いけちゃんのblog(練馬区関町の池島接骨院 院長日記)(バレエ・テーピング・足底板など)

 バレエ・ダンス・新体操、その他のスポーツ、一般の方のケガから考える治療(テーピング、足底板、靴指導)、トレーニング、エクササイズなど。

三角骨

足をケガしているときのリハビリ 2 (スクワットとランジ)

 皆様、こんにちは~

 
 今まで、三角骨の手術をしたMちゃんの術前術後の様子や、足のトレーニングについて特集してきましたが、今回はその他のトレーニングについて書いていきたいと思います


 Mちゃんの過去記事はこちらです

(140)「色々な足 24 (三角骨の術後)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47719082.html
(141)「三角骨の術前術後(13歳のバレエダンサー)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47731220.html
(142)「足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html
(143)「足のトレーニング 16 (バランスディスク・バランスキューブ 2 」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47826255.html


 以前、高校生の男子サッカー選手の足以外のリハビリや、身体の調整などについて特集しました

 内容はサッカーですが、他のスポーツやダンス・バレエでも共通していることが書いてありますので、興味のある方は、是非、読んでみてくださいね^^

(18)「足をケガしてるときのリハビリ(バランスボール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/6446571.html
(30)「足のケガからスポーツへ復帰するまで 1 (骨盤のリセットその他)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/11599082.html
(31)「足のケガからスポーツに復帰するまで 2 (ストレッチポール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/11771600.html



 さて、足のケガなどで通常の練習に参加できないときこそ、体幹トレーニングなどをしっかりやってほしいのですが・・・

 しかし、プランクなどの体幹トレーニングを、毎日数種類やってもそんなに長時間できないし、飽きてしまうし、何よりも体重が増加してしまうことが気になるという方も多いのです。

 また、ダンスやバレエをしている方は、レッスンを休んでいても、自宅で自主練と称してバーレッスンをやっていることもあります^^; その自主練内容が、症状を悪化させているというケースに、遭遇することが度々あるのです

 これらの主な原因は、「レッスンを休んでいることの焦り」であることが大きいのですが、他には「レッスンを休んでいるので体重が増えてしまった^^; 身体を動かしたいけど、何をやったらよいのかわからない」ということもダンサーさんたちの大きな課題です。

 例えば、三角骨の術後は、通常では1週間は松葉杖歩行、1週間後から荷重歩行許可、2週後からジョギング許可、3週後からバーレッスン許可、5週後から体育許可と医師から指導されることが多いのですが・・・

 私の経験では、「ジョギング許可」とお医者さんに言われて、「ジョギングをしました」と言うダンサーさんに、今まで出会ったことがありません

 そこで、ダンスやバレエダンサーに多い三角骨の術後のリハビリやトレーニングを具体的に考えてみました。

 例えば三角骨の術後、松葉杖歩行の間は、寝たり座って行う上半身のトレーニングをしても良いといことになります。普通歩行ができるようになったら、少しずつウォーキングなどを始め、ジョギングを許可されたら、両足で飛ぶスモールジャンプを少しずつ練習して良いということになります。また、バーレッスンを許可されたら、立位でのルルべなどをやっても良いということで、体育許可ということは、基本的に何をやっても良いということになります。

ただし!!ケガの部位や程度、回復の時期には個人差がありますので、動かしてよい内容は様々です!!リハビリやトレーニングを行う場合は、必ず専門家の指導を受けてください!!

 当院では、「レッスンを休んでいるので体重が増えてしまった^^; 身体を動かしたいけど、何をやったらよいのかわからない」というダンサーさんのために、足に負担をかけずにエネルギーを消費するトレーニングも指導しています


☆動的ストレッチ

 まず、普通歩行を許可されたら、痛みのない範囲で、動的ストレッチをやってもらいます
 
(127)「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46781105.html

 最初は、少しゆっくりした動きで、1セット行います。

腫れや痛みが悪化しないことを確認します。多少の腫れや痛みがあっても、動かした後にアイシングをして炎症症状が治まってくれば継続しても大丈夫です。もしも、アイシングをしても炎症症状が治まらなかったり悪化する場合は、動的ストレッチを中止してください。

 腫れや痛みが悪化しないことを確認しながら、少しずつ速い動きにしたり、セット数を増やしていきます。

 この動的ストレッチを、速めの動きで3セットやると、心拍数も上り、身体も温まってきます


☆スクワットとランジ


 スクワットとランジをやる前に、「棒を使うスクワットとランジ」をやります。

(133)「棒を使うスクワットとランジ 1 (中高年の方、身体の硬い方、腰痛の方、膝の痛い方、必見!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47284588.html
(135)「棒を使うスクワットとランジ 2 (動画)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47406766.html
(139)「棒を使うスクワットとランジ 3 (身体の柔らかい方、腰痛の方、膝の痛い方、必見!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47667454.html

「棒を使うスクワットとランジ」で、背骨と骨盤・股関節の正しい位置関係と動きを入力していきます。

股関節や骨盤の位置が正しくないと、大腿四頭筋ばかりを使ってしまうことが多く、膝が痛くなったりしやすいのです。膝の痛みや大腿四頭筋が太くなることを避けるために、背骨と骨盤・股関節の正しい位置関係と動きを入力していきます。

また、身体の硬い方は、骨盤が後傾することが多く、身体の柔らかい方は、骨盤が前傾しすぎることが多いのです。骨盤の後傾や前傾しすぎは、どちらも腰痛のリスクが高くなります。身体の硬い方には骨盤の前傾を促し、身体の柔らかい方には安定した背骨の使い方を促し、背骨と骨盤・股関節の正しい位置関係と動きを入力していきます。


 「棒を使うスクワットとランジ」で、背骨と骨盤・股関節の正しい位置関係と動きをマスターしたら、やっと次のステップです!!
 

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①②③④最初は、1キロか2キロのダンベル(ペットボトルでも大丈夫です)を両手で持って、スクワットをします。

 「棒を使うスクワットとランジ」で入力した、背骨と骨盤・股関節の正しい位置関係と動きを確実に再現してやってください。
 
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⑤⑥⑦次に、片手ずつ1キロか2キロのダンベル(ペットボトルでも大丈夫です)を両手で持って、スクワットをします。

 両手で一つのダンベルを持つ方が身体が安定しやすいので、最初は正しい動き方の習得のために両手一つで行います。しかし、このやり方だと肩が前に入りやすいのです。姿勢を良くして胸を開きやすくするためには、慣れたら、片手で一つずつのダンベルで練習してください。

肩が痛い方や、極端に上半身の筋力などが弱い方は、最初は、500㌘で練習してください。ペットボトルの水を少しずつ増やして、練習してください。


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⑧⑨⑩⑪まっすぐのスクワットができるようになったら、斜め方向のスクワットもやります。

 両手で一つのダンベルを持つ方が身体が安定しやすいので、最初は正しい動き方の習得のために両手一つで行います。しかし、このやり方だと肩が前に入りやすいのです。姿勢を良くして胸を開きやすくするためには、慣れたら、片手で一つずつのダンベルで練習してください。

肩が痛い方や、極端に上半身の筋力などが弱い方は、最初は、500㌘で練習してください。ペットボトルの水を少しずつ増やして、練習してください。

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⑫⑬⑭⑮ダンベル一つで行う斜め方向のスクワットができるようになったら、片手で一つずつのダンベルを持って、斜め方向のスクワットもやります。


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⑯⑰⑱⑲⑳㉑次に、片手ずつダンベルを持って、ランジをします。

 「棒を使うスクワットとランジ」で入力した、背骨と骨盤・股関節の正しい位置関係と動きを確実に再現してやってください。

 Mちゃんは、2キロの重さまで挑戦しました^^


 今回ご紹介したのはトレーニングの一部ですが、中学生のダンサーさんでも、こんなにできるようになるんですよ


 私は、そんな皆さんを心から応援しています





目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html



いけちゃん


 池島接骨院

http://ikejimasekkotuin.a.la9.jp/



足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)足のトレーニング総集編は、随時、更新しています。

足のトレーニング総集編は、随時、更新しています


三角骨や長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎については、以下のブログを参考にしてください。

(41)「有痛性三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
(42)「長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html
(191)「長母趾屈筋腱腱鞘炎のリスク要因」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50875763.html
(177)「1番のルルべ 3 (足が痛いダンサーのために)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50237248.html




☆ステップ1

 三角骨や長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎の主要症状は、足関節の底屈(ポアントの肢位)をすると、足首の後ろ側が痛むことです。足関節を底屈したとき痛みがある場合は、まず最初に「甲出しのストレッチ」をやります

