開園日記

2012年03月28日

▼今日は、朝から春らしい陽気に包まれていました。少し風がありましたが、昼には17℃にもなり、コートやセーターは暑くて着ていられないくらいでした。ただし、夕刻は予報通りに雲が出て雨が降りましたが、思った程降らずにすぐ上がりました。

▼今日で私の担当が終わる事を知って、常連の子供たちが来てくれました。遊んでいると、何となく変な香りが…『あっ、ヒサカキが咲いたな~』と気付きました。子供たちにも見せましたが、花粉症なのか、あんまり匂いが判らない様子でした。ガスの着臭剤のような臭いです。枝に無数の小さな花が下向きに付いているのを見せると、『これから咲くの?』と、まだつぼみのように感じたようでした。拡大して見ると、可憐な少し緑ぽっい白い花です。
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ヒサカキの花


▼いつもは、どちらかと言うとミクロな視点でお伝えしていますが、最後なのでちょっとマクロな視点で風景を多くしてみました。北側の園路から菜の花畑を望むと、黄色い菜の花が咲いているのが木々の間から望めます。畑にはキチョウが1頭飛んでいました。カメラを菜の花畑に向けていた方が、熱心に何かを撮っていらっしゃいました。見るとマエアカスカシノメイガでした。前羽の縁が赤い白っぽく美しい春から見られる蛾です。残念ながら、私は撮れませんでした。幼虫はネズミモチやキンモクセイなどのモクセイ科を食べます。森の濃い緑には、ヤブツバキの真っ赤な花が点々と灯っているようです。
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garden

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▼畑の脇には、ナズナが咲いていました。空堀の縁には、一時少なくなっていたミツバが少しずつ増えて葉を広げています。畑や堀の脇には、ヤエムグラが繁茂し始めています。春らしい緑が、園路を縁取ります。
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ナズナの花

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空堀の縁に生えるミツバ

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茂るヤエムグラ

▼最後は、この森の風景で一旦お別れします。これまで使用して来たカメラは、かなりくたびれてきており、ピントが合わなくなってきましたので、明日入院(修理)します。これが渾身の最後の一枚です。ちょっとぼんやりとフォギーな感じに映っているのは、逆光だけでなくてそのためでもあります。…なんとなく小惑星探査機「はやぶさ」大気圏突入前の最後の一枚とだぶったりして…
では、みなさんさようなら。2年間、ありがとうございました。
yashiro

forest

(いとう)




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2012年03月25日

▼朝はよく晴れて久し振りの青空。昨夜降った雨で湿った土は、ほんわかと蒸気を出しているようで、冬服の上着ではちょっと暑いくらいです。いつもより、来園される方が多かったのですが、これもやっと春らしい陽射しに誘われたのでしょう。先日もお伝えした通り、ヤブツバキがたくさん花を付けています。しかし、午後になると雲が多くになり、夕刻には一時陽が射したものの、また曇って肌寒くなり上着を着込みました。
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青空を背景に満開のヤブツバキ

▼防鳥ネットで覆われた菜の花は、もう満開です。来月7・8日に予定されているあだち花季行~『花めぐりバス』には間に合いそうです。今日はミツバチがあちこちで蜜を求めて、花から花へ飛び回っていました。色の黒っぽい和種ニホンミツバチも少し見られました。昨年よりその割合が減っているように感じました。
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セイヨウミツバチ

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ニホンミツバチ

▼四阿(あずまや)の脇にあるヤブヘビイチゴの黄色い花が2輪咲き始めていました。植樹した圃場は、ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ、ミチタネツケバナ、ナズナ、セイヨウタンポポが咲き、ヨモギが柔らかい若葉を茂らせ、昨夜降った雨露に濡れて光っていました。来園された方にも、春の香りを楽しんでいただきました。
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ヤブヘビイチゴ

