漫画の餓狼伝は休載中です。だが、原作の餓狼伝はゆっくりとだが進んでいる!
 というワケで、新・餓狼伝になってから2巻目がでた。
 えーと、1巻感想が2007年1月16日だから、3年半ぐらいか。
 ……進んでいるには違いないな。

 二巻は白熱の三大バトルだ。
 関根音 VS. 長田弘
 丹波文七 VS. カイザー武藤
 堤城平 VS. 巽真(グレート巽)

 長田と堤はひさしぶりの戦いになる。
 ちょこっと戦いはしたけど、本格的な勝負はひさしぶりだ。
 そして、カイザー武藤が丹波の前に立ちふさがる。

 カイザー武藤は、グラップラー刃牙のマウント斗羽にアントニオ猪狩を足したようなレスラーだ。
 プロレスの真髄を集めた力と技を持ち、さらにズルい。
 丹波を恐怖のプロレス地獄に引きずりこんでいくのだ。
 悩むタイプの丹波は、ダマされやすいよな。疑心暗鬼に陥りやすい。

 だからこそ、夢枕空間の精神描写に入ると強い。
 無我の境地こそが丹波のホームグラウンドだよ。
 でも、カイザー武藤の怖さは、さらにその先にあった。
 ここで花山薫まで追加されたようなモンだ。
 握るだけで骨を折ってしまいそうな、超身体能力を発揮しやがる。
「丹波くん、すまんね……」
 武藤は、あの笑みを浮かべて言った。
「わたしは、きみを殺すことにしちゃったからね」
 丹波文七が戦士として復活すると同時に引退しそうな勢いだ。
 実に壮絶なバトルだった。
 長田の試合が短いのも気にならなくなるほどの激闘だ。
 いや、やっぱり気になるな。
 三大バトルなのに、長田だけ帯から除外されているし。ものすごい不遇だ。

 そして、堤城平 VS. 巽真ですよ。
 今回は堤の過去もすこし明らかになる。
 求道者っぽい堤だが、やっぱり子供時代はあったワケだ。
 で、松尾象山にであって空手と言う道を知ると。

 巽との戦いは、とことんエロティックな戦いだ。
 相手の関節を極めて折るために肌を重ねあう。
 まさか、あのマジメな堤がこんなイヤらしいことをするなんて……

 例によって、爆弾発言ばかりの作者あとがきで、堤について大いにふれていた。
 堤は丹波と やったとき以上の戦いに突入しなくてはならない。
 ……ッッッ!?
 まさにプロの矜持を知った。今頃、知った。

 人気があって自分も好きなキャラクターを漫然と活躍させればイイわけじゃない。
 好きなキャラクターだからこそ、以前越えた山よりもっと高い山にいどむ必要があるのだ。
 その結果、山を越えられず不幸な事故が起きようとも……

 堤が長いあいだ放置され出番が無かったのは、作者に嫌われていたからじゃなかった。
 好きだからこそ、より高い山を用意しなきゃいけないと準備に時間がかかったのだ。
 そして、今回こんな高い山を超えちゃったからには、次の山がさらにトンデモないことになる。
 堤の行き着く果ては……

 ところで、長田もずいぶん出番なかったんだけど、コイツの山は用意できなかったんでしょうか。
 長田は、北辰会館トーナメントで燃え尽きてしまったのかも。

新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS)新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編