April 23, 2012

再放送のお知らせ

18日に放送された番組の再放送予定です。明日と明後日です。

 

 424日(火)16:0017:00

 NHK BSプレミアム 「極上美の饗宴」 イタリア驚異の3D天井画〜ポッツォのバロック〜

 

 425日(水)20:0021:00

 同

 

ご覧いただいた方々から、「大迫力!」との感想をいただきました。映像、たしかにすごいです。

  

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April 21, 2012

↓の放送でカットになったところ

ベースになったのが自分の卒論だから、というわけでもないのですが、かなり番組制作にも初めから関わらせていただいて、自分でも思い入れがあっただけに肝心の推論部分が最終的にカットになったのはちょっと残念でした。

 

あの放送だけをご覧になると、ポッツォは「ロウソクの火」を使おうとしてダメ→「糸」を使った、という結論に見えるかもしれませんが、実はそのどちらも実際には使えません。ロウソクの火が、あのサイズの投影用照明としては弱すぎるのはもちろんのこと、糸も30メートル以上の長さをたるみなく張ることはほぼ不可能で、制作に支障をきたすほどの誤差が出ます(これも実験済みです)。

 

ということで、ポッツォ自身も、このふたつの方法では不十分かもしれないから、「もうひとつの格子を張る」方法もある、と述べています。つまり、蒲鉾型の天井面がはじまる基準面の格子だけでなく、その少し上に、計算で出した別の格子をひいて、その二格子を用いて投影する方法があるのです。「ポッツォが何を言っているのかわからない」とされて放置されていたから、それが何かを推論する、というのが卒論の目的だったのです。

(ポッツォが本を書いた時点では、まだサンティニャーツィオ天井画が完成する前だった可能性があって、話をややこしくしています)。

 

たしかに、これだけ書くと難しいかもしれませんが、ふたつの格子面を用いると、たしかに作業効率はぐっとあがります。卒論以降の考察をちょっと整理した論文もあるので、詳しくはそちらをご覧ください↓

 

池上英洋 「サンティニャーツィオ聖堂身廊部天井画 ―転写技法の再考」、『國學院雑誌』、Vol.CXI, 2010, pp.150-169.

  
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April 17, 2012

テレビ出演+学術協力のお知らせ

さっそく、明日の放送の告知をば。

 

 418日(水)21:0022:00

 NHK BSプレミアム 「極上美の饗宴」 イタリア驚異の3D天井画〜ポッツォのバロック〜

 

実は私の卒論をベースに番組を作り始めたのですが、

ちょっと一般向けには学術的で難解に過ぎるということで、

肝心の推論部分はバッサリと割愛されてしまいました…

 

ですが、天井画やアナモルフォーズの廊下などはとても面白く迫力もあるので、

ご覧いただければ幸いです。

 

この一年間、まったくBlogで告知や報告をしなかったので、思い出してはここに事後報告として記録していきましょうかね。

  
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July 19, 2009

「奇想の王国 ―だまし絵」展

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へ前期最後の学外授業にいってきました。

 

34年のゼミ生計18名に、ゼミOGや他学科の学生さん、VTCコミュからの参加者と非常勤先の学生さんを加えた大所帯で行ってきました。

 

今回から大学がインカムを用意してくださいました。事前に資料を配り、各自インカムをつけて入場。作品の前で、資料を見ながらコメントをつけていく方法はこれまで通り。しかし、いつものように私のまわりに集まって耳をすませる必要はなく、離れていてもコメントを聴くことができます。

ただし私の送信機にはマイクはあってもモニターがないので、どんな感じで聴こえるのかさっぱりわかりません。私は手にした小さなマイクにむかって、小声でぶつくさ独りごとを言いながら歩いている変なおじさんと化していたことでしょう。

とにかく、これで美術館にさほど迷惑をかけずに見学ができるようになりました。恵泉大の教育支援室の方々と、Bunkamuraザ・ミュージアムの皆様に感謝です。

 

さほど大きな展覧会ではありませんが、“だまし絵”を楽しめる構成になっています。

だまし絵には、大理石の代用品としてのグリザイユ技法や、静物を実物大で本物そっくりに描く超写実主義、アナモルフォーズなどの強調遠近法を駆使する歪曲画などがあります(展覧会のポスターになっているアルチンボルドの“多義図”などは、遠近法を用いない点、本物そっくりに描く必要が無い点などから、狭義のだまし絵からは外すことが多いです)。

