を提唱していた喜納氏はこれに『あ、菅さん、ありがとう!』と返したというが、著書の中で『半分ジョークにしろ、そういうことをいま副総理でもある、財務大臣でもある、将来首相になる可能性もある彼が言ったということ、これは大きいよ。非公式だったとしても重い』としている。

首相がかつて普天間問題に匙を投げ、沖縄独立を推奨するような言葉を漏らしていたということで、喜納氏のこの証言を2010年6月16日までに新聞数紙が報道。産経新聞は23日に首相が沖縄訪問を予定していることに触れ、『就任前とはいえ、国土・国民の分離を主張していたことは大きな波紋を呼びそうだ』とした。これを受けて同日午後、喜納氏はツイッターに

『菅さんは総理に就任して決定権を持った。菅さんなら、沖縄県民が望む未来像を描いてくれるかもしれない。一国ニ制度も含めて、沖縄の自立、独立を国民的に議論する時期がきたのだと思う』
と投稿している。

(中略)

『沖縄の自己決定権』には、喜納氏が03〜4年頃に、民主党の小沢一郎前幹事長に『いつか沖縄が独立したいと思えば独立させてくれますか』と聞いた場面も出てくる。小沢氏は『沖縄民族が独立したいと思うなら、ほんとうに歩けるような道筋を作ってからなら独立してもいい、それも考えてみよう』と回答したという。」


「よろしくね」「あ、菅さん、ありがとう」という喜納さんの声が聞こえてきそうです。喜納さん、ほんとうに愛嬌のある方です。ある時、参議院議員会館のお部屋におじゃまして、戸口で秘書さんと話をしていたら、奥から三線をもった喜納さんが現れて、「ぼくはあなたを知らないけれど、あなたの本は知ってるよ」。そして、「なんの用?」と私と話し込もうとする喜納さんを、秘書さんがあわてて、「先生、委員会がもうすぐ開催です」と押しとどめていました。喜納さんの愛嬌の陰には、沖縄への思いがふつふつと煮えたぎっています。

副総理時代の菅さんからは、沖縄の米軍基地問題についての発言がまったくと言っていいほど伝わってきませんでした。喜納さんの証言どおりだとすると、にっちもさっちもいかない問題、との認識あっての黙(だんま)りだったのでしょう。けれど総理になった今、そうはいきません。副総理時代の発言が事実で、沖縄は独立国の道を歩んだほうがいいと考えているのなら、菅総理は、国家主権をもってしかるべき地域に、それをねじふせる非正統的な政治権力を行使する立場に立ったことを自覚しているはず、ということになります。つまり、菅さんの意識の中では、沖縄は植民地であり、自分はそこを不当に支配している宗主国日本の元首です。

一般に植民地支配は、支配される側を傷つけるだけでなく、むしろより深刻に支配する側を堕落させます。菅総理が、米軍基地沖縄押しつけという堕落の毒杯をあおぐつもりなら、今からでも遅くはないからおやめなさい、と言いたいと思います。無理筋とわかって進めても、ろくなことはありません。辺野古に基地はつくれず、政権の命取りになります。外国軍基地のためにふたつ目の政権が飛んだら、それこそ無様です。

小沢さんの独立への行程、さすがです。そして喜納さんの一国二制度論も、現実味があります。菅さんには、「独立したほうがいい」発言は棚上げするにしても、まさに喜納さんの書名にある沖縄の自己決定権を、全力で擁護する総理になってほしいと思います。それがあなたの本意なのでしょう? 権力は、志を実現するための道具でしょう? 権力を固めるために志を曲げでどうするおつもりですか?

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沖縄の人はすぐこれだ COCCOの肝苦(ちむぐ)りさ

六ヶ所のことを知らなかったからといって、謝ることはありません。今はなにも言えないからと、なにもできないからと、謝ることはありません。「青森の女」は助けてほしいと言わないのに、自分は誰かに、「日本の人」に助けてと言ってきたからといって、謝ることはありません。

類型化はよくないと知りつつも、沖縄の人はすぐこれだ、と言いたくなります、肝苦(ちむぐ)りさです。

雪の青森で、ステージ衣装とはいえ沖縄の夏を思わせるいでたちの、手紙を握りしめるか細い腕はしかし、しなやかで勁(つよ)そうです。この動画を教えてくださった
辺野古浜通信さん、ありがとう。そしてCOCCOさん、私を泣かすものではありません。「アメとムチ」というのはね、あなたの言うように、ムチを受け入れる代わりにアメももらう、という意味ではありません。でも、沖縄のあなた、沖縄の目で六ヶ所を見たあなたの実感では、そうなんですね。

「ここに、いるか? 知代、いるか?」

知代さんはコンサートに来ていた。知代さんには、マイクを外して生声で話しかけていましたね。ステージのミュージシャンとしてのあなたから私的なあなた自身へと、完全にではなく微妙にずれたところで、知代さんに語りかけたあなたの声、しばらくは思い出すたびに涙ぐむと思います。


 

「この映像は是枝裕和監督の『大丈夫であるように』の一部分で」、今夜8時から、テレビ朝日系「ミュージックステーション」にCOCCOさんが出るそうです。みるきい@金沢さんに教えていただきました(9:27)。

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東京メディア発 沖縄への涙 升味佐江子さんin「パックインジャーナル」

CATV朝日ニュースターの「愛川欽也パックインジャーナル」は、専門性の高い出演者たちが2時間たっぷりさまざまな問題を議論する、にも拘わらず肩の凝らない番組だと思います。なかなか見ることができませんが、私にとってはチェックしたい番組のひとつです。

その「パックインジャーナル」に5月31日に出演した弁護士の升味佐江子さん(番組サイトの写真、向かっていちばん右)が、番組冒頭、辺野古新基地建設について話し出したとたん、何度も涙で絶句し、そのあと気を取り直して一気呵成にまくしたてました。いつも情熱的でありながら冷静でユーモアを忘れない升味さんを見慣れている私は、驚くとともに、思わずもらい泣きしてしまいました。以下、その部分です。再放送を録画して、聞き直しました(どなたかyoutubeにアップしてくださらないでしょうか)。

きのう、鳩山さんが辞意を表明しました。そこに至るまで情勢を突き動かしたのは、参議院選挙でも、政治と金の問題でもありません。升味さんの無念の涙、怒りの涙が代弁している、鳩山さんの登場によって火がついた私たちの、「米軍基地はいらない、どこにも、まずは辺野古にも普天間にも」という思いを、ほかならぬ鳩山さん自身が裏切ったことへの怒りだと、私は思います。


「政権交代をするということに価値があるから、民主党勝ってよかったなあと思っていて、民主党にはもともと幅があっていいかげんな人も多いからどうなるかなと不安をもっていたらやっぱりそうなっちゃったと思っているんですけど、私は理屈は別として、ずっと東京で生まれ育った人間として(絶句)、沖縄にたいしては非常に(絶句)、いろんな意味で申し訳ない(絶句)、できることがあるわけじゃないけれども、なんとかしなきゃいけないと思ってたんです(やっとという感じで一気にここまで)。

それを、なんとかしようとしてくれる、できるかどうかは別ですよ、沖縄の立場で初めて日本を代表してアメリカと話をしてくれる総理大臣になってくれると思ってたんです(声は依然ふるえている)。できないかも知れないけど、たとえば沖縄戦の時の白旗の少女の写真を持ってでも、あるいは1995年の少女暴行事件の時のアメリカのジャーナリストのレポートがあるんです、法廷の。通訳が、暴行された少女について、失神して倒れている少女にたいして、米兵3人がどんな卑猥な冗談を言ったか、翻訳できなくって泣き崩れたっていう、そういうレポートがあるぐらい。そういう状態なわけよね。他国の軍隊が、平和なところと近接して存在していて、そこに来る兵隊さんたちは戦場に行って帰ってきてて、だからぜんぜん価値観の違う状態で行き来している、そういう軍隊が同じ都市の中にあって、しかもそれが支配的に存在しているってことがどういうことかっていうことが、きっとわかってくれる人じゃないかなと思ってたんです。だから、そのことについてものすごく失望している。