「甲出しのストレッチ(足首や足の甲はどこまで底屈できるか?)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/39567704.html

 「甲出しのストレッチ」をやって、足関節底屈の痛みがなくなれば、ルルべなどの足関節を底屈するトレーニングもやってください。もしも「甲出しのストレッチ」をやっても痛みが取れない場合は、足関節を底屈するトレーニングはやらないでください。


☆ステップ2

 次に、トレーニングする前に、足裏をほぐして、神経系を目覚めさせてください

 「足のトレーニング 9 (トレーニング前のメンテナンス)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/34260866.html
「足のトレーニング 12 (トレーニング前のメンテナンス 2 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46053042.html
「足のトレーニング 15 (トレーニング前のメンテナンス 3 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46913434.html
「足指のストレッチ」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/31128602.html
(294)「足のトレーニング 23 (トレーニング前のメンテナンス 4 )(外反母趾のある方にお勧め!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53599946.html

☆ステップ3

 次は、座位で行う、基本的なトレーニングです

「足のトレーニング 3 (足の筋力が著しく低下した場合)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5203958.html
「足のトレーニング 6 (タオルギャザリングエクササイズ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/27115655.html
「足のトレーニング 7 (足裏、親指と小指のコントロール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/27163749.html
「足のトレーニング 17 (足指を伸ばすことと、足をすぼめること 1 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/48273845.html 
「足のトレーニング 18 (足指を伸ばすことと、足をすぼめること 2 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/48472244.html

「足のトレーニング 10(足裏で床を押すエクササイズ、パラレル編)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45094835.html 
「足のトレーニング 11(足裏で床を押すエクササイズ、ターンアウト編)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45114343.html



「足のトレーニング 5 (セラバンドを始める前のトレーニング)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23578066.html
「足のトレーニング 1 (セラバンド)」 
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5119662.html
「足のトレーニング 2 (セラバンド)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5153650.html


☆ステップ4

 次は、立位で行うバランスや全身をコーディネートしたトレーニングです

「足のトレーニング 4 (バランスディスク、バランスキューブ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5609912.html
「足のトレーニング 8 (O脚、回外足、回内足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/29021284.html
「足のトレーニング 16 (バランスディスク、バランスキューブ 2 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47826255.html

「足のトレーニング 13 (足踏みのトレーニング)(ダンス・バレエ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46143956.html
「足のトレーニング 14 (足踏みのトレーニング 2 )(つま先着地のランニング、ダンス・バレエ、ジャンプなどで、足部やふくらはぎの傷害を繰り返している方必見!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46177936.html
「足のトレーニング 22 (足踏みのトレーニング 3 )(膝の伸ばし方に気を付けて!!)(キックボクシングでふくらはぎの肉離れをした40代の女性)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53536590.html

「足のトレーニング 19 (床をつかむこと)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50991893.html
「足のトレーニング 20 (床をつかむ 2 )」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51395122.html
「足のトレーニング 21 (背骨を引き上げながら体幹トレーニングも一緒にやりましょう!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52213433.html

「スクワットからルルベ(足関節捻挫回復期のダンサー・スポーツ選手にお勧めです!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51783775.html
「足指を使い過ぎずに、足裏で床を押すトレーニング 1 (足関節捻挫回復期のダンサー・スポーツ選手にお勧めです!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51855207.html
「足指を使い過ぎずに、足裏で床を押すトレーニング 2 (足関節捻挫回復期のダンサー・スポーツ選手にお勧めです!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51734387.html

(255)「足と体幹部をつなげるためのトレーニング 1 (上向きバージョン)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52378523.html
(256)「足と体幹部をつなげるためのトレーニング 2 (膝立ちバージョン)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52380519.html
(257)「足と体幹部をつなげるためのトレーニング 3 (立位バージョン)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52402375.html

(287)「内転筋にスイッチを入れよう!!(股関節や膝が柔らかいダンサーさん用)(反張膝、膝の伸ばし方)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53407493.html
(288)「内転筋にスイッチを入れよう!!2(股関節や膝が硬いダンサーさん、40歳以上のダンサーさん用)(前捻角増大、脛骨外捻)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53402755.html

(296)「足のトレーニング 25 (バレエ用)(足裏で床を押す)(カマ足修正)(ターンアウトするためのスイッチ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53636552.html
(298)「足のトレーニング 26 (バレエ用)(足裏で床を押す)(カマ足修正)(ターンアウトするためのスイッチ 2 )(反張膝の方必見!!」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53698262.html
(299)「足のトレーニング 27 (バレエ用)(足裏で床を押す)(カマ足修正)(ターンアウトするためのスイッチ 3 )(身体の左右差が気になるダンサーさん、40歳以上のダンサーさん用」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53699787.html

(301)「足のトレーニング 28 (足裏をどう使うか!!??)(キックボクシングでふくらはぎの肉離れをした40代の女性)(バレエ・ダンスの方も参考にしてください!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53803727.html
(302)「足のトレーニング 29 (足裏をどう使うか!!??)(足関節捻挫やふくらはぎの肉離れを繰り返している方必見!!)(プロダンサーの動画)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53818510.html
(303)「足のトレーニング 30 (足裏をどう使うか!!??)(成長期の新体操選手のトレーニング)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/53955101.html



 えっ??これだけ??   

 いやいや、これらの足のトレーニングには、正しい足の向きや動きに関する注意点がいっぱいあります。更に立位では、正しい姿勢や、肋骨・骨盤の位置や角度、膝の伸ばし方、背中の作り方が全部セットなのです。それらが全部できるようになって、やっとバレエの動きにつながってくるわけです^^;

 つまり、足のトレーニングだけしていても、バレエや日常生活や他のスポーツの動きにつながっていかないのです。


 これらの足のトレーニングは、バレエだけでなく日常生活や他のスポーツにも、また三角骨や長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎だけでなく他の足の傷害を有するケガや疾患にも有効です。是非、足のケガなどで悩んでいる方もやってみてくださいね^^


 ただし!!以下のことを必ず守ってください

リハビリやトレーニングは、痛みがない状態でやってください

痛みを感じる場合は、炎症症状が強いか、身体の使い方などが正しくない可能性があります。痛みがある場合は、そのトレーニングを中止して、専門家に相談してください。

痛みにも色々な種類や状態があり、動かしているうちに痛みが楽になってくる場合と、痛みが悪化してくる場合があります。ケガなどの傷害経験が少ない方は、どの種類の痛みかを判断できない可能性が高いので、「痛みを感じたら、中止する」という基本を、必ず守ってください。

三角骨や長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎の主要症状は、足関節の底屈で足首の後ろ側が痛むことです。ですから、足関節の底屈(ポアントの肢位)でのトレーニングは、症状が悪化することがありますので、十分に気を付けてください。
 また、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎では、足の親指を曲げると痛むことがあります。その場合も、足指を曲げるトレーニングなどを継続すると、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎が悪化しますので、足指に負担のかかるトレーニングを中止してください。

リハビリやトレーニングを行う際は、医療機関での正確な診断が必須条件です。また、リハビリや運動指導などの専門家の指導を受けてから行ってください。


 足の痛みが強いときは、ご紹介した足のトレーニングをできないことがあります。でも、そんなときにこそ、体幹トレーニングなどをしっかりやってほしいのです^^

 トレーニングに関しては、こちらも参考にしてください

足関節捻挫後のトレーニング(リハビリ)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/49979025.html





三角骨や長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎の症例は、こちらを参考にしてください

(69)「色々な足 12 (有痛性三角骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/35255587.html
(96)「色々な足 19 (長母趾屈筋腱鞘炎、三角骨、反張膝)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42611514.html
(108)「色々な足 20 (三角骨、長母趾屈筋腱鞘炎、甲が出ない足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45084101.html
(134)「オーディションを控えたダンサー(三角骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47307731.html
(140)「色々な足 24 (三角骨の術後)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47719082.html
(141)「三角骨の術前術後(13歳のバレエダンサー)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47731220.html
(159)「色々な足 27 (12歳のバレエダンサー)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/49042863.html
(161)「色々な足 28 (14歳のバレエダンサー、長母趾屈筋腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/49100511.html
(178)「色々な足 31 (16歳のバレエダンサー)(足関節捻挫、有痛性外脛骨、長母趾屈筋腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50403162.html
(185)「色々な足 35 (11歳のバレエダンサー)(成長期と運動スキル)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50521773.html
(217)「色々な足 44 (20代前半のバレエ愛好者)(偏平足、甲が出ない足)(長母趾屈筋腱腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/51476429.html
(246)「色々な足 51 (12歳のバレエダンサー)(シンスプリント、有痛性外脛骨、距骨後方症候群)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/52233564.html