展覧会には、超写実主義の大家ヘイスブレヒツを始め、さまざまなタイプのだまし絵作品が展示されていました(オープニング時には展示されていたニスロンの著書『奇妙な遠近法』が、もう貸し出し期限が来たのか、今回は残念ながら見当たりませんでした)。

なかでも、展覧会場の最後に展示してある、いわゆる“リヴァースペクティヴ”作品であるパトリック・ヒューズの<水の都>には、その優れた錯視効果で驚きの声があがっていました。立体の凹凸と風景の凹凸を逆に描くことによる錯視効果なのですが、私たちの頭は、理屈では理解できていても、建築物などの凹凸の既成概念からなかなか離れられないのです。作品の前を行ったり来たりしていると、まるで船酔いにでもかかったような不思議な感覚にとらわれます。実に面白い作品です。ぜひ体験なさってください。

 

 「奇想の王国 ―だまし絵」展

 Bunkamuraザ・ミュージアムにて、816日まで(その後、兵庫県立美術館へ巡回)

 

ゼミの企画委員の主催による懇親会も、部屋からあふれる人が出るほど盛況でした。皆さんおつかれさまでした。ありがとうございました。

 

 図版: コルネリウス・ノルベルトゥス・ヘイスブレヒツ、<食器棚>、1663年、フレズノ市立博物館(アメリカ)

  
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July 13, 2009

昔書いた本: Due Volti dell’Anamorfosi

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ここにはBlog開設後の情報しか無いので、自分が昔書いた本や論文もいつかリストにしていきたいなあと思っていました。でも済んだことを書くのは億劫なのでずっとやらずにいました。なにかきっかけでもないとやらないと思うので、「だまし絵」展を機会に、この本ぐらいはアップしておきます。

 

 Due Volti dell’Anamorfosi: Prospettiva e “Vanitas”: Niceron, Pozzo, Holbein e Descartes

 Hidehiro IKEGAMI

 Clueb (Bologna) 2000

 13.43 Euro

 

イタリアで出した二冊目の単著です。Cluebの“LEXIS Idee delle arti”という美学・美術史叢書のなかの一冊です。

CluebCooperativa Libraria Universitaria Editrice Bolognaの略で、ボローニャ大学出版局と訳しています。ここはボローニャ大学の講義シラバス(講義概要一覧)も出版しているのですが、なにしろマンモス大学なので講義数も半端なく多く、学部別に出版されたシラバスが、どれもみなとても分厚いのに驚いた記憶があります。

 

タイトルは直訳すると『アナモルフォーズの二つの顔』となります。サブタイトルは「遠近法と“ヴァニタス”―ニスロン、ポッツォ、ホルバインとデカルト」となるでしょうか。

ミニモ修道会のニスロンを中心とした17世紀前半のアナモルフォーズ(歪曲画)師たちと、イエズス会のポッツォを中心とした17世紀後半のアナモルフォーズは、見た目と錯視効果こそよく似ていますが、用いられた技法とそのコンセプトはかなり異なります。それらの比較考察をもって「ふたつの顔」と名付けました。2000年に出した本です。

 

同分野には研究者も少なく、それらふたつのグループがあったことさえほとんど知られていません。ましてや、その技法やコンセプトの違いなど、なおさら。

そのため資料収集と調査は容易ではありませんが、でもやることのほとんどが“自分が初めて”になるテーマというのは、発掘や推理のような要素が多いので、楽しんでいます。

  
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April 08, 2009

『イタリアのオペラと歌曲を知る12章』 刊行のお知らせ

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友人で同僚の森田学さんが編者をなさったオムニバス本が出たのでお知らせします。私も執筆を担当しています。

 

 『イタリアのオペラと歌曲を知る12章』

 監修:嶺貞子、編著:森田学、著:藤谷道夫・池上英洋ほか

 東京堂出版、3,500円(+税)

 

オペラ本は多く世に出ていますが、イタリアのオペラに特化して、文学や建築などのさまざまな側面から論じた専門書はこれまでありませんでした。本書は各分野の専門家を集めて、この需要に応えたものです。編者の森田さんのご尽力のたまものです。おめでとうございます。

 

私が執筆を担当した章は、「イタリアの劇場と舞台背景画」です(pp.101129)。

大ギリシャ時代の古代劇場から、オペラ劇場まで、イタリアの劇場と舞台背景画の歴史を概観しました。

とくに、ビビエーナ一家の舞台背景画は、それまでと違って、なぜ複数消失点による遠近法で描かれたのか― 同書ではその理由を、当時の社会構造の変化との関係から解き明かそうと試みてみました。ご一読いただければ幸いです。

