2011年6月18日(8号)
地獄編 第八歌

 エクゾスカル零=葉隠覚悟とエクゾスカル霹=九十九猛の死闘はまだつづいている。
 二人の戦いを遠方から見ている男たち三人がいた。
 エクゾスカル震電=動地 憐(どうち れん)だ。

 震電は二人の部下を従えていた。
 なぜか二人とも坊主頭で額に、それぞれ「六」と「七」の数字がはいっている。
 二人は震電七部衆だそうだ。
 なぜか、ずっと目を閉じたまま。
 容貌に女性的なものがある。震電をささえる尼僧なんだろうか?

 震電七部衆の装着するエクゾスカルは同一デザインのようだ。
 つまり、量産型ってことだろうか。
 覚悟たちと同時に目覚めた六人の戦士ではなさそうだ。(二歌
 震電は文明の崩壊した世界で、エクゾスカルを生産する技術を有していると言うことだろうか。
 だとしたら、震電の勢力はおそろしく強大ということになる。

「見守るしかあるまい」
「勝った者は知るだろう」
「我ら"正義失格者"の」
「この世界に目覚めたる理由を」


 震電は意味深な発言をする。
 目覚めた六人の正義を行う者たちが、すでに"正義失格者"だというのか?
 それって人類はすでに絶滅しているから、防衛ミッションに失敗したってことかも。
 覚悟と猛は勝負がつく前から、敗北宣言されてしまったな。

 しかし、失格者であっても目覚めた理由があるらしい。
 何らかの理由があって、戦士たちは目覚めたようだ
 戦士たちを軍鶏のように戦わせたいと思っている誰かがいるのかも?
 それとも、もっと世界に関わる問題だろうか?

 覚悟と猛の正義をめぐる戦いは決着に向かおうとしていた。
 鬼のような外見と装甲をもつ甲殻霊長類に囲まれ、なおかつ全裸の葉隠覚悟は大ピンチだ。
 しかし、あせらずに堂々とした態度をとるのが覚悟である。
 まさに腹の据わった男だ。
 前も隠さない。

 覚悟は、甲殻霊長類も人間だと認める。
 急に覚悟と価値観が一致した。
 猛は感動する。オフ会で「好きな漫画は?」と質問して「エクゾスカル零」と返された時のように、かたい握手を求める。
 たいする覚悟は、掌底で猛の下腹部を打つ。

「螺旋」

 ひねりの加わった一撃は、装甲も筋肉も通過し、内臓に直接ダメージをあたえる。
 超一流がつかえば、内臓が口から飛びだす。
 覚悟の攻撃はそこまでの威力がない。だが猛は悶絶してダウンしたままだ。
 すかさず覚悟はエクゾスカル零を起動させる。

 零は霊長類の三半規管を狂わせるストロボ光をだした。
 装着中のスキをカバーする機能がエクゾスカル零にもあったようだ
 覚悟は鍛えているので、平衡感覚が狂っていても立てる。
 すかさず装着だ!
 右目は破損し、左足は失われているが、エクゾスカル零が復活した。

 鋼鉄につつまれた全身は最強の防具であり、そのまま武器でもある。
 殴るだけでも鉄のハンマーでの打撃に相当する威力になるだろう。
 甲殻霊長類はたちまち無数の肉片になった。
 猛は仲間をたすけようと、立ちあがる。

「獅子吼(レオハウル)

 音波兵器か!?
 と思ったら、強力な空気噴射だったようで。
 獅子錨(レオアンカー)と同じく胸部からだしている。
 つまり、本来は獅子錨を射出させるたの機構なのかも。

 不意打ちを受けた覚悟は吹っ飛んで、外に落ちる。
 外に待ちかまえるのは、ガンダムぐらいはありそうな大型甲殻霊長類だ。
 巨大な手で握られて、さすがの覚悟も汗をかく。
 ここで覚悟はモートンヴォルフを呼ぶ。
 すかさず重機関銃を取りだした。

『零式連装機銃「残月」』

「進化にあぶれ淘汰されゆく人間たちの声が」
「俺の胸には聞こえるんだ」


 牙なき者を守るために戦ってきた覚悟は、強い者の側に立つことに違和感があるのだろう。
 車を数秒でスクラップにできそうな大型機関銃で、大型甲殻霊長類を穴だらけにする。
 どんなに肉体を強化した進化でも文明の力には勝てない
 進化の方向性を間違えているような感じだ。

 餓えた甲殻霊長類は仲間の死体にもむらがり喰ってしまう。
 共食いは良くない主義の猛は、甲殻霊長類を止めようと叫ぶ。
 そんな猛は全裸だった。エクゾスカル霹は電池切れで装着が解けてしまったのだ。
 この時点で、覚悟の勝利は確定したと言っていいだろう
 覚悟の粘り勝ちといったところか。

 猛の姿を見て甲殻霊長類が食欲をたぎらせる。
 まるで猛の勝利と帰還を喜んでいた、かつての民衆みたいだ。
 猛は民衆の願いにしたがい、身を投げた。

『愛する者の切なる願いに』
『自己の生命を捧げる』
『その魂の行き先は』
『地獄とは永遠に無縁であろう』


 対象はちがっても、同じ正義を行う者同士だ。
 最後に自らの血肉まで捧げた九十九猛の姿に、覚悟は無言で敬礼をする。

 エクゾスカル同士の戦いに、かろうじて覚悟は勝利した。
 猛がもっと慎重だったら敗北していたかもしれない。
 実に危うい勝利だった。

 そして、地獄はまだはじまったばかりだ。
 守るべき存在のいない世界で、覚悟はなんのために戦うのだろう
 今回、エクゾスカル震電=動地憐は去っていった。
 彼の発言からすると、覚悟は正義を行えない存在になっているらしい。
 やはり、ここからが真の地獄篇がはじまるのだろう。

 前回感想でいただいたコメントがあります。
『戦車の装甲についてなのですが、現行の90式戦車は複合装甲を用いており、均質圧延鋼装甲1500mm程度の防御力を持っているとされています。』
 とのコトです。情報ありがとうございました。

 そうなると、やっぱり獅子錨(レオアンカー)は戦車に通用しないと思われます。
 まあ、別の戦いかたがあるのでエクゾスカルが戦車に負けるとは思いませんが。
 必要以上の火力をつむと重くなって機動性やらに問題が出るだろうし。
 今回登場した零式連装機銃「残月」も戦車装甲を破れなさそうだ。

 どっちにしても、この世界には戦車が動いていないだろう。
 戦車って重い物をムリヤリ動かしているから壊れやすく、整備が大変なのだ。
『パンターのエンジンは平均して2000km(50時間?)の寿命で、1500km(75時間?)以上の耐久能力はなかったという。』
『T-55戦車のエンジンは150時間でオーバーホール、500時間でお払い箱だったそうだ。』
戦車謎解き大百科

 この世界では、エクゾスカルが最強の兵器かもしれない。
 まあ、それ以前に人間がどれだけ生きているのかも不明なんだけど。
 葉隱覚悟は誰がために戦うのか?


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