今泉昌一の 私事時事

前弘前市議会議員 今泉昌一の  私的なはなし、市的(?)なはなし

カルタはスポーツだ


 子どもの頃、カルタ遊びは好きだった。得意な方だったと思っている。 多分、本に囲まれて育ってきたので、文字に対する感覚は早熟だったのだろう。
 大人に混じって百人一首などでも遊んでいた。もっとも、取れる札は1~2枚程度しかなかったが・・・。
 カルタ今日、和徳学区青少年育成委員会主催のカルタ大会が、和徳小学校の体育館で行なわれた。45人もの子どもたちが15チームに分かれて、優勝=弘前大会への出場権をかけて競い合った。  
 僕は、副委員長としてお手伝いに行った。初めての参加だ。カルタで遊ぶ子どもたちの姿を見たのは何十年ぶりだろう。今でも、カルタという遊びが残っていることすら、あまり認識をしていなかった。  
 競技は、3人1チームで行なう。対戦するチーム同士が、体育館の上に敷かれたマットの上に向かい合って正座して、互いに礼をするところから準備が始まる。礼に始まり礼で終わる。まるで武道のようだ。
 次に、44枚の取り札を、22枚ずつ、文字が自分たちの側から正しく見えるように並べる。あくまでフェアにということなんだろう。
 さぁいよいよ競技開始だ。読み手が読み始めるまでは、競技者は手を膝に上に置いていなければならない。あとは通常のカルタと同じ。早く手を付けた方が勝ち。その札を取る。ただしお手つきした場合は、相手の物となる。
 こうして取り札が減っていって、残りが5枚となったところで、もう一度中央に並べ直す。今度は」両手を頭に乗せて、読み始めるのを待つ。さらに残りが2枚となったら、それをまた中央に置き最後の闘いを行なう。
 1枚残ったところで、そこでゲームは終了。44枚の取り札から1枚残った43枚を、どちらが多く取ったかで勝負は決まる。だから絶対に引き分けはない。
 と、ここまで書いてきたことで、もうお気づきだろうと思う。極めて厳格なルールのもとに行なわれている。こうなるともう、遊びの領域を超え,一種のスポーツのようでもある。
 僕は審判をやらせていただいた。子どもたちが取った札が間違いないか確認する。お手つきの時の対応。ほぼ同時に両チームの手が触れた時の裁定。全く同じの時はジャンケンで決める・・・といった内容だ。
 やっていて、僕まで童心に帰ったような気持になった。僕もゲームに参加したい、むらむらと遊び心が湧いてきた。
 でも、68歳になった今、子ども相手にムキになるのも恥ずかしい。それに、正座もできないし、視力も落ちて遠くの札が見えない。きっと、本気を出しても勝てなかっただろう。あれほど得意だったカルタが、とてつもなく難しい物に思えてきた。(3179)
 

通年議会


 通念議会今朝の地元紙 T日報の政治面に、「弘前市議会 通年議会を検討」という見出しが躍っていた。僕は記事を読む前から快哉を叫んでしまった。
 改めて内容を読むと、議会改革特別委員会を設置し、その中で、通年議会実施について話し合うというものだ。特別委員会は19日に正式決定する手はずになっているらしい。昨日の保護猫政策が”半歩前進”だとすれば、こちらは大きな一歩と言ってもいいだろう。
 現在、弘前市議会は、年4回に会期が別れている。2月から3月、5月から6月、8月から9月、そして11月から12月の4期で、それぞれ開会日の本会議で会期日程を定める。1回の会期は、ならせば大体1ヶ月程度だ。1回の会期が終われば、次の開会までは”閉会”という扱いになる。
 これに対し、通念議会というのは、一年を通して議会が開かれているといった制度だ。勿論、365日毎日会議があるわけではなく、会議の無い日や期間は”休会”となる。
 「あんまり違わないじゃないか」と思われる方もいるかもしれない。いやいや、それが大違いなのである。
 例えば、これまでは、除雪等で当初予算が足りなくなった時、それが仮に億単位の金額であっても、閉会中であれば、議会の議決を経なくても市長が専決処分を行なうことができた。
 除雪であれば、市民生活に欠かせない費用だから問題はないが、以前、学校にエアコンを設置する際に、市の積算ミスで、やはり億単位の予算が不足した時があった。それすらも、ミスを棚に上げて、閉会中を理由に専決処分されたことがある。
 それが通念議会になれば、補正予算でも、何か緊急の判断が必要な時でも、市民の代表たる議会に諮って承認を得なければならなくなる。それだけ議会のチェック機能が強く働くこおとになる。
 もう一つ。議会独自の調査活動がやりやすくなるというメリットがある。これまでは、常任委員会で会期と会期の間に何か活動をしようと思えば、本会議で「閉会中の継続審査」の承認を受けなければならなかった。例えば、僕が経済文教常任委員長だった時は、商工会議所や観光コンベンション協会との意見交換会を開いたのだが、そういった事業を予め具体的に想定しておく必要があった。
 通念議会だと、閉会期間というものがないので、突発的な案件が起こったときでも、いつでも委員会を開催することができるようになる。必要に応じて、市内の様々な団体との意見交換会開催も可能になるはずだ。
 何よりも、議員一人一人の意識が変わる。通年議会だと、いつ休会が解け招集されるかわからない。記事によると、その権限は議長にあるという。つまり、議員は”常在議場”といった心構えでいなければならない。
 といった理由で、通年議会制度導入には大賛成だ。是非、早急に実現してもらいたい。今後の進展を期待を込めて見守りたいと思う。(10110)
  