目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html
ストレッチ総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/39591859.html
色々な足総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/48241232.html
足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html
足関節捻挫後のトレーニング(リハビリ)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/49979025.html
テーピング総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50408725.html






いけちゃん


 池島接骨院

http://ikejimasekkotuin.a.la9.jp/


三角骨の術前術後(13歳のバレエダンサー)

 皆様、こんにちは~

 前回の「色々な足 24 (三角骨の術後)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47719082.htmlでご紹介したMちゃんの術前術後の様子を書いていきたいと思います。


 Mちゃんは、昨年の10月末に体育でマラソンの練習をして左足首周囲が痛くなり、来院しました。

 軽度の足関節捻挫(外側靱帯)と後脛骨筋腱炎(内側)でした。しかし・・・左足関節に底屈制限があったので、距骨の後突起部を押すと、軽い痛みがありました。整形外科でレントゲンを撮ってもらったところ、左足に三角骨がありました

 しかし、三角骨部の炎症はほんのわずかであったため、取りあえず捻挫と後脛骨筋腱炎の治療を優先しました。11月末にバレエの発表会があったため、テーピングをしながらレッスンと本番を乗り切りました

 発表会が終わったらテーピングをやめて、指導していた足のトレーニングを継続するように伝えていました。


 発表会から1か月経過して来院したとき、Mちゃんの三角骨部の炎症が悪化していました

 トウシューズだけでなくルルべ、タンジュで三角骨部の痛みがありました。でも、「甲出しのストレッチ(足首や足の甲はどこまで底屈できるか?)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/39567704.htmlをやってから底屈すると痛みが取れたので、ストレッチをしてからトレーニングやバレエをするように指導しました。


 2週間後の年明けに来院したとき、更にMちゃんの三角骨部の炎症が悪化していました 

 年末に5日間バレエのセミナーで通常よりも長時間踊ったことがきっかけで、三角骨部だけでなく、アキレス腱炎も併発し、安静にしていてもズキズキと痛みがありました

 炎症症状がひどくなると、甲出しのストレッチをしても、テーピングをしても、痛みが取れなくなってしまいます


 Mちゃんは、足首に負担のかからない体幹トレーニングなどをメインにトレーニングを続け、4月始めに三角骨を除去する手術を受けました


 Mちゃんは、術後3週半に来院しました。

 私が「ポアントしてみて」と言うと(足首を伸ばす、という意味でバレエの人に使います^^;)

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①②Mちゃんは、見事に膝を伸ばした状態でアキレス腱をしまって足首と足の甲を伸ばして見せてくれました

 Mちゃんは、10月末の初診の時も、手術前の最後に来院した2月にも、アキレス腱をしまって足首と足の甲を伸ばすることができませんでした。

 私は、Mちゃんがバレエができなかった術前術後に、自分がやるべき課題をちゃんとやってきたんだな~と、感動してしまいました


 ただ、「親指を曲げると少し痛い」と、長母趾屈筋腱鞘炎の症状が出てきました^^;  まだ術後の腫れが残っていたので、その影響も考えられました。

 三角骨の術後は、通常では1週間は松葉杖歩行、1週間後から荷重歩行許可、2週後からジョギング許可、3週後からバーレッスン許可、5週後から体育許可と言われることが多く、Mちゃんも整形外科の先生から同じ指導を受けていました。

回復の程度は、術式や三角骨の大きさ、その他の色々な条件により個人差がありますので、必ず手術の担当医に相談してください。

 足首に負担のかからないトレーニングをメインにして、バーレッスンを始めるように指導しました。


 と、ところが!!
 
 Mちゃんは、バーレスンに一度参加しただけで、長母趾屈筋腱の炎症症状がひどくなり、普通歩行や安静にしていても痛みが出るほどに悪化してしまいました


 いや、そんなことはあり得ないだろう・・・一度、バーレッスンをしただけで、そこまで痛みが悪化するなんて、何が原因だろうか・・・

 5月末に来院したとき、電気治療や足部からふくらはぎにかけて丁寧にオイルマッサージをしたところ、足首を底屈しても痛みが無くなったのでした

 いや、そんなことはあり得ないだろう・・・電気治療やマッサージだけで痛みが取れるとしたら・・・それは、むくみが原因ではないだろうか・・・

 術後のむくみ対策は、下肢を心臓よりも高くして寝るように指導しました。

 女医リーナ先生のブログに参考になる写真があります
http://ameblo.jp/ballet-medicine/entry-12046221711.html


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③④写真は術後8週間で、まだ少し足首周囲やふくらはぎにむくみが残っています。

 まだ、長母趾屈筋腱の炎症症状がありますが、オイルマッサージや甲出しのストレッチをすると、痛みなく足首を底屈できるようになりました



 しかし、ここで安心してはいけません

 三角骨の術後にアキレス腱や長母趾屈筋腱の痛みが取れずに来院する方がとても多いのです^^; 何か月も何年も、痛みを抱えながら踊っている方がいます。また、一度治っても、再発することが多いのです^^;

 アキレス腱や長母趾屈筋腱の炎症は、身体の使い方を変えない限り、何度でも再発する可能性があります。そのリハビリの第一歩が、アキレス腱をしまって足首を底屈することなのです。他にも、股関節や体幹など、使い方を正しくするべき重要な課題はたくさんありますが、まず、足の使い方なのです。


 私がMちゃんの術後の足を見て涙が出るほど感動したというのは、膝を伸ばした状態でアキレス腱をしまうことが難しい課題だからです。すでにバレエを踊れる人にとって身体の使い方を変えることは、今までできていたピルエットが回れなくなったりすることもあり、「勇気と覚悟」が必要なのです。「絶対に治すんだ!!」という、強い意志が必要なのです。

 Mちゃんは、リハビリの最初の一歩を、自分で達成してきました。これをバレエにつなげていくには、まだまだ時間がかかります。でも、術後3週半でできたのだから、「次の課題も絶対にできる!」と、自分を信じて、痛みと向き合いながら、是非、目標に向かってほしいと思います。


 私は、そんな皆さんを心から応援しています


 さて、次回はMちゃんのリハビリの様子をご紹介しますので、気長にお待ちくださいませ~


こちらのブログも参考にしてください


(11)「バレエに関係する足部の機能解剖」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5040430.html
(41)「有痛性三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
(42)「長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html
(191)「長母趾屈筋腱腱鞘炎のリスク要因」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50875763.html



(69)「色々な足 12 (有痛性三角骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/35255587.html
(96)「色々な足 19 (長母趾屈筋腱鞘炎、三角骨、反張膝)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42611514.html
(108)「色々な足 20 (三角骨、長母趾屈筋腱鞘炎、甲が出ない足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/45084101.html
(134)「オーディションを控えたダンサー(三角骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47307731.html


(142)「足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html





目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html



いけちゃん


 池島接骨院

http://ikejimasekkotuin.a.la9.jp/

色々な足 24 (三角骨の術後)


 皆様、こんにちは~

 今回のモデルさんは、三角骨の除去手術後のバレエをしている13歳のMちゃんです(写真は術後8週間です。)

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①②③手術をした左足の方が、まだ少し筋力が弱いのですが・・・

 でも、Mちゃんは、ものすごく頑張ってトレーニングをしてきました

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 ④⑤タンジュで、アキレス腱をしまっていることに注目してください


 これを見たとき、私は、涙が出るほど感動しました


 Mちゃんは、手術前にはアキレス腱をしまうことができませんでした^^; でも、バレエができなかった術前術後に、自分がやるべき課題をちゃんとやってきました

 実は、膝を伸ばした状態でアキレス腱をしまうって難しいのです。

 バレエをしている方は、膝を曲げたパッセの状態では、ほとんどの方がアキレス腱をしまって足首を底屈することができます。でも、膝を伸ばした状態では、アキレス腱をしまうことが難しい。

 ふくらはぎの深層筋をセラバンドなどで強化し、ルルべをしたときしっかり床を押すことができるようになると、膝を伸ばした状態でもアキレス腱をしまうことができるようになります。

