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荷物を積載する自転車ツーリングに欠かせないキャリア。
四国お遍路・北海道一周などのツーリングを通じてキャリアについて感じた事を書いています。 

複数日の自転車ツーリングでテント等を持って行くとなれば、キャリアに装着したパニアバッグに入れるなりキャリア上に積むのが一般的かと思います。 
長期のツーリングともなるとキャンプ用品やその他の物も含めて20kg以上の荷物をリアキャリアに積載するのも珍しくありません。 

自転車ツーリングに持って行くキャンプ用品や、そうした用品・装備を入れるパニアバッグについての情報は数多くあると思うんですが、そのバッグや装備を支える肝心要のキャリアについての情報ってそこまで多くないと思います。

そういう私自身もお遍路を回る時に初めてリアキャリアを購入しましたが、その時はロードバイクという事もあり、取付可能なキャリアがMINOURAのMT-800Nくらいしか見つからなかったので、特に拘りもなく購入して使用しておりました。

そして北海道の時はKONAのSUTRAというツーリング車を購入しましたが、その自転車にはBlackburn社製のアルミキャリアが標準装備だったという事で、これまたあまり深く考える事もなくそのキャリアを使用していました。

そんな感じで今までキャリアについてあまり深く考えない人生を歩んできていた訳ですが、四国の時と北海道の時で使用したキャリアが違うという事で、使い勝手等の比較が出来たのと、自分の求めるキャリアとはどんな物なのか?という事が見えてきましたので、今回書かせてもらいます。

という事で前置きが長くなりましたが、もし自転車ツーリングなどに使うリアキャリアを買おうかなーと思ってる人がいましたら、参考にしてもらえればと思います。 
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左がMINOURAのMT-800N、右がKONA SUTRA2014モデルに標準装着のBlackburn社製アルミキャリア

リアキャリアの特徴として大事なポイントとしては、キャリア上部のフレーム幅、そして上部フレームの下にもパニアバッグを引っ掛けるパイプが別途あるか否か、という点が重要かと思います。

キャリア上部のフレーム幅については上の画像を見ていただければ一目瞭然ですが、左のMINOURAのキャリアの方が広いです。
BlackburnのキャリアはMINOURAに比べるとかなり狭いですね。

まずはこのフレーム幅の違いによるメリット・デメリットを書いていきます。

キャリア上部フレームの幅が広いという事は、その部分に荷物を載せる時安定しやすいです。
キャリア上に積む物といえば嵩張る寝袋やテントが多いと思いますが、そうした物を積む時に幅が広いと進行方向に対して平行(縦向き)に積むことが出来る場合が多いと思います。

逆にBlackburnのキャリアのように幅が狭いと平行に乗せると安定しません。
当然ゴム等で縛るのですが、コロコロと転がる感じになってしまい不安定になってしまいます。
ですので進行方向に対して交差(横向き)する向きで積載しないといけません。
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分かりにくいかもしれませんが上の画像では小さくした寝袋を交差(横向き)に積んでいます。

平行でも交差でもどっちでも良いんじゃないの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、キャリアの左右にはパニアバッグがあるのです。
例えば寝袋を平行に積んでいると、パニアバッグはそのままの状態で開閉できると思います。
しかし交差して積んでいると横に大きくはみ出す感じに なると思うのでバッグを開閉して中の物を出そうと思うと寝袋を一旦取り外して…という作業が必要になる場合があります。

まあキャリア上に積む物が寝袋とは限りませんし、寝袋の収納時のサイズも様々ですので絶対にそうなるとは言えませんが、キャリア上部のフレーム幅によって荷物の積載方法は変化する可能性があるという事です。

じゃあフレーム幅が広い方が良いね!と言うとそう単純でもなく、幅が広いと今度は荷物を積載して走行しているとキャリアが左右にしなります。

MINOURAのキャリアを使っていた時はリアに約20kg程度積んでいたと思うんですが、上り坂で軽くダンシングすると車体の振れに合わせてキャリアが左右にグワングワンと遠心力を伴ってしなるのですぐに「これはマズイ」と悟りました。
お陰様でお遍路から帰ってきた私は上り坂でダンシングする時、全然車体を振らないフォームになっていました。

この時はリアキャリアに荷物を積んでツーリングという経験自体初めてだったので「これが普通」と考えていたのですが、 北海道の時にBlackburnのアルミキャリアを使用してみて驚きました。
全然左右に振れません。しなりません。

リアキャリアに積載している重量は確実に北海道の時の方が重たいのですが、軽く車体を振って走行しても全然しならなかったのです。
もちろんしなりが完全に無い訳ではありませんが、走行中ストレスになるような事はまったくありませんでした。

という事でフレーム幅の違いについては「広い方が荷物は積載しやすいが、しなりに弱くなる場合がある」という事を考えてもらえれば良いかと思います。

実際MINOURAのキャリアについてはAmazonレビュー等で「折れた」等の報告がけっこう見受けられます。
お遍路1500km走って問題なかった身としては、しなりに気をつけながらだと問題ないとは思うんですが、まあしかし走行中ストレスになってしまうのは否定出来ないかなと言う感じです。

次は上部フレームの下にバッグを掛けるパイプが別途あるか否かとい点についてです。
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これは上の画像で赤丸で囲っているパイプの事です。
MINOURAのキャリアにはこのパイプがありませんので上部フレームにバッグを掛けるしかありませんが、 Blackburnのキャリアは赤丸で囲ったパイプにも掛ける事ができます。
Blackburnのキャリアはバッグの取り付け位置が上段と下段で選べるという事ですね。