半歩(?)前進 弘前市議会傍聴日記⑪


 先日、議員時代の先輩に、久し振りにお会いした。毎日、僕のこのブログを呼んで下さっているという。その先輩から「最近は猫の話題ばっかりだな」と呆れられた。
 にも拘わらず、今日も猫の話である。
 弘前市議会令和5年第4回定例会の一般質問最終日。今日のお目当ては、K産党のC議員だった。事前に入手した資料で、「動物愛護(猫)について」という質問を通告していたのを知ったからだ。
 C議員の登壇は、今日の3番目。前の2人が持ち時間の一時間近くを使っていれば、午後1時スタートのはずだった。僕はそれを目がけて行った。
 ところが、午前中の二人の内、極端に短かった人がいたらしい。C議員の一回目の質問は午前中に終わってしまっていた。僕が傍聴席に着いた午後1時には、いきなり理事者側の答弁から始まった。  
 早く終わった議員が誰かはわからない。ただ、市民から付託された1時間という質問時間の8割も使えないような問題意識しかないのであれば、議員としての資質が問われかねない、と僕は思う。  
 が、今日の本題はそれではない。猫である。
 といったわけで、C議員の質問を聴くことはできなかったのだが、理事者の答弁から推察すると、どうやら多頭飼育崩壊について尋ねたらしい。その答弁では、この春に、多頭飼育崩壊もしくはその危険性のある家庭を、市が独自で調査したようだ。それによると8世帯。だいたい3匹から6匹を飼育しているらしいとの事だった。
 甘い。そんなもんじゃない。現に僕らの保護猫の会の会員には40匹を飼育している人もいる。その調査だけで、現状を把握できたなんて、決して安心してもらっては困る。  
 また、県の愛護センターの調査によると、弘前市においては、令和4年度、多頭飼育崩壊で引き取った猫は8件で132匹、令和5年度は10月までで、2件の33匹だったそうだ。しかしそれも、県が引き取った猫の数だけで、県に通報されず野良猫化した数とは隔たりがあるのかもしれない。
 弘前市は、基本的には、県のマターだという姿勢は変わっていない。「県の愛護センターと連携して」とか「県の施策に協力して」なんてフレーズが、答弁の中に散見された。
 でも、一つ目新しかったのは、これまで無かった市の相談窓口を環境課に設置することになったということだ。そこから、市役所内の担当課や県の関連部署、あるいは民間の関連団体等へ、相談を繋いでくれるという。
 昨日、やはり保護猫のことで質問をしたE議員は、その点については「半歩前進だ」と評価していた。せっかちな僕には、半歩に値するのかどうかはわからない。が、確かに前に進んだことだけは確かだ。
 願わくば、「365歩のマーチ」にあるように、♬三歩進んで二歩戻る♬ ならぬ♬半歩進んで二歩戻る♬なんて事態にならぬよう、市の積極的な取り組みをお願いする次第だ。
 僕は、議員時代には、けっこう色々なことで、ズバズバと苦言を呈してきた。が、決して何でもかんでも反対していたわけではない。逆に、積極的に賛同し協力をしてきた市の施策もある。今回採り上げられた”猫”の問題でも、市が具体的な施策を打ち出したなら、いくらでも協力は惜しまないつもりでいる。(6900)