  
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October 29, 2008

ICDHS 2008 Osaka での発表

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ICDHS(国際デザイン史学会)の2008年度世界大会が、週末に大阪大学と国際美術館を会場におこなわれたので、参加してきました。

うらやましいほどに立派な大阪大学中之島センターでは、6つの会場にわかれて、同時に6つの分科会が開催されました。医学分野などではあたりまえなのですが、芸術分野でこれほど大きな学会が日本でおこなわれることは珍しいです。

 

私は、第一分科会「Etymology and Terminology of Design」の、初日の第一セッション「Latin Words for Design」で、最初のパネラーと司会とをつとめてきました。

自分の発表は「Design and Perspective: The Contribution of Leonardo da Vindi」と題して、レオナルドが工業デザイン分野において、三種類の遠近作図法を用途に応じて使い分けていたことなど、そして彼のディゼーニョ(disegno)概念が、ヴァザーリやズッカロなどの後世の理論家たちにどのような影響を与えているかなどについて、25分間英語で説明してきました。

 

私の次の発表者であるEduardo Alberto Vieira de Meireles Corte-Real氏(写真中央)の発表が、ヴァザーリやズッカロらのディゼーニョ理論と、フランシスコ・ドランダとの関係についてのものであったこと、そしてその次の発表者Helena Barbosa氏(右)も、ポルトガルにおけるディゼーニョの指示内容の変遷をあつかわれたこともあり、レオナルド以降の理論展開がそのセッションだけでもくわしくわかって、とても興味深いものとなりました。質問もかなりいただいて、セッション最後のディスカッションの時間がもっとあれば、と思えるほどでした。

 

大阪大学のスタッフの皆さんの手際の良い運営により、とてもスムーズで凝った演出による大会となりました。二年後の世界大会は、ベルギーが会場となります。

  
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October 03, 2007

イタリア出張

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文科省科研費(基盤B)のグループ研究(拠点:大阪大学、代表者:藤田治彦)で、イタリアへ行っていました。

その間、ボローニャ大学で開かれた研究会でも発表してきました。

 

今年はレオナルド展や研修引率があったおかげで、すでに何度かイタリアへ行っていますが、今回はフィレンツェ中心にわりとじっくり活動できる時間を数日いただいたので、美術史研究者にとっての天国「ドイツ研」をしばし堪能してきました。

 

機会をいただいた、文科省、大阪大学(特に藤田先生)、ボローニャ大学(特にミラーニ先生とフランチ先生)に感謝いたします。

後期第一週を休講にさせていただいた本務校と非常勤先大学にも感謝しております。

  
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March 12, 2007

一橋大学如水会講演(後半) 「ポッツォとイタリアの斜陽」

前半だけ書いておいて、後半について書いておくのを忘れていました。後追い記事です。

 

213日(火)の夜に、一ツ橋の如水会館で「ポッツォとイタリアの斜陽」についてお話させていただきました。

一橋フォーラム21主催のオムニバス講演「17世紀ヨーロッパ美術」の一部で、私が担当している「17世紀イタリア美術」の二回目にあたります。

 

後半では、アンドレア・ポッツォやベルニーニを扱いました。聖俗両界の舞台美術やイエズス会様式など、あまり日本では紹介されることの無い、しかしとても面白い美術に焦点をあてました。

イエズス会の世界布教を称える「四大陸の寓意]が描かれたころにはしかし、イタリアの落日は決定的となっていました。それがいかにして起きたのか、そしてどのように芸術にあらわれているのか。後期バロックの厳かな装飾性の下には、なんとも切ない最後の輝きが隠されています。

今後も同様の機会をいただければ、またどこかでお話させていただきます。

  
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June 28, 2006

<東京工業大学> ART AND DESIGN, 6/30

東工大の講座「造形芸術論」(高岸輝先生)の今週回(6/30・金)を、ゲスト・スピーカーとして私が担当させていただきます。

 

「アートとデザイン」というテーマで理工学系の学生さんたちに話すとなると、私の専門である中世〜近代の西洋美術史の中ではやはりレオナルドが最も面白いような気がします。

 