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ヒメオドリコソウ

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セイヨウタンポポ

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オオイヌノフグリ

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ミチタネツケバナ

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ヨモギ

▼来園した子供たちには、キッズチャレンジというお手伝いプログラムで、手摺や看板を拭いてもらったり、昨年清掃してまだ付けていなかった3つの巣箱の割れや釘抜けを補修してもらい、掛け直しました。もうすぐ、シジュウカラの子育てシーズン。10個くらい掛けてありますが、縄張りがあるので全部に入ることはありません。ただ、物件が多い方が気に入った巣箱を見つけ易いという訳です。狭かった入口を広げたので、今年は巣立つところまでいって欲しいです。
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手摺りと看板拭き

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巣箱の補修をしました

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掛けた巣箱

▼佐野で見たい動物のアンケートでは、タヌキが人気のようですね。昨夜の監視カメラを見てみると、夜中の3時ごろに2匹映っていました。ただ、残念ながら夜行性のタヌキには、日中はほとんど出会えません。でも、朝方見かけた人もいらっしゃいましたので、絶対会えない訳ではありませんよ。運の良い方は出会えるかもしれません。
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雨の中でも元気そう

▼2年間、認定NPO生態工房は、足立区より『佐野いこいの森』開園中の管理を受託して参りましたが、今年度で一旦完了し、次年度からは他の受託者が管理することになりました。ブログをご覧頂いた皆様、来園して頂いた皆様、誠にありがとうございました。今度の水曜日が最後となりますが、これまでと変わらず、いつも通りの運営・ブログ更新をしたいと思います。その後のブログは、週2回の更新はされませんが、当面閉鎖はせずに、時折訪れては状況をお伝え出来れば思います。

(いとう)


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2012年03月21日

▼いつもはヒーヨッヒーヨッとうるさいぐらいにヒヨドリたちの声で満ちあふれているいこいの森。今朝はそんなヒヨドリの声がほとんど聞こえません。それはこの「ヒヨドリ食害から菜の花守るネット」(そのまんま)のせいでしょう。先週までは、半分までしか覆われていなかったネット。残った半分は無残もヒヨドリたちの餌食になっていましたが、とうとう全面を覆うことができました。ときどき残念そうに?ヒヨドリたちが畑の上をうろうろ飛んでいます。今年はヒヨドリたちが多かったのか、それともエサが少なかったのでしょうか。そう思うとちょっと可哀想です。
畑ネット
さらに補強して鉄壁?の守り。

▼それでも、ようやっと菜の花が花を咲かすことができました。いつもより低い気温とヒヨドリ食害のせいで、だいぶ遅くなりました。今日来演された方も、「菜の花を見ると、春が来るなぁと感じるね」とおっしゃっていました。本当にその通り。ネットが邪魔だけど、畑を見ているとほんとうにきれいだなぁと思い明日。まだまだこれからが本番です。週末には是非、菜の花を見に来てくださいね。

▼春を感じさせるのは、菜の花だけではありません。畑では雑草扱いになってしまう、ハコベやナズナ、タネツケバナガ花を咲かせています。去年はたくさん咲いていたホトケノザはかなり少ないようです。他にも外来種ですが、ヒメオドリコソウやオオイヌノフグリもきれいに咲いて、茶系統だった畑に彩りを持たせています。それにしても、そうした野草も数の上では圧倒的に外来種が多いなぁと残念に思います。きれいなんですけどね。

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ヨーロッパ原産のヒメオドリコソウ
ホトケノザとよく間違われます

(はやし)


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2012年03月18日

▼なかなか春らしくならず、今日もどんよりと曇ってしまいました。ヤブツバキが今を盛りに一斉に咲き出しています。気付き難いのですが、かなり高い樹もあって、上の方まで赤い花を付けていて見事です。ヒヨドリが盛んに蜜を吸いに来ています。雄しべが無くなっている花も多いのですが、これはヒヨドリの仕業なのかな。

▼菜の花の植え付けも終盤。残っていた北東側の畑に苗を植え付け、防鳥ネットで覆いました。これで一安心です。
bird_netting
苗を植え付け防鳥ネットで覆いました