 でも・・・タンジュなどでアキレス腱をしまうようになれるのは、その次のステップなのです。

 バレエができなかった術前術後に、自分がやるべき課題をちゃんとやってきたMちゃんに、私は本当に感動しました


 次回は、そんなMちゃんの三角骨術前術後をご紹介したいと思います


 こちらのブログも参考にしてください


(11)「バレエに関係する足部の機能解剖」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5040430.html
(41)「有痛性三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
(42)「長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html
(191)「長母趾屈筋腱腱鞘炎のリスク要因」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50875763.html


(142)「足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html






目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html




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オーディションを控えたダンサー(三角骨)

 皆様、こんにちは~

 今回は、当院での本番当日の施術について、書きたいと思います。


 バレエをしている15歳のAちゃんは、両足の三角骨、長母趾屈筋腱鞘炎、アキレス腱炎、腓骨筋腱炎がありました。

 当院の「身体評価と運動指導」の部に2月から通っています。痛みを抱えながら、週5日~7日のレッスンをしていますので、中々、炎症や痛みがよくなりません^^; 

 先日、オーディションの当日に来院しましたので、その日は本番直前用の施術をしました。

 私は学生時代から30年以上、色々なスポーツのメディカルトレーナーのスタッフとして活動してきましたので、実は本番当日用の施術って、かなり好きなんですよね^^

 でも、治療家としては、本番以前からちゃんと身体つくりをしないといけないと考えていますので、最近は本番当日用の施術はあまりやっていません。しかし!!当院の患者さんの本番前の施術には、本気モードで挑みます


 まず、Aちゃんの歩行評価をして、歩行や動きを安定させるための足部の誘導を、どのようにするべきかを評価しました。

 次に、本番当日用の、スポーツマッサージ(コンディショニングマッサージ)とストレッチをしました。(このマッサージとストレッチの一番の目的は、数分後あるいは数時間後に、筋肉を使いやすくする、動きやすくすることを最優先にした施術です。)

 そして、痛みを取り、動きを安定させるためのテーピングをしました。

 Aちゃんの場合は、こちらのテーピングでした。「有痛性外脛骨のテーピング 3」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/24998168.html

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  テーピング後に、トウシューズで痛みや動きをチェックしてもらいます。

 痛みがなく動きが安定していることを確認しました^^


 次は、Aちゃんの膝の使い方の修正のために、「ハムストリングスのストレッチ7(ジャックナイフストレッチ2)(膝の伸ばし方)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43688978.html、「ハムストリングスのストレッチ8(ジャックナイフストレッチ3)(身体の硬い方必見!継続は力なり!!)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43744445.html、「重心軸でのトレーニング(バレエ、膝の伸ばし方、反張膝の修正)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42702778.html
をやってもらいました。

 その次に、Aちゃんの引き上げをしやすくするための、背骨を伸ばすためのトレーニング、「臀部のストレッチ」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43623671.htmlと、「5番が入りやすくなるトレーニング(バレエ)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/44058348.htmlをやってもらいました。


 Aちゃんは、まるで別人のように、きれいに引きあがった背中を作ることができました。


 オーディションでは、最大限の自分を表現してほしいと思います





 三角骨の手術をすれば、三角骨の痛みからは解放されます。

 でも、手術をしても、身体の使い方を変えない限り、長母趾屈筋腱鞘炎、アキレス腱炎、腓骨筋腱炎などの痛みは再発します。

 ですから、トレーニングは、ずっと続けてくださいね。


 Aちゃん、がんばれ~




 三角骨や長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎について詳しく知りたい方は、以下のブログも参考にしてください

「有痛性三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html





目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html




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色々な足 20 (三角骨、長母趾屈筋腱鞘炎、甲が出ない足)

 皆様、こんにちは~

 久しぶりの色々な足です

 今回のモデルさんは、5歳からバレエをしている30歳のSさんです

 Sさんは、17歳のときに両足の三角骨を摘出する手術をしました。

 Sさんは、右足の痛み、両足の硬さ(甲が出ないことを含めた足関節や足部の底屈制限、足関節の背屈制限)、O脚、背中の硬さなどを主訴として「身体評価と運動指導」のコースに6月に来院されました。

 診察をしてみると、右足の長母趾屈筋腱鞘炎の痛みが強く、バレエレッスンの後はズキズキと痛み、レッスンやトレーニングが満足にできない状態でした^^;

 三角骨と長母趾屈筋腱鞘炎に関しては、こちらの参考にしてください

「有痛性三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html


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①1番のアテールでは、右足の方がアーチが落ちてローリングしています^^;

 それから、O脚が・・・^^;

 トレーニングと身体の使い方で、現在修正中です^^

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②ルルべでは、左足は軸がとれていますが、右足は痛みをかばい軸がとりきれていません^^;

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③プリエです。

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④⑤タンジュです。


 Sさんは、現在は仕事が忙しくて週2回しかレッスンに行けないそうなので、是非レッスンのない日にトレーニングをしてほしいです!!

 Sさんは、右足の長母趾屈筋腱鞘炎の痛みが強いので、足のトレーニングに関しては痛みのない範囲でやらなければいけません。

「足のトレーニング 9 (トレーニング前のメンテナンス)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/34260866.html
「足のトレーニング 3 (足の筋力が著しく低下した場合)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5203958.html
「足のトレーニング 6 (タオルギャザリングエクササイズ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/27115655.html
「足のトレーニング 7 (足裏、親指と小指のコントロール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/27163749.html
「足のトレーニング 8 (O脚、回外足、回内足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/29021284.html
「足のトレーニング 4 (バランスディスク、バランスキューブ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5609912.html
「足のトレーニング 5 (セラバンドを始める前のトレーニング)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23578066.html
「足のトレーニング 1 (セラバンド)」 
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5119662.html
「足のトレーニング 2 (セラバンド)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5153650.html


 でも、足のトレーニング以外の背中、骨盤、股関節、膝の使い方などなど、修正できることはいっぱいありますので、そちらをメインにトレーニングしましょう!!

「骨盤のリセット 1(バランスボール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/4732612.html
「骨盤のリセット 2(バランスボール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/4762915.html

「骨盤のリセット 3(お尻歩き)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/4811806.html
「骨盤のリセット 4(坐骨ゆらし)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/31607685.html
「骨盤のリセット 5(足裏から動きをつなげよう!)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/32107666.html

「背中の作り方 1 (身体の柔らかい人用)(バレエ)と、色々な足17(有痛性外脛骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42008418.html
「背中の作り方 2 (身体の硬い人用)(ランニング)と、色々な足18(有痛性外脛骨)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42074028.html

「重心軸でのトレーニング(バレエ、膝の伸ばし方、反張膝の修正)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/42702778.html

「ハムストリングスのストレッチ7(ジャックナイフストレッチ2)(膝の伸ばし方)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43688978.html

「ハムストリングスのストレッチ8(ジャックナイフストレッチ3)(身体の硬い方必見!継続は力なり!!)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43744445.html
「膝の伸ばし方、後ろ脚を上げるためのトレーニング 1 (バレエ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43884585.html
「膝の伸ばし方、後ろ脚を上げるためのトレーニング 2 (バレエ、5番ポジション)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/43950797.html
「5番が入りやすくなるトレーニング(バレエ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/44058348.html


 次回は、長母趾屈筋腱鞘炎の痛みがある場合、また足の硬さ(底屈制限、背屈制限)がある場合は、どのようなトレーニングをすればよいのかをテーマに書きたいと思います。気長にお待ちくださいませ~



いけちゃん


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色々な足 19 (長母趾屈筋腱鞘炎、三角骨、反張膝)

 皆様、こんにちは~

 今回のモデルさんは、バレエをしている15歳のAちゃんです

 Aちゃんは、昨年の6月に両足の三角骨の摘出手術を受けました。

 その後、レッスンに復帰しましたが、今度は両足の長母趾屈筋腱鞘炎になり、三角骨を手術した病院へ行きましたが、まだ手術をするほどではないと診断されました。

 当院へは10月に来院しました。

 初診時の症状は、うちくるぶしの後ろ側にclickと圧痛があり、左足の方に高度な症状がありました。バレエの時は、ルルベでもタンジュでも強い痛みがありました

 以前、三角骨と長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎との関係についてブログで書きましたが、三角骨を摘出しても、身体の使い方を変えて行かないと、長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎は改善されない可能性が高いのです。

「有痛性三角骨」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
「長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html

 しかしAちゃんは、11月にコンクールがあり、12月に発表会とコンクールがありました。年末から数か月間はコンクールや発表会はないということでしたので、身体の使い方の改善を本格的に始めるのは1月からにすることにしました。