これがたとえ今この結論になったとしても、政権ができた時に、岡田さんと一緒に、この件はなんとかしなきゃいけないから、どうなるかわからないけれども、とにかくアメリカと話をしたいと、沖縄の占領の歴史のところから、あの占領の状態の中で、でも日本に帰りたいと言ってあれだけの復帰運動をしてくれた県民にたいしてね、その代表者としてこういうふうにしてほしいということを、なぜ言ってくれなかったのか。何度もワシントンに行ったり、クリントンさんが来た時にもそれこそ膝詰めで話をし、けっこう鳩山さんて目が潤んだりする人だけど、目が潤んででも話をしてくれてね、その結果やっぱり今の情勢だとこういうふうにしなきゃいけないんだと、それをひとつのステップとして、まあかれもちょっとは言ってるけども、出発点として話を始めるっていうようなことで今こうなっているんだったら、まだいいと。なんにもないじゃないですか。

この政権になってから、1人でしゃべってあれですけど、鳩山さんと岡田さんは最初の頃わりと一所懸命かなっていう印象もあったけど、他方で北澤さんとか平野さんとか、わりとしらーっとした印象が、わたしはテレビを見ているだけですけど、あった。なんでそれをまとめきれないのか。国家戦略を考える会議はいったい何をしていたのか。非常に怒ってるんだけど。怒ってどうしていいかわからない」


4分近く。この番組でこんなに長い発言に接したのは初めてです。いつも誰もがどんどん口を挟むからです。川村晃司さんも愛川欽也さんも田岡俊次さんも、珍しくじっと聞き入っていました。吉岡忍さんの、「自民党政権はアメリカの代理人だった、それでは回らなくなったので交代した民主党もアメリカの代理人なのか、私たちにはオルタナティヴがないのかということが、私たちの失望だ」という沈痛な発言に、私もあやうく失望するところでした。

いえいえ、失望している暇も理由もありません。辺野古に基地はつくれないし、普天間は即時封鎖、これしか出口はないのですから。吉岡さんも言っていました。「福島さんの罷免はよかった。かろうじてあそこにオルタナティヴがある、もう一つの選択肢があるかも知れないという希望をつなぐことができる」と。

きのう、イスラエルという国家は一線を越えてしまっている、と書きました(こちら)。けれど、升味さんの涙に、考えてしまいました。日本という国家も、とっくに越えてはならない一線を越えていたのではないか、それが常態となって、空気のように意識されなくなって久しかったのではないか、と。ある地域に暮らしているというただそれだけのことで、その人びとは集団で人権を剥奪されている、その他の地域の人びとの「安全」を保証するために、ということならば。私も、升味さんと同じ東京生まれ東京育ちですので、陰惨な気持ちになります。

国防や安全保障を説きたがる人びとは、国民の命と財産を守ることは国家の至上の任務だ、と言います。そのための米軍基地なのだ、と。百歩も千歩も譲って(譲るつもりはさらさらありませんが)そうだとしても、その米軍基地が人びとの命や財産を、尊厳を蹂躙しているという事実を、私たちはどう考えたらいいのでしょう。どう考えたらもなにもありません。この現実は、即座に否定するしかありません。見て見ぬふりしていていいわけがないという思いを、鳩山さんが立てた波風が、全国津浦々に運んでくれました。やっぱり、失望している暇も理由もない、私はそう思います。

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結局負けるのはアメリカ&5月 アクセスの多かった日の記事

政権が交代しても留任された大臣は、継続中のことがらを前政権の方針どおりに進めるよう、指示されるはずです。大臣は、新たな最高指導者に忠誠を誓い、これまでしてきたことに意を強くして、これまでにも増して職務に励むでしょう。

アメリカのゲイツ国防長官のばあいがこれにあたります。オバマ政権は、アフガニスタンやイラクといった継続中の戦争政策を、ブッシュ前政権から引き継いだわけです。在日米軍基地問題は、それらに比べればごくちいさな問題だったでしょうが、それも、ブッシュ政権と自公連立政権のあいだで進められてきた方針を踏襲することにしたわけです。つまりは、辺野古埋め立て新基地建設です。

それが通って、ゲイツ長官はブッシュ大統領にたいして点数を稼いだかたちになりました。けれど、ひとつ疑問があります。アメリカは、地元の合意を基地建設の条件に挙げているはずです。そして、沖縄の、辺野古の合意はけっして得られないというこの事態を、アメリカやゲイツさんはどう見ているのでしょう。亀井さんが福島さんに言ったように、どうせ辺野古には基地などつくれっこないというこの状況を、オバマさんはどの程度知っているのでしょう。いつの日か、ゲイツさんがオバマさんから「よくも実現不可能なプランで糠喜びさせてくれたな!」と怒られるのが落ちです。最後に負けるのはアメリカ、私はそう思います。


今月のアクセスは異次元でした。軍事的な話題になると、そういうことに関心のある方がたからのアクセスが殺到するのです。しかも、このたびは私が間違った情報をお伝えし、次いでそれを訂正したので(とは言え、29日には懲りずにまた「異論」をご紹介していますが)、その方がたは快哉を叫んでいました。戦争に詳しい方がたは、戦争をやめること、撤退することの難しさをよくご存じだからでしょうか、軍事サイトには私が間違いを認めたことを評価してくださる書き込みも見受けられました。恐れ入ります。

もう一つ、特記すべきことがあります。5日の記事へのアクセスが途絶えることがないのです。それも沖縄から。こんなことは初めてです。すこしでも沖縄の方がたの琴線に触れることができたとしたら、これに勝る喜びはありません。今月のアクセス累計では、この記事が断然1位でした。

1位 24日 
沖縄の黄色いメディア&米原潜「コロンビア」はうるま市で抗議を受けていた
2位 22日 米原潜コロンビア未だ帰還せず 韓国軍艦沈没の闇
3位 5日 悪いけど鳩山さん、負ける気がしないんです

アクセスの少なかったのは、以下のとおりです。

1位 2日 
やっぱりガセネタ! 「米国防省が日米安保解消を研究というサンケイ情報」  
2位 4日 
「そろそろカヌーに乗る準備」 辺野古浜通信
3位 1日 南風さん

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沖縄の黄色いメディア&米原潜「コロンビア」はうるま市で抗議を受けていた

最近、黄色に敏感です。沖縄の基地反対のシンボルカラーだからです。人前に出る時は、1着しかない黄色いワンピースを着るようになりました。何年も前に買った服なので、外見の経年変化著しいこのごろでは、やや派手なのですが。

きのうの日曜日は朝からテレビをつけて、鳩山さんが沖縄県庁に入るようすに見入っていました。県庁の反対側の歩道には、幟旗、赤い傘、赤で「怒」と書いた黄色い紙、バナーなどなどを掲げた人びとが押し固められていました。黄色いTシャツも目立ちます。県庁側は警備の人びとで立て込んでいて、市民の姿はありません。黄色い腕章やチョッキをつけた警備の人びとは、その色に内心どんな思いかな、と考えて、不謹慎ながらおかしくなりました。お仕事柄、こっち側に立ってはいても、道のあっち側の人びとと思いは同じという人も多いのではないか、と。

県庁側に位置するカメラのすぐ前を、鮮やかな黄色のカリユシかアロハを来た人が横切り、おやっと思ったら、メディアのものらしい紺色の腕章が見えました。黄色いタオルを首に巻いたカメラマンもいます。