私はもともとレオナルドを含む「遠近法」をテーマとしていました(今も続けています)。遠近法は、当時の最先端の科学知識が芸術分野へと反映されたものです。だからこそその使い手にも、芸術家「兼」科学者が多くいます。レオナルドはその典型的な例なのです。

私にとっては面白いテーマです。皆さんにははたしてどうでしょうか。

 

200名以上の受講生がいらっしゃるとのこと、反応が楽しみです。よろしくお願いいたします。

  
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March 11, 2006

イタリアでの講義

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帰国してしばらくドタバタしていました。

 

現地での講演なども楽しく終えることができました。「Spazialita空間性」などについて話してきました(左の画面はレオナルドとデューラーによる遠近法の作例)

 

昔ウルビーノ大学の付属宿泊施設に泊めていただいて「立派だなー」と感心したことがあるのですが、今回先方が用意してくださったボローニャ大学の付属宿泊施設のあまりの立派さにはたまげました。ホテルなら星3つ以上は余裕でつくでしょう。イタリアの大学はどこも、どんどん立派になっていく感じですね。

 

実はこんな時期に海外に出かけるというのは私のようなペーペーの新人大学教員としてあるまじき行為なのですが、「せっかく喚ばれたのなら頑張っておいで!」とむしろ励まして送り出していただいたりと、現所属先の方々には本当に感謝しています。

 

で、今日用事で大学に行った帰りにとあるレストランで食べていると、「先生!」と声をかけられてビックリ。うちの学生さんが元気にバイトしてました。あらかじめ教えてもらっていたので行ったことはありますが、偶然なのは恵泉では初めて。なんだか嬉しいものですね。

 

またゆるゆると更新していきますね。

  
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April 01, 2005

文献紹介: セルリオ 『建築七書』

5723e603.jpgついでに、彼の著作の紹介です。
彼の著作は断続的に発表されたせいもあり、一般には最初の五書だけが普及し、よって『建築五書Cinque libri sull’architettura』という名前を冠した五書だけのものの方がよくしられています。この五書はDover社のリプリントシリーズで1611年イギリス版が復刻されていますから、大学図書館や大きめの公共図書館などで比較的簡単に見ることができます。

→ Sebastiano Serlio, The Five books of architecture (Cinque libri sull’architettura): reprint of the English edition of 1611, reprint, Dover, New York 1982.

彼の著書を見ると、特に第三書において、彼が古代ローマの劇場の作例などを数多く見て歩き、熱心にその建築構造などを学んだことがわかります。ルネサンス建築が、劇場においても古代と繋がっていることがよくわかります。その点で、彼も文字通りのルネサンス(古典復興)人だったと言えるでしょう。
片側に解説、片側に木版画、という彼の書の美しいスタイルはその後の建築関係書のスタンダード・スタイルとなっています。

図版 同書の第二書、第三章、第25葉裏面。典型的なセルリオ様式のルネサンス舞台です。  
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セバスティアーノ・セルリオ Sebastiano Serlio

ルネサンスにおける舞台美術を学ぶ上で、ウィトルウィウス、アルベルティ、ペルッツィ、パッラーディオらと並ぶ重要な人物です。セルリウスSerliusというラテン語表記名もよく使われますが、一般的にはイタリア語表記のセルリオの方がよく用いられます。
1475年ボローニャ生まれ。1554年に亡くなりました。ウィトルウィウスの系統にあり、ペルッツィとは親しい間柄でした。
建築家として活躍し、フランスに招かれてフォンテーヌブローのグラン・フラールなどを手がけました。建築史上、建築の「オーダー」を広く定着させた人として有名ですが、また中央一点消失法によるルネサンス的理知的な遠近法空間を、舞台美術にも厳格に適用させた人でもあります。このスタイルは彼以降の舞台美術に決定的な影響力を及ぼしていますが、特にイギリスにおいて高く評価され、イニゴ・ジョーンズらの舞台美術の中に生き続けました。
絵画におけるルネサンス的遠近法空間からバロック的空間への変遷は、ドラマチックでたいへん面白いのですが、舞台美術に関しても同様です。むしろ、より明快でわかりやすい違いがでてきます。ここでも、ビビエナ派などのバロック期の舞台美術を採り上げますから、その違いを楽しんで下さい。  
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ルネサンス期の上演形式