 Aちゃんは、バレエのレッスンを週4~5回やっていましたが、それを続けていると更に炎症症状が悪化する可能性がありましたので、テーピング(回外誘導テープ「有痛性外脛骨のテーピング 3」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/24998168.html)をしながら週2回のレッスンにしてもらいました。

 11月に入りAちゃんの長母趾屈筋腱鞘炎の炎症症状は、右側がほぼ回復し、左足の症状が少し残っている程度になりました

 ところが・・・バレエ以外の原因で右足を捻った際、今度は右足の腓骨筋腱を傷めてしまいました コンクールの1週間前でした

 そこで、左足は回外誘導テープ(「有痛性外脛骨のテーピング 3」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/24998168.html)で、右足は回外誘導テープに足関節捻挫のテーピングを足したバージョン(「有痛性外脛骨のテーピング2」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/20386970.html)に変更して、何とかコンクールを乗りきりました

 12月に入り、左足の長母趾屈筋腱鞘炎の炎症症状が悪化しました 練習回数を聞くと、「週3回なんだけど、時々4~5回・・・

 12月には、発表会とコンクールがあるので仕方がないというところです

 11月と12月のAちゃんの「身体評価と運動指導」は、主に身体のメンテナンスを中心にやりました。炎症症状が強い時やコンクールや発表会前に、身体の使い方を大きく変えるようなアドバイスは控えるべきだと考えたからです。


 Aちゃんは、1月からバレエレッスンを週2回に減らして、その分ピラティスやジャイロキネシスに通うことにしました。当院へも月2回程度、けがの治療や身体の使い方の指導を受けに来ています。

 Aちゃんは、9月からドイツに留学することになっています。ですから、それまでに自分で行える身体のメンテナンスの方法や、正しい身体の使い方を習得したいという目標がありました。

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①1月22日、1番のアテールです。

 右足の方が、ややローリングが強いです。

 それと、両足のかかと部分にわずかな隙間があります。1月10日の時点では、もっと隙間があり、その時はアドバイスしても修正できませんでした^^;  12日後に診せてもらった時は少し改善されていました^^ Aちゃんは早くもコツをつかんだようです

 両足のかかと部分に隙間があるのは、反張膝が原因なのです。関節の柔らかい人が膝を伸ばし過ぎると、かかとが離れてしまいます。

 バレエでは、かかとが離れることが問題と言うよりも、膝を後ろに押し付ける使い方が問題なのです。膝を伸ばす動きは大腿四頭筋ですから、バレエでは使い過ぎてはいけない大腿四頭筋を使って、膝をロックしています。その動きがターンアウト(アンディオール)の動きを制限し、あらゆるパフォーマンスを低下させてしまいます。

 反張膝の修正方法については、次回特集する予定にしています

 大腿四頭筋、ローリング、反張膝についてもっと知りたい方は、以前のブログも参考にしてください。

「色々な足 7 (ローリング)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22220345.html
「色々な足 10 (有痛性外脛骨、ローリング、反張膝)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/26237637.html

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②③ルルベとプリエです。

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④2月1日、1番のアテールです。

 両足のかかとがほぼついて反張膝も修正されています

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⑤⑥⑦⑧プリエとルルベとタンジュです。

 とてもきれいな足なのですが、アキレス腱が写っています^^;

 長母趾屈筋腱鞘炎に苦しんでいるAちゃんは、まず最初の課題がアキレス腱をしまうことなのです

 下腿三頭筋についてもっと知りたい方は、以前のブログも参考にしてください。

「色々な足 6 (甲が出ない足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/21657023.html

 Aちゃんは、身体能力や身体感覚が優れているため他のトレーニングは比較的簡単にコツをつかむことができます。しかし、すでにかなり踊れて足が強いこともあり、中々アキレス腱をしまうことができません^^;

 そこで、セラバンドのトレーニングを中止して、「足のトレーニング 5 (セラバンドを始める前のトレーニング)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23578066.htmlを主にやるようにアドバイスしました。ステップ1と2を繰り返し練習する必要があるからです。

 「足のトレーニング 5 (セラバンドを始める前のトレーニング)」にも書いてありますが、浅層筋から深層筋へのスイッチの切り替え(深層筋への入力のコツ)は、つかんでしまえば「なんだ、こんなに簡単なんだ」と感じることもあります。

 Aちゃんなら、絶対にできるようになります Aちゃんの進化を心から応援しています


 さてさて、次回の特集は、反張膝の修正方法ですので、気長にお待ちくださいませ~



いけちゃん


 池島接骨院
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色々な足 12 (有痛性三角骨)

 皆様、こんにちは~

 今回のモデルさんは、20代半ばのMさんです

 Mさんは、7歳からクラッシックバレエとモダンバレエを始め、現在はコンテンポラリーダンサー&バレエ教師をしています。

 Mさんは、1年半くらい前からルルベをすると右足首の後ろが痛み始め、整形外科を受診したところ三角骨と診断されました。その1年後に痛みが強くなったため、今年の夏、当院へ来院しました。

 その頃のMさんの右足は、足関節の底屈制限と底屈痛(ルルベの肢位で痛む)が著明にありました^^;

 三角骨の頑固な痛みは、最終的には手術をするしかないのですが・・・しかし、三角骨があっても痛みが無くバレエやダンスを踊っている人もいるのです^^

「有痛性三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html
「長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎と三角骨」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23244793.html
 

 Mさんは、7歳からずっとバレエやダンスをしていて、三角骨は10代前半からあったはずなのですが、痛み始めたのは1年半前ということでした。

 そのことは、Mさんの足が治療によって三角骨部の炎症が治まり、トレーニングなどによって身体の使い方を変えることで、三角骨部の炎症を起こさずに踊れる可能性を示していました。

 当院では、Mさんに三角骨部の炎症を取るための電気治療、バレエやダンスの時はテーピング、そして下腿三頭筋(アキレス腱)を使わずに下腿の深層筋を使うトレーニングをしてもらいました。

 ナ、ナント!! Mさんは1か月もしないうちに、ルルベで立った時、痛くない位置がわかるようになったそうです

 多くの人は、「下腿三頭筋(アキレス腱)を使わないで足関節や足部の底屈」をトレーニングでできるようになっても、実際のパフォーマンスの中でそれができるようになるのは、中々難しいのことなのです^^;

 Mさんの素晴らしい身体能力と身体感覚に驚きです

 4カ月後の現在、ルルベの痛みは全くないそうです

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①一番のアテールです。

 右足は、左足に比べると少しだけローリングしていますので、痛みが無くてもトレーニングを続けてくださいね~^^;

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②ルルベがとても高いです!!とても三角骨のある足には見えません

 ただ、右足のルルベを高くしようとし過ぎて、重心が右足に少しだけ片寄っているように見えます^^; Mさんの左足は、本来はもっと高いルルベをできるのです。このほんのわずかな重心軸のバランスの崩れは、ストレッチポールや重心軸のトレーニングなどで修正してくださいね~^^

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③④⑤プリエとタンジュです。

 左足は軸足の方が、右足は動作足の方がほぼ完璧です^^ 両足共に、もっともっと進化できますのでトレーニングを続けてくださいね~!!

 もちろん、微妙な重心軸や骨盤&股関節の修正は、その都度必要です。肩甲骨や背骨(胸椎・腰椎)、骨盤、股関節の調整を、レッスン前に毎回やりましょう!!