私は日頃、ウェブで沖縄新報や琉球タイムズをチェックし、最近はそれらの新聞に載った論説を教えてくださるサイト「地元紙で識るオキナワ」さんにも、更新通知していただけるよう登録しています。紙面の写真もあるので、まるで現物を読んでいるような臨場感があります。そうした情報に接している限りでは、沖縄のメディア論調は真っ黄色です。もちろん、センセーショナリズムをおしたてたイエロージャーナリズムという意味ではありません。挙げて基地反対なのです。

だから、黄色を身につけて取材に当たるメディア関係者がいるのだ、私はこの方がたが書いた記事を読み、撮った映像を見てきたのだ、そう思うと、胸が熱くなりました。私たちのメディアがここにある、と。

続けて、テレビカメラは知事室に入りました。前回の黄色と打って変わって、鳩山さんのカリユシは青灰色、ほかの人びともまるで墨流しのような色彩で、張りつめたとげとげしい雰囲気です。1人、鳩山さんの斜め後ろに座った県庁の方でしょうか、鮮やかな黄色がいやでも目につきます。冒頭、仲井真知事が短く発言しましたが、政府の決定を「報道からしか知り得ない」と、3度口にしていたのが印象的でした。次いで鳩山さんの発言ですが、「断腸の思い」という表現で辺野古という地名を挙げました。「日米合意」だとか、「昨今の朝鮮半島情勢」だとか、「安全保障環境」だとかの言葉を、私は半ば呆然としながら聞いていました。

と、そこでコマーシャルに切り替わってしまい、あとはスタジオのコメントです。あわててチャンネルを変えても、NHKまでが別の番組をやっていました。こうしたメディアしか、わたしたちはもっていないのだということを、思い知らされました。本来、政治家の重要な発言は、そのまま最初から最後まで、私たちは知るべきです。知事室の外からは、ときおり抗議の声がかすかに聞こえていました。

岡田外相も北澤防衛相も、北朝鮮のしわざとされた韓国軍艦船沈没を引き合いに出して、「やはり沖縄」「やはり辺野古」と主張しています。政権がこの事件にすがっているような印象は拭えません。漠然とした不安にたいするに、漠然とした抑止力。ある雰囲気がつくられ、気分を根拠にものごとが進められているような気がしてなりません。

ところで、申し訳ないことに、おとといの記事を訂正しなければなりません。米原潜「コロンビア」は、「天安」沈没後の4月にホワイトビーチに入港し、うるま市から抗議をうけていたことを、週刊オブイェクトさんが教えてくださいました。その後、5月3日にはパールハーバーに帰還している、と(こちら)。DMで教えてくださった方もいます。ありがとうございました。このブログが悪い意味のイエローになってしまうところでした(「ジャーナリズム」なんておこがましいことは言いません、もちろん)。

また、調査団はアメリカ、イギリス、オーストラリア、スウェーデンが参加した国際的な軍民合同の調査団だったのですね。おとといは「
国際調査団を組織するべきではないでしょうか」と書いてしまいました。こちらも、お詫びして訂正します。が、「まずは中国のような北関与説に慎重な国も入れた国際調査団」と書いたことは、間違っていなかったと思います。中国も入っていれば、国際的な説得力がうんと違っていたのではないでしょうか。

きのうの朝見ていたのは、テレビ朝日系列の「サンデー・フロントライン」です。番組は、首相の沖縄入りのライブ中継とあっちこっちしながら、韓国哨戒艦(ではなく、正しくは「コルベット」というのだそうです。これも週刊オブイェクトさんに教わりました)のことを伝えていました。

解説にあたっていた森本毅さんは、しきりと首を傾げていました。「調査団の報告書には、沈没した『天安』の航路など、事故に至る経緯が一行も一字も書かれていない、生存者の証言もない、『天安』は優秀なソナーなどを備えていたはずなのに、乗組員はなにをしていたのか……」専門家も、軍事常識に照らして、この調査報告書には釈然としないものを感じているようでした。

封印されたKBSスクープの謎は依然残るとはいえ、米原潜との同士討ちという説は、私も今はほぼ潰えたのだろうとは思います。が、だからと言って、北朝鮮の小型潜水艦が魚雷を発射し、「天安」の真下で爆破させた、とする説にもまだ納得できません。公開されたスクリュー、ずいぶん腐食し、貝殻がついているように見えましたが、1ヵ月半であそこまでになるのでしょうか。なるのかなあ。また、魚雷は本来、船体に当てるものです。船の数メートル下で爆破させてその衝撃波で破壊するより、じかにぶつけたほうが効果があると思うのですが。

機雷説もありました。かつて海底に敷設された機雷が作動したのだ、と。それなら、しろうとにもわかりやすい。海底で上を通る船体の金属を探知して爆発し、衝撃波によって損傷を起こす機雷なら、今回の調査の結果と一致します。そして、「天安」乗組員が見張りを怠った、という批判もなりたたなくなります。あのスクリューは漁網にかかったそうですが、かなり離れた海域だったのは、海流の関係などでありうると推測できます。でも、この海域は北と南が異なる境界を主張していて、何度も小競り合いめいた海戦がおこなわれたところです。だったら、魚雷の断片なんて、いくつ沈んでいてもおかしくないのではないでしょうか。そのひとつが、今回たまたま漁網にかかった……。

とまあ、頑迷なしろうとはなかなか納得しないのですが、週刊オブイェクトさん、また教えてください。もしも機雷だとしたら、国際調査団がそれを曲げて、不十分な調査報告書で北朝鮮の小型潜水艦が発射した魚雷だと断定する、何か理由があるでしょうか。考えられるのは、「天安」が演習海域を200キロも外れた問題海域にいた理由が明らかにできない、ということ、艦長以下乗組員がそこで何をしていたのか、明らかにできない、ということ、ぐらいでしょうか。それに国際調査団も同意して、機雷事故だったのを、北朝鮮の魚雷のせいにした。北朝鮮も、これまでけっして褒められたものではないふるまいをしてきたことは確かなのですが。

でも、そうだとしても、北朝鮮とへたに事を構えて、その結果、北朝鮮が崩壊などしたら、いちばん困るのは韓国のはずです。また、韓国の経済も対中貿易頼みですが、中国は北朝鮮の後見役をひきうけ(させられ?)ていて、中国としたら、韓国が北朝鮮と険悪になって支援をやめなどしては困る、と韓国に圧力をかけるでしょう。そのようなリスクを背負ってもなお、真相をゆがめてまで北朝鮮のせいにする動機が韓国にあるのかどうか、疑問です。すくなくとも、来月の統一地方選挙では、李明博大統領に有利にはたらくでしょうが。

陰謀論が苦手なので、なにがなんだかわからなくなりました。ともかく、北朝鮮犯行説にいのいちばんにとびついたのが、辺野古に米海兵隊基地をつくろうとする勢力だったことは、憶えておきましょう。そして、今一度、繰り返しておきたいと思います。「悪いけど鳩山さん、負ける気がしないんです」と。この5月5日の記事は、今なおアクセスしてくださる方がたが毎日何人もいらっしゃいます。それも、多くは沖縄から。私も力を尽くします。自信をもってまいりましょう。

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「そろそろカヌーに乗る準備」 辺野古浜通信

辺野古のことを知りたければ、「辺野古浜通信」です。ああ、これがきょう、辺野古の浜に座っている人が見た海だ、と、毎日のようにアップされる海の写真をながめます。

その辺野古浜通信、とくにここ数日は読んでいて涙がにじみます。「鳩山っ、信じたい」「鳩さんお迎え行動」「第11管区海上保安庁……本来、人命を守るための職であったのに、世界中でもっとも市民を殺している軍隊を守ることになってしまった隊員の方たちには同情しますが、彼らの本来の仕事のためにも私たち市民ががんばりましょうね」「あの4・25県民大会で示された静かで力強い意思を再結集し、沖縄の歴史の転換点にふさわしい、新しい未来をひらくためのアクション」……こうした言葉に凝縮された、深い思索、やわらかい心、そして強い思いに打たれるのです。5月1日の日記から、転載します。私も飛んでいきたい。


鳩山を批判してマスコミや自民党に利用されるのではない、日米の問題をもっと悩み、考えた上で、「対等な日米関係」のために、SACO日米合意の見直し、地位協定の改定、思いやり予算削減へと動くことを求めたい! でも、どうしても基地を持ってくるというのなら、すべての基地の撤去を求める徹底的な抵抗するまでだ!


