2018年1月4日(6号)
第4部 第186話「間近」 (1165回)

 現代を代表する地下闘技場王者・範馬刃牙と、戦国~江戸期を代表する剣豪・宮本武蔵の激突は新たな局面を迎える。
 近代格闘技+思いこみによる謎理論による刃牙の攻撃は、近代格闘技を学習した武蔵に二度通用しない。
 まあ、おなじ攻撃を何度も繰りかえすのは読まれやすいから止めたほうが良いと思いますが。
 とにかく、ここからは本部以蔵の解説が勝負をわけるッ!
 いや、本部の解説でなく、刃牙と武蔵の読み合いだッッ!

 本部の弟子ガイアは、刃牙と武蔵が超高度な読み合いをしていることに発汗する。
 だが、解説王・本部は涼しい顔で汗一つない。
 まさに貫禄の解説王だ。両手両足を負傷していても、口さえあれば開設できるッ!

 現在の状況は「攻撃をするという意識」が発生する前の予兆を読み合う対決だ。
 どちらがより深く読めるのか?
 などと考えるガイアだが、本部の意見は違う。

「展開はそう変わらんぜ」

 本部の言葉どおり刃牙は無造作に武蔵へ近づいていく。
 なんと本部の予想通りだ!
 本部は現在の事象を解説するのは得意でも、次の展開を予想するのが苦手だったりする。
 範馬勇次郎vs愚地独歩では神技とも言える解説と、いちいち外す予想が鮮やかだった。

 本部の予想が当たるというのは、何か不吉な気もする。
 だが、刃牙は普通に歩いて間合いを詰めていく。大丈夫か?
 本部たちに加え、柴千春と郭海皇が見守る。
 なんで この二人なんだ?
 刃牙の速度を知る柴千春と、武蔵に同胞を斬られた郭海皇が、最も因縁深いと言うのか。

 近づいた刃牙は右の回し蹴りを放つッ!
 一撃に見えたが、衝撃は五発だ。
 だが、武蔵もその五連撃を見事にガードした。
 愚地克巳や オリバも眼を見開く神速の攻防である。

「三打が一打に」
「四打が二打に聞こえるほどの速度だぜ」
「一部始終を見ていたって」
「捌けねぇものは捌けねぇ」


 本部がきっちりと解説する!
 五連撃じゃなくて、3+4打で1+2音の七連撃だったのか?
 でも、音は「パパァン」だったので二打音という感じもする。
 本部の解説がなんか怪しくなってきたぞ。

 前に刃牙が放ったのは一音の三連撃だった。
 で、今回が二音の四連撃と本部が判断したのかも。
 本部は、一発分見落としちゃったね。

 もっとも解説のキモは打撃音でなく、速度についてだ。
 プロ野球選手のピッチャーが投げる球は、たとえモーションを見ていてもシロウトに対応できないッ!
 先読みとか言う以前に、身体能力が高過ぎて無意味になっているようだ。

 かつてガイアと刃牙が戦ったとき、刃牙は予測を超える矢継ぎ早の攻撃をして先読み能力を攻略した。(G刃牙17巻 148話)
 先読みの能力も、経験による技も、圧倒的な身体能力には屈するしかない。
 ほとんどの格闘技が体重別になっている現実と同じだ。
 体力差は技術差を はるかに凌駕する。

 ただ、身長を伸ばした事で体重(ウエイト)も増えたジャック・ハンマーという例外の存在がいます。
 海上自衛隊「特別警備隊」創設に関わった伊藤祐靖によると、『人間の急所は下半身に集中していますから、背が高いということは、弱点をさらして歩いているようなものなのです。ですから、大きいと格闘でやられてしまいます。それに、体が小さいと酸素消費量と燃料というか、食料も少なくて済みます。ただ、ある程度体重がないとダメなので、165センチは必要です。』との事だ。(伊藤祐靖 × 成毛眞 特別対談(2)
 体重は必要だけど、ジャック兄さんは急所をさらしすぎているのかも。
 金的も打ち放題だ。

 本部もガイアも、刃牙や武蔵の身体能力に勝てないのだろう。
 刃牙の持つ範馬一族の肉体は都会のモヤシっ子とゴリラぐらいの差がありそうな反則筋肉だし。
 逆に武蔵の身体能力が、あれほど高いという謎が生じてしまうのだが。