 足のトレーニングとメンテナンス ↓

「足のトレーニング 9 (トレーニング前のメンテナンス)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/34260866.html
「足のトレーニング 3 (足の筋力が著しく低下した場合)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5203958.html
「足のトレーニング 6 (タオルギャザリングエクササイズ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/27115655.html
「足のトレーニング 7 (足裏、親指と小指のコントロール)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/27163749.html
「足のトレーニング 8 (O脚、回外足、回内足)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/29021284.html
「足のトレーニング 4 (バランスディスク、バランスキューブ)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5609912.html
「足のトレーニング 5 (セラバンドを始める前のトレーニング)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/23578066.html
「足のトレーニング 1 (セラバンド)」 
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5119662.html
「足のトレーニング 2 (セラバンド)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5153650.html
 

 その他のメンテナンス ↓

「ストレッチポール 1 」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/8530558.html
「ストレッチポール 2 」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/9375233.html
「ストレッチポール 3 」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/9732344.html

「骨盤のリセット 1(バランスボール)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/4732612.html
「骨盤のリセット 2(バランスボール)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/4762915.html
「骨盤のリセット 3(お尻歩き)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/4811806.html
「骨盤のリセット 4(坐骨ゆらし)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/31607685.html
「骨盤のリセット 5(足裏から動きをつなげよう!)」http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/32107666.html

「身体の前側を伸ばすストレッチ」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/33615531.html
「背骨の動きをよくしよう 3 」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/33862508.html 


 他にもご紹介したいストレッチやトレーニングはたくさんあるのですが・・・来年の私の宿題です^^; 

 皆様のお役にたてるようにこれからも頑張りますので、来年もよろしくお願いします



いけちゃん


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長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨


 皆様、こんにちは~

 今回は、バレエダンサーに多い「長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎と三角骨」の特集です

 前回は、三角骨や距骨後突起について説明しましたので、今回は長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎と三角骨との関係ついて書いていきたいと思います。

 まず、解剖学の復習をしましょう

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①長母趾屈筋は、腓骨の後面(下方三分の二)、下腿骨間膜後面の下部から起こり、うちくるぶしの後ろを通り、踵骨の載距突起の下を通り、母趾の末節骨の裏についています。

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②茶色の部分は、足の内側の腱鞘を示しています。

 腱鞘は、筋膜に由来する線維性の半管状の嚢で、骨に付着し、腱を通しています。腱の滑りをよくする滑液鞘と、それを取り巻く線維鞘の2層からなっています。

 うちくるぶしの後ろから踵骨の載距突起の下方に、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋の腱鞘があります。
 

 長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎で痛みを感じる部分は、黄色の矢印から下方の部分です。また、バネ指でポクポクとした弾発現象が起こるのもこの付近から起こっています。
 足関節後方インピンジメント症候群を併発している場合は、距骨の後ろ部分にも痛みがあります。

 腱炎や腱鞘炎の主な原因は、使いすぎによってなることが多いのですが、なぜバレエダンサーに長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎が多いのか?

長母趾屈筋の作用は、足の親指を曲げることですから、バレエで親指を曲げて使いすぎると長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎になりやすいのです。

 次に、長母趾屈筋腱鞘炎は、股関節の外旋可動域が少ない人に多いと報告されています。つまり、足部をローリングして使っている人がなりやすいということです。

 ローリングについては、「色々な足 7 」で詳しく書きました。
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22220345.html

足がローリングしてしまう原因は、足部に過回内や偏平足がある場合、下腿の深層筋や足部の固有筋が弱い場合、股関節の外旋可動域以上にターンアウトしている場合、大腿四頭筋などの大腿部の前側の筋肉を使いすぎている場合などがあります。これらの人は、長母趾屈筋腱炎や腱鞘炎になりやすいリスクを抱えています。

そして三角骨や距骨後突起の存在です。

 距骨の後方の形状については、「 色々な足 6 」に書いてあります。
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/21657023.html

 距骨の後方の形状は、丸くなっているもの、突起状(距骨後突起)になっているもの、過剰骨(三角骨)のあるものなどがあります。

 印南らは三角骨の内視鏡手術を行った33例35足(平均年齢27歳の男女)の全例に、三角骨や距骨後突起に圧迫された長母趾屈筋腱の滑膜の増生、腱線維の粗造を認め、35例中11例に狭窄性腱鞘滑膜炎であったと報告しています(2010)。

 長母趾屈筋腱は距骨後突起の内側結節と外側結節の間を通っていますので、三角骨や距骨後突起に圧迫されて炎症を起こしやすいのです。

 印南らは、三角骨の手術をした人全員に長母趾屈筋腱の炎症があったと報告しています。しかし、三角骨や距骨後突起のある人全員に長母趾屈筋腱の炎症が起こるわけではないのです。

 前回の特集「有痛性三角骨」にも、三角骨の存在する人全員に炎症が起こるわけではないことを詳しく書きました。
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/22844126.html

 「長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎」になる人とならない人の違い、「三角骨、距骨後突起」が存在しても炎症症状が強い人とほとんど炎症症状が出ない人の違いは何だろうか??

私は、ローリングしないことが一番重要だと考えています。

 徳本らは、バレエ専門学校に通う41人(平均年齢17.9歳)の女子生徒の足部の障害を23人に認め、そのうち21人に長母趾屈筋腱に何らかの障害を認めたと報告しています(2009)。また、徳本らが自然立位静止時とバレエの基本ポジションである1番ポジションでの立位静止時の足底圧を計測したところ、自然立位静止時では踵または母趾球付近に最大圧力点を認めたのに対し、1番ポジションでは母趾および母趾球付近に最大圧力点を認め、母趾への圧力増加が著明であったと報告しています。

バレエは股関節の可動域を広げるためにターンアウト(アンディオール)といって股関節を外旋して使うことが基本ですが、バレエの基本ポジションである1番ポジションでの立位静止時でさえも母趾にかかる負担が大きいのです。個人の股関節の外旋角度を超えてターンアウトしている(足部の外転でターンアウトを補っている)と、足部はローリングしてしまい、更に母趾にかかる負担が大きくなってしまいます。
 

また、足部に過回内や偏平足がある人、下腿の深層筋や足部の固有筋が弱い人もローリングが起こりやすくなりますし、大腿四頭筋などの大腿部の前側の筋肉を使いすぎているとターンアウトの技術の習得を妨げてしまいますのでローリングが起こりやすくなってしまいます。 

 ターンアウトの技術は、まず骨盤を立てて、股関節を外旋するためのスペースをつくるためウエストから上方をしっかり引き上げ、股関節の外旋を内転筋で支え、足裏(3つの荷重点である親指と小指の付け根と踵)を均等にしっかりと床を踏むことなどですが・・・・

 理論上の説明は、いつか別の機会に特集したいと考えています。

 しかし、実際にやってみると難しいんですよ^^;その姿勢を作ることそのものが難しいし、その状態で踊るわけですから^^正しい姿勢や動き方、技術というものは、並の努力では習得できないし、バレエの先生の指導を受けながら、また自分でも勉強や努力を重ねながら習得していかなければいけません^^

 さてさて、足関節後方インピンジメント症候群に由来する長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎や三角骨、距骨後突起の炎症を起こさないためには、ローリング以外にもう一つ重要なことがあります。

それは、足関節や足部を底屈する際に、下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)を使いすぎないことです。 

 腓腹筋やヒラメ筋は、アキレス腱となって踵骨の後ろについていますので、下腿三頭筋を収縮させることによって足首の後ろを縮めてしまいます。それによって三角骨障害が起こりやすくなります。また足首の後ろを縮めることによって、距骨の動きが悪くなりルルベやポアントでのアライメント異常を起こすため、色々な足の痛みに関連しています(「色々な足6」参照)。 

 三角骨や距骨後突起が存在しなくても、軟部組織(滑膜や靭帯など)が、足関節底屈時に周囲とインピンジメントして痛みなどの炎症症状が起こると報告されています。

下腿部の後面深層にある後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋と、にある長腓骨筋、短腓骨筋を筋力強化をすることで、足首の後ろを縮めずに距骨を前に押し出して、足関節の最大底屈ができるようになります。

 つまり、足首の後ろに空間を作れるかどうかで、足関節後方インピンジメント症候群に由来する長母趾屈筋腱炎、腱鞘炎や三角骨、距骨後突起の炎症を惹起させない可能性も期待できるわけです。

 バレエは足関節だけでなく膝関節も股関節も、また脊柱など全ての関節をつまらせるように縮めて使うのではなく、関節に適度なスペースを保ちながら動くということが、ケガを予防する基本なのです。

 「色々な足 7 」で特集しました、大腿部の前側の筋肉の使い方も同様です。大腿直筋や縫工筋の力みが邪魔をして股関節の屈曲や外転の可動域を制限していることが多いのです。
 これに、内転筋やハムストリングスの動きが加わって、股関節を圧迫するように使っていると、股関節や腰椎に負担がかかり傷害を起こしてしまうことがあります。このことも、いつか特集したいと考えています。(宿題がいっぱいだ・・・^^;)

 まあ、そんなわけで、足裏や下腿の深層筋を強化しましょう!!という、話です^^


 足のトレーニングは、以下の順番にやってください


(142)「足のトレーニング総集編(三角骨、長母趾屈筋腱炎・腱鞘炎)」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html


 長母趾屈筋腱腱鞘炎のこちらのブログも参考にしてください

(191)「長母趾屈筋腱腱鞘炎のリスク要因」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/50875763.html