*****以下、転載、転送歓迎!*****

★5/4(祝)
「普天間基地の危険性除去/負担軽減」を掲げて鳩山首相が来沖!

黄色を身につけて県民大会を再現!
鳩山総理の日程
9:30県庁 みんなでお迎え!(9時集合)
→12:10 ラグナガーデンホテルにて基地所在市町村長と意見交換
→13:45 普天間第二小屋上から基地を視察。
→14:05 対話集会、1時間予定、同小体育館にて、参加しよう!(13時集合)
→16:00 辺野古視察(15時に辺野古テント集合)
→17:15から17:30 名護市長と会談名護市民会館には集合です!
直接思いを届けよう!

※注意※
鳩山首相の来沖にあたり、平和を求める市民の皆さんと、改めて阿波根昌鴻さんの非暴力の精神を共有したい。
「相手は何も分からない子供だと思って教えてあげなさい」
今はまだ怒る時ではなく、伝える時。

KEN子  


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辺野古沖桟橋方式は自然への冒涜です

キャンベル国務次官補が上機嫌で来日したり、鳩山さんが徳田虎雄さんをお見舞いして、徳之島移設を打診したり、政府があるひとつの方向に向かって走り出した感があります。

そのなかで、辺野古沖に杭を打ち、桟橋方式で飛行場をつくる、という案が取り沙汰されています。でも、埋め立てでなくても、広大な海面を覆えば、その下の珊瑚は日光を奪われて死んでしまいます。藻も育たないでしょう。藻を食むジュゴンは姿を消すでしょう。デリケートな動物です。基地から発せられる騒音に耐えられるでしょうか。さらには、無数の杭そのものが、珊瑚をばりばり壊して打ち込まれるのです。当然、潮の流れも変わり、漁場への影響は計り知れません。そんな工事が始まろうものなら、またしてもたくさんの人びとが連日カヌーで海に漕ぎ出して阻止する騒ぎになるでしょう。私も、機会を捉えて、短時間なりとまた浜の座りこみに参加すると思います。

徳之島案というのは、海兵隊が常駐するのではなく、有事の時に軍隊が来る、ということのようですが、この案をつくった人は有事法制をどうお考えなのでしょうか。有事の際には、自衛隊も米軍も、すべての民間空港をつかえることになっています。なのに、こと改めて徳之島にこのような話を持ちかけるとは、いったいどういうことでしょうか。

こんな無理筋の「政府案」、アメリカにたいする「せいいっぱいやりました」というアリバイづくりなのだ、と言う人がいます。金子勝さんとか。「やったけれど、だめでした、国外に移してもらうしかありません」と言うための策動だ、ということでしょうか。たしかに、そうとでも考えなければ腑に落ちません。鳩山さんが、自民党の徳田さんに直談判なんていう、やる前から「当たって砕けちゃう」のがわかりきっている手に出たのも、そうであって初めて納得できます。

そもそも、アメリカがアフガニスタンとイラクで大失敗をやらかした延長線上に、米軍再編計画は立案されました。金銭面をふくめてその一翼を担うというのなら、自衛隊が参戦したあのイラク戦争は果たして支持し、参加するべきものだったのかを検証するところから出発しなければなりません。すでに100人の国会議員がこれに向けて動きだしています。私たちは、アメリカの軍事行動とは、今後もあのように協力すべきものなのかどうかを、自分たちで判断する基準を、イラク戦争参戦という手痛い経験から学ばなければなりません。それをなおざりにして、アメリカの軍事計画にはとにかく協力するのが同盟国のつとめだとするのは、おおいに疑問です。無残な思考停止以外のなにものでもありません。

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この喜びをひとりでも多くの方がたと 名護市長選

「この13年間の思いをぶつけてくれたと思っている。市民の民意が一つになったということを示すことができた。辺野古の海に基地を造らせないということを約束し、選挙運動を戦ってきた。信念をもって約束を貫いていく」(稲嶺進新市長 琉球新報WEB版1月24日)

新市長、おめでとうございます。
名護のみなさん、おめでとうございます。
辺野古浜のみなさん、おめでとうございます。
沖縄のみなさん、おめでとうございます。

行けなくて、ごめんなさい。東京を離れることができず、ちりちりしていました。住民投票という民主主義の厳粛な意思表示を、政府によって無視されてきた名護の地が、このくにの民主主義についに性根を入れるために、この勝利をわたしたちすべてのためにかちとってくださいました。これは、民主主義を宝の持ち腐れにしてきた、このくにの恥ずかしいわたしたちすべてへの、大きな大きな贈り物でもあります。

これからわたしたちは、みなさんの意思を至上のものとして、政府に決断を迫ります。それが、名護のみなさんにたいするわたしたちの恩返しです。

鳩山内閣のみなさん、民意がみなさんの統治権のみなもとであることを、憲法に立ち戻って噛みしめてください。内閣の統治力は、民意への敬意によって強まるのです。腹をくくって、自信をもってアメリカとの交渉に臨んでください。応援しますから。
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アクセスの多かった日の記事 12月

今年も終わろうとしています。一念発起でブログを始めて早、半年。ブログは、出来事に反応して即座に考えをまとめる訓練になると感じています。もしもその考えが間違っていたら、なぜ間違えたのかを、あとからたどることもできるでしょう。そのばあいは、あえて自分の不明を晒すことになるわけですが、それもいいかなと思います。みなさま、これからもいろいろなご指摘、ご教示、よろしくお願いします。

今月、アクセスの多かった上位3本です。

1位 13日 
辺野古の目はなくなった
2位 25日 嘘をついている人の顔 「呼びつけられた」藤崎駐米大使
3位 9日 NHKは世論操作をやめて! 普天間・辺野古

期せずして、普天間・辺野古問題が並びました。月間を通して、あるいはこれまでのどの月も、そういう話題が多かったこともたしかです。ある方がご自身のブログに、「女性のブログにしては珍しく安全保障問題を取り上げる」というようなことを書いておられましたが、べつにこういう話題が好きなわけではありません。また、辺野古や高江に行けば、そこにいる半数はもちろん女性です。もしもわたしが男性であっても、これは喫緊の課題のひとつと考えると思います。ですから、女性であっても、もちろん。

ほんとうに、辺野古の目はなくなりました。一時的に嘉手納へ、あるいは最近浮上した下地島などへという可能性は消えていませんが、2案とも難題山積ですから、実質、「県内」はなくなったと見ていいと思います。なぜなら、鳩山さんは、5月までに結論を出すそうですが、自民党沖縄県連は、この問題が年を越したら辺野古案反対に転じると、自民党本部に通告済みです。そうなると、来年、沖縄は県ぐるみで辺野古案反対になるからです。辺野古の作業は続いていますし、予断は禁物ですが、来月の名護市長選挙で辺野古案つまり「日米『旧政権間』合意」反対候補を、わたしたちがどれだけ圧勝させるかが鍵だと思います。

鳩山さん、意を強くしてください。あなたが主張してきた米軍常駐を廃するという方針は、限りなく正しいからです。占領軍が銃とブルドーザーでつくった基地が60余年居座り、しかもそれに毎年、巨額の貢ぎ物をし続けるなどということは、どう見ても異常です。世界にこんなところはありません。主権者である住民をアメとムチで分断統治するというやり口を、旧政権ないし外務省と防衛省は植民地支配から学んだのでしょうが、そんなことを踏襲するのは、民主主義によって正統性を付与された政治家として恥だと、肝に銘じていただきたい。嘉手納は封鎖、県内転がしはもうしない。まずは、安保とも「抑止」ともおよそ無関係の海兵隊常駐廃止への突破口であるこの一事をなしとげて、歴史に名を残してください。

ふう、かっかしてしまいました。

アクセスの少なかったのは、以下の記事です。

1位 6日 
校舎になった兵舎 友部にて
2位 1日 自民党終わってるかも 町村サンの野次
3位 5日 「アメリカか連立か」って本気で言ってるの?