 刃牙vs武蔵は先読み以前に、身体能力の競いあいだ。
 残念だが、本部やガイアのような普通の人間とは次元がちがう。
 肉体の差を知っている本部と 気が付いていなかったガイアには、師と弟子の差というか、洞察力の差がある。
 その差が汗の差になっているワケだ。
 己を知っているだけ本部のほうが上って事ですね。
 本部以蔵は やっぱり あなどれない。

 神速の攻防で刃牙と互角に戦った武蔵は、さらに本気をだす。
 左右の手に日本刀をイメージする。
 エア二刀流だッ!
 武蔵のパントマイムに 渋川さんや鎬兄弟たち会場の誰もが日本刀を感じてしまう。

「斬る」「突く」「刺す」「打つ」「組む」「自在なり」
(我っっ  現在(いま)正に自在也…っっ)


 両手に刀を持った宮本武蔵は融通無碍(※ 何事にもとらわれず、自由である様子)の境地なり。
 刀で斬って突くだけでなく、組むことも自在にできるらしい。
 エアだから何とでもなるって事か?

 武蔵が全局面に対応可能となった。
 対する刃牙はエア真剣の圧力に冷や汗を流す。
 リアルシャドーの達人であり マゾヒストの気がある刃牙にとって、エア斬撃はご褒美だ。
 斬った武蔵のほうがビックリするほどのリアル出血大サービスでダメージを受けそう。

 素手で日本刀を防ぐことができるのか?
 日本刀への防御は、vs武蔵で必ず問題になる。
 体重差以上に武装の差ってのは大きいはずだぞ。

 烈海王は自分も武器を使用した。
 本部は防具を着込んだ。
 花山は肉体の強さで乗りきろうとした。
 だが、三人とも一時しのぎにしかならなかったようだ。
 刃牙は、どうする!?

(誰の言葉だっけ…)
("斬り結ぶ……)
(太刀の下こそ地獄なれ…)
(一足進めば…………)
(後は極楽也……")


 刃牙は上半身を振り、激しくステップを踏んで武蔵のフトコロに飛びこむ。
 日本刀と言えども近い間合では斬りにくい。
 刃の間合いを踏みこえれば、素手の間合いだ。

 この言葉をググってみたら、宮本武蔵と柳生石舟斎(柳生宗厳)の二人が元ネタのようです。
 五輪書にも書いてある通り、宮本武蔵には肩での体当たりという必殺技がある。
 間合の中も危険地帯なのだ。
 なので、柳生石舟斎のほうが、らしい気がするけど、どうだろう。

 刃牙の変な動きはフェイントだろう。
 変則的な動きで幻惑して飛びこむ。
 だが、近間で刃牙はエア袈裟斬りにされたッ!
 左肩から右脇腹まで真っ二つだ。

 真剣なら確実に死んでいる一撃である。
 エア斬殺に思わず刃牙が動きを止めてしまう。
 長い打刀だけでなく、短い脇差を同時にもっている。
 極楽に思えた近間は、脇差による斬撃地獄だったのかッ!?

 エアなのは置いといても、刀による斬撃があるとワカっていたハズだ。
 やっぱりノープランで突っこむのは無謀だったか。
 エアだけど、刃牙のダメージは大きそうだ。
 新年早々、大ピンチの刃牙であった。
 次回につづく。


 刃牙が斬られた!
 自慢していた自動回避はなんだったんだろう。
 エアだからノーカンなのか?
 痛みを喜びとする刃牙の性癖が、死なない斬撃を受けさせたのかも。

 逆に考えると、痛みに強い刃牙はエア斬撃じゃ倒せない。
 武蔵がいくらエア斬撃で痛みを与えても、刃牙はむしろ喜ぶ。
 エアじゃ倒せないと理解した武蔵がリアル日本刀を抜くまでは お遊びみたいなものか?

 刃牙と武蔵はスゴい身体能力だから、先読みですら無意味と本部が言う。
 だが、武蔵のフトコロに飛びこむ前の刃牙はフェイントを多用していたようだ。
 フェイントだと、先読みで見破ることができる。
 つまり刃牙は失敗する要素を最大限に盛りこんで特攻したのだ。
 やっぱり、刃牙の本性はマゾなんですかねぇ、と言うのが2018年最初の感想でした。


週刊少年チャンピオン2018年06号 [雑誌]
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