 これからも、皆様が知りたい情報を書き続けるよう努力していきたいと思います



 ☆長母指屈筋腱と長母趾屈筋腱(腱鞘炎)の違いについて

 解剖学用語は、手も足も「指」で統一されています。ただ、昔は手の指を「指」、足の指を「趾」(ユビ、シ)と記載していたため、臨床的な病名などは「趾」を使います。「外反母趾」「長母趾屈筋腱腱鞘炎」など。
 今回は、腱鞘炎がテーマですので、解剖学用語も「趾」(長母趾屈筋腱、母趾球など)に統一しましたのでご了承ください^^;


参考資料:チャートブック骨格筋の解剖、川原群大編著
       日本人体解剖学 上巻、金子丑之助原著
       日本足の外科学会雑誌(2008~2012)





目次(過去記事をお探しの方のために)
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/46271926.html
ストレッチ総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/39591859.html
色々な足総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/48241232.html
足のトレーニング総集編
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/47792766.html




いけちゃん


 池島接骨院

http://ikejimasekkotuin.a.la9.jp/


有痛性三角骨

 皆様、こんにちは~

 今回からはバレエダンサーに多い「有痛性三角骨」の特集です

 有痛性三角骨は、同じくバレエダンサーに多い長母趾屈筋腱腱鞘炎とも関連していますし、資料や症例もたくさんありますので、どんな風に書こうか迷ってしまいますでも、あまりマニアックになりすぎると、またブログの更新が遅くなってしまいますのでゆるゆると書き始めていこうと思います

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①このレントゲン写真は、サッカーをやっている16歳の男性です。

 彼の足は回内足(偏平足)が強く、子どもの頃から度々両下肢の愁訴(痛みなど)がありました。でも、ずっと好きなサッカーを続けていました。
 
 高校生になった頃から、彼の右足の後方がひどく痛むようになり、病院で検査をしたところ、距骨後方に大きな三角骨がありました。

 サッカーでは足関節を底屈して使うことが多いため、三角骨の存在によって炎症を引き起こすことが多いのです。

 彼は、高校2年生(17歳)の時、三角骨を除去する手術を受けました。術後は痛みから解放され、大学へ入ってもサッカーを続けました。


三角骨は、距骨後方に存在する過剰骨(副骨)で、5~10%の人に存在すると報告されています。

 有痛性三角骨は、足関節が過度の底屈位になるときに脛骨下端に衝突することによって引き起こされる炎症です。主に慢性炎症が多いのですが、外傷などによる急性炎症もあります。

 有痛性三角骨は、足関節を最大底屈するクラッシックバレエに最も多く、またジャンプやキックなどの多いサッカーやバスケットボールなどでも報告されています。

近年、関節鏡での手術が行われるようになり、三角骨や距骨後突起を除去した後に長母趾屈筋腱の腱鞘炎や滑膜の増殖などを伴っていることが多いことがわかりました。また靭帯組織の陥入なども報告されています。最近は、これらの足関節後方の痛みを総称して「足関節後方インピンジメント症候群」と言っています。

「足関節後方インピンジメント症候群」の定義は、足関節後方に存在する骨・軟骨組織(三角骨、距骨後方突起、遊離体など)や軟部組織(滑膜炎、変性靭帯など)が、足関節底屈時に周囲とインピンジメントすることで疼痛や可動域制限を引き起こす症候群です。


 さて、足関節底屈制限については「色々な足 6 」でも説明しましたが復習しましょう。
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/21657023.html

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②足関節と足部を最大底屈してトウシューズで立った時の荷重軸は、脛骨、距骨(黄色の矢印部分)、舟状骨、ケツ状骨、第2,3中足骨、第1~3足指です。

 足関節の底屈角度が足りないとトウシューズでうまく立てません。

 バレエダンサーは、脛骨と距骨の軸の角度(脛距角)が165度くらい必要だそうです。脛距角が150度くらいだと、足の甲がきれいに出ないと言われています(小川正三著:ダンサーズヘルスケアブック)。
 
 また、足部の底屈は、距骨(黄色の矢印部分)、舟状骨、ケツ状骨、第2,3中足骨、第1~3足指をつなぐ各関節で少しずつアーチを描くように行われてもいます。

 底屈の可動域は、それぞれの骨の形によってある程度決まっています。

骨の形でとくに問題となるのは、距骨の後ろ部分の形状です。一般的には距骨の後方が丸くなっているので、その場合は足関節の底屈可動域に問題はありません。しかし、距骨の後方が突起状になっている(距骨後突起)場合や、距骨と離れて過剰骨(三角骨)がある場合は、足関節の底屈を制限します。

 距骨後突起や三角骨の存在は足関節の底屈を制限するため、トウシューズで立った時のアライメントが正しくできないので、足関節の前方や後方の痛みの原因になっています。


 写真①の彼は、大きな三角骨が存在していたことと、色々な治療法を試してみましたが痛みが取れないため、三角骨の摘出手術を受けました。

 バレエダンサーは、足関節を最大底屈して使いますので、小さな三角骨でも障害になることがあります。しかし、三角骨があっても痛みがない人もいます。三角骨による足関節の底屈制限はありますが、炎症が出るかどうかは個人差によるのです。三角骨の大きさ、練習回数、筋肉の使い方やテクニックの問題など色々な要素が絡み合っています。

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③Aちゃん、13歳の時の写真です。足関節・足部に底屈制限があります。

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④Aちゃんは、バレエ以外にダンス部に入って練習していました。14歳頃から左足関節後方の底屈痛が出現し、色々な治療をしても効果がなかったことと日常生活でも支障があるほど炎症症状が強くなったため、16歳の終わり頃に三角骨の摘出手術を受けました。17歳の夏で、受験のためにバレエとダンスをやめました。

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⑤Bちゃん、13歳の時の写真です。甲が出にくい足です。

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⑥16歳の時、右足関節後方の底屈痛が出現しました。レントゲンでは左足の三角骨の方が大きく見えますが、左足には痛みはありませんでした。その後大学卒業まで、ほとんど両足の痛みはなくバレエを続けました。

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⑦Cちゃん、12歳の時の写真です。

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⑧16歳の時、左足関節後方に底屈痛が出現しました。レントゲン写真からもわかるように、足関節の底屈制限は右足の方がありましたが、痛みはありませんでした。17歳の夏で受験のためにバレエをやめましたが、足関節後方の痛みはその時の1回だけでした。

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⑨Dちゃん、12歳の時の写真です。

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⑩21歳の時、右足関節後方に底屈痛が出現しました。左足には、底屈制限も三角骨もありません。右足は以前よりやや底屈制限がありましたが、足関節後方に底屈痛が出現したのは、その時の1回だけでした。

 これらの写真を見ていただければわかると思いますが、三角骨の大きさと、痛みなどの炎症症状は必ずしも一致するとは限らないのです。

近年、関節鏡での手術が行われるようになり、三角骨や距骨後突起を除去した後に長母趾屈筋腱の腱鞘炎や滑膜の増殖などを伴っていることが多いことがわかりました。また靭帯組織の陥入なども報告されています。

 三角骨は、元々5~10%の人に存在すると報告されていますが、バレエで最大底屈をするからといって、三角骨がある人全員に炎症症状が起こるとは限らないわけです。

 ただし、三角骨の存在は足関節・足部の底屈制限が起こりますので、トウシューズでの良好なアライメントが出せない場合、プロを目指している方は炎症症状がなくても摘出手術を受けることも考えなければなりません。その場合は、バレエ外来や足の専門医とよく相談なさってください。

 吉岡らはバレエ専門学校に通う30人60足(平均年齢16.9歳)の女子生徒の運動痛は53%であったと報告しています。長母趾屈筋腱腱鞘炎を示唆する母趾の背屈ストレステストによる足関節内果下方の誘発痛が31.7%、三角骨を示唆する足関節の底屈ストレステストによる内果後方の圧痛や誘発痛が35%であったと報告しています(2010)。

 これらのことからも、バレエダンサーにとって三角骨の存在と長母趾屈筋腱腱鞘炎の重要性が示されています。

 というわけで、次回は長母趾屈筋腱腱鞘炎について書いていきたいと考えています。気長にお待ちくださいませ~


☆長母指屈筋腱と長母趾屈筋腱(腱鞘炎)の違いについて

 解剖学的な用語としては、手も足も「指」で統一されています。ただ、昔は手の指を「指」、足の指を「趾」(ユビ、シ)と書いていたため、臨床的な病名などは「趾」を使います。「外反母趾」「長母趾屈筋腱腱鞘炎」など。
 私はカルテや紹介状などは、いちいち「指(足)」と書くのがめんどうなので、「趾」を使ってますけどね・・・^^;


