治療にはお金がかかる。私のようにステージⅢB以降は明日(未来という時間)をお金で買っているようなものだ。

治るガンならいずれは医療費はかからなくなるだろう。しかし、治らないガンは治療を続ける限り医療費はかかるんです。
私は、こんな当たり前のことに目を背けて治療をしています。(誤解を恐れず自分の言葉で表現しました。これは患者としての自分の実感なんです。)

確かに高額療養費制度はある。この制度がなければ治療なんてできなかったろうと思う。
私は慢性関節リウマチに罹患しており、生物的製剤による治療を2年間行った経験があり、高額療養費制度の存在も、そのありがたみも知っていました。
生物的製剤から離脱して、やっとリウマチの治療費が家計を圧迫しなくなったと思ったところだったのに、今度はガンの治療でこの制度のお世話になっているところです。
 
ガンの告知を受けて、社長にガンでステージⅢBであることを告げた時、社長から「どうしたい?」と聞かれました。社長にすれば「休職して治療に専念」「長期休暇で旅行」「会社をやめて治療に専念」などを想定していたらしいのですが、私はリウマチで治療にお金がかかるという現実を知っていたので「たとえ、給料が半分になっても会社にとどまり仕事をしたい。

ハッキリ言えば、治療する上で会社に在籍することに意味があるので、仕事をさせて欲しい」と言いました(本当は「退職金、3億欲しいです」と言おうかとも考えたんですけどね。)。
理解を得られたのでしょうか、特に待遇面で変わったところもなくそのまま在籍しています
ただ、入院と治療で会社を休むことが多くなって有給休暇も使い果たし「欠勤」が増えたため、ボーナス査定には影響がありましたが、それは常識の範囲です。
 
統計として、自分はあとどれくらいなのか?といわゆる生存率を「全国がん(成人病)センター協議会の生存率共同調査による」https://kapweb.chiba-cancer-registry.orgで調べてみたら下記の通りの結果となりました。
私の場合の病期はⅣに近いだろうと病期Ⅳも調べてみました。最近は新しい治療(薬的にも臨床技術的にも)がなされており、上積みはあると思いますが、今のところの統計結果としては「なるほど、こんなもんだろうなぁ」と思うところです。

下記はステージⅢの5年生存率 (2004~2007年のデータ)
5年生存率データⅢ-3

下記はステージⅣの5年生存率(2004~2007年のデータ)
5年生存率データⅣ-3
横軸が5年分に足りないように見えますが、既に700日の生存期間があるので、横軸0が2年です。
3〜4年目(横軸1〜2間)で急落する結果には驚愕!本紙記者も思わず昇天!(もっとも、最近の医療とは違う医療だったのかもしれないけど)。
 
私に当てはめれば、来年は生存率が低下することが予想され、この為に抗癌剤の変更の頻度が増す。つまり入院する期間が増えることが考えられる。
そうなると今のまま仕事を続けながらで良いのか?と考えちゃう。我が社のような社員5人程度の零細企業としては、戦力として当てにならない人材は会社(部下や同僚)に迷惑をかけることになるな。とか考えちゃうんですよね。
 
会社のことはともかく、自分としてはもっと違うガンとのつきあい方があるのではないかと漠然と考えるようになっています。
自分で自分を雇う方法を考えないとならないなと妄想している今日このごろ。

by たしろ