2010年07月06日
【縁を結び 絆を深めよう(後編)】
愛媛へのラブレター(14)縁を結び 絆を深めよう(後編)
〜イケメンの寝る義ーを活用したまちづくりへの挑戦〜
道後温泉や松山城は当然として、実は松山でどうしても彼を案内したいところがある。松山市御幸にある弘願寺がそれ。ここには歌や踊りの上達に御利益がある「迦陵頻伽」という珍しいが仏様が祀られている。迦陵頻伽は上半身が人間、下半身が鳥の姿で、手には琵琶を持っている。「仏説阿弥陀経」というお経に、美しい歌声で歌いながら極楽を飛んでいると書かれていることから、芸能の仏様と言われるそうだ。
住職によると、迦陵頻伽を祀っている寺は他に聞いた事がなく、全国でここだけではないかとのこと。ここでの奉納演奏に彼はきっと興味を持つだろう。そして、沖縄に帰った後にも、自身のラジオ番組で、ライブ中のトークで、あるいはミュージシャン仲間とのおしゃべりの中で、松山の土産話として紹介するだろう。
沖縄は芸能の島だ。実に多彩なアーティストが綺羅星のごとく存在する。沖縄に住みながら全国区で活躍する人など枚挙にいとまがない。彼らがこの「芸能の仏様」の存在を知れば、これまで遠い存在だった四国松山は「行ってみたい場所リスト」の上位に挙げられる身近な場所になるに違いない。
松山には意外とお寺が多い。以前に紹介した銀天街・円光寺の例が示すように、これらの場所には大人の好奇心をくすぐるドラマがまだまだたくさん眠っている。「歴女」なる言葉も誕生するご時世、これらを上手に掘り起こせば、新たな魅力となり得るはずだ。観光資源はいくらあっても困らない。
直行便の搭乗率を上げ、路線を維持するためには、地元の利用者を増やすのと同時に、あちら側からの利用者を増やすことも考えなくてはならない。ドラマ「坂の上の雲」で盛り上がる松山だが、ここに描かれる日本海海戦に関わりのあった五人の島民が、宮古島で今なお郷土の誇りとして語り継がれていることは、この欄でも紹介した。ここにスポットを当てれば、宮古島の五万島民にとっても「坂の上の雲」の舞台松山は少なからず気になる場所になる。お客さんそれぞれの興味関心に即した縁を結び、愛媛と相手との絆を深くすることが、地域活性化の肝である。