参考資料:チャートブック骨格筋の解剖、川原群大編著
       日本人体解剖学 上巻、金子丑之助原著
       スポーツ外傷学 下肢
       ダンサーズヘルスケアブック、小川正三著      
       日本足の外科学会雑誌(2008~2012)



いけちゃん


 池島接骨院
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色々な足 6 (甲が出ない足)

 皆様、こんにちは~

 先日の「成人バレエ愛好者のためのセミナー」で、撮らせて頂いた写真の中で、2名の方から「足首が伸びない、足の甲が出ない(足関節・足部の底屈制限)」という訴えがありました。

 このテーマ(足関節・足部の底屈制限)は、バレエをやっている方にとって、最も関心が高いテーマなんですよね^^;

 というわけで、今回は「足首が伸びない、足の甲が出ない(足関節・足部の底屈制限)」をテーマに書いていきたいと思います。

 
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①②この方は、50歳代半ばでバレエの練習回数週3回、バレエ歴は20年です。


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③④こちらの方は、50歳代半ばでバレエの練習回数週1回、バレエ歴4年です。



 お
二人とも、「足首をもう少し伸ばしたいけど、何とかならないか」という希望や疑問を持っていました。

バレエでは、足関節と足部を最大底屈して使います。

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⑤足関節と足部を最大底屈してトウシューズで立った時の荷重軸は、脛骨、距骨(黄色の矢印部分)、舟状骨、ケツ状骨、第2,3中足骨、第1~3足指です。

 足関節の底屈角度が足りないとトウシューズでうまく立てません。

 バレエダンサーは、脛骨と距骨の軸の角度(脛距角)が165度くらい必要だそうです。脛距角が150度くらいだと、足の甲がきれいに出ないと言われています(小川正三著:ダンサーズヘルスケアブック)。

 
 また、足部の底屈は、距骨(黄色の矢印部分)、舟状骨、ケツ状骨、第2,3中足骨、第1~3足指をつなぐ各関節で少しずつアーチを描くように行われてもいます。

 底屈の可動域は、それぞれの骨の形によってある程度決まっています。

骨の形でとくに問題となるのは、距骨の後ろ部分の形状です。一般的には距骨の後方が丸くなっているので、その場合は足関節の底屈可動域に問題はありません。しかし、距骨の後方が突起状になっている(距骨後突起)場合や過剰骨(三角骨)がある場合は、足関節の底屈を制限します。

 距骨後突起や三角骨の存在は足関節の底屈を制限するため、トウシューズで立った時のアライメント(足関節と足部を最大底屈してトウシューズで立った時の荷重軸は、脛骨、距骨、舟状骨、ケツ状骨、第2,3中足骨、第1~3足指)が正しくできないので、足関節の前方や後方の痛みの原因になっています。

 距骨後突起や三角骨があるかどうかはレントゲンを撮ればわかります。三角骨があって痛みなどの炎症を繰り返し手術で三角骨を除去しているバレエダンサー&バレエ愛好者の方も多いです。三角骨はバレエにとって重要なテーマなのですが、今回は足に痛みはないけど足首や足の甲が伸びない方をテーマに書いていきたいと思います。

術者が他動的に足関節や足部に牽引をかけながら底屈を矯正することによって、その方の最大底屈の可動域を示すことができます。

 ①②の方を、私が足関節・足部を引っ張りながら底屈してみました。彼女の足関節の底屈可動域はやや制限があるくらいでしたが、バレエをするのに問題がある程度ではありませんでした。しかし、中足部(足の甲の部分)の底屈可動域が少なかったです。彼女は、バレエ歴20年、週3回のレッスンをしていますので、バレエも上手ですし、トレーニングもよくやっています。したがって、足関節や足部のコントロールは良くできている方だと思います。でも、今後のトレーニングによってまだ底屈可動域が増加する可能性もあります。

 ③④の方も、私が足関節・足部を引っ張りながら底屈してみました。するとこの方は、③④の写真よりも足関節も足部も底屈可動域が大きかったのです。自分で底屈した時よりも、他動的に底屈した方が可動域が大きくなることは、彼女の足がまだトレーニングによって底屈できる可能性を示しています。彼女は、バレエ歴4年、週1回のレッスンですので、バレエ愛好者としては初心者でもあります。バレエのレッスン回数を増やしたり、セラバンドなどで足のトレーニングを続けることで、まだまだ足を底屈できるようになるわけです。

 それは、何故なのか??

 解剖学を復習しましょう^^

「立て膝のストレッチ」
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/20803386.html

バレエの動きでなるべく腓腹筋を使わないようにする理由の一つには、腓腹筋は膝裏を通過しますので腓腹筋を収縮させると膝が曲がりやすいのです。
 また、
腓腹筋ヒラメ筋は、アキレス腱となって踵骨の後ろについていますので、下腿三頭筋を収縮させることによって足首の後ろを縮めてしまいます。それによって三角骨障害が起こりやすくなります。また足首の後ろを縮めることによって、距骨の動きが悪くなりルルベやポアントでのアライメント異常を起こすため、色々な足の痛みに関連しています。 

 ③④の方は、自分で底屈した時よりも、他動的に底屈した方が可動域が大きくなりました。つまり、「術者が他動的に足関節や足部に牽引をかけながら底屈を矯正することによって、その方の最大底屈の可動域を示すことができる」という状態を、自分で行えるようになれば今よりも底屈可動域が出るわけです。

 その方法は、筋肉の使い方にあるのです。

 結論から言ってしまうと・・・

足首を伸ばした時、アキレス腱が筋張って見えるのは、腓腹筋ヒラメ筋を使って足首を伸ばしているからなんです^^;バレエでは、足首を伸ばす時にアキレス腱のスジが見えないように伸ばさなければいけません^^;

 「色々な足 1 」に出てくる先生方のアキレス腱がきれいにしまわれていることに注目してください^^

http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/6131136.html

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⑥⑦⑧下腿部の後面深層にある後脛骨筋、長指屈筋、長母指屈筋と、にある長腓骨筋、短腓骨筋を筋力強化をすることで、足首の後ろを縮めずに距骨を前に押し出して、足関節の最大底屈ができるようになります

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⑨⑩また、下腿部の前面にある前脛骨筋、長母子伸筋、長子伸筋、第3腓骨筋を効率よく使うことで、足指を伸ばしたり、関節に空間を作ることができるのです。

 例えば、セラバンドを使って足指でグーパーをするトレーニングがあります。
http://blog.livedoor.jp/ikejimasekkotuin/archives/5153650.html

 このトレーニングは、始めての方には難しいと思います。足指を曲げる筋肉と伸ばす筋肉のバランスが悪いと中々うまくできません。

 バレエでは、足裏の筋肉が重要と言われていますが、足背の筋肉を使うことも重要なのです。例えば、トウシューズの中の足指は、床に突き刺すように指を伸ばして使わなくてはいけません。また、足指・足関節・膝関節・股関節などの各関節に空間を作るようにして関節を動かすなどの使い方は、上体の引き上げと、足部の先端の筋肉で引っ張り合うように使うことが重要なのです。

 それから、もう一つ重要なポイントは、足首よりも先にある筋肉【足筋(足の内在筋)】の強化です。足の内在筋には、以下のようたくさんの筋肉があります。

足背:短母子伸筋、短子伸筋
足底:母子球筋:母子外転筋、短母子屈筋、母子内転筋
    小指球筋:小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋
    中足筋:短子屈筋、足底方形筋、虫様筋、底側骨間筋、背側骨間筋

 これらの筋肉は、共同また拮抗しながら足部の細かい動きをします。バレエにとって重要なことは、これらの筋肉を強化することで、足の甲のアーチを作ることにも作用します。


 写真のモデルさんたちも、成人からバレエを始めたというデメリットも多少ありますが、下腿の深層筋や足の内在筋を強化することによって、今現在よりも足関節・足部の底屈可動域が増加していくと思います
筋肉というのは、何歳になってもトレーニングによって変えられるものなんです

 バレエって、本当に奥が深いですよね^^;
でも、50歳代になってもトレーニングよって変えられることがまだあることがわかれば、頑張れます


 私も、少しでも皆様のお役にたてるように、これからも頑張って勉強していきます


 ふ~年内に間に合った~ 来年も宜しくお願いします
 皆様も、良い年をお迎えくださいませ



いけちゃん


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