NHKニュースより
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121208/k10014052541000.html
K10040525411_1212081922_1212081938_01

中央自動車道の笹子トンネルの事故から9日で1週間になります。崩落した天井板などはトンネルの上部に接着剤を使うボルトでつり下げられていました。
専門家は、こうしたボルトを使用した施工方法そのものに疑問があると指摘していて、国の調査委員会は建設当時のいきさつを詳しく調べることにしています。

今回の事故では、天井板などのコンクリート製の板がトンネルの上部に取り付けられた金具ごと落下し、金具を固定していた接着剤を使ったボルトが抜け落ちた状態で見つかっています。
トンネル工学が専門で、笹子トンネルの建設当時の昭和40年代にボルトの施工方法を研究していた大阪大学の谷本親伯名誉教授は「接着剤は水に触れると劣化しやすく、時間がたつとボルトがゆっくりとずれ動く「クリープ現象」が起きる可能性があり、耐久性に限界があるため、補助的な用途に使っていた。笹子トンネルで天井板などの固定になぜ接着剤を使うボルトを使っていたのか疑問がある」とこうしたボルトを使う施工方法そのものに疑問があると指摘しています。
そのうえで、「ボルトの機能がどれだけの間、保てるとあらかじめ考えていたのか、検証する必要がある」と話しています。
国の調査委員会は、ボルトがどの程度の力にどれだけの期間、耐えられるように設計されていたのかなど、建設当時のいきさつなどを詳しく調べることにしています。

技術者も“施工方法適切か調べる必要”

中央自動車道の笹子トンネルの事故について長年建設現場でボルトの施工に携わってきた複数の技術者は接着剤で固定するボルトは建物や設備を補強するためにあとから取り付けるものに使うもので、施工方法が適切だったか調べる必要があると指摘しています。
40年以上にわたって工場などプラントの建設に携わってきた技術者によりますと、接着剤で固定するボルトは建築や設備などの工事現場で広く使われているということです。
主に建物や設備の耐震補強や落下防止策などあとから取り付けるものに使われるのが一般的で、天井に垂直に打ち込む場合は引き抜く力が斜めにかかるようにしてボルトとコンクリートに力を分散させているということです。
笹子トンネルでは接着剤を使うボルトがトンネル上部に垂直に打ち込まれ、引き抜く力が真下にかかるようになっていました。
技術者の一人は「非常に驚いた。笹子トンネルのボルトは接着剤だけに負担がかかるため常識では考えられない」と話していて、施工方法が適切だったか調べる必要があると指摘しています。