ご不浄の話 弘前市議会傍聴日記⑩


 ”トイレの洋式化 ”と言えば、つい数年前までは、弘前市議会ではもっぱら学校トイレのことが議論に上っていた。和式のボッチャントイレだと、子どもたちが怖くて用がたせない、なんて話が大真面目で話し合われていた。お陰様で、学校では順調に洋式化が進んでいるやに聞いている。
 弘前市議会令和5年第4回定例会一般質問3日目。今日は、体育施設のトイレの洋式化のことが話題となった。会派弘前さくら未来のNa議員が採り上げた。
 答弁によると、弘前市が管理している体育施設は、屋内・屋外を合わせて全部で27施設。119の大用トイレがあって、そのうち洋式のものは68。率にすると57%なのだそうだ。
 この数字が高いのか低いのかはわからない。ただ、利用者数の多い施設においては、「少ない」という声が上がっているのも事実のようだ。
 僕はと言えば、それはもう断然洋式派だ。何せ膝が悪い。正座はおろか胡座すらかくのも難儀をしている。ましてや、トイレで長時間しゃがむなど、拷問に近い。
 今でこそ、弘前市役所の議会フロアのトイレは洋式だが、僕が議員になった当初は和式だった。だから用をたすときは、わざわざ道路を隔てた観光館や図書館のトイレまで駆け込んでいたものだった。
 膝を悪くしたのは、もう25年くらい前、左の半月板を削除してからだ。実はその前から、洋式トイレを好んで使っていた。
 ルーツは小学5年生の頃である。海外旅行から帰ってきた父親が、和式便座の上に椅子を置いて使い始めた。それが実に使い勝手が良かった。なんてったって、長時間個室に籠もって漫画や新聞を読んでいても疲れない。その頃から、トイレでの読書がすっかり癖になってしまった。今も、自室の前のトイレには、プロレス雑誌のバックナンバーが高々と積み上げられている。  
 そんな訳で、施設のトイレの洋式化には両手を上げて賛同する。ただ、今日の質問は、あくまで”体育施設”に限ったものだった。どうせなら、文化施設やコミュニティー施設・教育施設・公衆トイレにも踏み込んで質問をしてもらいたかった。
 それから、市の施設とは関係ないのだが、最近、男子用トイレで、「小用でも座ってして下さい」と書かれた紙を貼っている居酒屋やコンビニを見かけるようになった。衛生上の理由なことはわかるが、なんとなく釈然としない。
 立って放出する時のあの開放感は、男性の特権だ・・・などと言ってしまえば、LGBTの人たちから叱られるんだろうなぁ、きっと。(7415)

城巡り


  昨日のブログで、「つい8ヶ月前まで市政に携わった身として、そして今も市政に深く関心を寄せる人間として、出来うる限り傍聴に行きたいと考えている・・」なんて大口を叩いておきながら、今日は議場にも行かず、東京から来た学生時代の友人を車に乗せて名所案内をしていた。まぁ、観光振興という大義名分(?)に免じて許していただきたい。 
 鰺ヶ沢まず向かったのが「鰺ヶ沢城」。というのも、その友人というのが大の城マニアで、日本百名城や続百名城はほぼ全城踏破したという強者だ。前回弘前に来たときは堀越城と高岡の森ひろさき版歴史館を案内した。
 その彼のリクエストが鰺ヶ沢城だった。恥ずかしながら、僕は行ったことがない。行ったって城郭や石垣が残っているわけでもないだろうし、そんな規模も大きくないだろうと、正直言って、あまり乗り気ではなかった。そこよりだったら、種里城の方が面白いよと、友達には再三伝えてもいた。
 弘前から車で50分ほど。道に迷いながら、ようやく辿り着いた。
 それが意外とナイスなスポットだった。確かに城に相応しい高台の上にあるし、なんと言っても見晴らしがいい。日本海を一望することができる。天気の良い日には、目のいい人だったら、遠く北海道も見ることができるらしい。ここからだと、どこから敵が攻め込んでいきたって、すぐにその全容を把握することができるだろう。
 城マニアの友人も、いたく感心していた。続百名城の中には、ここよりも小規模でしょぼい城もあるとか。もっと整備して観光地として売り出せばいいのにと言っていた。身近にもまだまだ隠れた観光の種があることを思い知らされた。
 次に向かったのは種里城。弘前藩藩粗津軽為信の5代前にあたる、大浦光信の築いた城だ。毎年10月8日には、鰺ヶ沢町主催で「光信公慰霊祭」が行なわれている。僕も津軽厚志会の一員として、今年も参列をしてきた。謂わば、守備範囲の内だ。
 さぁ、張り切って案内しようと行ってみたら、石段の登り口に鎖が貼られていて、それにもめげず
上っていったら、資料館にもなっている館の玄関は、雪囲いの板で塞がれていた。見ると、11月1日から4月30日までは冬季閉鎖とある。がっかりして帰ってきた。
 午後は、太宰治の生家「斜陽館」。これも友人のリクエストだ。
 えっ、タイトルは「城巡り」となってるけど、そこは城じゃないのではって? いやいや、その辺の小さな城よりも、ずーっと立派な威容を誇る、大富豪津島家の謂わば居城だったのだ。
 こうして、友人のお陰で、初冬の津軽のドライブを満喫することができた。明日は初心に返って、一日中ではなくても、議会の傍聴に行こうと思う。(6915)
 
  
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