2017年8月3日(36+37号)
第4部 第168話「不倒の想い」 (1147回)

 素手喧嘩(ステゴロ)最強ヤクザの花山薫と、現代によみがえった宮本武蔵の決戦もクライマックスだ。
 たがいに油断しあった末に、花山が腹を斬られたッ!
 やっぱり素手と真剣じゃ、油断したさいのダメージ差が大きい。
 亀だって腹は背中より弱いって板垣先生も言っているし、大ピンチだ。

 花山の腹を斬った武蔵は、そのまま転がって脱出した。
 さすがの花山も斬られたショックで手がゆるんでしまったようだ。
 斬られながらも根性で武蔵の頭に握撃をかけるとか逆転方法があったと思うのだが。
 スペックと戦った時の花山はスタングレネードでも怯まず攻撃を続けた。
 やっぱり、切腹は格別のダメージなのだろう。

「「サラシ」を巻いたのは良い備えだった」
「巻いてなければ臓腑が飛び出し」
「そこで終わっていた」


 158話で、サラシには内臓が飛び出すのをおさえる効果があると書いたが、当たりでしたね。
 でも、この深さで斬られたんじゃ内臓がこぼれおち無くても意味がない気もする。
 出ようが出まいが死ぬよ。

 ただ、切腹は痛いけどなかなか死なない。だから介錯で首を斬る。
 前に書いたが、異例の出世をしたため同僚たちの嫉妬をかい嫌がらせを受けた松平外記は、ある日ブチ切れて四人を斬殺し、腹に脇差を突き立て土間へ下りて箱段の下で咽(のど)を突いてそのまま果てたという。(山本博文「男の嫉妬」)
 切腹した後も、移動して自分にトドメを刺せるぐらいには動けるのだ。

 攻撃と共に脱出した武蔵はまたもや納刀する。
 さすがに勝利を確信したのだろうか。
 観客も警官も徳川さんも内海警視総監も、敗北認定モードだ。

 だが、花山と木崎はあきらめていない。
 汗は流しているが、サラシの追加でつづける気だ。
 サラシごと斬られているんだから、サラシを追加しないと切れ目から内臓ポロリしてしまう。
 木崎が慌てていないってコトは、斬られることも想定内だったようだ。

 追加サラシで応急処置はできた。
 ここから花山薫の第二ラウンドだ。
 でも、斬撃対策は無い。
 このままだと、また斬られてしまう。

「いいは いいんだけど…」
「水っ気が欲しい」


 いつから居たンだッ、チャンピオンッッ!
 みんな君を捜していたッッッ
 範馬刃牙の登場だ――――――――ッ!

 とっくの昔に刃牙は守護(まも)る気完了していた。(17巻 148話
 あれから20話(体感的に約5ヶ月)たったが、ついに刃牙が動いたッ!
 いや、今までも動いていたのかもしれないが、読者にその姿は見えなかった。
 刃牙が忍者であれば完璧な潜伏だ。

 花山が腹を斬られるぐらいは、守護(まも)る範囲外なのか、刃牙の表情はにこやかである。
 刃牙はサラシの効能を解説した。
 サラシには未熟な刀剣なら防御になり、止血効果、内臓露出の防止効果もある
 内臓露出の防止には、水っ気を加えてより強くしめたい。
 ってのが、刃牙の考えだ。

 この状況で冷静なサポートをするとは、まるで主人公みたいだな。
 刃牙が1年ぶりぐらいに仕事をしているッ!
 いや、もっと久しぶりかもしれない。
 この援護で花山の逆転も可能か?

「花山さん」
「ホールドアップ♥(はぁと)

「これで締めたい」


 刃牙が取りだしたのはワイルドターキー(AA)だッ!
 花山が愛飲する酒をなぜか準備している。
 なんと用意の良いヤツだ。
 木崎なフトコロに数本用意してそうだけど、それを借りたのか?

 ほんの一瞬ですが、刃牙が戦いの聖水(※ 尿)や、炭酸抜きコーラで濡らすンじゃないかと疑ってしまいました。
 やっぱり、花山ならワイルドターキーですね。
 うたがって、ごめんなさい。

 コレが独歩の場合だとハブ酒なんだろうか?
 ハブ毒は酒でうすまっているから安心だろうけど、傷口にかかるのがチョット心配だ。

 刃牙の粋な提案に、花山も木崎も表情が明るくなる。
 友情のワイルドターキー霧吹きで花山の戦闘準備が整った。
 あとは勝利するだけだ。
 未成年だろうと関係ねえ!
 生き残ったら…共に乾杯だ!!

