新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編 (FUTABA NOVELS) 新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編

 掲示板で情報もらってからずいぶんたちますが、今更の感想です。
 実は『獅子の門』もTwitterで少し感想書いたあと、まとめず放置のままなんですが。

 松尾象山のライバルと言われる磯村露風の過去編だ。
 というか、松尾象山の過去編でもあるな。
 若かりし日(といってもすでに40代後半ですが)の松尾象山は、まだ自分の松尾象山をもてあましているようだ。
 松尾象山らしさを模索中ですね。
 駆け出しの英雄って感じだろうか。

 で、磯村露風が なぜ松尾象山のライバルなのかが判明する。
 そもそも、松尾象山とは何者であったか?
 実戦空手の雄であり、拳に絶対の自信をもつ男だ。
 となると、ライバルは組み技系ってワケですよ。

 だが、磯村露風は一風変わった組み技系だ。
 と言うか、あまり組まない。
 相手の重心を崩し・投げ・倒すのだが、それを打撃でもやってしまう。

 とくに弟子の京野京介はボクシングで、投げをやってしまうのだ。
 打撃による崩し・投げってのが面白い。
 そして、最終目標はヤマト流による世界征服だ!

 最高の野望とは世界征服である。
 ただ、世界征服は難しいというか、ほとんど不可能なので、代用としてボクシングの世界で世界征服みたいに切り替えるのだ。
 格闘小説の世界で天下とるとかね。
 で、磯村露風は自分の流派ヤマト流であらゆる分野の天下をとろうとたくらんでいるのだった。

 秘伝書をめぐっての話を忘れてしまうようなスケールの大きな野望が出てきたよ。
 さすが松尾象山のライバルだ。
 というか、磯村露風のヤマト流は大東流の武田惣角を祖としているらしい。
 これは『東天の獅子』とのつながりが濃密になってきたな。

 嘉納治五郎と武田惣角の時代と、いつか書かれる前田光世の『東天の獅子』から、前田光世と丹波文吉の活躍する『真・餓狼伝』、そして『餓狼伝』というつながりが見えてきた。
 『真・餓狼伝』がもっと長続きしたら、よりスキマが埋まったんだろうけど。

 丹波文七はいつも通りだけど、梶原がなんか成長しそうな感じだ。
 そして、ちょっと忘れていたけど姫川の父・源三も動きだした。
 なんか際限なく風呂敷が広がっている気がするんですけど、この後どーするんだろ。