皆様、こんにちは~

 「内転筋にスイッチを入れよう!!」第2弾です

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①私の手書きのイラストです


 前回のモデルさんは、15歳のバレエダンサーさんでした。
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53407493.html

 股関節や膝関節の関節弛緩性が高い10代のダンサーさんと、股関節や膝関節が硬い40歳以上のダンサーさんでは、「内転筋のスイッチの入れ方」のやり方は同じなのですが、テーマが全く違いますので、2回に分けることにしました。


 今回のモデルさんは、50代のバレエ愛好者のMさんです

(183)「色々な足 33 (足関節捻挫を繰り返したバレエ愛好者)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50498535.html

 Mさんは、数年前に1年で6回も足関節捻挫をしてしまいました

  足部や体幹部の筋力強化や足部と体幹をつなげるためのエクササイズなど、継続して運動指導に通っています。その後は捻挫をするなどの新しい炎症を起こすことがなくなり、ご自分の身体と向き合いながらレッスンに集中できるようになりました


 さて、まずは「内転筋のスイッチの入れ方」からご紹介します。

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②1番のアテールで立ちます。

 もちろん、骨盤の角度や位置、背骨も引き上げています。


 骨盤のセッティングの仕方は、以下のブログを参考にしてください

(106)「5番が入りやすくなるトレーニング(バレエ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/44058348.html
(247)「足のトレーニング 21 (背骨を引き上げながら体幹トレーニングも一緒にやりましょう!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52213433.html


 背中の作り方は、以下のブログを参考にしてください

(93)「背中の作り方 1 (身体の柔らかい人用)(バレエ)と、色々な足17(有痛性外脛骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42008418.html
(181)「背中の作り方 3 (適度な柔軟性と、筋力がある人用)(バレエ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50466941.html

(185)「色々な足 35 (11歳のバレエダンサー)(成長期と運動スキル)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50521773.html
①~④のやり方を参考にしてください。


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③左足でしっかり立って、右足だけルルベをします。

 右足裏でしっかりと床を押して、右の内モモを外に張ります。


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④アテールに戻すときは、かかとの内側から内モモの付け根がストレッチされて伸ばされていくのを感じてください。


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⑤⑥これをゆっくり数回繰り返します。

 左足でしっかり立って、右足だけルルベをします。

 右足裏でしっかりと床を押して、右の内モモを外に張ります。

 アテールに戻すときは、かかとの内側から内モモの付け根がストレッチされて伸ばされていくのを感じてください。


 アテールに戻すとき、左側の足裏から上に向かってしっかりと軸を引き上げていないと、右側のかかとの内側から内モモの付け根がストレッチされて伸ばされていきません。うまく出来ない方は、こちらを参考にしてください

(196)「足のトレーニング 19 (床をつかむこと)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50991893.html
(213)「足のトレーニング 20 (床をつかむ 2 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51395122.html
(247)「足のトレーニング 21 (背骨を引き上げながら体幹トレーニングも一緒にやりましょう!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52213433.html


 うまく出来ない方は、軸足で正しく立てていない、骨盤や背骨・肋骨のセッティングができていない、前モモで膝を後ろに押している、重心が前すぎるなどが考えられますので、姿勢作りからやり直してみてください。


 右側の内モモにスイッチが入ったら、今度は左足をやります。


 1番でできるようになったら、5番でも挑戦してみてくださいね



 ところで・・・


 今回のモデルのMさん(50代)と、、前回のモデルのAちゃん(10代)とは、股関節と膝関節の柔軟性が全く違うことに気付いたでしょうか?

 もちろん柔軟性には個人差がありますので、50代でも関節弛緩性が高い股関節や膝関節を持っている人もいれば、10代でも股関節や膝関節が硬い人もいます。

 しかし、40歳以上の多くの人には、股関節が硬い人が多く、股関節の外旋可動域が少なくターンアウトがやりずらい、そのために内転筋にスイッチが入りにくい人が多いのです。


 40歳以上の方の股関節については、こちらのブログを参考にしてください

(3)「40・50歳代バレエ愛好者のからだの自覚症状 1 (足指痛、股関節痛)」
https://plaza.rakuten.co.jp/ikechanblog2/diary/201904010000/

 日本では着物を着ていた習慣から、昔からおむつやおんぶひもなど股関節や膝関節をまっすぐに当てる習慣がありました。
 日本で先天性股関節脱臼が多い理由として、それらの生活習慣が原因だということがわかり、おむつの当て方などを改善し股関節を外転屈曲、膝関節も屈曲して行うようになりました。
 そのおむつの当て方が一般に普及されたのが、1970年(昭和45年)頃で、その結果、赤ちゃんの脱臼が3%から0.1~0.2%に減少したと報告されています。


旗1970年(昭和45年)以前に生まれた40歳代後半の方は、脱臼がないとしても股関節の形成不全を伴っている場合が多いのです。股関節の形成不全があると、変形性股関節症などが進行しやすいのです。