で、上段と下段を選べてなんの意味があるのか?というと、まず荷物の積載性が変わります。
MINOURAのキャリアの場合、上部フレームに何か物を積む時パニアバッグが左右にあるので大きくはみ出した状態で物を積みにくいですが、Blackburnのキャリアの場合は上部フレームより少し下がった位置にバッグを取り付ける事ができるので、左右にはみ出して物を積みやすいです。
(その代わり先程言っていたバッグが開けにくい問題が発生しますが)

そしてバッグの取り付け位置が下がるという事は重心も下がるという事です。
重心が下がると例えば下り坂でのカーブ等で必要以上に車体が振れませんので安定します。

まあツーリングの場合そこまで速度を出さないとは思いますが、車体の安定性=安全性にも繋がりますし、また些細なレベルではありますがストレスも軽減されます。

丸石のエンペラー等によく装着されているNITTOのキャンピーはかなり低い位置にバッグを取り付けられるようになっていたりと、長期間・長距離を走る前提のランドナーやツーリング車に装着される事を想定しているキャリアはそうした工夫が見受けられます。

という事で上部フレームの下にもバッグを掛けられるパイプがあるキャリアの方が良いです。
当然このパイプは補強にも役立っていますので、キャリア自体の剛性も上がります。
Blackburnのキャリアだと左右のしなりが無かったというのは、単に幅の違いだけでなく剛性面の違いもあるのだと思います。

あとキャリア選びでポイントとなるかなと思うのは以前にも書いていますが素材についてです。
現在キャリアの素材として主流なのはアルミ合金かと思います。
軽くてそこそこ強いという感じですね。
鉄の場合ですとアルミに比べて強度は上がりますが錆に弱いのと重たくなるというデメリットがあります。

しかし鉄ですと溶接が容易です。
北海道の時もMINOURAのMT-800に自分でパイプを増設して使用している方と出会いました。
アルミですと個人では中々溶接して改造するという訳にはいきません。

あまり無いと思いますが、鉄ですと万が一ツーリング中に破断してしまった場合でもそこら辺の板金屋さんにでも持って行けば溶接してくれると思います。
アルミだとアルミ溶接可能な設備が整っている場所を探さないといけないので中々難しいかと思います。

ちなみに世界を股にかけるような自転車野郎は鉄キャリアを使用する場合が圧倒的に多いです。
やはりアルミに比べて強度がある、そして壊れてしまった時に修理できる可能性が高いという点が重要なのですね。
重量は度外視という感じでしょう。

で、じゃあ私にとって理想のキャリアはどんなのか?というと…
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これです。
というかむしろもう買いました。
(まだ届いてないですが)

キャリア界のボス的存在と以前にも書いていたドイツが誇るキャリアメーカーTubusのCosmoというキャリアです。
他社だと耐荷重は10kg~20kgが一般的ですが、このTubusのキャリアはMAX40kgという圧倒的な耐荷重性能を持っています。
そして適度なフレーム幅、そして当然バッグを下段にも掛けられるようパイプがあり、素材はステンレススチール。

鉄じゃないんかい!って声があるかもしれませんが、ステンレスは鉄と同様に溶接が容易ですので万が一の場合は修理できる可能性は高いです。

ステンレスは鉄よりもさらに強度があり、しかも錆にも強い。
(クロモリと比較すると規格にもよりますが引張強度はクロモリの方が強い場合もあります)
しかしステンレススチールは基本的に鉄よりもさらに重たいのです。
ですが、このCosmoというキャリアは同じTubusのLogo Classicというクロモリキャリアとほぼ同じ形状なのですが、なぜかカタログ上ではLogo Classicより少しだけ軽いのですね。
(Logo Classicも耐荷重はCosmoと同様の40kgです)

このCosmoはTubusのキャリアラインナップの中でもトップモデルと位置づけされているので重量面でも妥協していない事が伺えます。
しかしなぜかこの商品は日本では取り扱いがなく、国内で購入する場合は割高な並行輸入品か、もしくはイギリスの通販サイト等で購入するしかありません。
Logo Classicは普通に販売されているんですがね…
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Logo Classic参考画像
価格はイギリス通販サイトwiggleにて現在の為替レートでCosmoが17,000円程度でLogo Classicが13,000円程度でした。

Logo Classicのフレーム幅は最大部分で100mmですがCosmoは120mmです。
MINOURAのMT-800Nのフレーム幅が135mmなので120mmという横幅はサイズはちょうど良い感じです。

ちなみにディスクブレーキ車の場合要注意なのですが、各社から様々なリアキャリアが販売されていますがディスクブレーキ車対応キャリアはかなり限定されます。
Tubusの場合は別途ディスクブレーキ車用の取り付けキットがあるので大丈夫ですが、他のメーカー場合そうした物が用意されているか確認が必要です。

例えばTOPEAKのキャリアの場合ですとディスクブレーキ車専用設計キャリア等は用意されていますが、専用設計以外のキャリアをディスクブレーキ車に取り付けるキット等は用意されていなかったと思います。
ですのでそうした事を確認せずにキャリアを購入してしまうと取り付けできない場合があるので十分注意しましょう。

という事でキャリアについて色々と書かせてもらいましたが、キャリアというのは試してみるということが中々出来ません。
実際の使い勝手なんていうのは買って使ってみるしかないのではありますが、それでも今回挙げたポイントを参考に してもらえれば少しは良い買い物が出来るかもしれません。

という事で皆様が良いキャリアに出会えますように。