▼ヤブツバキの赤い花に混じって、一本だけ白花ツバキが咲いています。既に少し花が落ち始めていますが、まだ蕾もあってこれからが楽しみです。園路際にありますが、高い位置に咲いているので気を付けないと見落としそうです。赤もいいですが、白も可憐でとても美しいです。
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白花ツバキ

(いとう)


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2012年03月14日

▼3月なのに、また寒い朝を迎えた佐野いこいの森。でも昼頃には少しずつ気温も上がり、花粉もバンバン飛びそうな気候になりました。

▼さて、先日は志なかばで終わった、菜の花畑の防鳥ネット張り。半分だけかかったネットのなかでも、ヒヨドリが葉をむしっているのを発見。畑から人の気配がなくなると、2羽、3羽…と舞い降りて、葉をむしっていきます。うーん、早く全面を覆わないと菜の花は全滅しそうです。

▼それでも、ネットを張った部分と、むき出しの部分では食害の大きさは違うようです。

▼そうこうしているうちに、新たな 網が到着。早速残った菜の花を植え付けた後にネット張り。…が、これがなかなか大変な作業に。ネットの糸が細く、ネットで畑を覆う時に菜の花の花や葉まで引っかけてしまいます。一人で四苦八苦して作業していましたが、小学生の助っ人が登場。彼らの助け(ほとんど遊んでいたが…)もあり、なんとか苗のある部分はネットで覆うことができました!

▼菜の花を楽しみにしているご近所の方も多く、早く皆さんにきれいに咲き誇った菜の花を見ていただきたいです。

(はやし)


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2012年03月11日

▼朝のうちは陽が射して明るく、ウグイスのさえずりを聞くことが出来ました。これまでずっと地鳴きだったのですが、いつ練習していたのか綺麗に鳴いていました。その後やや雲が出て来て、夕刻までにはすっかり曇って夜は一時雨も降りました。

▼菜の花の植え付けを再開しました。鳥避けにネットを用意してもらったので、その上に掛けました。ただ、まだかなり網が足りないようで、一部にだけで終わりました。来園していた子供たちにも手伝ってもらいました。
bird netting
ネットが足りずビニール紐も足した

▼佐野いこいの森の東西にある入口には、御影石で出来た六角柱のサインがあります。でも彫られた文字は見難く、なんだか墓石のようでした。そこで、この彫文字をパステルグリーンに塗ってみることにしました。どうでしょう。かなりハッキリと明るい印象のサインになったと思います。これで、閉園時にも存在をアピール出来そうです。
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サインの彫文字をパステルグリーンに

(いとう)


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2012年03月07日

▼今日も終日曇りでしたが、気温は高く15℃以上。園内では遅く咲いたヤブツバキがもうぼたぼたと花を落とし始めました。
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堀の中にも浮いていました

▼畑の中や、苗圃の中にも草花が一斉に咲き始めました。目立つのはヒメオドリコソウの赤紫色とハコベの小さな白い花です。
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ヒメオドリコソウ

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ハコベ

少しですが、オオイヌノフグリも青い花を咲かせていました。近くをアリが歩いているのも見かけました。ニホンミツバチの姿も少し見かけたので、春になったなぁと感じました。ミチタネツケバナも小さな花を付けています。
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畑の脇で咲くオオイヌノフグリ

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アリも地表を数匹歩いていました

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ミチタネツケバナ

▼残念ながら、平日の日中は西側で道路工事中で、人しか通れなくなっています。交通整理の方がやさしく案内して下さいますので、注意してお入り下さい。
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西側は日中道路工事

先日お伝えした足跡ですが、監視カメラに工事後タヌキの姿が映っていたので、どうやらタヌキのようです。佐野の森に相応しいモニュメントになったかも知れませんね。戸車の工事は今朝終わりました。
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通用門に戸車が付きました
(いとう)


