2013年12月12日(2+3号)
第三十六話 / 敵わぬ相手

 拳vs剣というキビしい闘いをすることになった。
 丹波文吉と黒岡京太郎の死合いもそろそろクライマックスか?

 京太郎のふるう木剣は長く鋭く重い。
 丹波は後方に跳び、倒れこみ、転がり、ふたたび跳んだ!
 すごい運動能力だぞ。
 でも、武士っぽくない。
 回避成功が逆に剣の、武士の時代が終わったことをしめしているようだ。

 せっかく必死で回避したのに、立った瞬間を京太郎に狙われた。
 腹にキッツイ一撃を喰らう。
 大丈夫、音が「ドンッ」だから骨は折れていない!
 いや、折れてなくてもダメだろうな、こりゃ。

 文吉は壁まで吹っ飛ぶ。
 真剣だったら死んでたな。
 いや、左側から攻撃を受けたから腰に刀をさしているとみなせば逆胴で無効だ!
 問題ない、イケる!
 虚勢でガンバレ!

 見学者たちは声も無い。
 みんな、文吉が死亡確認的な状態になっていると思っているんだろう。

 京太郎は剣術の強さに酔いしれていた。
 これほど強い剣なのに、なぜ父はひとりで死を選んだのか?
 けっきょく疑問はそこに戻っていく。

 でも、京太郎だって剣を振るう機会をえられず腐っていたじゃないか。
 最強の勇者だって魔王を倒して世界が平和になったら、強いだけの潜在的脅威として肩身の狭い生活になるだろう。
 戦国時代に遅れて生まれた武士みたいなもので、平和な世に居場所がないのだ。

 打たれた丹波が走る。
 メチャメチャ元気じゃないか。
 脅威のタフネスだ。
 主人公っぽいぞ。

 右拳!
 左拳!
 右蹴り!
 左拳!
 恕等の連打だ。

 明治時代はまだ打撃格闘技が発達していない。
 これだけの打撃技をだせる丹水流は かなり研究熱心で特殊な武術だ。
 だが、京太郎もまた丹水流だ。
 文吉の打撃を、剣を使うまでもなくぜんぶ回避している。
 京太郎は体術もかなり優秀だ。

 剣を防御に使用(つか)わない。
 攻撃のためにこそ剣を使用(つか)う!
 丹波の肩を打って動きを止め、ふたたび胴を打った。

 さらに京太郎の攻撃がつづく。
 どうも打撃が首より下に当たっている。
 せめての情けで、頭は狙っていないのだろうか。

 丹水流門下生は、京太郎の圧倒的な強さに驚愕している。
 剣さえもてば強いのだ。
 廃刀令のご時勢じゃ、発揮できない強さだけどな。

「…けど」
「驚くべきは…」
『…文吉の折れぬ心じゃ』


 これだけ打たれても前にでる。
 不屈の闘志に太浦警視総監も冷や汗を押さえられない。
 太浦も一流の剣士だから、文吉のスゴさがよくワカるのだ。

 たしかに丹波の折れない心はスゴい。
 が、それよりも折れない骨もスゴいぞ!
 これだけ打たれても折れていないなんて、骨がアダマンチウム合金でコーティングされているんじゃないのか?
 いや、ガマンしているだけで本当は折れているのかもしれないが。

 イスラエルの格闘術『クラヴ・マガ』では棒の攻撃に対して、腕の角度つけて防御する技術を紹介している。(『最強護身術 クラヴマガ感想
 棒の攻撃を垂直に受けると腕が折れるから、腕をナナメの角度にして受け流すように防御するそうだ。
 理屈はその通りだけど、ナナメに受けると防御範囲が減るから熟練が必要になりそう。

 とにかく文吉もなんかの技術でうまく防御しているのだろう。
 いやに吹っ飛んでいるのは、威力を殺すためかも。
 当たっているところも、肩や腹といった肉の厚い部分だ。
 意識的に丈夫なところで受けているのだろうか。
 よし。今度は尻で受けろ!

 防戦一方の文吉だが、まだ倒れていない。
 前進する限り、チャンスがあるハズだ。
 父・久右衛門が授けた秘策はあるのか?

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・おまけ 新刊情報
真・餓狼伝 3 (少年チャンピオン・コミックス) 真・餓狼伝3巻が発売される!
前田光世との死闘も終わり新展開だ。
表紙でちょっとネタバレしちゃっているのはいいんですかね。

バキどもえ(2) (少年チャンピオン・コミックス) 板垣先生公認の刃牙パロ『バキどもえ 2巻』が、発売だ!
梢江いじりは止まらず、漢キャラは萌え化が止まらない!
刃牙は生きのこれるのか!?

謝男(3) (ニチブンコミックス) 土下座・新伝説『謝男(シャーマン)3巻』が発売される。
土下座の男・拝にたいし、謝らない女が登場する! この勝負、どこに転がる!?
3巻は11話から。

ジャイアントロボ(5)~バベルの籠城~ (チャンピオンREDコミックス) ジャイアントロボの最終章「バベルの籠城」5巻が発売だ!
我が身を犠牲にした最終奥義が炸裂しまくる。キャラ消費が激しすぎなんですけど!

エクゾスカル零 5 (チャンピオンREDコミックス) エクゾスカル零 5巻』が発売される。
ついにメデューサ計画の全容が語られる。
長い回想の先に出てくるのは、あの男だ! いや、女?

みつどもえ(13) (少年チャンピオン・コミックス) ひさしぶりのみつどもえ13巻が8月8日に発売だ。
二本立てだけど、月刊の少ページだから発行ペース遅めですね。
今回は浦安鉄筋家族のお祝いネタも掲載されるっぽいぞ。
13巻は233卵性から!

バキ外伝 創面(2) (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ) (少年チャンピオン・コミックスエクストラ) バキ外伝創面2巻が6月8日に発売された!
花山の意外な特技や、思わぬ弱点も判明する第2巻だ。
基本路線はギャグだから、バトルはあまり期待しないように。
2巻は5話から!

エクゾスカル零(3) (チャンピオンREDコミックス)
開花のススメ(1) (チャンピオンREDコミックス)
守るべき者のいない未来で正義執行者はいかに生きるべきなのか?『エクゾスカル零 3巻』が、発売される!
新ヒロイン初夜六花の登場により状況が大きくかわっていく。
発売日は8月20日です。収録は第十四歌から。

それと、外伝的作品『開花のススメ 1巻』も同時発売です。

新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS) 原作『新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編』が9/21に発売される。
長田が久しぶりに登場し戦う。
そして丹波文七も驚天動地の大失態プレイから立ち直って(?)リングに帰ってきた。
相手はジャイアント馬場的ポジションのカイザー武藤だ。丹波は勝てるのか?
感想書きました。「新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編」感想