こちらも、2本までが辺野古問題です。3位の記事で言ったことは、今ますます言わねばならないと感じています。繰り返しになりますが、鳩山さんは連立を組む前から「県外・国外へ」と主張してきたし、その年来の政治理念は「米軍常駐なき安保」です。マスメディアは、そのことを忘れたフリをしています。

今月の珍現象は、23日に先月25日に書いた「”やねだん”に行ってきました」へのアクセスがたくさんあったことです。メールをくださった方がいて、その日やねだんがテレビで取り上げられたことを知りました。わたしも、テレビで興味のあることをやっていると、すぐネットで調べます。そういう方は多いんですね。でもやねだんの記事を読み返してみて、そうやってこのブログにたどりついてくださっても、情報としてはあまりお役に立たなかったのではないかと思いました。写真もぼけていますし。すみませんでした。

来年は、写真を充実させることが課題、というご意見もあります。記事が長すぎるというご意見には、心してお答えできるようにします。が、短時間で書くので、長くなってしまうのです。なんとか解決すべくがんばります。

みなさま、よいお年をお迎えください。
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オスプレイの哀しみ 辺野古にも高江にも普天間にも降りられない

鶚(ミサゴ)はタカ派、ではありません、タカ目タカ科の猛禽で、北半球の海辺に住み、急降下して魚を捕らえます。英名オスプレイ。米海兵隊の次期主力輸送機MV22の別名です。海兵隊所属の現役輸送用大型ヘリはもうぼろぼろで、この新機種への切り替えが進んでいます。

オスプレイはプロペラ機です。でも、両翼についている2つのプロペラがばかでかい、異様な姿をしています。そのままでは、プロペラの先が地面につっかえて、離着陸できません。それで、プロペラをヘリコプターのように水平にして離着陸します。それが、急降下するミサゴになぞらえられているのでしょう。オスプレイは、ヘリのように垂直の離着陸ができ、ふつうの飛行機のように高速で長い距離を飛ぶことができるという、ヘリと飛行機のいいところを兼ね備えているのです(写真はこちら)。

辺野古と東村高江に基地がつくられたとしたら、そこに配備されるのはこのオスプレイです。ところが、これまでの防衛省の環境アセスメントはいいかげんなうえ、オスプレイは想定していません(
資料)。オスプレイ配備は、アメリカでは何年も前に決まったことなのに、「正式の通知がないので、従来型のヘリで環境アセスをやった」というのが、旧政権の説明でした。オスプレイが配備されることなんて、秘密でもなんでもありません。外務省や防衛省は知っていたはずだし、問い合わせれば簡単に確認できたことです。きっと、知っていることにしたくなかったのでしょう。向こうから言ってこない以上、その事実はないことにするというのは、核持ち込みに限らず、このくにの対米追従勢力の対米追従勢力たるゆえんだったことがうかがわれます。

オスプレイは、開発段階でたくさんの死者を出しています。その安全性に疑問符がつくのです。また、出力が現役ヘリの4倍以上というそのすさまじい騒音が、滑走路を辺野古沖にちょっとずらしたぐらいで緩和されるものなのか、なにしろ環境アセスしてないのですから、まったくわかっていません。陸上につくりでもしたら、騒音被害は防げません。

高江はさらに深刻です。ここは、一度行ったことがありますが、ヤンバルの森をひかえた楽園のようなところです。でも、すでにヘリパッドが15ある上にあと6つの増設が予定され、計画通りだと、合計21のヘリパッドにちいさな集落がすっぽり囲まれることになります。今でさえ、爆音をとどろかせて、なんてのどかな表現では足りません、音を通り越した、まるで引き裂かれる世界の断末魔のような大気の状況を突如出現させながら、集落と目と鼻の先のうっそうとした亜熱帯の森の茂みから輸送ヘリの巨体がぬっと浮き上がる光景は、人を底なしの恐怖にたたきこみます。それが、もっと大きなオスプレイだったら……考えるだけでも恐ろしい。

今月5日、前原沖縄担当相は、「オスプレイが配備されれば環境影響評価(アセスメント)をやり直さなければならない」と言いました(記事は
こちら)。あたりまえのことながら、この時期、よく言ったと思います。「移設」が遅れれば、切り替え時期の決まっているオスプレイの配備先は、普天間しかありません(記事はこちら)。そんなことになろうものなら、こんどは宜野湾市民が黙ってはいません。「世界一危険な基地」に危険きわまりないオスプレイが来るというのですから。

ここへきて、防衛省が情報を隠し、市民を甘く見、環境アセスなんて適当にやっておけばいいのだ、としてきたツケが回ってきたのです。「なにぃ? 環境アセスにオスプレイを想定しなかっただと? そんないいかげんなことで『どうぞおいでください、当方に不都合はございませんから』と言ってきたのか?」と怒るのは、普天間、辺野古、東村高江をはじめとする沖縄の人びとや、その人びとと心をひとつにするすべての人びとだけではないはずです。アメリカの当局が怒ります。もしもかれらに、国是である民主主義と人権を尊重する気があれば、「同盟」国当局のサボタージュを怒ります。

海兵隊はもう、八方塞がりです。にっちもさっちもいきません。このくにのどこにもオスプレイを置くことはできないのに、オスプレイへの切り替えは着々と進んでいるのです。時間がありません。計画どおりにオスプレイを配備したければ、海兵隊はこのくにから出ていくしかありません。旧政権下の防衛省の不作為のせいで、海兵隊はお引き取り願うしかないところに、とっくに追い詰められています。前原沖縄担当相の環境アセスやり直し指示は、もしかしたら海兵隊基地縮小、閉鎖への、最後のとどめになるかもしれません。

米海兵隊が、たとえ沖縄の基地はグワムの本拠地を補完するものであったとしても、それを失うことの責めは、前政権と、皮肉なことに事実関係と手続きをごまかしてでも、かたちだけでも海兵隊を沖縄にとどめ置きたかった対米追従勢力が負うことになります。鳩山政権の責任ではありません。

これらは、沖縄の人びとにとっては何年も前から周知のことでした。でも、「本土」ではメディアがあまり伝えないので、知らない人もいると思います。それで、ここに簡単にまとめておきました。
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辺野古と米国債償還問題 きょう国会前で「県内移設反対集会」

なぜマスメディアは、辺野古の滑走路建設を最終的に不可能にしたジュゴン訴訟のことを伝えないのでしょう。きのうの昼、テレビ朝日系のワイドショーでは、きちんと川村晃司さんが言っていましたが、報道で目立つのは、18日までに結論を、というアメリカ側の言い分ばかりです。それを言い立てているアメリカの人たちが、アメリカの国内法上、辺野古の海に手をつけることはできないと、知らないはずはありません。