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2012年03月04日

▼終日曇りでやや肌寒い1日となりました。どうやら昨日、正門(西側)に隣接する通用門を戸車付きに改修するためか、門扉の可動域のコンクリートを補修したようで、コーンバーで規制されていました。よく見ると、両脇にかなりハッキリした足跡が残されていました。どうもネコかタヌキのようなのですが、眼を凝らしても爪痕(つめあと)が無いので、ネコではないかと思われます。ネコは爪が引っ込むので足跡に爪痕がありません。ただ、非常によく似た足跡なので、もう一度確認してみたいと思います。
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生乾きのコンクリート面に足跡

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点々と並ぶ足跡

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爪痕が無いのでネコかな…

▼千葉県松戸市から、『遊歩会』の方々34名が来園されました。由来と樹種について解説致しました。どんぐりが開花した翌秋に実ることや、モチノキの樹皮からその昔は鳥黐(とりもち)を作っていたことなどに、興味を持っていただきました。季節を換えてまた来ていただけると良いのですが。

▼29日の雪の日に少年が1人で作った雪だるまは、もうこんなにやせてしまいました。春の雪ははかないですね。
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ただの黒い団子になってしまった

(いとう)


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2012年02月29日

▼南岸低気圧の通過に伴って、未明から春の大雪…みぞれとなりました。明けて朝になっても降り止まず、昼過ぎまでに4cm程度積もりました。昼でも気温は上がらず0℃。北から吹き込むみぞれは冷たく、訪れる方も居ませんでした。畑と森はすっかり雪景色。その雪は北風に吹かれ、木々の遮る畑の北側には積もらず黒々と土肌を見せていました。
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畑の北側は雪が積もらない

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菜の花を植える畑も雪景色

実生のドングリの幼樹は、雪の重みでしなだれていました。暖かくなったら、起こしてやらないといけないかも知れません。
幼樹倒れ
しなだれていたドングリの幼樹

▼今日はこのまま誰も来ないのだろうと思っていたら、少年が独りでやってきて、雪だるまを作っていきました。ちょっと大きくしすぎた頭の玉が胴体に載らず、小さな玉を作り直して載せて出来たのがこれです。何だかちょっと愉快な表情のゆるキャラが現れました。
snow road
四苦八苦して雪玉作りをする少年

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完成したゆるキャラ?

▼雪は木々の間を吹き抜ける風の通りに白く積もっていました。移植を待つ菜の花のポット苗にも、降り積もっていました。寒さで咲き遅れたヤブツバキは、冷たい雪にうなだれているようでした。それでも、芽を覘かせているのはニワトコです。良く見ると、花芽が出来ているのが判ります。明日は晴れて15~16℃にまで気温が上がるといいます。三寒四温。春は近付いているようです。
snow road
園路に出来た雪の白い帯

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菜の花のポット苗にも雪

niwatoko
うなだれるヤブツバキの花

niwatoko
細い葉芽が指のように包まれたニワトコの花芽

(いとう)


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2012年02月26日

▼気温は10℃近くあるのですが、陽があまり射さず厚い雲に覆われ、午後には風もやや強くなって肌寒い1日でした。
菜の花(アブラナ)のポット苗を植えることにしたのですが、先日植えた68株全てが、また酷く食害されていました。試しに3株移植してみると、それも含めてヒヨドリが食べに来ます。花芽や茎は食べませんが、上の方にある若葉もジャンプしたり茎に掴まって食べています。お陰で茎が重みで折れてしまったものもありました。
食害状況
移植したものは食害された(右は移植したばかり)

葉を食べるヒヨドリ
葉を食べるヒヨドリ

移植していないポット苗は、かためて置いておくと、その外周は食害されているものの、その内側は入れないので食べられないようでした。食べなくなる頃まで、しばらく畑への移植は中断することにしました。
菜の花のポット苗
ポット苗は外周だけ食べられていた

▼ふと気付くと、ヤブツバキが先日よりも咲いているようでした。樹に赤い花がポツリポツリと咲き出しています。ヒヨドリやメジロが花の蜜を舐めに来ています。畑の雑草も大きくなっています。どうもこの頃降っている雨(これが二十四節気の“雨水”に相当するのか…)のためのように感じます。春の兆しかも知れません。待ち遠しいですね。
ヤブツバキの花
ヤブツバキの花

(いとう)


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