仲間が逃げる時間をかせぐため三日月たちが壮絶な殿(しんがり)を勤める。
 勝ち戦にある者は命を惜しむから、二機のガンダム相手に戦うのがキツイんだろうな。
 ただでさえ悪魔の強さを誇る鉄華団のツートップだしな。

 ラスタルの採用した作戦は軌道上からダインスレイヴによる射撃だった。
 手段を選ばないなら、遠距離からの射撃だよな。
 禁止兵器であっても、勝てば官軍でうやむやにできるだろうし。

 だが、三日月たちの抵抗による人的・物質的被害はそうとうなモノだ。
 やっぱり降伏を受けいれて武装解除させた上で処刑したほうが良かっただろう。
 そのへんがラスタルの限界であり、ここで受けた被害が後に発言力の低下につながるのかも。

 ダインスレイヴにより大ダメージをうけた三日月と昭弘だが、瀕死になりながら戦いつづける。
 リミッターを解除したガンダムは悪魔の兵器だッ!
 バルバトスは、ルプス(狼)の名の通り野獣的な戦いかたをするぜ。
 昭弘もグシオンのリミッター解除しても良かったんだぞ。

 アホのイオク様が、アホの特攻をかけた。
 イオクがタービンズの仇と気がついた昭弘が、イオクを圧殺する!
 クズを倒してスカッと爽快! なんだけど、イオクはギャラルホルンの足を引っ張るかけがえのない人材だ。
 生かしておけば、必ずギャラルホルンにとって邪魔な存在になっただろうに。

 最後の炎を燃やし尽くした三日月も戦死する。
 だが、鉄華団の逃げる時間は確保したのでミッションコンプリートだな。
 最後は周囲に戦友が一人もおらず、極めて寂しい死にざまだけど、鉄華団を守れたという満足感があっただろう。

 ダインスレイヴのおかげで、鉄華団の全滅もある程度の真実味が出たハズだ。
 基地の探索したら死体の数が合わないのでバレるだろうけど。
 でも、そういう歩兵の汚れ仕事は下請けに外注しそうだし、外注がテキトーに報告したら信じそうだ。

 鉄華団は無事に新しい身分を得て、新生活を始めた。
 あの状況から地球に行くのは大変だと思うが、うまくやったようだ。
 みんな肉体的に成長したな。
 アトラとか、一期と二期で全然変化なかったから、低栄養障害とかを心配していたんだけど、成長期が遅かっただけか。

 しかし、オルガの仇を討ったライドたちなど、全員が新生活に馴染めているワケでもないらしい。
 鉄華団の人間は労働力として考えると、小欲の働き者で汚れ仕事もOKと極めて優秀だ。
 その優秀さに乗っかっちゃうと、ブラック企業になるんで気をつけないとダメだけど、クーデリアにとって頼れる人材になっただろう。
 三日月もきっちり息子を残しているあたりが、さすがヤる時は徹底的にヤる男だ。

 しかし、オルフェンズは男の主要人物が上から順番に死んでいくような状態だ。
 生きのこったユージンやタカキは幸運を噛みしめながら生きて欲しい。