きっと、わたしたちを洗脳して、米軍再編上、日本のどこにも新たな基地は必要ないのに、「日米合意を反故にするとは不届きなやつらだ、かくなるうえは、グワム基地建設にもっと金を差し出して、相応の落とし前をつけてもらおうじゃないか」とアメリカは言っている、これに歯向かったらたいへんなことになる、と思い込ませるためではないでしょうか。そう画策するのは、日米双方にいる「日米関係で飯を食っている人」(寺島実郎さんの表現)たちです。

日米のお金の問題はそれだけではありません。むしろこれは目くらましで、来年償還期限を迎える巨額の米国債のほうが深刻なはずです。もちろん、今のアメリカにそんな借金は返せません。「新たな米国債に買い換えろ」と言ってくるのは間違いなく、それは自分たちの死活問題だと、アメリカ政府は重々知っているはずです。

そのために、「日米同盟で飯を食っている人」たちが、米政権にたいして点数稼ぎをしようと、総額ン千万かけてかれらを「お招き」してシンポジウムを開くような日本のマスメディアとつるんで、ジュゴン判決をないことにして辺野古に滑走路をつくらないことを挙げて鳩山政権のせいにし、その見返りという口実でグワム基地建設費用を日本に出させるとともに、その裏でもっと大きな、そしてとことん言いがかり的な「見返り」、すなわち米国債償還についてのアメリカ政権による「弱者の恐喝」、つまり「金を返せだと? 返す金はないっ! わかったな!」というごり押しを確実なものにすべく、18日18日と騒いでいるのだと思います。

それで鳩山政権が辺野古OKなんて言おうものなら、アメリカは当てが外れて、「実は国内法で辺野古移設はとっくにだめってことなんです」と白状しなければならなくなり、面目丸つぶれです。鳩山政権には、米政権のメンツをつぶす動機がありませんし、そんな決定をしたら内閣支持率はがた落ちでしょうから、辺野古でGOという決定には合理性がありません。

万が一鳩山政権がそんな決定を下し、アメリカがなんらかの汚い手を使って基地建設を強行させようものなら、鳩山政権は民意に背き、破壊しなくてもいい自然を破壊してまで、アメリカに「あるに越したことはない、くれるならもらっておく」程度の必要度しかない新しい基地をグワムと辺野古にプレゼントすることになり、世紀の大馬鹿者のそしりを受けることになります。

とにもかくにも、日本が中国のように米国債を外交の武器に使い始めたら、しかも中国と協調して「貸し主外交」をすることにしたら、というのは、アメリカの恐怖のはずです。それをなんとか食い止めるためにも、辺野古グワム連立方程式を、無理筋でもなんでも自分たちのつごうのいい解にみちびくことに、アメリカは必死なのではないでしょうか。

日米「同盟」は、百歩譲って安全保障のためにあったとしても、いまやそれとはおよそ無関係なことでアメリカが日本からお金を出し続けさせる口実になり下がっています。日米安保、もう来年で50年が経つのです。ここらでいったんリセットするのが、健全な関係ではないでしょうか。

グワム移転にお金を出す、しかも今要求されている、実費をはるかに超えるお金を出し、そのわたしたちのお金でグワム基地が拡充されたら、そこでも自然破壊が進み、グワムの人びとの生活が脅かされます。根拠のない恫喝に折れて(折れたフリをして)お金を出すことは、自分たちさえよければという利己的な行動とのそしりを免れません。

移転資金さえなければ、唯一海外にいる第3海兵師団は、アメリカ本土の第1、第2海兵師団に吸収される見通しだそうです。軍人の発想は現実的ですから、そうした二の矢三の矢をつがえて身構えているのです。でも、そもそも受け入れ国の資金なしには海外に基地を置く余力のないアメリカにとっては、第3海兵師団解体が唯一妥当な結論ではないでしょうか。そして、それが後世、戦争国家アメリカの頭を冷やすきっかけになった、ということになれば、日本のわたしたちは世界史的な貢献をすることになります。

ふう。ついかっかして、前置きが長くなりました。

ブログ「
辺野古浜通信」は、辺野古のテント村の日々を、毎日、写真入りで伝えてくれます。

辺野古には、わたしも2度うかがいました。ヤマトのある県で、行政が主催した講演会でのことです。質問タイムにひとりの女性が、「池田さん、このあいだ辺野古のテントで、水着着て座りこんでましたね」

それって質問か?

「テントに行くなら、指示が出たら海に出られる用意をして行きなさい」と教えてくださった方がいたので、そうしたのです。もしもそういう指示が出たらどうしよう、と何十年も泳いでいないわたしは一抹の不安を隠しながら、たった1日ですが、浜に座っていました。「海に出ろ」という指示は出ませんでした。

辺野古のブログには、去年うかがったときの
スナップもあります。「アメリカばんざい」のポスターを発見し、「このコピー、わたしが書いたの」と言っているところです(映画の感想文はこちら。いちばん下に出ています)。

コピーに不似合いな不謹慎な笑顔ですが、長く苦しいたたかいをつづけておられる高齢のみなさんや、献身的な若い方がたにお会いすると、勇気づけられて、つい笑みが出てしまいます。

またもや第2の前置き、しかも不要不急な前置き、失礼しました。

「辺野古浜通信」はときどきのぞきますが、なにかあると田場さんという方が転送してくださいます。8日の転送によると、きょう、東京で集会があるとのことです。うー、わたしは先約があって行けません。残念。20日には新宿でも集会があるそうで、こちらには参加します。FAX・メールでの要請よびかけもあります。

6時からの国会前集会の場所は、国会記者会館前路上(東京都千代田区永田町1-6-2)です。
http://www.mapfan.com/m.cgi?MAP=E139.44.53.3N35.40.13.1&ZM=11
千代田線・丸の内線「国会議事堂前」駅3番出口すぐ

6時半からの集会の会場、星陵会館ホール(東京都千代田区永田町2-16-2)への行き方は以下のとおりです。
http://www.seiryokai.org/kaikan.html
有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅6番出口3分
千代田線・丸の内線「国会議事堂前」駅5番出口5分


今朝も多数の作業船が出ています。
実弾演習の音が連日のように集落に響いています。

政治の世界で何をしているのかは、判りませんが、辺野古での埋め立てに向けた調査作業、キャンプ・シュワブ内の関連施設の建設は何一つ止まることなく進んでいます。私たちはいま、それを止めることができないでいます。
このままでは、来年にも埋め立て工事が始まります。もう一度、市民による阻止行動を行わなければならないのでしょう…

以下、辺野古への基地建設を許さない実行委員会 からの呼びかけを転載します。(辺野古浜通信)

******************

今、辺野古が危ない!!【全国の皆さんへ、緊急行動の呼びかけ】
辺野古への基地建設を許さない実行委員会では、いま次の緊急行動に取り組んでいますので多くの皆さんのご参加を訴えます。

★12月15日(火)PM6:30〜「県内移設反対集会」星陵会館(永田町)
       沖縄代表を招いて政府に移設中止を求める決起集会
平和フォーラムとの共催
         →その前段でPM6:00 〜6:30まで国会前集会

★12月20日(日)月例大情宣、PM3:00〜4:00、
新宿駅西口にて首都圏の市民団体、労働組合など団体、個人の大結集をお願いします。

【行動の趣旨】
鳩山政権は、年内にも、普天間基地の「移設」先として、これまで自公政権が進めてきた辺野古へ決定しようとしています。
民主党は、総選挙前、普天間基地の「移転」先として県外、国外「移設」を公約として掲げて、鳩山首相、岡田外務相は何度も主張してきました、ところがここに来て、普天間は県外へとの県民の思いは大切だとしてきた鳩山首相は、仲井真沖縄県知事と密談するなど、日米合意による辺野古「移設」の従来案の容認に大きく踏み出そうとしています。既に外堀は埋まりつつあり、今、極めて危険な状況です。
これは公約違反であり、沖縄の思いを踏みにじるもので、絶対に許すことはできません。