 蔵も花山が回復したのを感じとったか、愛刀・金重を抜刀して待ちかまえる。
 さすがにもう油断は無いか。
 本気で決着をつけに来ている。
 ちゃんと待っててくれるのが、礼儀正しいな。
 そこはちゃんと空気読んだのだろうか?

「見かけほど元気じゃない…………」
「次のイッパツで終了(おわ)り―――」
「―――ってことでは五分じゃね?」


 刃牙も汗を流してピンチを感じているが、的確なアドバイスだ。
 確かに武蔵もダメージはデカい。
 先に殴ってしまえば勝てるかも。
 今までの攻防だと、武蔵はカウンター狙いで待ちの姿勢が多かった。
 そのままなら、花山が先手を取れるぞ。

 花山死亡エンドしか見えなかったが、刃牙の登場で流れが変わったッ!
 ……気がする。……たぶん。
 一発勝負でイイのなら、花山にもチャンスがあるぞ。
 生存どころか、勝利エンドも視野に入った。

 たがいに限界が近い二人だ。
 次の攻防が最後になるだろう。
 拳が打ち砕くのか、刀が斬り裂くのか!?
 次回へつづく。


 守護完了していたハズの刃牙が全然動いていなかったが、予想外の活躍をした。
 これなら充分に活躍と言っていいな。
 セコンドとして仲間を支えるのも主人公のお仕事だ。

 平直行さんがアンディ・フグのセコンドをしていた時に心がけていたのは『試合まで一緒に練習をして、信頼しあえる関係を築いて、選手が気づかないことをリングの外から見て、伝える。』だそうだ。(平直行の格闘技のおもちゃ箱

 花山のダメージばかり気になっていたが、武蔵のダメージも大きい。
 外から見たからこそわかる冷静な情報だ。
 岡目八目ってヤツですね。

 たぶん、次の攻防で決着だ。
 武蔵が負けるのであれば、それは武蔵の孤独が敗因である。
 本部が言っていたように、現代で孤立している武蔵にはサラシを用意してくれる部下も、アドバイスをくれる友もいない。

 刃牙は花山を勝たせるだけでなく、武蔵の孤独をも救いたいハズだ。
 この難しい課題を解決できるのか?
 主役に負わされた責任は重たいぞ!
 というか、その重みを利用してしばらく話の流れにとどまってください。

週刊少年チャンピオン2017年36+37号 [雑誌]
週刊少年チャンピオン2017年36+37号


------
・おまけ 新刊情報
刃牙道 17 (少年チャンピオン・コミックス) 刃牙道17巻が発売だ!
ついに宮本武蔵が本気で斬りまくる。
目指せ100人斬のペースだぞ。
そして、刃牙はすでに守護りモードに入っていた!
17巻は144話から152話までッ!

新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編 (FUTABA NOVELS) 『新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編』で、ついに松尾象山と磯村露風の出会いが語られる。
丹波文七も、梶原も、そして姫川も動きだす。
この風呂敷は、どこまで広がるのか?
感想書きました。「新・餓狼伝 巻ノ三 武神伝説編」感想

バキ外伝疵面 7 (チャンピオンREDコミックス) バキ外伝疵面7巻が発売だ!
ついにグランドマスター編も決着するぞ!
そして非日常な日常にもどる。
46話から53話まで!

真・餓狼伝 6 (少年チャンピオン・コミックス) 真・餓狼伝6巻が発売された!
真なる餓狼の伝記もこれで最後だ。せまる丹水流の闇に、丹波親子は対抗できるのかッ!?
最終巻は47話から!

獅子の門 鬼神編 (カッパ・ノベルス) 獅子の門 鬼神編が発売される!
ついに完結!
羽柴彦六と久我重明の死闘があるらしいぞ!
なんか主人公の少年たちの名前があまり出てないけど、完結なのにそれでイイのか?

バキ外伝 拳刃(1) (チャンピオンREDコミックス) バキ外伝拳刃1巻が発売だ!
若き日の愚地独歩がやっちゃイケないような技で暴れる!
基本的に必殺だから敵は再起不能だぞ。教育的に良くないから秘密だ!

バキどもえ(2) (少年チャンピオン・コミックス) 板垣先生公認の刃牙パロ『バキどもえ 2巻』が、発売だ!
梢江いじりは止まらず、漢キャラは萌え化が止まらない!
刃牙は生きのこれるのか!?

謝男(3) (ニチブンコミックス) 土下座・新伝説『謝男(シャーマン)3巻』が発売される。
土下座の男・拝にたいし、謝らない女が登場する! この勝負、どこに転がる!?
3巻は11話から。