今泉昌一の 私事時事

弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

おひとりさまの観桜会


 昨日は、「人間到処有桜花」だなんて強がりを言ってはみたが、今日の陽気と花の誘惑には勝てなかった。念願かなって、桜祭りで賑わう弘前公園に行くことができた。
 といっても、木の下にシートを敷いて一杯、出店を素見してまた一杯、というのではない。いくつか調べ事があって市役所まで歩くのに、ちょっと遠回りをして、東門から追手門までの間を通り抜けただけだ。
 平日だというのに、随分と人が出ていた。各地各国から、弘前を訪れてきていることが嬉しい。今年は桜祭りが始まって100年目ということで、いくつか新しい試みも行われている。その効果もあるのだろう。
 ちょうど杉の大橋にさしかかった時には、眼下を、観光船が通り過ぎていった。定員オーバーではないかと思われるほどの、大勢の人が乗っていた。落語の「佃祭り」には、渡し船が、あまりに客を乗せ過ぎたため転覆し、乗員全員が死んでしまうというくだりがあった。そうならなければいいが・・・。
 この”中濠観光船”の船頭さんは、遠く柳川から、本場(?)の方に来てもらっているそうだ。市役所で偶然会った観光部長が教えてくれた。そうであれば、やはり落語の「船徳」のようなことにはなるまい。一安心だ。
 今年から導入された人力車ともすれ違った。年配の女性と、その娘さんらしい方が、二人であずましそうに乗っていた。昨年、浅草で見た心理記者と違って、引いているのも年配の方なので、ゆっくりとゆっくりと進んでいた。観桜会には、あれくらいのテンポがよく似合う。落語の「反対俥」のような車夫なら大変だ。
 「ポケモンGo」をやってるカップルもいた。僕は、すっかり飽きてしまって、もう何か月も開いていない。思い出してやってみようかとも思ったが、さすがに、スーツにネクタイを締めて、あの人込みの中でポケGoをやるには、気恥ずかしさがあって思いとどまった。僕も大人になったものだ。
 本庁者も介護福祉課で用を足して、次は商工政策課のある茂森庁舎に向かうため、市役所の玄関を出た。いきなり視界に入った、外堀の桜と緑の松越しに見える岩木山の素晴らしさに、心を奪われた。本当に、この季節の弘前は、街の中全てが絶景だと思う。
 酒も団子もない、束の間の、そして一人きりの花見だった。でも、充分に満喫して帰ってきた。

 追悼
 三遊亭円歌師匠が亡くなられた。追悼の意味を込めて、きょうは、落語のネタをいくつか本文でも使った。
 師匠が”歌奴”時代の「授業中」は、今でも忘れられない。小学校の頃だったと思う。あれで、カール・ブッセの詩を覚えたものだった。今でも暗誦できる。落語の力とは凄い。
 また一人、昭和の名人が旅立たれてしまった。合掌。
 
 

読書人倶楽部のガラス越しに


 絶好のお花見日和なのである。午前中に、アップルウェーブに用があって土手町通りを歩いたら、公園へ向かう車が、長~い列を作っていた。土手町は、パークホテル前の交差点から、一番町坂上の田中屋前交差点までは、公園方向に向かって、2車線とも、一方通行なのである。 左右どちらの車線を走ってもよい。ところが、県外から来た車はそれを知らないのか、左車線だけが渋滞する。毎年見られる珍風景だ。
 そんな好天にもかかわらず、僕は、今日も、午後から読書人倶楽部に詰めた。毎回書いているように、日曜日は原則的に、僕はここにいることになっている。
 さて、その読書人倶楽部からのお知らせである。弘前読書人倶楽部では、来週の日曜日に、恒例のブックトークを行う。
 今回は、元弘前大学教授の、ウェスターホーベン先生をお招きする。先生は、僕が弘前で本屋の仕事に就いて間もない頃、太宰治の「津軽」を英訳され出版した。当初は、僕の店で、独占販売させていただいてたように記憶をしている。ただ東京の問屋から送られてきた本ばかり売るのではなく、そのような地域の資源に付加価値をつけた書籍の販売に携われることを、当時、とても誇らしく思っていた。
 数年前、弘前ペンクラブの総会で、その時以来、本当に久しぶりに、先生とお会いした。いや、きちんと挨拶を交わしたのは、初めてだったかもしれない。
 でも、おずおずと「英訳 津軽」の話を出したら、先生は”今泉”の名前を、しっかりと覚えていて下さった。嬉しかった。 
 その後も先生は、谷崎潤一郎や三島由紀夫、村上春樹等、多くの日本文学を英語やオランダ語に翻訳し、海外へ発信しておられる。今回のブックトークでは、そういったお話を詳しくお聞かせ願えるのではないかと期待している。
 などというブログを書きながら、陽気な春の一日を、読書人倶楽部の中で過ごした。明日以降も、何やらかにやら予定が詰まっている。今年は、日本一の弘前公園の桜を愛でることができるのだろうか・・・。
 029と、倶楽部のガラス戸の外に目をやると、朝暘橋たもとの枝垂桜が目にとまった。近所の第一中学校の生徒が植えたもので、「紅とんぼ」という名札も立てられている。
 植物音痴の僕には、この「紅とんぼ」というのが、品種の名前なのか、それとも生徒たちの思いが込められた固有名詞なのかはわからない。ただ、真っ先に、ちあきなおみの同名の名曲を思い出すところが、いかにも僕らしい。
 この写真は、ひっきりなしに続く車の流れが途切れる瞬間を狙って、ガラス越しに撮ったものだ。だから、色合いはよくないが、実物は、もっともっと鮮やかなものだ。まだ蕾だが、濃いピンクに、すっかり色づいている。
 021読書人倶楽部から川沿いに歩いて5分ほどの徒橋のたもとにも、こんな桜が咲いている。
 いいんだ、いいんだ、公園まで行かなくたって、花見はどこでもできる。「青山」ならぬ、「人間到処有桜花」だ。(7357)

