呂布に天下統一の可能性はあったのかゴルゴ31さん情報)
 ズバッと言うと可能性はほとんど無い。
 この時代で勢力拡大を狙うときは知識人の支持がかかせない。
 知識人と言うと書籍ばかり読んでいるインテリみたいに思うだろうけど、文字の読み書きができる支配者階級みたいなものです。
 だいたいの人が大勢の使用人・小作人・私兵と、それらを養う土地をもっている。
 戦略的な助言や治世、私兵を率いての軍事行動など、知識人が必要になる場面は多い。

 なので、たいがいの勢力は知識人への対策をしている。
 あの董卓だって高名な知識人を登用してご機嫌とったりしているのだ。
 呂布は……、対策をなにもしていない気がする。
 王允と仲良くやっていければよかったんだけど、董卓が長安に逃げこんだ時点で地方の群雄みたいな勢力になっていたし、天下は狙えなかっただろうな。

 呂布は、陳宮とおりあいが悪い。
 『典略』によれば、陳宮が曹操につかまったとき呂布は自分のいうことを聞かなかったため負けたと言っている。
 一兵卒からの叩きあげである呂布は知識人より、武将の意見を優先したのだろう。
 うん。コイツらダメだ。きっと一ヶ月先のことも見通せない。

 ただ、境遇は呂布と同じかそれ以下の存在だった劉備が、皇帝にまでなっている。
 呂布もどっかで幸運の目を出していれば、天下を取っていたかもしれない。
 いや、ムリだろうな。知識人のいうコト聞いてくれなさそうだし。
 徐州時代に少年の諸葛亮をゲットしたとしても、宝を持ち腐らせるだろう。

「殿、このような策がございます」
「うむ。よくわからん。却下!」

 陳宮の苦労が偲ばれます。