年内決着という暴挙を、許さないために、全国の地域、職場、学園から声を上げていきましょう。
当面、辺野古実では、鳩山政権の関係閣僚へのメールやFAXでの申し入れや要請、抗議(下記)などのほか、上記のような行動を呼びかけています。
是非とも多くの皆さんが参加されることを訴えます。
詳しくは沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックのHPへhttp:
//www.jca.apc.org/HHK/

★鳩山政権の関係閣僚へのメールやFAXでの申し入れや要請、抗議
【全国の皆さんへ、緊急の呼びかけ】
私たちは、首都圏を中心に活動を続ける市民グループ・労働組合など、38団体で構成する「辺野古への基地建設を許さない実行委員会(辺野古実)」です。
大至急、総理大臣にあなたの一言を伝えようと呼びかけます。
辺野古に米軍基地を作ることはダメです!
在日米軍の75%(占有面積比)が押しつけられている沖縄に、また1つ、米兵隊の巨大な出撃基地を作って、沖縄の苦しみを増やしてはなりません。
「世界一危険な」普天間基地は、5〜7年の間に返すと約束されてから13年も経ちます。普天間基地はすぐに閉鎖し、撤去されるべきです。
アメリカに、これらの当然の要求をきちんと伝えてください。
対等な日米関係を主張してきたとおりに実践してください。
※辺野古への基地建設を許さない実行委員会
連絡先:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック(090-3910-4140)
市民のひろば(03-5275-5989)


【呼びかけの趣旨】
民主党は「普天間基地の県外・国外移設」を掲げて政権交替を実現しましたが、鳩山連立政権は、ここ2ヶ月あまりの迷走を続け、大変アブナイ様相を帯びてきています。
自公政権は、13年間も辺野古に作ることができませんでした。
沖縄現地の粘り強い不退転の闘いに、多くの人々が共感し、連帯の輪が拡がりました。辺野古への基地建設はマチガイだということを世界に示してきました。
もし「県外・国外」を主張し、アメリカと対等な外交を主張してきた現在の政権が、アメリカの脅しに屈して沖縄県民の声を受け止めず、辺野古を進めてしまったら!鳩山政権の致命傷になる、だけでは済まされません。
今、沖縄の闘いに連帯して、全国から声をあげてほしいのです。
沖縄だけの問題ではありません。日本中の私たちの問題です。
あなたの声を、総理大臣、政府に届けてください。
時間がありません。でも、どんな状況になっても、諦めないでやり続けましょう。
それぞれの地域でも、それぞれ可能な方法で行動し続けましょう。
「辺野古実」は、この「呼びかけ」の他にも、いくつかの行動の「呼びかけ」をしています。

【送り先】
総理大臣 鳩山由紀夫様
・メール(首相官邸「ご意見募集」)
http://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
・郵送:〒100-0014 千代田区永田町2-3-1 首相官邸

外務大臣 岡田克也様
・メール
webmaster@katsuya.net
・Fax:03-3502-5047  ・Tel:03-3508-7109

防衛大臣 北沢俊美様
・郵送 〒162-8801 新宿区市谷本村町5-1
http://www.mod.go.jp/j/defense/mod-sdf/mod/index.html
・メール(防衛省ホームページで)
https://sec.mod.go.jp/mod/goikenshinsei/goikenbako/index.html
・Tel:(防衛省・代表)03-3268-3111 03-5366-3111

防衛政務官 長島昭久様
tokyo21@nagashima21.net
・郵送:〒100-8981 千代田区永田町2-2-1 
                    衆議院第一議員会館309号室
・Fax:03ー3508-3309  ・Tel:03-3508-7309

沖縄担当大臣 前原誠司様
(内閣府沖縄(北方)担当特命大臣)
・メール(内閣府ホームページで):
    
http://www.cao.go.jp/goiken.html
・郵送で:〒100-8914   千代田区永田町1-6-1
・Tel: 03-5253-2111(大代表)

民主党本部
・郵送:〒100-0014 千代田区永田町1-11-1
・Fax:03-3595-9961 ・Tel:03-3595-9988(代表)

社民党本部
・郵送:〒100-8909 千代田区永田町1-8-1社会文化会館

国民新党本部
・郵送:〒102-0093 千代田区平河町2丁目14番7号 
                                平河町コハセビル3階
・メール:
info@kokumin.or.jp
・Fax:03-5275-2675 ・Tel:03-3239-4545、03-5275-2671
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「アメリカか連立か」って本気で言ってるの?

旅先では、メディアチェックが疎(おろそ)かになりがちです。断片的に飛び込むことばや情報への感想ていどですが、書いておきます。

普天間基地問題で、辺野古に移せと言うアメリカと、それを受け入れるくらいなら連立離脱と言う社民党。それを報じるテレビのある朝のワイドショーが、「アメリカと連立とどっちがたいせつなんだ」という論調でまとめていました。

おいおいって言いたくなります。

違うでしょ。それを言うなら、「アメリカと民意とどっちがたいせつなんだ」ではないでしょうか。きょうは辺野古の浜におじいおばあが座りこんで2057日目、そして沖縄選出の衆議院議員は、4人すべてが辺野古移設反対なのです。それを伝えずに、「アメリカか連立か」はないと思います。

来週、北沢防衛相がグワムに飛びます。海兵隊の飛行場機能もこちらに移せないかを検討するためだそうです。鳩山首相は、辺野古以外の可能性を探るよう、岡田外相に言い、前原国交相は、これまで辺野古にオスプレイを配備するなんて話はなかった、配備するならアセスやり直しだと言い、ケッサクなのは、関空をかかえる橋下大阪府知事が、海兵隊基地を関空に受け入れることを考えてもいいというようなことを言い出したことです。ほかにも、佐賀空港などの名前も挙がり、普天間基地をめぐっては、もうしっちゃかめっちゃか、百家争鳴で、日米協議に出ているルース米大使なんか、「もう知らないっ! 次回の日程? 今は話し合ったって無意味でしょ」という感じです。

確かなのは、年内決定はぜったいむりになったこと。これで、自民党沖縄県連が辺野古移設反対に舵を切ることは確実です。

防衛省は辺野古の環境アセスメント調査を中止するし、そもそも最近この海域でたくさんの新種の生物が発見されたこともあって、日米合意書どおりのシナリオなら年内に出さなければならない調査書も、もう不可能になりました。

メディアは、総理の迷走だの不決断だのと、なんとかこき下ろし、日米に深刻な亀裂、と騒ぎたがっているようですが、民意を尊重した結果にアメリカが文句を言うなら、そんなのは民主主義国家とは言えません。メディアの論調に反して、ことは「結論は急がない」「最後はわたしが決める」と言い続けた鳩山さんの思惑通りに運んでいる、そんな気がします。

そもそも、日米政府が米軍基地を沖縄に集中させることにしたのは、沖縄が「返還」される前です。沖縄は、意見を言うこともかなわずに、基地の75%をここに押しつけると、勝手に決められてしまったのです。いまようやく、沖縄の意見が鮮明に打ち出されています。普天間の問題と辺野古などへの移設は一体で解決ということにも、あちこちから異論が出てきました。それこそ正論です。とにかく普天間は閉鎖することになっていたのですから。

あと一息。鍵はあくまでも強い民意です。沖縄の民意に従った解決を、沖縄以外の住民は支持する道義があるのではないでしょうか。沖縄以外の住民は、沖縄の痛みを負い目として受けとめることで初めて、この問題をわがこととして本気で引き受けることができるのだと思います。
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やっぱり Marines wanna go home 全国紙ってやつは!