桜も見ずに


 弘前桜祭りが始まった。本州最北のこの地域も、いよいよ春本番を迎えることになる。道行く人も、どことなく浮き浮きしているように見受けられる、そんな季節だ。
 ところが、僕はと言えば、花見どころか、今日は午前中から夜の9時まで、読書人倶楽部の中で過ごした。一応、市政に携わる人間の端くれとして、僕にも、開会式の案内は来ていたが、それにも出席できなかった。
 まずは、数日前突然、W君から連絡が入った。22日に弘前に行くから、「走れメロス音楽祭」の打ち合わせをやりたいとのことだった。彼は、東京在住で、そうそう頻繁に弘前に来られるものでもない。せっかく来るのであれば、その機会は有効に使いたい。
 ということで、読書人倶楽部に、4人ほど集まって、事務的な諸事項を協議した。本番は6月25日である。そろそろ、細部まで決めていかなければならない。
 午後は、IT美少女Sさんに来てもらっての、パソコン・スマホ講習会である。僕は、何かわからないことがあると、全て彼女に頼っている。でも、Sさんにも仕事があって、いつでもいいというわけにはいかない。お互いの予定を調整した結果、今日になった。忙しい中、無理くり時間を作ってきてもらった。おかげで、問題が一つ解決した。
 夕方からは、中学校の恩師の教え子達の会。以前にもこのブログで紹介した「ひこばえ塾」だった。今回は、第1回東奥文学賞を受賞した若手女流作家のSさんにチューターをお願いした。
 Sさんは、太宰治が荻窪時代に下宿した”碧雲荘”が、区によって取り壊され、大分県の湯布院に移築されるまでの経緯を中心に話をされた。そして、文化的な遺産を、後世に残し伝えていくことの価値を、熱く訴えた。
 弘前市でも、太宰治が、旧制弘前高校在学時に下宿をしていた家が、一時、都市計画道路拡張のために、取り壊される寸前までいった。そこで、当時の弘前ペンクラブの会員を中心に、保存のための市民運動を展開し、行政の理解も得て、若干の移動はあったものの、建物をそのままの形で残すことができた。それが、現在の「太宰治まなびの家」だ。そのことは、全国的にも、非常にまれな成功事例と評価されていると、Sさんは語っていた。
 文化をどのように継承していくか。建物や碑など形あるものを遺す。作品や功績等、形のないものを遺す。そしてそれらを守り伝えていく”人”も遺す。それら三つが相まって初めて、僕らは次の世代に遺産を残すことができるのではないかと、別れ際にSさんと立ち話をした。
 開会式の桜は見られなかったが、心にはぱっと花が咲いたような、充実した一日であった。(8859)
 
  