6e16847a.jpgテレンティウス本表紙、1493年、リヨン。
紀元前二世紀の古代ローマの喜劇詩人、プブリウス・テレンティウス Terentius (イタリア語表記の場合にはTerenzio)の喜劇がルネサンス期に上演されました。その本の表紙を飾る版画なので、当時の実際の上演形式をよく伝えるものとして貴重です。
二層構造の劇場様建築物を描いたもので、上段は舞台と観客席になっています。
観客席は三段で、観客でびっしりと埋まっています。舞台上には一人だけ高みに座って笛を吹いている演奏者がいます。
下段には劇場基部と入り口があるのですが、なぜか「売春婦と男」の構図のカップルが四組います。中でも、中央の扉の奥にいるカップルは接吻しているのがわかります。これは、劇場内部やその近辺で、実際に売春行為がおこなわれていたことをうけていると思われます。
三つの劇場入り口上部にはそれぞれプットーがいます。その上部には小さくラテン語によるTeatrumの銘を読むことができます。

劇場や舞台美術を扱ったルネサンス期の資料は数多いのですが、ほとんどは16世紀に入ってからのものなので、これは貴重な一枚です。  
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ポッツォとイエズス会派の画家

最初に手がけたテーマです。その後もずっとやっています。 イタリアでは重要な画家の一人としてみなされていますが、日本では美術史を学ぶ大学院生でもポッツォの名前を知らない人が時折いるのでちょっとさびしい気がします。長年やっていますから、自分にとって馴染みのあるポッツォとイエズス会派の画家について、非力ながら一人でも二人でも多くの人に関心を持ってもらえれば幸せです。また、イエズス会派は当然ながら対抗宗教改革期に活躍した画家の一派ですから、宗教改革と対抗宗教改革関連について学んでいる人には、こんな小さなブログでやっていても続けていればいつかは便覧らしきものとなっていつか誰かのお役に立てるかもしれないという一縷の希望も抱いています。ここでは、イエズス会派に対抗する立場だった画家や、ちょっと距離を置いていた会派の画家、また画家に限らずイエズス会派についての理論的な支持や反駁を出していたような思想家や宗教家についてもとりあげていくつもりです。  
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劇場と舞台美術

これは留学先での指導教官に与えられたテーマを調べていくうちに、いつのまにやらそのまま今も専門テーマの一つになっていた、というパターンです。こういうことがありますから、自分がもともと興味があって自発的に始めたテーマだけをやるのではなく、たまには人からテーマを与えられるのもいいことですね。

日本ではこのテーマは本来建築史の領域にカテゴライズされているのかもしれませんが、ヨーロッパでは明確な区分がなく美術史家があたりまえのように手がけているので、僕もそのつもりで勉強しています。
日本でも美術史のテーマとして扱っている学者も何人かおられますが、いかんせん少数派なので、例えばヨーロッパの劇場や舞台美術の具体的な作例などは、美術史の対象として紹介されることがあまりありません。
ですから、自分の雑然としたノートを整理するためにも、作例や資料図版を一点ずつ、あるいは作家を一人ずつ挙げては紹介していこうと思います。漠然としています。何年か続けていれば、そのうち便覧らしき体裁を整えていてくれるようになっているのではないかという、そこはかとない願望のもとに。

注: 現代の劇場や舞台美術は対象外です。現代演劇やオペラの関係の用語などの検索で迷い込まれた方、ご期待に添えずすみません。
  
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遠近法

卒業論文でアンドレア・ポッツォの天井画を採り上げて以来、いや、それより前の三年次の芸祭で、同学年有志でだまし絵による巨大な部屋を作って以来、遠近法とは長いお付き合いです。一見バラバラそうに見えるこのブログのカテゴリーテーマも、元を辿れば遠近法の論文が出発点です。

ポッツォはイエズス会派の画家のところでやるとして、ここでは遠近法の使い手たちの便覧をあらためて整理するか、それとも遠近法に関する著作の一覧を整理しなおすか、あるいは作例や図法を紹介していくのが良いのか。ここでやることはまだはっきりしていないのです。
以前はあれほど手がける人が少なかった遠近法なのですが、この頃わりと「僕も遠近法を研究してます」と後輩や他学の学生に言われることが何度か続いたので、ああ、ちょっとは遠近法への関心が高まってきたのかなと、なんだか嬉しくなっています。ですから、彼らにとってもちょっとは有益なものを書きたいなぁ、と思ってはいるのですが…
とりあえず、専門の一つが舞台美術なのですが、ほとんど遠近法とかぶっているので、そちらの方から気ままに進めていくことにします。
  
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