おととい26日、伊波洋一宜野湾市長が鳩山由紀夫首相と会い、普天間基地の移設についての提言を渡しました。NIKKEI NETによると、「伊波市長は『沖縄県民の負担軽減を海兵隊のグアム移転を通して実現してほしい。首相を信じている』と訴え」たそうです。

ところが、
沖縄タイムスによるとずいぶん違います。こちらでは、市長は首相に、「米太平洋軍司令部のグアム統合軍事開発計画で、普天間の代替施設としてグアムの既存施設が盛り込まれているなどとして、辺野古以外の移設について再検証を要請した」、となっています。

日経では、市長は負担軽減をお願いしたことになっていますが、じっさいは、宜野湾市は米軍文書を独自に読み込み、解釈して、その結論を首相につきつけた、あるいは講釈してあげたのです。この違いはなんなのでしょう。日経は、ただお願いするしかない、いかにも弱い立場の市長像を演出し、その説得の中身はすっ飛ばしています。

でも、その中身が重要なのです。米軍は射撃場や訓練場の近いところに海兵隊をそっくり移す、それはグワムのアンダーセン空軍基地であり、この計画が出た2006年からの米軍の動きは、宜野湾市の独自の情報収集と分析によると、すべて計画に沿っている、と市長は主張したのです。

なあんだ。だったらわたしのこれっきゃないでしょ 在沖縄米軍基地始末も、ガセネタにまんまと乗せられた無知丸出しの立論でしかありません。相手のある交渉ごとだと、アメリカの言い分を真に受けて、いっしょけんめい考えてあげて損しました。

宜野湾市は、ではなぜグアムに移るのは司令部機能だけで、その後も海兵隊基地は沖縄に残るという「誤解」がまかりとおっているのか、ということも分析しています。それは、国会答弁に立った官僚や参考人と学者のことば遣いに問題があったと、当該の国会答弁を引用して論証しています。26日には院内集会を開いて、与党の議員たちに説明したとのことで、米軍の計画の解読ともども、早くも
市のサイトに載っています。宜野湾市長とそのブレーンの力量のほど、そして努力には、頭が下がります。

だったら、ゲイツさんやオバマさんの、辺野古移転要請って、いったいなんだったのでしょう。米軍ははじめからそんなもの当てにしていなかったのだとしたら、すべてが大がかりで人騒がせなお芝居に見えてきます。つまり、米軍は沖縄から出て行くつもりで、だけど土壇場まで辺野古辺野古と騒いで交渉カードの値打ちを高め、最後には、辺野古をあきらめてあげるからお金をちょうだいね、と言いたいのでしょうか。そして同時に、「対等な日米関係」を謳う鳩山さんに点数を稼がせてあげて、日本の新政権に貸しをつくるという、「一粒で二度おいしい」(古いですね)作戦だったのでしょうか。

沖縄の自民党県連も、結論が年を越したら普天間にある基地は県外に行ってもらう、と言い始めました。嘉手納をとりまく自治体はこぞって、嘉手納になんか来るな、と言っています。社民党と国民新党は共同で、与党内で普天間問題を話しあう場をもつべきだ、と言い出しました。そしてなにより、沖縄の人びとの7割は県外に移設しろ、と言っています。来年1月の名護市長選挙では、辺野古移設反対の候補が勝つという観測がもっぱらです。

こういう、辺野古移転への逆風がさまざまな方面から吹き荒れるすったもんだの状況で、年内に辺野古移転という結論を出すことは、鳩山政権にどんなメリットももたらしません。かくなるうえは、名護市長選で辺野古移設反対の候補が、勝つどころか圧勝するとの予測が立つほどにこの選挙をもりあげ、選挙という手続きによって調達される、民主主義における唯一の正統性をよりいっそう強く押し出して、「最終的にはわたしが結論を出す」という鳩山さんを、国外移転よりほかに選択の余地のないところへと追い込んで「あげる」のがいいと、わたしは思います。
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核はもうない 米軍もいなくなる

政権が変わると、風向きが変わるものですね。あっけないほどです。

鳩山次期総理が、核密約についてアメリカで調査すると言うと、外務省の藪中事務次官は、さっそく協力の意向(恭順の意?)をしめしました。

鳩山政権が発足したら、外務省はワシントンでの核軍縮反対ロビイングもやめるんでしょうね。鳩山次期総理は、非核三原則の法制化に言及し、オバマ米大統領の理解をえることにも自信を見せています。

それはそうでしょう。米軍の艦船は、とっくに核を積んでいないし、したがってずっと前から核は持ち込んでないのですから。そして、核を積んだ原潜からも核を降ろそうとしていて、それに日本が反対するので、困っているのですから。日米首脳会議が核軍縮で意見の一致を見、それが相互信頼につながるといいと思います。

政権交代、いいものだなあ、としみじみ思います。

また民主党は、沖縄の米軍グアム移転や普天間飛行場の移設のシナリオに賛成しているわけではありません。普天間代替施設は県外へ、とも言ってきました。そんな民主党への政権交代をうけて、仲井真沖縄県知事は、この問題、とくに辺野古をどうするつもりか、国にたしかめたいと言いました。沖縄では、このたびの選挙で自民党の候補者が全滅したので、外務省は辺野古移転がシナリオどおりに進むか、気を揉んでいます。

いっぽう米政府高官は、日本の政権が変わったからと言って、米軍再編にかんして日米の間でいったん決めたシナリオを見直すつもりはない、と表明しました。高飛車に聞こえますが、こちらも内心は戦々恐々なのだと思います。

なぜなら、普天間を辺野古に移転することについて、沿岸にという国と、沖合にという県で、まだ調整ができていないからです。ここで県外へという民主党政権ができてまた揉め出すと、米軍は新しい基地への移転がいつ実現するか、見通しが立たなくなります。

もたもたしていると、日本に駐留させている軍隊を維持できなくなるほど、アメリカは軍事予算が逼迫しています。とにかくグアムと辺野古の新しい基地に日本のお金で移りたい、それが米軍の意図です。

米軍は、世界戦略的にどうしても沖縄にいなければならないわけではありません。ケント・カルダー『米軍再編の政治学』によると、沖縄は米軍にとってその位置が重要なのではなく、「おもいやり予算」と防衛施設庁の手厚い住民対策があるからこそ、意味をもつのだそうです。

アメリカは、シーレーンを守る第7艦隊のために、横須賀は維持したいけど、たとえば旧ソ連をにらんでいた三沢など、日本の金の切れ目がくればすぐにも撤退してもかまわないそうです。民主党の小沢さんが、「米軍は第7艦隊だけいればいい」と言ったとかで物議を醸しましたが、現実にはすでにほぼ第7艦隊しかいないので、小沢発言は現実を追認しただけです。「小沢はなんてことを言うのだ!」と息巻いている人は、現実を知らないか、知っているのになにかこんたんがあるかのどちらかです。

日本がお金を出すから、アメリカはこれ幸いと沖縄で軍を維持している、沖縄でなくてもいいということは、アメリカは自国のために沖縄に基地を置いているのであって、「日本周辺有事」のためではない、「おもいやり予算」をやめれば、米軍はこのくにから、沖縄からいなくなる、これが事実です。

こうした議論を新しい総理が国会でリードすることを、わたしはわくわくしながら待っています。これが糠喜びに終わりませんように。
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ikedakayoko

おしらせ
「引き返す道はもうないのだから」表紙180


「引き返す道は

 もうないのだから」
(かもがわ出版)

・このブログから抜粋して、信濃毎日新聞に連載したものなども少し加え、一冊の本にまとめました。(経緯はこちらに書きました。)
・かもがわ出版のHPから購入していただけましたら、送料無料でお届けします。
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