
『みつどもえ』の桜井のりおの新作『僕の心のヤバイやつ』が発売された!
今頃感想書くのかよとか、連載時に感想書いていたじゃないかとかあるんですが、1エピソードではなく1作品への感想なんで、ご容赦ください。
主人公・市川京太郎は中二病を患っている。
中学二年男子にありがちなグロ嗜好な状態だ。
で、クラスメイトの山田杏奈を殺したいと暗い衝動を抱えている。
だがッ! 山田は想像を絶するポンコツ美少女だったのだッ!
山田を観察すればするほど、食いしん坊だったりドジだったりするところが目について「はじめてのお使い」を見守るお母さんみたいな心境になってしまう。
それでまあ、純粋に好きになっちゃうのは時間の問題だった。
僕の心に巣くうヤバイやつは、中二病から恋心に変わってしまう。
そうなると、最初の前提であるスクールカースト最底辺の陰キャラの京太郎と、頂点にいる陽キャラの山田は、立場が違いすぎると言う問題が浮上する。
実は山田のほうは、そのへんを気にしていないっぽい。
最初は良く知らないクラスメイトとして目が合っても冷たく見返して、視線を外していた。(1話)
でも、仲良くなってくると自分を見ている京太郎に気が付いて、視線を合わせてくる。(14話)

1話 この頃はクールビューティーでした

14話 この直後にボールがぶつかってしまうので、この後どんなアクション(笑いかけるとか)を取ったのかワカらなくなってしまった。
山田のほうは京太郎を嫌っていないので、最低でも友達になれると思う。
だが、京太郎は自己評価が低すぎて、なかなか山田に近づけない。
いっぽうの山田も身体は成長しているが、精神は小学五年生ぐらいで止まっている。
いや、四年生かな。所により三年生かもしれない。
というワケで、京太郎だけでなく、山田のほうにも問題があるので、二人の距離が縮まるのが難しい。
それと、山田は女友達から過剰に守られているという謎がある。
山田が気が付いていないだけで、過去に何かあったのかもしれない。
この山田護衛団の存在も今後の不安要素だ。
ただ、京太郎が微妙に山田をフォローしていることは認識しているようで、比較的良好な関係になっているかもしれない。

そんな感じで、陰キャラ京太郎と 陽キャラ山田が仲良くなるのは、時間がかかりそうだ。
京太郎の中二病は弱まっているだけで、消えていないのも問題かもしれないし。
なお、連載前に掲載された対談によると1話の時点でネームが22本ぐらいあったらしい。
マンガクロスでの最新話が19話なので、もうそろそろネームの無い未知の領域に行きそうだ。
この二人は、それぞれに幸せになることができるのだろうか?
そこは生暖かく見守るしかあるまい。

週刊少年チャンピオン2018年13号での対談
僕の心のヤバイやつ 1巻
『僕の心のヤバイやつ』はマンガクロスにて連載中だ!