2008年02月07日

ニャントロ星人・15 〜世界は時々美しい(紅い蝶々)〜

「実は、そろそろお前には話さなきゃならんことがある」


「ん、ふぁに?あらたまっへ?」


「・・・・ハミガキ終わってからにする」


「んあ」


「・・・・」


「はいっ どうぞさあこいっ!!」


「何のテンションだそれ、、、実はな、俺は宇宙人ではない」


「・・・・何言ってんの、今更。知ってるよ、ぬいぐるみでしょ」


「だぁぁーーれがぬいぐるみだっ!!人の話を真面目にきかんかっ!!!」


「わちゃ、ごめ、コラ、まくらを踏むな!」


「むぅぅ・・・なんて緊張感のないやつなんだ!!」


「あぁ、ごめんってば(だってその身なりとキャラじゃねぇ)で?? 宇宙人でないなら何?」


「正確には、半分宇宙人だ。残り半分は死んだ人間の魂で構成されている。というよりも俺達の身体が入れ物みたいなもんなんだ」


「はぁ??つまりもともと人間っていうこと??」


「今喋っているこの身体・意識は俺固有のものだ。しかしニャントロ星人としてその存在を定義義付けている・・・つまり、バッテリーのようなもの・・は、ニンゲンの魂なんだよ」


「んんーー、で、何でそんなことになってるわけ?」


「一番最初に言ったよな?『ニャントロ星人は地球の害悪たる人間どもを殲滅するために舞い降りた天使だ』って」


「うん、つかその台詞やっぱし緊張感ないわー」


「黙って聞かんかっ!!それで、問題は何故ニンゲンを消そうとするかの目的についてだ。それを最も望んでいるのはニンゲン自身だからさ」


「あんたの中に入っている人間の魂が、それを望んでいるってこと?」


「ああ、俺の中にあるのは4歳の男の子の魂だ」


「4歳の男の子が人間を滅ぼしたいって願うってこと!?」


「こいつは、フリーターの男と高校生の女の間に生まれた、いわゆる“出来ちゃった婚”ってやつだ。両親の反対を押し切って出産、ドラマチックな入籍をしたはいいが、ペット感覚の子育てには1年と経たず飽きたようだな。父親はパチンコと女遊びに明け暮れ、母親はストレスから夜の街でドラッグに手を出した」


「・・・・・・」


「それからの生活というのは言うまでも無く悲惨なものさ。最終的には父親―――こう呼ぶのはどうかと思うが、そいつの機嫌を損ねて虐待・部屋で放置され死亡。こいつが痣だらけで発見された時、両親はカラオケボックスにいた。イマドキよくある話だろ?」


「・・・・・・・だから、人間全てを恨んでるの!?親の愛情も知らずに育って、絶望の中で死んでいったから!?・・・・だれも助けてくれなかったから・・・?」


「こいつは別に両親を恨んではいなかった、というよりも恨みきれなかったんだ。子どもってのはどんな仕打ちをされてもそんなもんなんだよ。ただ、漠然とした この世界に対する悲しみ・寂しさ・憤り・絶望 そんな痛みの感情たちだけは置いてけぼりになった。その器となったのが俺らというわけだ」


「・・・・ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


「お前は優しいんだな」


「そんなことない!私は・・・ 私はその子に何もしてやれなかったし、悩んでる友達にも、世界中で苦しんでいる人達にも何もしてやれない、それに きっと私が生きているだけで たくさんの人を傷つけてる。無価値で醜いニンゲンなんだ!!」


「それでも、コイツはお前に救われたんだ」


「・・・??」


「お前と過ごしたこの短い期間で、人間に対する絶望から 救われたんだ。『人間は救いようのない生き物』『人間には生きる価値などない』そう悲痛な叫びをあげていた魂は お前の傍にいることで幸せを感じた。傷つけあう痛みを 許しあうことを知った」


「そんなこと。。。」


「俺はいつもお前にちょっかいをかけて、憎まれ口を叩いていた。それは 多分、俺の中のコイツの『構って欲しい』という甘えでもあったんだ、ちょうど、生まれたときの母親と同じ年齢だったからかもしれんがな。――――だから 俺ももう ニンゲンを滅する必要もない。       ニャントロ星人ともお別れだ」


「そんな、いきなり言われても・・・・・・・・・・って、痛いイタイイタイイタイ!!!!!シリアスなシーンでいきなりお尻を噛むってどういうこと!?」


「ケケケケ、流行ってんだろ?おしりかじりなんとか」


「そういう問題じゃ・・・て、ちょっと、くすぐる・・ひゃ・・にゃははは!!そこは、くすぐったい!!!」


「フン」


「も、もう、わっけわかんない!今までのは冗談とか言い出すじゃないでしょうね!!」


「お前には感情がある、怒るし笑うし悲しむ。生きている。ただし社会の不条理に見て見ないフリはするな、無責任な笑顔で自己満足をするな、人の悲しみに向き合って受け止めて それでもなお絶望の中で 笑える強さと 寄り添い許しあう優しさを持て」


「難しいよ・・」


「大丈夫。俺様がいなくて寂しい時は、トリアスで買い与えたかぴばらたんのぬいぐるみにモエモエしながら話しかけるがいいわっ!」


「あれアンタが欲しいってダダこねるからお母さんに買ってもらったんでしょ」


「ケケケ。じゃ、ほんとにさよならだ、・・・・・・ありがとう」


「ちょっと待って!!あたし、あたしは・・・・!!!」


===========
続かない



いまじん
フリーCD-R『Joy-Box』
http://www.joy-box.info/


imagine001 at 18:06コメント(2) 

コメント一覧

1. Posted by 捨てねこ   2008年02月11日 22:30
5  がんばって書いてますね〜
 いまじんさんっぽい
2. Posted by いまじん   2008年02月23日 16:34
すいまへん コメント気づくの遅れました!!
えーと貴女はもしかして。。

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