旗もちろん、個人差があります。40歳以上でも股関節の形成不全や変形がない人もいます。人の顔がそれぞれ違うように、骨や関節の形はそれぞれに違います。関節の可動範囲にも個人差があるのです。



40代後半以上の方は、股関節が開きにくい、硬いなどを訴える人も多く、また柔軟性に問題がない場合でも、股関節の形状が内向きになっていて(大腿骨前捻角増大)、股関節と膝と足の向きを同じに使おうとすると、膝や足に違和感や痛みを感じるなど、アライメントに問題がある人も多いのです。


 40歳以上の方のアライメント異常が原因で起こった傷害

(153)「色々な足 25 (72歳のバレエ愛好者)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/48820382.html
(183)「色々な足 33 (足関節捻挫を繰り返したバレエ愛好者)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50498535.html
(266)「色々な足 57 (テーピング勉強会のモデルをしてくれた50代のバレエ愛好者)(足関節捻挫、腰痛、側弯症、脛骨外捻)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52609816.html

アライメントに問題を抱えている40代後半以上の人は、アライメントに問題のない10代の人達に比べると、1番のアテールになったとき、股関節の外旋可動域が少ないためターンアウトがやりづらく、さらにプリエの膝がやや内側に入っている場合が多いのです。

股関節の形状が内向き(大腿骨前捻角増大)のため、膝もやや内側に向いている人が多く、内転筋を外に向けて使うという動きを習得するのに、時間がかかる場合も多いのです。



 また、もう一つの問題があります。


股関節の形状が内向き(大腿骨前捻角増大)があると、身体の代償機能として脛骨外捻(果部捻転)が増大している場合があります。
 果部捻転は、13~18度外捻しているのが正常範囲内で、13度未満を果部内捻、18度を超えると果部外捻と言われています。(この数値は、個人差や男女差、人種差などがあります。)

脛骨外捻が大きいということは、膝関節の横軸と足関節の横軸が大きく捻じれているために、膝とつま先を同じ方向に向けると足首がカマ足になってしまう場合が多いのです。カマ足を修正しようとすると、今度は膝が内側に向いてしまいます。



足関節捻挫や膝の損傷を繰り返している40歳以上のバレエ愛好者には、大腿骨前捻角と脛骨外捻増大のアライメント異常が原因であることも臨床で多くみられます。(バレエ以外に、他のスポーツも同様です)


 その場合、どうしたらよいのでしょうか??

もちろん、足部や内転筋群や体幹などの個々の筋力強化が必要ですが、足関節と膝関節、股関節の正しい位置はここだ、という神経系のエクササイズを、繰り返し繰り返し入力することが重要です。


 まずは、椅子に座ったエクササイズからやります

(109)「足のトレーニング 10(足裏で床を押すエクササイズ、パラレル編)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45094835.html 
(110)「足のトレーニング 11(足裏で床を押すエクササイズ、ターンアウト編)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45114343.html

 座位で正しいアライメントでできない人は、立位でもできませんので、まずは座位で繰り返し繰り返し練習してください。



 アライメントに問題がある場合、ターンアウトが正しくできないし、膝関節や足関節のケガからの回復が難しいのか??

 いえいえ、そんなことはありません


 こちらの40代のバレエ教師の写真を見てください

(263)「色々な足 56 (テーピング勉強会のモデルをしてくれた40代のバレエ指導者)(O脚。反張膝、やぶにらみ膝、脛骨外捻、甲が硬い足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52509338.html


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⑦バレエ教師Mさんの20代の頃の写真です


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⑧こちらは、昨年10月(20年後)にテーピングのモデルをしてくれた時の写真です。

 Mさんは、O脚があり脛骨外捻もあります。

 20年前の彼女は、「プリエのときに、つま先と膝を同じ向きにすると、膝に違和感があるんですよね・・・」と言っていました。

 でも、彼女は、バレエでの身体の正しい使い方を熱心に勉強して、ご自分でもエクササイズやトレーニングをずっと続けてきました。

 Mさんは、O脚と脛骨外捻がありますが、20年の間に足関節や膝関節のトラブルで苦しんだことは一度もありません。(もちろん、アクシデントによる軽度の足関節捻挫や肉離れなどはあります^^;)


 自分の身体と向き合って、丁寧にエクササイズやトレーニングをしながらバレエを続けることで、課題を一つづつ克服できることの証です

 同じようなアライメントに問題がある場合でも、子供の頃からバレエを始めて自分の骨格的問題と向き合って努力を続けてきた人と、成人してからバレエを始めた人では、自分の身体と向き合ってきた期間が違います。

 でも、バレエ教師のMさんのように、
自分の身体と向き合って、丁寧にエクササイズやトレーニングをしながらバレエを続けることで、課題を一つづつ克服できることを見たとき、成人してからバレエを始めた人にも、希望があることがわかりす。


 私は、そんな皆さんを心から応援しています








 
目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html
ストレッチ総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/39591859.html
色々な足総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/48241232.html
足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html
足関節捻挫後のトレーニング(リハビリ)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/49979025.html
テーピング総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50408725.html
足底板と靴の総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52301213.html


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