2014年11月6日(49号)
第4部 第36話「逢いてぇ」 (1015回)

 徳川光成が現代に蘇らせた宮本武蔵が無断外出だ。
 そして、警察官を何人もブチ倒して指名手配となってしまう。
 やっぱり、まだ単独での外出は早かったかな。

 武蔵は尾行されていた。
 追うのは刑事課強行犯係班長・引木栄一郎と同係・末光高の二人である。
 人通りの少ない道で尾行しているもんだから、目立っているなー。
 尾行はバレないように行うのが基本だ。
 だから複数人によるチームで行う。

 引木たちはせっかく二人いるのに並んで尾行している。
 本来なら一人が先行して、もう一人が先行を尾行するような二段構えをしたいところだ。
 強行犯は「殺人・恐喝・強盗・誘拐」担当なので、尾行スキルが低いのかも。
 というか、武蔵があまりに堂々としているので油断しているのかもしれない。
 武蔵が強いことはワカっているので、単独行動の危険を重視しているのかも。

 どうやら武蔵は尾行に気がついていたようだ。
 立ち止まって引木たちを見た後、跳躍して隣家に侵入する。
 その家こそ、徳川邸だ。

 武蔵が帰ってきた!
 迷子にならずに!
 ホント、よく帰ってきましたね。
 てっきり迷子になって半泣きになっているかと思ったよ。
 「もそっと、もそっと早く!(むかえに着てよ) 」みたいな感じで。

 徳川さんは○○警察署署長・巳代哲を追い返す。
 警視総監・内海旬三にも手を出すなと伝言する。
 自分が騒動の黒幕だと告白しているようなものだ。
 きっと黒い金を警察に流し込んでダマらせているのだろう。

 本日の来客は巳代署長だけじゃ無かった。
 武神・愚地独歩がすでにいる!
 さすが独歩だ。行動が早い。
 って、克巳を切り離して行動したのか。
 早い上に、ワガママだ。

「アンタは東京ドーム地下闘技場の所有者だぜ」
「国内外問わず強者(ツワモノ)の情報は全てアンタに集まる」


 武蔵騒動の黒幕が徳川さんだと見抜いていたワケじゃなかった。
 徳川さんなら情報をもっているだろうと当たりをつけて来たようだ。
 だが、いきなり正解を引き当てるあたり、古強者(ふるつわもの)の直感はあなどれないってコトか。

 いや、独歩は徳川さんを疑っているのかもしれない。
 死刑囚との戦いでは、わりとヒドイ目にあわされたし。
 徳川さんを信用しすぎると、危険だ。

「空手でもない 柔(やわら)でもない 現存するどの体術とも違う」

「剣だよ」
「しかもその水準(レベル)が有り得ねぇ」
「居合など」
「一般的な剣術と比べても2桁以上は上だぜ」


 失われた剣術の動きかッ!
 確かに宮本武蔵の二天一流は剣術の主流にならなかった。
 こういうものは使用者の数が技術の高さに比例する。
 使う人数が少ないと、技術も途絶えてしまうのだ。

 現代に伝わらなかった、幻の剣術を使用する宮本武蔵である。
 2桁以上ってこたァ、剣道換算三百段ってところか。
 ……いやいや、独歩さん、それはハッタリ効かせすぎだろ。
 「小学生でありながらIQ300の天才」みたいな表現になっているぞ。
 IQ(知能指数)は同年代の知能テストにおける偏差値なので、200を超えるような値は現実的じゃないのだ。

 もっとも、独歩が伝えたいのは迫力だろうな。
 現代の剣術家より100倍スゲェ!
 かつて自分も戦ったことのある佐部京一郎(9段)よりもだッ!
 って感じで。

 失われた剣術というと、武蔵と戦ったとされる吉岡流を含む京八流の剣術は飛んだり跳ねたりする技だったとか。
 吉岡重賢は、飛んだり跳ねたりで大暴れしたが(疲れたのか)つまづいて倒れたことが原因で京都所司代・板倉勝重家臣の太田忠兵衛に斬られる。
 そして、吉岡流が絶えてしまい、その技術も幻となった。
 源義経が学んだと言う鞍馬流も京八流なので、やっぱり跳躍が特色なのだろう。

 なんか、すごく興味をひかれる剣術であり、現代に伝わってほしかった。
 ちなみに武蔵は五輪書で特殊な足捌きをする流派にダメ出ししている。
 たぶん、京八流のことだろう。
 ダメですかね、跳躍技……

 とにかく、宮本武蔵に逢いたいッ!
 独歩は、いまにも西野カナの曲を歌いそうなぐらいに思いつめている。

 と、そこに武蔵が登場だ。
 なんというベストタイミングだよ。
 だが、独歩は動揺していない。
 さすがだ。
 もう脈を整えて戦うという状態に入っているっぽい。

 一人旅をしてきた武蔵は飯を所望だ。
 江戸時代の人からしたら現代の食事は美味すぎて肥満にまっしぐらだろうな。
 だが、武蔵の前には飯より うまそうな武人がいる。

「ふむ………」
「この人なら飯の前でも構わんよ」


 武蔵が受けてたつ気だ!
 って、それってどういう意味か?
(1) 飯より、この人と闘いたい
(2) 朝飯前ならぬ、晩飯前で、サラっと片付けます

 どっちだッ!?

 とにかく、願いがかなって独歩が宮本武蔵と勝負する流れになった。
 普通に考えたら独歩に勝ち目は無いのだが……
 だが、独歩には殺気を放たぬ菩薩拳があるッ!
 夜中の蚊すら撃ち抜ける菩薩拳は、武蔵に通用するのかッ!?
 次回につづく。


 さっそく宮本武蔵に挑戦者があらわれた。
 実戦空手の雄・愚地独歩だ。
 前回ラストで息巻いていた本部はどうした。
 いきなり出遅れたのか?

 武士は帯刀するのが当たり前なので、あまり当て身(打撃技)を鍛えていない。
 空手のように素手の肉体を武器化する技術は、あまり馴染みが無いハズだ。
 ただ、武蔵は刃牙の打撃に対応できていた。
 独歩の空手にも対応しちゃうんだろうな……

 いっぽう独歩も武蔵の技を知らない。
 なにしろ「現存するどの体術とも違う」と言っているくらいだ。
 未知の技ってのは、対策がワカらないから強い。
 初期のグレイシー柔術が無敵だったのは、未知の技術体系だったためだ。
 だからこそ、昔の武術は技を隠していた。

 武蔵の使う武術は、現代人にとって未知の技術だ。
 そして、武蔵は駆け引き上手でもある。
 独歩が菩薩拳を使う前に仕留めるかもしれない。
 やはり、この勝負は独歩が不利か?

 しかし、本部はナニをしているんだろう。
 俺が守護(まも)らねばならぬって決意は、そんな軽いものだったのか?
 はやく守護(まも)りに来て!

 それとも、すでに武蔵に倒された後だったりして。
「この人なら飯喰いながらでも構わんよ」
 などと言われていなければ良いのだが……
 守護(まも)るとか、守護(まも)れないとか以前に、出番が無かったですね。


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新ヒロイン初夜六花の登場により状況が大きくかわっていく。
発売日は8月20日です。収録は第十四歌から。

それと、外伝的作品『開花のススメ 1巻』も同時発売です。

新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS) 原作『新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編』が9/21に発売される。
長田が久しぶりに登場し戦う。
そして丹波文七も驚天動地の大失態プレイから立ち直って(?)リングに帰ってきた。
相手はジャイアント馬場的ポジションのカイザー武藤だ。丹波は勝てるのか?
感想書きました。「新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編」感想