初体験 二題


 先月末来の、糖尿病強制入院事件以来、昼食には気を使っている。炭水化物を摂らないこともあれば、蕎麦屋に行っても天麩羅を付けずに、掛け蕎麦だけで済ませる。ファミレスで見つけた、糖質0の麺も何度か食した。 薄いハムレタスサンド2ピースで済ませた日もあった。
 きょうは、初めて、健康食弁当なるものを食べた。ビビンパ丼だった。567キロカロリーに押さえられているのに加え、塩分も極少なめとなっている。一口目は、味気なさを感じたが、食べているうちに、素材の味が、よくわかるようになった。
 製造しているには、E社。市内で、手広く、病院や福祉施設の給食を手がけている企業だ。社長も、青年会議所の後輩で、日頃からお世話になっている。
 日替わりで、いろいろなメニューがあるらしい。こういう弁当を毎日食べていれば、おそらく、血糖値も、大幅に改善されるだろうと思った。
 本当は、今日の夜にでも、血糖値を測ればよかった。でも、今夜は、読書人倶楽部の役員会があって、そのまま懇親会に移行した。そんな日は、敢えて、測定をしないようにしている。決して自慢気にいうことではない。どんなに、昼に節制しても、夜がこんな調子なら、全く意味はない。明日朝の、血糖値を見るのが怖い。
 もう一つの初体験は、弘前大学キャンパスにある「弘大カフェ」に入ったことだ。旧制弘前高校時代の、外国人教師館の建物内を改装して、カフェとしてオープンしたのは、昨年の6月22日だそうだから、もう一年近くなる。
 市役所脇の、旧第八師団長公舎のカフェを、海外資本のチェーン店が運営しているのとは逆に、ここは、純粋に地元の専門店が経営している。その意味では、僕としては、こちらに軍配を上げたいのだが、何せ大学の敷地内というのは、なんとなく敷居が高い。それに、駐車場が狭いし、車を停めるための手続きが面倒だ。そんな訳で、今まで入ったことがなかった。
 中は狭い。飲食スペースは、2フロアー、それもいくつかの部屋に区切られている。でも、市庁舎脇のチェーン店と違って、セルフサービスではない。ちゃんと、瀬戸物(?)のカップに淹れたコーヒーを、店員が席まで持ってきてくれる。
 2階に陣取れば、見晴らしがいいとまではいかないが、それなりに窓からの眺めを楽しむこともできる。何より、全国チェーン店にはない、落ち着いた静かな雰囲気を満喫できる。
 何故、一年近くにもなった今日まで、足を運んだことがなかったのか、ということ改めて考えた。さっきも述べたように、立地とか、駐車場の問題は、確かにある。でも、それ以上に、自分の性格が原因していると思う。
 つまり、初ものであったり、世間で流行しているものに、すんなりと飛びつくことが、とてつもなく嫌な性分なのだ。恥ずかしいと言ってもよい。たとえ何であっても、オープニングセールの開店前から、列に並ぶよう真似は、出来うるならばしたいとは思わない。皆が飽きた頃に、こっそりと行ってみる。こんなことに自己満足をするタイプなんだろう。
 要は、単なる天邪鬼なのである。この性格は、おそらくこの先もなおりそうにはない。(7996)

アニメのメッカ 


 加藤謙一に興味を抱いている。弘前出身の名編集者だ。 
 旧制弘前中学校を卒業後、教員生活を経て、現在の講談社に入社した。講談社では、初代社長 野間清治に能力を見いだされ、25歳にして、「少年倶楽部」の編集長に抜擢された。そして、その期待に違わず、編集長就任当初は2万8000部だった発行部数を、12年間で70万部にまで延ばしている。
 講談社退社後は、独立して学童社を興し、伝説の雑誌「漫画少年」を発行。手塚治虫を始め、石ノ森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫等々、多数の漫画家を世に送り出した。
 今、名前を挙げた漫画家は、いずれも一時代を画した、いわば大家(おおやではないよ)であり、現在活躍中の漫画家も、おそらく全て、多かれ少なかれ影響を受けているに違いない。つまり、加藤謙一こそが、戦後の日本漫画の産みの親であるといっても、決して過言では無い。
 それなのに、太宰治や石坂洋次郎ほどには、その名を知られていない。もっともっと、きちんと評価されるべき、偉大な郷土の先人だと思う。
 いや、かくいう僕も、以前、書店を経営していて、講談社とも取引があったので、名前くらいは知っていたが、それほど深い関心をもっているわけでもなかった。子どもの頃から漫画は大好きだったので、「漫画少年」という雑誌を舞台に、トキワ荘に集った漫画家志望の若達が、苦楽を共にしながら、夢を描いていったドラマは、いろいろな形で読んだ。だけど、その雑誌を創っていたのが、弘前の大先輩だと知ったのは、随分と後になってからだ。
 ここにきて、加藤健一を再評価しようという動きが高まっている。特に、弘前ペンクラブの会長は、加藤が、日本漫画史、日本アニメ史を彩る数々の漫画家の育ての親であることを称し、「弘前をアニメのメッカにしよう」を強く訴えている。
 僕も、その発想には賛同する。お城・りんご・桜・岩木山・白神・太宰・羯南・前川・船木等々といった弘前の財産の中に、加藤謙一の名前が加わるだけで、弘前の魅力が、更に厚みを増すことになる。弘前が、重層的な文化の街だということを、世界に対して発信することができ、交流人口の増大にも寄与できそうだ。
 それにはまず、僕自身が、もっと勉強しなければならない。加藤謙一のこと、「少年倶楽部」のこと、「漫画少年」のこと、たくさんたくさん学ぶべきことは多い。
 で、今日、読み終えたのが「少年倶楽部の笑い話」という本。勉強しようと一念発起して最初に手にしたのが”笑い話”なのだから、まぁ、僕のおつむの程度も知れようものだ。
 そして明日からは、「漫画少年物語」に取りかかる。著者は、加藤謙一の四男の方だ。
 さらに、その次は、「漫画少年」に連載されていたという手塚治虫の「ジャングル大帝」でも読もうか。いや、その前に、「少年倶楽部」で大人気となった「のらくろ」だったら、弘前読書人倶楽部にもあるぞ。・・・て、結局、最後は、漫画を読み漁ることになりそうだ。(12489)

 
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