2010年07月26日
【愛媛を元気にする100方法 No.72「街角コンシェルジェ」(後編)】
愛媛へのラブレター(15)愛媛を元気にする100方法 No.72「街角コンシェルジェ」(前編)
〜イケメンの寝る義ーを活用したまちづくりへの挑戦〜
夏の松山まつり野球拳おどりが近づいてきた。諸々の打ち合わせもあり、五ヶ月ぶりに松山に飛んだ。沖縄から一時間四0分、直行便があるおかげで年に数回行き来をするが、この路線も今年十月で廃止される。これまでのようには気軽に行き来はできなくなるだろう。旅先での楽しみの一つにその土地での食事がある。
私の場合、旅行ではないが、当然お腹は空くので食事をする。かつて暮らした街であるから馴染みの店や贔屓にしている店がないわけではないが、たまの松山、新しい店ものぞいてみたい。で、周囲の知人・友人におすすめの店を尋ねるのだが、みな返事に窮する。しまいには「食事会をするんだけど、いい店知らない?」と聞かれる始末(笑)。これはいよいよ「ガチャガチャ」を登場させる時機が来たなと数年来温めてきた企画を思い出した。
松山の中心市街地には飲食店が多い。和洋中といった料理のジャンルから店の雰囲気、サービスまで実に多種多様な店がより取り見取りだ。そこで、カップルで、あるいは友人たちと、大街道周辺で食事をしようということになった際、こんなやりとりが交わされる。「どこにする?」「たまには新しい店にしない?」「賛成!」「で、どうする?」。延々決まらず、結局「じゃあ、いつものところにしようか」ならまだいいほうで、「また今度にしようか」なんて結末も。
選択肢がないわけではない。情報誌を開けば飲食店情報が溢れているし、無料クーポン誌も花盛り。なぜこうなるのか。自分の経験も踏まえて推察するなら、できれば失敗したくないということだろうか。自分が提案したお店でそれほどの満足感が得られなかった場合、「自分の選択が間違っていた」と同伴者に申し訳ない気持ちになってしまうのだ。そこで、間違いのないいつもの店に行くことになるのだが、いつしかマンネリ化し、街に出ること自体に新鮮さ、楽しさが感じられなくなってしまう。
そこで、大街道周辺にガチャガチャを設置する。お店選びに困ったら、百円を入れてレバーを回す。出てきたカプセルの中身は飲食店情報。もちろん、「飲み物一杯無料」やら「飲食代金一割引」やらのクーポン付きなので、損はしない。何より、新しい店の暖簾をくぐるきっかけと勇気を与えられるのだから百円なんて安いものだ。たとえ、その店が自分たちの好みに合わなかったとしても、ガチャガチャのせいにすればいいのだ。誰も傷つかないし、その日のブログのネタにすればいい。
もちろん、「新緑が美しいおすすめの渓谷は?」「子ども連れに人気のキャンプ場は?」「お土産に砥部焼が買いたいんだけど、どこに行けばいい?」。観光客のそうした問いかけには直接丁寧に答えたい。でも「今晩、何食べたい?」「何でもいい」なんて会話が溢れる飽食の時代にあっては、ガチャガチャとしか物言わぬ「街角コンシェルジェ」が存在してもそれはそれで楽しいと思うのである。